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九十九ひろひろ

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三十二夜目、朝しょんとアサーション

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「アサーションだよ、アサーション!」
部長の声が響いた。
・・・・・・・あさしょん? 朝しょん(便)? 朝シャンの親戚?
「君、わかるだろ」
僕は小さい声で「一応、朝トイレには入ってきました・・・・・・」
「ぶはぁ」部長は吹きだした。
「ガハハハハ、鈴木君は面白いな」
「朝しょんとアサーションか、わはははは」
部長は笑いながら行ってしまった。

 スマホで調べた。
『アサーションとは、自分も相手も大事にして、主張はしっかり行うものの、
相手は傷つけない、絶妙なコミュニケーション方法』
意味が全く分からなかった。

 休憩室に行くと中村がいた。
「アサーションって知っている?」と聞いた。
中村はムッとした顔で
「部長とか会社とかの顔色を探って、気を使って行動しろってことだろ」
「そんなの、くらだない!」
中村は怒って休憩室を出て行った。

 中村を怒らせてしまった。
僕はバカだから、中村の言うことも分からない。
深瀬さん(女性の先輩)が休憩室に入ってきた。

「おはよう、鈴木君」
「おはようございます」
「元気ないわね、どうしたの」
「自分がバカだと気付きまして、落ち込んでいます」
「可愛いわ。鈴木君は私にとってアサーション(社内の癒し)ね」
「これあげる」ジュースをもらった。
嬉しかった、あこがれの先輩にジュースをもらえるなんて。

僕の「朝しょん(ぼり)」は「朝にっこり」に変わった。
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