黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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2学期が始まります

4

それからしばらくして、パラパラとクラスメイト達が帰ってきたので、出し物決めを始めたんだけど・・・。


「メイド喫茶!」

「執事喫茶!!!」

「コスプレ喫茶!!」

「チャイナ喫茶!!」

「浴衣喫茶!!」


みんなコスプレ大好きなんだね・・・。

みんなの熱量にちょっと気後れしながらも僕はいい案とか特に浮かばないから傍観を決め込む。


「えー・・・、では全部に喫茶が入っているので、喫茶は決定でもいいですかね。あとは何喫茶にするかですが・・・。多数決でいいですか?」


悠くんの一言で多数決で決めることになったんだけど・・・どうしよう。僕は何着ても大したこと無いだろうからなんでもいいとして、みんなはどの衣装が似合うんだろう?それで決めようかなぁ。そうなるとやっぱり執事さんかな?燕尾服でピシッとしてるみんな、絶対格好いいだろうし。


そう思って執事喫茶に手をあげたんだけど、驚くことにメイド喫茶と執事喫茶が同票だったの!メイド喫茶は少ないと思ってたのに。みんな意外と女装好きなのかな?


「メイド喫茶と執事喫茶が同票1位ですね・・・。うーん・・・もういっそ合わせてしまいますか。メイドも執事もどちらもすればいいでしょう。それでいいですね?」



こうしてあっという間にSクラスはメイド・執事喫茶に決定したのである。今日はここまで。明日は担当を決めるからやりたいのを考えといてって。僕、裏方とかでいいかなぁ、なんてぼんやり思ってる。僕に接客とかできる気しないし。



HRが無事終わり、隆は風紀の集まりに行き、律と雪兎は悠くんと親衛隊の話があるからと親衛隊が集まるための部屋に、颯汰は自分の親衛隊の人達とお茶会に行くらしいので教室でバイバイする。僕は伊織先生に呼ばれてるから準備室に1人で向かう。伊織先生と2人で話すのもすっごく久しぶり。伊織先生は夏休み楽しかったかな?



「伊織先生、遥です」

準備室のドアをノックしていつものように名前を告げると、優しく微笑んだ伊織先生がドアを開けてくれた。失礼します、と中に入ると、ドアの横に立っていたはずの伊織先生に思いっきり抱きしめられた。


久しぶりに伊織先生の少しタバコの香りが混じった甘い香りに包まれる。伊織先生のタバコの匂いは何故か嫌じゃないの、不思議だよねぇ。

いつの間にかドアは伊織先生が閉めてくれてて、カチャリと鍵が閉まる音がした。


「遥・・・。会いたかった。会えてすごく嬉しいよ。夏休みは楽しかった?」


耳元で少し掠れた伊織先生の甘い声が聴こえて、少しドキドキと鼓動が早まる。


『僕も伊織先生に会えて嬉しいです。夏休み、楽しかったですよ。久しぶりに家族に会えて嬉しかったですし。伊織先生は?楽しかったですか?』


胸元に抱き込まれたまま、伊織先生の顔を見上げるように頭を顔を上げると、蕩けるような甘い笑顔で僕を見つめている伊織先生とパチリと目が合う。


「そうか。遥が楽しかったんだったら良かったよ。俺は・・・、遥に会えない1ヶ月間、寂しかったよ。早く会って抱きしめたかった。俺の胸に抱き込んだまま離さずに、ずうっと甘やかしてやれたらいいのに・・・」



ひょえ・・・!今日は伊織先生の色気が夏休み前よりなんだか凄い。少し切なさを帯びた甘い視線が僕の思考を絡めとる。



僕を抱きしめていた大きな手が、片方僕の頬に優しく添えられ、涙ぼくろのあたりをスリスリと擽るのをぼんやりと感じながらも、伊織先生の瞳から視線を動かせずジッと見つめてしまう。


「可愛い可愛い遥・・・。寂しかった先生を、慰めて?」


そう言って、僕の涙ぼくろに、ちゅっ、と優しくキスを落とした伊織先生。



ぼんやりとした頭で、僕はコクリと頷いた。




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