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婚約前夜
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私が、殿下の側妃になった時の話です。
殿下は、美しい人の多い王族の中でも、特にかっこいい方でした。今ももちろんかっこいいですが。
そのため、殿下の妃になりたいと思っている令嬢はたくさんいました。
私もその一人です。
さすがに正妃には幼少期から妃教育を受けたご令嬢でなければ無理だと思いましたが、側妃にならなれるのではと思い、王宮侍女になりました。
舞踏会じゃ、敵が多すぎて接点ができませんからね。
王宮侍女になって五年、ついに憧れのヨシュア殿下に見初められて側妃になることが決まりました。
明日はいよいよ婚約の儀が執り行われるという、婚約前夜のことです。
その夜は、殿下と近衛騎士の方々、さらに国の重鎮の方々が集まって、顔合わせをすることになっていました。
コンコンコン。
ドアがノックされ、見知った近衛騎士のエスコートで会場へと向かうと、会場には、思った以上に多くの人が集まっていました。
「皇帝陛下、第一王子殿下にご挨拶申し上げます」
陛下と殿下に決り文句の挨拶をしたものの、なぜか王妃様はいらっしゃいません。
(体調でもお悪いのかしら……)
内心、不思議に思いましたが、そんなことを思っている間にも話は進んでいきました。
「……では、不義のないことの確認を」
と、近衛騎士の一人が言いました。
と、別の騎士が私の両手を掴んで後ろに立ち、両手は背中で固定されました。
痛くはないけれど、身動きは取れないといった加減です。
何が始まるのかと思っていると、エスコートしてくれた騎士が剣を抜き、
「失礼いたします」
と小声で言って、剣を胸元へと差し入れてきました。
よく手入れされた剣が、上質なドレスをあっという間に切り裂いて、肌が露わになりました。
(な……に……?)
叫びたい気持ちもありましたが、陛下の御膳である上に、目の前で剣を抜かれた恐怖とで、声を出すことはできませんでした。
そして、周囲は誰も驚いていませんでした。
「そのまま動かないでくださいね」と、後ろで両手を掴んでいる騎士が優しく耳打ちしてくれたので、なんとかコクリと頷きました。
と、さらに剣でドレスを割かれ、私はほとんど全裸にされてしまいました。
たくさんの視線が刺さり、羞恥に肌が染まりましたが、腕は後ろで拘束されているし、その場にいるすべての人が、まったく驚いた様子を見せません。
「殿、下……?」
縋る気持ちで婚約の相手を呼んでみても、特に返事はありません。
殿下は、返事の代わりに「ジル」と最側近の近衛の名前を呼びました。
ジルと呼ばれた近衛騎士――ドレスを剣で切り裂いた彼は、私を椅子に座らせると、私の膝を掴んで大きく脚をひろげさせました。
そして……
「中を調べさせていただきます」
言うなり、秘部に指を入れて丁寧に中を掻き回し始めました。
(え……?)
私は、頭が追いつきません。
ただ、近衛騎士は真面目な顔をしていて、とても抵抗できる空気ではなかったので、じっと耐えていました。
「隠し持っているものはありません」
やがて指を抜いた騎士は、陛下と殿下に向かって言いました。
そこでようやく、身体検査だったのだと理解しました。
ドレスを切り裂くとか、こんなに大勢の人に見せなくてもとは思うものの、殿下のお立場を考えれば仕方ないかもしれない、と思いました。
毒や武器を隠し持っているかもしれませんものね。
そう納得したのですが、それだけでは終わりませんでした。
さらに騎士は、棒状のものを受け取り、それを秘部にあて、中にぐっと押し込んだのです。
喉がひゅっと音を立て、秘部に痛みが走りました。
思わず閉じようとした脚は別の騎士によって押さえられ、後ろで両腕を拘束していた騎士の手にもぎゅっと力が入りました。
必死に声を堪えましたが、目には涙が滲みました。
もう入らないというくらい奥まで押し込まれたあと、どうにか息を吐くと、
「もう少し耐えてくださいね」
と耳打ちされ、今度はぐちゅぐちゅと棒を出し入れされました。
痛みとともに、なんともいえない感覚が押し寄せてきて、必死に耐えました。
しばらくして、ようやく棒を抜いてもらえた時には、私は泣きながら肩で息をしていました。
そこに陛下と殿下がいらっしゃって、私の秘部をじっと見ました。
「不義のないことを確認した。明日、予定通り婚約の儀を執り行う」
そう、これは、私が処女であることを確認する行事だったのです。
ここで出血が見られなければ、「不義あり」としてその場で処刑されていたのだと後で知りました。
側妃とはいえ、殿下には生娘しか認められないというわけです。
無事に側妃になることはできましたが、あの時の恐怖と恥ずかしさと痛みは忘れられません。
後日談ですが……
婚姻初夜も、近衛騎士のボディチェックを受け、さらに近衛騎士が見ている中で行われました。
騎士様もかっこいいし、見られていることにもドキドキしてしまいました。
そのことに気付いてなのか、殿下は最近、騎士様に夜伽の手伝いをさせます。
騎士様に拘束させたり、胸を揉ませたりしていましたが、最近では、殿下と騎士様が前と後ろの両方を同時攻めしてくることもあります。
