黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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実家に帰省しました

20

「れーくん、です」
「いっくん、だ」


・・・僕は何故か委員長様と副委員長様に愛称呼びを強要されている。委員長様、副委員長様、って呼んでるのを他人行儀だって言われたので、東雲先輩、椿先輩、って呼び直したら静かに首を振られてしまったのである。

2人共、笑顔なのに何故か圧が強いんだよねぇ。


『れーくん、せんぱ・・・』

「れーくん、ですよ、姫」


ひぇ。有無を言わせぬこの感じ・・・強い。


『れ、れーくん・・・?』

「はい、姫」


おぉ・・・すっごく嬉しそう。


「次はいっくん、だ」


うん、これもきっと先輩って付けたら咎められるやつだよね。ええぃ、ままよ!


『いっくん!』

「おう!さんきゅーな、姫さん」


2人ともとぉっても良い笑顔です。喜んでいただけたようで、何より・・・?


こうして僕に新しい仲間が加わりました、ちゃんちゃん!


・・・・・・これ、学園でも続くのかなぁ。僕はすこぉし不安です。



✱✱✱




「遥!お待たせ。我儘言ってすまないね。ありがとう」

『んーん、約束してたしね!僕は雪兎と待ち合わせできて嬉しいだけだし。ね、行こっ!』


不審者騒動も無事解決して数日経った今日は、すっごく楽しみにしていた4人で遊ぶ日っ!こないだのパーティーで雪兎と約束した通り、雪兎は変装せず王子様のまんまで待ち合わせ場所にやってきた。うん、キラキラしてる。

1人で行くのは少し心細いと言う雪兎の為に、最寄駅で先に合流して待ち合わせ場所まで一緒に行くことにしたんだ。心なしか雪兎が緊張して顔強張ってる気がしたので、わざと明るくにっこり笑いながら2人で歩き出す。


僕の様子を見て少し気が抜けたのかさっきまでの強張った顔は少し緩み、今日は楽しみだね、と笑ってくれた。良かったぁ。そりゃびっくりはするかもしれないけど、別に今まで変装してましたって言ったって2人は怒らないと思うんだけど、やっぱり本人は緊張しちゃうんだろうね。


待ち合わせ場所の駅からすぐ近くにある広場に着くと、そこにはもう既に隆も律も待っていた。心の準備も必要だよね、と雪兎とは早めに待ち合わせしたのに、2人ともめちゃめちゃ早くない?僕びっくり。まぁでも2人いっぺんに話せるんだから手間が省けたってことでいっか!


『雪兎、大丈夫?』

「う、うん。少し緊張しているけど、大丈夫だ。ありがとう遥」

『そっかぁ。・・・じゃあ1回深呼吸してから行く?』


緊張と言えば深呼吸かな?って思って割と軽く言った僕に対して、神妙に頷いた雪兎は律儀に深呼吸をして、よし!と気合を入れていた。ちょっと可愛いよね。


『隆~!律~!久しぶり!』

「おー!久しぶりだな、遥。会いたかったよ」

「遥ー!!久しぶり!元気だった?」

『元気だったよ!僕もみんなに会いたかったよー!それでね、この王子様みたいな人ね、雪兎だよ!』


当たり前だけど、僕の後ろにいる雪兎を雪兎だと認識していない2人は僕に挨拶してくれた。2人と会うのは終業式の時以来だったから僕もテンションが上がってしまう。その勢いのまま突っ走った僕の言葉に、隆も律もポカンと雪兎を凝視した。


「お、おはよう。俺、今まで変装していて・・・これが本当の俺なんだ。友人なのに今まで隠していて申し訳なかった。その・・・これからも、仲良くしてくれるだろうか・・・・・・」


眉をしょぼんと下げてそう言う雪兎に、隆がペシリと軽く頭をはたいた。

「何当たり前の事言ってんだよ。別に気にしてねぇから謝んなくていい」

「そうだよ!最初はやべぇ非王道転校生が来たって思ったけど、雪兎いい奴だもん。見た目なんて変わっても気にしない。・・・それに毬藻頭の転校生の正体は美形って定番だしな。むしろありがとうが過ぎる」


隆に頭をはたかれポカンとしていた雪兎は、ジワジワと頬を緩ませてから首を傾げた。ちなみに僕も隣で首を傾げている。


「ありがとう、2人とも。嬉しいよ。しかし律が言っている意味がよく分からないんだが・・・どう言う意味だ?なんで俺はお礼を言われたんだ?」


「あー・・・、雪兎も遥も律の言った事はスルーしてもよし。俺が許す。しかし訳ありなんだろうなって思ってたがこんな顔を隠してたなんて驚いた。お前、チョイチョイ言葉遣いとか素が出てたぞ」

「なんでだよ!これはここぞとばかりに王道学園のプレゼンをする所だろ!!・・・まぁいいや。でも確かに雪兎、普段はだぞ!とか言ってるのに急に、すまない、とか口調が変わってたもんな」

「そ、そうだったのか!?完璧に隠せているつもりだったのだが・・・それはなんだか悔しいな」

『そういえば僕も雪兎の話し方違うなって思う時あったかも!全然深く考えてなかったけど』

「遥らしいっちゃあ遥らしいな」


苦笑した隆に頭を撫でられた。ふむ、隆の手久しぶりだけどやっぱり心地よくてニマニマしちゃう。


「ね、とりあえず移動しながら話そうよ。顔が良いのばっかり揃ってるからそろそろ視線が痛いんだけど」


そう苦笑して言う律。そういえば確かに見られてる気がする。桜華学園に入ってから視線耐性が身に付いた気がする。全然気にならなかったもん。


隆は無地の白Tに黒のスキニーを合わせているだけなのに、めちゃくちゃ絵になってる。格好いい。律はグレーの緩いTシャツに黒のスラックスをゆるっと着ていて、なんだか凄くオシャレさんでめちゃくちゃ似合ってる。格好いい。雪兎は黒シャツに白のスキニーで、王子様から色気が噴出してる気がする。格好いい。


うん、僕のお友達、格好いい人しかいなかった!


ちなみに僕はこないだ琥太が選んでくれたコーディネートそのまま着て来てきた。ちょっとだけシルバーアクセサリーもつけてる。

夏休みに入ってからはずっとピアス解禁してたから、今日もフルでジャラジャラ付けてるけど、誰にもつっこまれないからピアスやめてたの、気にしすぎだったのかも。ピアス好きだし2学期からはつけちゃおうかなぁ~、なんて考えながら移動を始めた。


今日は楽しい1日になりそうっ!



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