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第2話 病院
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「出席をとります。安達 玲奈さん。」
「はい。」
「天海 みくさん。」
「…はい。」
今日のみくは、とってもブルーな気分。
だって…
「棚橋 悠里さん…は、お休みね。」
悠くんが学校を休んだの…。
今日、あんな元気に電話してたのに。
無理してたとか?そんな風には見えなかったけどな…。
とにかく、今日学校が終わったら、お見舞いに行ってあげよう。
きっと風邪だろうから、お見舞いの品は…コンビニのデラックスプリンにしよう。
あれなら悠くん好きだし、食欲なくても食べれるよね。
風邪の時って、甘くて冷たいもの食べたくなるし。
うん、そうしようそうしよう。
…早く元気になってほしいな。
__放課後
学校帰り、コンビニでデラックスプリンを買い、悠くん家に来た。
ピンポーン ピンポーン…
インターホンを鳴らすと、数秒で悠くんのお母様がでてきた。
「はい、どなたぁー?」
「あ、天海みくです。悠里くんのお見舞い来たんですけど…。」
悠くんのお母様、いつもはお仕事でいないのに…珍しい。悠くんが休みだから、お母様も休んでるのかな?優しいお母さんだし。
「あら、みくちゃんじゃない。ちょうど良いわ。ついさっき仕事を切り上げてきて、今悠里の病院に向かうところなの。みくちゃんも一緒に行く?」
…え、病院?
病…院…。
「ゆ、悠く…悠里くん重病なんですか!?大丈夫なんですか!?」
「あぁ、大丈夫よ。悠里、昨晩いきなりぶっ倒れたんだけど、お医者様が明日の昼には目が覚めるだろって。今頃、だらだらテレビでも見てるんじゃないかしら。だから、慌てなくて大丈夫。」
…そ、っか…。
「良かった…。」
病院っていうから、何かと思った…。
貧血か何かかな?とにかく、たいしたのじゃなくて、本当に良かった。
「で、行く?行くなら車乗せていってあげる。」
「あ、行きます。ありがとうございます。」
「分かったわ。じゃあ、先に車乗って、お母さんに電話しておきなさいな。遅くなると思うから。」
「は、はい!」
悠くんのお母様はそう言うと、荷物を取りにか、また家の中に戻っていった。
みくは…先にママに電話しよ。
プルルルル… プルルルル… カチャン
「あ、ママ?みくだけど。今日、悠くんのお母様と病院行ってくるから、帰り遅くなるねー。 うん。なんか、昨日倒れちゃったんだって。貧血か何かじゃない?…分かった。うん、じゃあ切るねー!はーい。 はい。」
よし、完了!
みくが電話終わった頃、ちょうどお母様も家から出てきた。
「じゃ、行きましょうか。」
……
中央南病院、117号室。
そこが、悠くんのいる病室みたい。みくは、悠くんのお母様と一緒に117号室に向かった。
病院独特の、薬品の匂い。
鼻がツンとして、苦手だけど…悠くんに会うためなら、こんなのどうってことないっ!
117号室
棚橋 悠里 様
ここだ。うん、間違いない!
悠くんのお母様がドアを開けて、病室に入るのに着いて行く。
いたのは、
「あ…こんにちは…。…すいません、 まだ…目を覚ましませんね。」
眠っている悠くんと、申し訳なさそうな顔をしたお医者さんだった。
…え?
………え?どういうこと?
ちょ、ちょっと待ってよ。なんで悠くんは寝てるの?もう起きてるって、言ってなかったっけ?
…いや、言ってた。悠くんのお母様は絶対そう言ってた。
なのに…なんで…。
状態が掴めなかった頭も、だんだんこの状況を理解してくる。
「え…悠里くんは…お昼に目を覚ますんじゃないんですか…?」
震える声をなんとか出して、聞く。
「…そのはずなんですが…。原因が、よく分からなくて。本当に、申し訳ありません。」
いや、申し訳ありませんって…。
なにそれ。そんなのないよ…!
「…悠里は、いつ頃目を覚まします?」
悠くんのお母様が、堂々とした態度で聞いた。
「…分かりません。原因が不明なため、何も出来ないんです。」
「じゃあ、一生、植物状態ってこと?」
「まあ…はい。この状態が続けば…そういうことになりますね。」
…悠くん。原因不明。植物状態。
一生、このまま…?
