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2学期が始まります
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ちゅ、と額に優しい熱を感じて目を覚ます。重たい瞼をゆっくりと持ち上げると、目の前にまだ少し寝癖のついた隆が優しく笑んでいた。
「おはよう、遥。今日から2学期だぞ。もうすぐ朝飯できるから起きて顔洗ってこいよ」
こんなふうに隆に起こしてもらうのも久しぶりだなぁ。なんだか帰ってきた、って感じがしてふにゃりと頬が緩んだ。
『りゅう、おはよ。起こしてくれてありがとう。すぐ行くぅ』
目を擦りながら体を起こしてそう言うと、いつもみたいに頭を優しく撫でてくれた隆は今日の朝飯はたまごサンドだぞって笑ってキッチンの方へ歩いて行った。
たまごサンド!実家の朝食はじい様が好きな和食が多いから久しぶりに朝食にパン・・・!
一気に意識が覚醒した僕は、超特急で準備をしてキッチンへ向かった。
『隆、珈琲?』
「んー・・・、うん、珈琲かな」
『じゃあ僕淹れるねっ!』
「あぁ。ありがとな、遥」
電気のホットサンドメーカーを使わず直火用のでたまごサンドを作ってくれている隆を見て、手が離せなさそうだったので僕は飲み物を用意することにした。
コポコポと音を立て始める珈琲メーカーに、ジュウジュウと美味しそうな音を立てているフライパン。何も話さなくても心が落ち着く穏やかな朝になんだかホッとする。
美味しいたまごサンドと珈琲をゆっくりと味わって食べた僕達は、また1学期と同じように洗面台に並んで身支度をする。
今日のピアスを選んでいる隆を横目に、僕もピアスを入れていた箱を取り出した。みんなで遊んだ日、ピアスをしていてもみんな何も変わらなかったし、いっくんとれーくんもクロとして会った時ピアスの事気にしても無さそうだったから今日から解禁する事にしたんだ。僕がピアス好きなのは今でも変わらないし、今仲良くしてくれてる人に引かれないんだったらそれでいいんだ。
「ん?今日は遥もピアスつけるのか?」
『うんっ!僕、中学ではずっと付けてたんだけど、お友達全然出来なかったから高校ではつけるのやめとこうって思ってたんだ。でもこないだみんなで遊んだ時誰も気にしてなさそうだったから今日から解禁しちゃおうかなって。僕、ピアス好きだし、隆たちに引かれないならそれでいっかって思って』
「そっか。ピアスしてようがしてなかろうが、遥は遥なんだから引くわけないだろ。それに俺だってバチバチにピアス開けてるんだから。むしろピアス仲間っぽくて良くないか?」
『ピアス仲間・・・!ありがとう隆~っ!』
ニヤリ、と少し悪そうに笑う隆。その言葉に僕は嬉しくなっちゃって思わず隆にガバリと抱きついた。
危なげなく僕を抱き止めた隆は優しく僕の頭を撫でてくれた。
「なぁ遥、トラガスにも開けてるだろ?これからピアスつけて登校するんだったらさ、俺のと交換してつけないか?ピアスの交換、仲良しっぽいだろ?」
『わぁ・・・!ピアスの交換なんて初めて!確かになんか仲良しレベル高そう・・・っ!でもいいの?僕のトラガス用にしてるピアス、僕の瞳の色と一緒の琥珀色だよ?隆のピアス黒が多いから黒が好きなんじゃないの?』
「それは願ったり叶ったりだな。俺は遥の色の琥珀色を付けて、遥は俺の色の黒をつければ誰よりも仲良しって感じがするだろ?それに俺、遥の瞳の色好きだんだ。遥さえよければ交換して欲しい」
『なるほど・・・!確かに瞳の色の交換って凄く仲良しっぽい・・・!それに僕の瞳の色好きって言ってくれて凄く嬉しいっ!ありがとう、隆。じゃあ交換しよう~!』
隆に抱きついたままそんな話をしていたので、そのまま隆が僕のトラガスに自分のピアスを付けてくれた。蕩けるような甘い笑みを浮かべた隆は満足そうに僕の耳を見た後、自分にも付けてほしいと少し身体を屈めた。
人のピアスつけるのって緊張する・・・!隆、よく平気だったなぁ、すごい。
なんて思いながら慎重に隆のトラガスに僕の琥珀色を飾った。うん、隆の金髪に合うかも!なんだか嬉しい。
その後、2人共耳を見てはニコニコするのを繰り返しながらも無事身支度を終えて、いつものように早めに登校した。
ちなみに律が全員分取ってくれたお揃いの黒子猫ちゃんは、僕も隆も鞄につけることにした。
夏休みを経て、仲良しグッズが増えた僕が上機嫌で教室に入ると、僕達よりも早く来ていた颯汰が変装をやめた雪兎を見て顎が外れそうなほどポカンとお口を開けており、雪兎がオロオロとしているのを見て律が大爆笑している所に遭遇したのであった。
2学期も騒がしく楽しい日々になりそうだ。
「おはよう、遥。今日から2学期だぞ。もうすぐ朝飯できるから起きて顔洗ってこいよ」
こんなふうに隆に起こしてもらうのも久しぶりだなぁ。なんだか帰ってきた、って感じがしてふにゃりと頬が緩んだ。
『りゅう、おはよ。起こしてくれてありがとう。すぐ行くぅ』
目を擦りながら体を起こしてそう言うと、いつもみたいに頭を優しく撫でてくれた隆は今日の朝飯はたまごサンドだぞって笑ってキッチンの方へ歩いて行った。
たまごサンド!実家の朝食はじい様が好きな和食が多いから久しぶりに朝食にパン・・・!
