【完結】家族になろうよ 〜パパが『恋』をしてもいいですか?〜

Kanade

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14. 交流は続けたい


 〈 暁登視点 〉

  まさか彼に子供がいるとは思わなかった。
  彼は26歳、子供は4歳。年齢的には子供がいてもおかしくはないが…。
   彼は『違う』のだろうかー?

   ーーーーーーーーーーーーーーー

  俺は両性愛者バイセクシャルだ。
  自分の性指向を自認したのはいつ頃だっただろうか。
  中学生の頃、生まれて初めて出来た交際相手は『女性』 だった。同級生の女子。相手から告白されて始まった交際だったが、嫌悪感も拒絶感もなかった。好き…だったのだと思う。交際期間約8ヶ月。中学卒業と同時に別れたが、ファーストキスは彼女だった。
  高校に入って間もなく告白されて付き合ったのは『男性』だった。一つ上の先輩だったが、小柄でいつも笑顔を絶やさない彼に、俺もいつしか惹かれていた。童貞も彼に捧げた。その彼とも1年余りで別れたが、この頃に気付いた。自分は異性も同性も恋愛対象になるのだな、と。
  自分は両性愛者ではあるけれど、どちらかと言えばだな、と自覚したのは大学生の頃。4年の大学生活の間に出来た恋人は2人。それぞれ2年と保たず別れたが、どちらも男性だった。
  卒業後は父の会社に就職。仕事優先の生活で特定の恋人を作る事はなかったが、生理現象として溜まる性欲発散の為に、セフレは何人かいた。お互いに似たような性指向の、後腐れのない相手ばかり。男性も女性もいた。どちらか一方が本気になったら。片方に好きな人や恋人が出来たらの関係。何人かのセフレとの出会いや別れを繰り返し、それでも満たされた日々だった。
  結婚して家庭を持つ事は早々に諦めていた。両性愛者なら結婚は出来るだろう。同性愛者ゲイと違い女性も愛せるからだ。実際に結婚して子供を持つ人もいる。けれど、自分には無理だな、と早々に理解した。自分は男性により強く惹かれる性指向だ。結婚しても妻になってくれた女性を一途に愛する事は出来ないだろう。相手を傷付けるくらいならば、俺は一生1
  そう思った20代半ばー。

  28歳で父から会社を引き継ぎ、「若造が…」と侮られないように仕事に邁進する毎日。
  仕事中心の生活だったが不満などはなく、気が付けば社長職に就いて2年が過ぎ、30歳になっていた。

  そして、俺にとっての『運命的な出逢い』の瞬間が訪れるー。

  ーーーーーーーーーーーーーーー

  再会は偶然ー。
  
  取引先で出逢った『葉月 玲』という名の青年に一目惚れをした俺は、疑う事なく彼はだと思った。本能で感じたのだ。
  けれど……。
  再会した時、彼はを連れていた。
  俺は彼が両性愛者バイセクシャルではなく同性愛者ゲイだと思っていた。無論、勝手な思い込みだ。俺と同じ両性愛者バイセクシャルかも知れないし、異性愛者ノーマルかも知れないが、それでもショックである事は変わらない。結婚している=既に誰かのものだから。流石に奪う趣味はない。
  相手が既婚者では諦めるしかないだろう。
  だが…。

  彼はシングル独身だと言った。それから何故か彼の子供…奏音くんに懐かれた。
  純粋な好意からだろうが、俺の私的な買い物に付き合ってくれた彼ら父子。そして、俺の何が幼心を掴んだのか、懐かれた…というより、いっそ執着とも取れる奏音くんの『ギャン泣き』により、成り行きで葉月家にお邪魔して夕飯をいただく事になり…。気付けば、奏音くんを風呂に入れ、葉月くんが1人で入浴している間は奏音くんと遊び、寝かし付けまでしていた俺だった。
  葉月くんもさぞかし困っただろう。会うのはまだ2回目の相手を自宅に招くなんて、抵抗があって然るべきだ。けれど、奏音くんに泣きながら請われて「駄目」だとは強く言えないようだった。つまり、俺と彼は奏音くんの掌の上でコロコロ転がされていたようだ。恐るべし、4歳児…。
  とはいえ、少しは葉月くんとの距離が近付いた気がして、嬉しかったのも事実だ。彼の奥さんが既に亡くなっていたのは衝撃だったが、彼と想いを交わす事は出来なくとも、彼ら父子とこのまま交流を続けたい、と思った。

  名残惜しいが葉月宅を御暇おいとまする時、今なら許されるだろう、と連絡先の交換をした。勿論、仕事用ではなくプライベートの、だ。

「いつでも連絡、待ってるよ。おやすみ」

  玄関まで見送りに出てくれた葉月くんに挨拶をしてから、帰宅の途に着く。

  恐らく彼の方から連絡が来る事はないだろう。
  数日経ってから此方から連絡してみようか。
  そう思いながら、自宅に向かって車を走らせたー。


  
  
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