殿下のお渡りが多いので、正妃様と他の側妃にちょっと虐められますけどね。
殿下は、美しい人の多い王族の中でも、特にかっこいい方でした。今ももちろんかっこいいですが。
そのため、殿下の妃になりたいと思っている令嬢はたくさんいました。
私もその一人です。
さすがに正妃には幼少期から妃教育を受けたご令嬢でなければ無理だと思いましたが、側妃にならなれるのではと思い、王宮侍女になりました。
舞踏会じゃ、敵が多すぎて接点ができませんからね。
王宮侍女になって五年、ついに憧れのヨシュア殿下に見初められて側妃になることが決まりました。
明日はいよいよ婚約の儀が執り行われるという、婚約前夜のことです。
その夜は、殿下と近衛騎士の方々、さらに国の重鎮の方々が集まって、顔合わせをすることになっていました。
コンコンコン。
ドアがノックされ、見知った近衛騎士のエスコートで会場へと向かうと、会場には、思った以上に多くの人が集まっていました。
「皇帝陛下、第一王子殿下にご挨拶申し上げます」
陛下と殿下に決り文句の挨拶をしたものの、なぜか王妃様はいらっしゃいません。
(体調でもお悪いのかしら……)
内心、不思議に思いましたが、そんなことを思っている間にも話は進んでいきました。
「……では、不義のないことの確認を」
と、近衛騎士の一人が言いました。
と、別の騎士が私の両手を掴んで後ろに立ち、両手は背中で固定されました。
痛くはないけれど、身動きは取れないといった加減です。
何が始まるのかと思っていると、エスコートしてくれた騎士が剣を抜き、
「失礼いたします」
と小声で言って、剣を胸元へと差し入れてきました。
よく手入れされた剣が、上質なドレスをあっという間に切り裂いて、肌が露わになりました。
(な……に……?)
叫びたい気持ちもありましたが、陛下の御膳である上に、目の前で剣を抜かれた恐怖とで、声を出すことはできませんでした。
そして、周囲は誰も驚いていませんでした。
「そのまま動かないでくださいね」と、後ろで両手を掴んでいる騎士が優しく耳打ちしてくれたので、なんとかコクリと頷きました。
と、さらに剣でドレスを割かれ、私はほとんど全裸にされてしまいました。
たくさんの視線が刺さり、羞恥に肌が染まりましたが、腕は後ろで拘束されているし、その場にいるすべての人が、まったく驚いた様子を見せません。
「殿、下……?」
縋る気持ちで婚約の相手を呼んでみても、特に返事はありません。
殿下は、返事の代わりに「ジル」と最側近の近衛の名前を呼びました。
ジルと呼ばれた近衛騎士――ドレスを剣で切り裂いた彼は、私を椅子に座らせると、私の膝を掴んで大きく脚をひろげさせました。
そして……
「中を調べさせていただきます」
言うなり、秘部に指を入れて丁寧に中を掻き回し始めました。
(え……?)
私は、頭が追いつきません。
ただ、近衛騎士は真面目な顔をしていて、とても抵抗できる空気ではなかったので、じっと耐えていました。
「隠し持っているものはありません」
やがて指を抜いた騎士は、陛下と殿下に向かって言いました。
そこでようやく、身体検査だったのだと理解しました。
ドレスを切り裂くとか、こんなに大勢の人に見せなくてもとは思うものの、殿下のお立場を考えれば仕方ないかもしれない、と思いました。
毒や武器を隠し持っているかもしれませんものね。
そう納得したのですが、それだけでは終わりませんでした。
さらに騎士は、棒状のものを受け取り、それを秘部にあて、中にぐっと押し込んだのです。
喉がひゅっと音を立て、秘部に痛みが走りました。
思わず閉じようとした脚は別の騎士によって押さえられ、後ろで両腕を拘束していた騎士の手にもぎゅっと力が入りました。
必死に声を堪えましたが、目には涙が滲みました。
もう入らないというくらい奥まで押し込まれたあと、どうにか息を吐くと、
「もう少し耐えてくださいね」
と耳打ちされ、今度はぐちゅぐちゅと棒を出し入れされました。
痛みとともに、なんともいえない感覚が押し寄せてきて、必死に耐えました。
しばらくして、ようやく棒を抜いてもらえた時には、私は泣きながら肩で息をしていました。
そこに陛下と殿下がいらっしゃって、私の秘部をじっと見ました。
「不義のないことを確認した。明日、予定通り婚約の儀を執り行う」
そう、これは、私が処女であることを確認する行事だったのです。
ここで出血が見られなければ、「不義あり」としてその場で処刑されていたのだと後で知りました。
側妃とはいえ、殿下には生娘しか認められないというわけです。
無事に側妃になることはできましたが、あの時の恐怖と恥ずかしさと痛みは忘れられません。
後日談ですが……
婚姻初夜も、近衛騎士のボディチェックを受け、さらに近衛騎士が見ている中で行われました。
騎士様もかっこいいし、見られていることにもドキドキしてしまいました。
そのことに気付いてなのか、殿下は最近、騎士様に夜伽の手伝いをさせます。
騎士様に拘束させたり、胸を揉ませたりしていましたが、最近では、殿下と騎士様が前と後ろの両方を同時攻めしてくることもあります。
殿下のお渡りが多いので、正妃様と他の側妃にちょっと虐められますけどね。
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