ダンジョンの在る日本で −振られた僕はダンジョンで…−

第８０話

１２月２９日

午前中は水野君達が河内長野に帰宅するので準備＆お見送り
いつの間にか東京勢とも仲良くなってたらしく彼らも三国ヶ丘駅まで同行
全員で再会を約束しつつ電車を見送る

今回の彼らの収入は一人当たり７桁の金額は超えてるはずだしかなり有益だったと思う。水野君以外は成長酔いもかなり来てたっぽいし(成長酔い＝探索者が急激に能力が上がった際に起こる不快感)

午後からは東京勢は養父母一家と共に大阪観光、僕は別行動で加工屋さん(第２６話参照)に龍種のドロップ品の加工依頼へ
一人で行くつもりだったが「秋葉原紳士団」の１人「村雨」さんが同行を要望して２人で行く事になった

村雨さんは容貌が特異な上にかなり無口な人で移動中は殆ど会話が無かった。僕もコミュ症なんで気にする程でもなかったが普通の人なら対応無理かもしれない

加工屋に付くと店長が村雨さんに驚いていた。有名な鍛冶師一族の今代だそうだ

僕の依頼そっちのけで話し込んでいたので一度尻を蹴ってこちらを思い出させる
オーダーを済ませて２人に後で迎えに来るから少し土井川ダンジョンに潜ると伝えると何故か２人も同行したいとなる
…いや、店長仕事しろや

２人共精神異常に耐性があるらしいので仕方なく同行
店長さん、僕がいつの間にか店長より強くなっている事に気付いてかなりショックを受けててちょっと笑った

３人で９層を少しぶらついて徘徊敵を狩って帰還
１人１万程度の儲けにはなった

ダンジョンから出るとメールに着信が入っていた
道頓堀で会食するんでこっちに来いとの事で店長と別れて大阪に移動
少し遅くなったが合流して晩食、英気を養う


食後に瑞葉から「体調戻ったんだ」と言われ少し驚く

内緒にしてたが「安日長彦」を倒してから成長酔いがかなり辛かったのを気付いていたと思わなかった
もう回復したと答えると
「そう」と一言答えて両親の元に戻る彼女

その背中に話しかけたいけど、言葉が出てこず何も言えない



そんな僕をあきれた目で見ている二葉の視線がとても痛かった