一気に意識が覚醒した僕は、超特急で準備をしてキッチンへ向かった。
『隆、珈琲?』
「んー・・・、うん、珈琲かな」
『じゃあ僕淹れるねっ!』
「あぁ。ありがとな、遥」
電気のホットサンドメーカーを使わず直火用のでたまごサンドを作ってくれている隆を見て、手が離せなさそうだったので僕は飲み物を用意することにした。
コポコポと音を立て始める珈琲メーカーに、ジュウジュウと美味しそうな音を立てているフライパン。何も話さなくても心が落ち着く穏やかな朝になんだかホッとする。
美味しいたまごサンドと珈琲をゆっくりと味わって食べた僕達は、また1学期と同じように洗面台に並んで身支度をする。
今日のピアスを選んでいる隆を横目に、僕もピアスを入れていた箱を取り出した。みんなで遊んだ日、ピアスをしていてもみんな何も変わらなかったし、いっくんとれーくんもクロとして会った時ピアスの事気にしても無さそうだったから今日から解禁する事にしたんだ。僕がピアス好きなのは今でも変わらないし、今仲良くしてくれてる人に引かれないんだったらそれでいいんだ。
「ん?今日は遥もピアスつけるのか?」
『うんっ!僕、中学ではずっと付けてたんだけど、お友達全然出来なかったから高校ではつけるのやめとこうって思ってたんだ。でもこないだみんなで遊んだ時誰も気にしてなさそうだったから今日から解禁しちゃおうかなって。僕、ピアス好きだし、隆たちに引かれないならそれでいっかって思って』
「そっか。ピアスしてようがしてなかろうが、遥は遥なんだから引くわけないだろ。それに俺だってバチバチにピアス開けてるんだから。むしろピアス仲間っぽくて良くないか?」
『ピアス仲間・・・!ありがとう隆~っ!』
ニヤリ、と少し悪そうに笑う隆。その言葉に僕は嬉しくなっちゃって思わず隆にガバリと抱きついた。
危なげなく僕を抱き止めた隆は優しく僕の頭を撫でてくれた。
「なぁ遥、トラガスにも開けてるだろ?これからピアスつけて登校するんだったらさ、俺のと交換してつけないか?ピアスの交換、仲良しっぽいだろ?」
『わぁ・・・!ピアスの交換なんて初めて!確かになんか仲良しレベル高そう・・・っ!でもいいの?僕のトラガス用にしてるピアス、僕の瞳の色と一緒の琥珀色だよ?隆のピアス黒が多いから黒が好きなんじゃないの?』
「それは願ったり叶ったりだな。俺は遥の色の琥珀色を付けて、遥は俺の色の黒をつければ誰よりも仲良しって感じがするだろ?それに俺、遥の瞳の色好きだんだ。遥さえよければ交換して欲しい」
『なるほど・・・!確かに瞳の色の交換って凄く仲良しっぽい・・・!それに僕の瞳の色好きって言ってくれて凄く嬉しいっ!ありがとう、隆。じゃあ交換しよう~!』
隆に抱きついたままそんな話をしていたので、そのまま隆が僕のトラガスに自分のピアスを付けてくれた。蕩けるような甘い笑みを浮かべた隆は満足そうに僕の耳を見た後、自分にも付けてほしいと少し身体を屈めた。
人のピアスつけるのって緊張する・・・!隆、よく平気だったなぁ、すごい。
なんて思いながら慎重に隆のトラガスに僕の琥珀色を飾った。うん、隆の金髪に合うかも!なんだか嬉しい。
その後、2人共耳を見てはニコニコするのを繰り返しながらも無事身支度を終えて、いつものように早めに登校した。
ちなみに律が全員分取ってくれたお揃いの黒子猫ちゃんは、僕も隆も鞄につけることにした。
夏休みを経て、仲良しグッズが増えた僕が上機嫌で教室に入ると、僕達よりも早く来ていた颯汰が変装をやめた雪兎を見て顎が外れそうなほどポカンとお口を開けており、雪兎がオロオロとしているのを見て律が大爆笑している所に遭遇したのであった。
2学期も騒がしく楽しい日々になりそうだ。
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