ダンジョンがある日常

那田野狐

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第2話自分の名は

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 自分の名前は九竜美里くりゅうみさと。性別は女性。年齢は16才の高校生。身長168センチ体重55キロ。黒髪のショートカットに焦げ茶色の瞳は少々垂れ目気味。顔はモブ系で体形はちょっと胸があるぐらい。そして薬師という生産職系の開拓者でもあります。
 実は、高校に入学して16才になった時にダンジョンにある職業部屋で調合というスキルと薬師というジョブを授かったのです。
 このジョブとスキルは、第一階層ボスのいるボス部屋にある職業部屋に入ったときに、ステータスによってはジョブを取得出来ない事があります。まあ、自分は両親が開拓者で、ジョブの取得条件を知っていたのでその辺は余裕でした。
 その日のうちに開拓者ギルドと呼ばれる政府機関に薬師として登録。ダンジョンでドロップする薬草の類を採集して、ポーションを作製するという個人事業主の道も開かれました。
 そして、現在の基礎レベルは12。ダンジョンに潜って三ヶ月ですが、ハッキリ言って遅いほうです。普通なら、毎日潜っていればーカ月で到達出来るレベルです。まあ、自分はモンスター相手に積極的には戦って無いから仕方ないけどね。

「はい。Qドラ権キュウドラゴンです。今日もダンジョンに潜って、ポーション作って小遣い稼ぎに勤しみます」

 学校帰りにダンジョンに立ち寄って、ダンジョンドローンと配信カメラを起動して、配信を始める。すぐに政治機関であるダンジョン庁のAIが入ってきたらしく同接の閲覧者が1になる。ちなみ動画を合計で八時間ほど配信する毎にダンジョン庁から巡回料として二千円入ってくる。

 ルナ:『コンコンハー』

「はい。こんこんはー」

 コメント欄にコメントが入る。ルナちゃんは配信を始めて1ヶ月ぐらいから自分の配信にコメントを寄せてくれるようになった数少ない常連リスナーさんの一人。
 ちなみに彼女は中学三年生の女の子で、ダンジョンに興味はあるけどモンスターはまだ怖い。しかしダンジョンには潜ってみたいので、ダンジョンデビューが出来る16歳になる前に慣らしとして自分のような非戦闘系がメインのダンジョン配信を見ているらしい。

「今日は第二層まで潜って、走る草を刈ってドロップ品で薬を作ります」

 ルナ:『りょ』

 コメント欄に返事があったので、ダンジョンを進む。ここのダンジョンは、地下へ降りていく洞窟タイプの第五層まである初級ダンジョンで、敵はスライムや動物系といった初心者向けダンジョンだ。

「スライム発見」

 床に半径1メートルほどのゼリー状の水溜まりのような物体を発見する。あれはスライムだ。このスライム、天井から落ちてくるとか、いきなり顔にとびつかれるとかの不意打ちでもされない限りは単なる雑魚です。なぜなら・・・

「ほい!」

 腰に吊った袋から塩の塊を取り出してスライムにぶっかける。
 スライムはナメクジと同じく体が半透膜で覆われていて、塩を掛けると浸透圧の関係で体内の水分が外に出てしまうことが最近発見されて、一気に危険度が下がったモンスターです。

「よっと」

 塩で体内の水分が外部に漏れて体積が縮んで動きが鈍くなったスライムの核を蹴り出し、オークという二足歩行の豚型のモンスターの皮で出来たブーツで踏み潰す。
 ボフンと光って魔石と粘液の入った小瓶がドロップ。
 スライムの魔石とスライムの粘液は買い取り価格が各30円。魔石は魔道具と呼ばれる機械の動力を動かす燃料になって、粘液はポーション作製のための触媒とかそのまま熱で固めるとちょっと体力が回復する甘い飴になる物質だ。粘液は何故かガラスの小瓶に入ってドロップするのですが、小瓶もリサイクルが出来るのでありがたい存在です。

「さあどんどん狩っていこうね」

 道すがらのスライムをプチプチと潰しながらボス部屋に向かう。
 このダンジョンの第一階層のボスは基本は固定で体長5メートルほどのラージスライム。攻略法は普通のスライムと同じで、塩をぶっかけて縮んだらスライムの核を破壊するだけ。
 ドロップするのはラージスライムの魔石500円と500円分のスライムの粘液。あ、1000円のナイフもドロップした。ラッキー!
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