「っ…そんなの、嫌っ…!」
気付いたら、みくの両目からは大粒の涙が、ぼたぼた零れ落ちていた。
拭っても拭っても止まらなくて、どうしようもなくって。
悠くんのお母様もお医者さんもいるのに、まだまだ涙が溢れ出てくる。
「…みくちゃん…。…あのねぇ先生、本当にどうにもならないの?ごめんですむ問題じゃないんですが。」
「本当に…申し訳なく思っております。こちらも努力をするので…。」
なにそれ。
なにそれ、なにそれ。
嫌だ。
泣いても泣いても、涙が止まらないよ…。
「はい。」
「天海 みくさん。」
「…はい。」
今日のみくは、とってもブルーな気分。
だって…
「棚橋 悠里さん…は、お休みね。」
悠くんが学校を休んだの…。
今日、あんな元気に電話してたのに。
無理してたとか?そんな風には見えなかったけどな…。
とにかく、今日学校が終わったら、お見舞いに行ってあげよう。
きっと風邪だろうから、お見舞いの品は…コンビニのデラックスプリンにしよう。
あれなら悠くん好きだし、食欲なくても食べれるよね。
風邪の時って、甘くて冷たいもの食べたくなるし。
うん、そうしようそうしよう。
…早く元気になってほしいな。
__放課後
学校帰り、コンビニでデラックスプリンを買い、悠くん家に来た。
ピンポーン ピンポーン…
インターホンを鳴らすと、数秒で悠くんのお母様がでてきた。
「はい、どなたぁー?」
「あ、天海みくです。悠里くんのお見舞い来たんですけど…。」
悠くんのお母様、いつもはお仕事でいないのに…珍しい。悠くんが休みだから、お母様も休んでるのかな?優しいお母さんだし。
「あら、みくちゃんじゃない。ちょうど良いわ。ついさっき仕事を切り上げてきて、今悠里の病院に向かうところなの。みくちゃんも一緒に行く?」
…え、病院?
病…院…。
「ゆ、悠く…悠里くん重病なんですか!?大丈夫なんですか!?」
「あぁ、大丈夫よ。悠里、昨晩いきなりぶっ倒れたんだけど、お医者様が明日の昼には目が覚めるだろって。今頃、だらだらテレビでも見てるんじゃないかしら。だから、慌てなくて大丈夫。」
…そ、っか…。
「良かった…。」
病院っていうから、何かと思った…。
貧血か何かかな?とにかく、たいしたのじゃなくて、本当に良かった。
「で、行く?行くなら車乗せていってあげる。」
「あ、行きます。ありがとうございます。」
「分かったわ。じゃあ、先に車乗って、お母さんに電話しておきなさいな。遅くなると思うから。」
「は、はい!」
悠くんのお母様はそう言うと、荷物を取りにか、また家の中に戻っていった。
みくは…先にママに電話しよ。
プルルルル… プルルルル… カチャン
「あ、ママ?みくだけど。今日、悠くんのお母様と病院行ってくるから、帰り遅くなるねー。 うん。なんか、昨日倒れちゃったんだって。貧血か何かじゃない?…分かった。うん、じゃあ切るねー!はーい。 はい。」
よし、完了!
みくが電話終わった頃、ちょうどお母様も家から出てきた。
「じゃ、行きましょうか。」
……
中央南病院、117号室。
そこが、悠くんのいる病室みたい。みくは、悠くんのお母様と一緒に117号室に向かった。
病院独特の、薬品の匂い。
鼻がツンとして、苦手だけど…悠くんに会うためなら、こんなのどうってことないっ!
117号室
棚橋 悠里 様
ここだ。うん、間違いない!
悠くんのお母様がドアを開けて、病室に入るのに着いて行く。
いたのは、
「あ…こんにちは…。…すいません、 まだ…目を覚ましませんね。」
眠っている悠くんと、申し訳なさそうな顔をしたお医者さんだった。
…え?
………え?どういうこと?
ちょ、ちょっと待ってよ。なんで悠くんは寝てるの?もう起きてるって、言ってなかったっけ?
…いや、言ってた。悠くんのお母様は絶対そう言ってた。
なのに…なんで…。
状態が掴めなかった頭も、だんだんこの状況を理解してくる。
「え…悠里くんは…お昼に目を覚ますんじゃないんですか…?」
震える声をなんとか出して、聞く。
「…そのはずなんですが…。原因が、よく分からなくて。本当に、申し訳ありません。」
いや、申し訳ありませんって…。
なにそれ。そんなのないよ…!
「…悠里は、いつ頃目を覚まします?」
悠くんのお母様が、堂々とした態度で聞いた。
「…分かりません。原因が不明なため、何も出来ないんです。」
「じゃあ、一生、植物状態ってこと?」
「まあ…はい。この状態が続けば…そういうことになりますね。」
…悠くん。原因不明。植物状態。
一生、このまま…?
「っ…そんなの、嫌っ…!」
気付いたら、みくの両目からは大粒の涙が、ぼたぼた零れ落ちていた。
拭っても拭っても止まらなくて、どうしようもなくって。
悠くんのお母様もお医者さんもいるのに、まだまだ涙が溢れ出てくる。
「…みくちゃん…。…あのねぇ先生、本当にどうにもならないの?ごめんですむ問題じゃないんですが。」
「本当に…申し訳なく思っております。こちらも努力をするので…。」
なにそれ。
なにそれ、なにそれ。
嫌だ。
泣いても泣いても、涙が止まらないよ…。
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