黒猫ちゃんは愛される

抹茶もち

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文化祭はなんだか凄いです

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「遥?朝だよ。起きれるか?」


いつものようにおでこにチュッとキスを落とされた感覚と、隆の優しい声で意識が浮上する。でも今日は瞼が重たくっていつもみたいにサッて起きれないかも・・・。


『ん~・・・おきゆ・・・。おあよぉ』

「呂律まわってねぇなぁ。最近忙しかったから疲れてるもんな。でも今日の文化祭終わったらひと段落するからさ、そしたら2人でゆっくり休もうな?だから今日は頑張ろう?」

『ん~・・・文化祭・・・文化祭!』


そうだ、今日は文化祭なんだった!


もう重たくて仕方なかった瞼をパチリと開けると隆が優しく頭を撫でてくれた。


いつものように2人で登校した後、カバンを置いて隆とバイバイ。喫茶店の衣装に着替える為にメイドさんの着替え用に準備された教室に行かないとだからね。あの試着の日以来のメイド服。前回は服の試着だけだったから上から下まで全部身につけるのは初めて。ちょっと緊張するなぁ。




教室にはもう数人着替え終わった子達が居たんだけど、メイド服は同じなのにストッキング?とか靴とかケモ耳が1人ずつ似合うように合わせられていて印象が全然違うのに驚く。

着替えが終わったらメイク担当の人達が手配してくれているメイクさんの所に行って、ヘアメイクをしてもらうらしい。僕、お化粧も初めてだ。



そんな事を考えながら、僕の名前が書いてあるカゴを持ってお着替えブースに入る。こないだお兄さんが教えてくれたみたいにメイド服を着て、残っているパーツを確認する。

黒のニーハイストッキングに・・・コレはガーターベルト・・・?え、そこまでするの??

ガーターベルトを手に持ったままカチンと固まってしまう。これ僕がつけるの・・・!?


と、とりあえずストッキングを履こう、うん。


動揺しながらニーハイストッキングを履いてみると、コレだけじゃちょっと動いただけでズリズリと落ちてきちゃう事に気付く。


・・・・・・普通のストッキングじゃダメだったの?長いスカートなんだからニーハイじゃなくても問題なくない・・・?


しばらく脱力してたけど、今更どうしようもないから仕方なくガーターベルトをつけて外へ出る。


まぁ付けてても見えないし、幸いそんなに違和感ないし付けてることは忘れよう、うん!


遠い目をしながら目の前に準備してあるロリータさんが履いているイメージがある感じのストラップが付いた黒のツヤツヤしたパンプスを履いてヘアメイクさんの所に向かった。


『よろしくお願いします』

「よろしくねぇ・・・って、まぁ~!!あなた本当に男の子?すっごく可愛いわぁ!そのままでもまつ毛に綿棒乗っちゃいそうね・・・!しかもお肌なんて毛穴1つないじゃない!ツルッツルのモッチモチ・・・・・・交換して欲しいくらいね。これはファンデーションなんて野暮かしら。一応ナチュラルなのをうっすぅうううくつけるくらいでーーー・・・」


促された席に座って居るとすぐメイクさんが来てくれたのでペコリとお辞儀をすると凄いハイテンションで返事が返ってきて、その勢いに圧倒されてしまう。

メイクさんはマッチョなオネェさんだった。なんだかモッチモッチとほっぺを揉まれてる。返事をする間も無く1人で興奮した様子で喋り続けてるから僕もうどうしたらいいか分かんない。


動揺しながらもオネェさんの言う通りに上を向いたり下を向いたりしていると満足そうに1つ頷いたオネェさんは、ほぉっと1つ息を吐いた。


「はい、お顔は完成したわよ!素材がいいからとんでもない美少女を生み出してしまったわ・・・。アタシも罪なオンナね」


キョトリとその様子を見ていると、オネェさんはあら?と器用に眉毛を片方上げた。


「この子・・・無自覚なの?どう育ったらこのポテンシャルで無自覚になるのかしら?アタシだったらオトコ引っかけまくってるわね・・・」


小さな声で何事かを呟くオネェさんの声が聞こえなくてコテリと首を傾げる。最初から今まで口を挟む暇なくここまで来ちゃったから話しかけるタイミング、すっかり失っちゃったんだもん。


「まぁいいわ。次は髪の毛ね・・・。でも髪の毛もツヤッツヤのサラッサラだし長めなんだからショートカットのメイドさんって事でこのままでいいわよねぇ。ウィッグ使うの勿体無いわ。少し巻いて動きを出してからホワイトブリムを付けて耳つけちゃいましょう!」


僕の髪の毛をサラサラと梳きながらそう言ったオネェさんの手によって僕の髪の毛はいつもより少しふわふわになり、よくメイドさんがつけてるカチューシャみたいなやつと黒猫の耳を付けられた。


僕の髪の毛、直毛すぎてこんなふうにふわふわになった事ないからすごく新鮮・・・!でもあんなややこしそうなの、自分じゃ絶対出来なさそう。今日だけの特別な髪型だなぁ。



なんて思ってたら、オネェさんに名刺を手渡された。

「アタシあなたの事気に入っちゃった!ヘアメイクが必要な時はいつでもソコに連絡して?すぐ飛んでいくわ!」


へ?僕まだお願いします、の一言しか発してないのに?なんで?


『へぁ?良いんですか・・・?あ、ありがとうございます』


そう思って目がまん丸になったけど、人脈、大事!とすぐに思い直してペコリと頭を下げた。


良いのよぉ~!と嬉しそうに笑ったオネェさんは笑顔を少し悪戯っぽくして、仕事じゃなくても連絡してきて良いのよぉ?って言ってくれた。勢いがすごくてちょっとビビっちゃってたけど、オネェさん、とっても良い人だった!


ハイッ!って満面の笑みを浮かべて元気に返事をして、なぜか固まってしまったオネェさんにありがとうございました!ってもう1度ペコリと頭を下げて喫茶店のセットをしている教室にパタパタと少し早足で向かった。


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