黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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2学期が始まります

3

夏休み明けのSクラスは変装を解いた雪兎を3度見くらいしてたり、僕の耳のピアスを凝視したりするクラスメイトが多発したんだけど、概ね休み前と何も変わってない。あ、雪兎を見てヒソヒソしてる子達のホッペが赤くなってるのが1番変わった事かも。でも雪兎に直接話しかける勇気が出ないのか、今まで通り少し遠巻きにされたまま。雪兎は何も気にしてなさそうだったけどね。ちなみに月城兄弟と湊くんは今日教室に登校しないらしい。朝起きたら会えなくて寂しいよ~って連絡が来てた。なんだか可愛いよね。



そんなこんなでまだ夏休みボケしている気がする頭でなんとか夏休み明けの実力テストを乗り切り、今はHRの時間。伊織先生は相変わらず気だるげだ。


「お前ら~、文化祭準備の時期が来ちまったぞぉ~!」


心底疲れたような顔でそういう伊織先生。文化祭の準備、そんなに大変なのかな?体育祭の時も伊織先生大変そうだったし、文化祭も同じ感じなのかな?




きゃぁあああああああああああああ!!!!!

うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!





ぼんやりとそんな事を考えていると、一拍遅れて教室に大絶叫が響き渡った。


夏休みを挟んで油断していた僕は久しぶりの鼓膜への攻撃に思いっきり肩を震わせ驚いてしまい、慌てて両耳を両手で塞いだ。


「はいお前ら静かにしろよぉ~。今日はまずクラスの出し物決めないといけないんだからなぁ」


伊織先生の気の抜けた一喝で教室はシン・・・と静かになる。前から思ってたけど、みんな実は切り替えがしっかりしてるよね。それにしても出し物かぁ。中学3年間はクラスメイトの事眺めてた記憶しかないし、僕じゃいい案思い付けないかも。


「じゃー田中、あとは頼んだ!」


「はい。では律、書記をしてください」

「えー、俺ぇ?」

「副隊長なんだからいいでしょう」

「それは親衛隊の話じゃんかぁ~・・・。まぁいいけどさぁ」


クラスに委員長は居るけど、副委員長や書記は居ないから必要な都度委員長から指名制でお手伝いをお願いするらしい。今日は律がお手伝い係みたい。前から仲良しさんだったけど、僕の親衛隊に入ってくれた時から2人はもっと仲良しになった気がする。僕ももっと悠くんと仲良くなれたらいいなぁ。律はお揃いするくらい仲良しだからね、次は悠くんともっと仲良くなるのが目標なのです!


なんて思ってたらパチリと悠くんと目が合った。その瞬間悠くんの頬がピンクに染まり、照れたように笑ってくれる。すっごく可愛いんだけども!悠くんに釣られて何故か僕まで照れてしまう。頬がポッと熱くなり、ヘラりと頬が緩んだ。


「せ・・・っ、せんせ、トイレ・・・!!」
「俺も!」
「僕も!」



そしたら何故かクラスの大半が慌ててトイレに走って行ってしまった。みんな大丈夫なのかな?こんなにたくさんの人がトイレ我慢してたの?それともお昼ご飯の何かにあたったとか・・・!?っていうか一気にトイレに行っても全員入れないんじゃ??


教室に残ってるのは、頬を赤らめ視線をうろつかせる律と颯汰、真っ赤な顔して何故か僕を凝視している雪兎、睨むみたいに教室のドアを見ている隆、両手で顔を覆ってしゃがみ込んでる悠くん、呆れたように人の少ない教室を見渡している伊織先生、そして僕の7人だけだ。



え?え?と混乱していると、伊織先生が僕の席の前まで来て頭を優しく撫でてくれた。



「遥、大丈夫。心配しなくてもアイツらはピンピンしてるから。出すもの出してそのうち帰ってくる」



何でみんなそんなにトイレ我慢してたんだろう?ってちょっと不思議だったけど、伊織先生がそう言うならそうなんだろうとコクリと頷いた。



「それより遥。夏休みの間会えなかったから遥が足りない。放課後1人で準備室、来れるか?」


耳元で秘密の話をするみたいにコッソリとそう囁いた伊織先生。そのなんとも艶っぽい吐息にドギマギしてしまう。夏休みを挟んでも伊織先生の色気は健在です。なんて誰に言うでもなくそう心の中で呟きながら、やっぱり伊織先生は寂しがり屋さんなんだなぁって、再度コクリと頷いた。




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