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「エピローグ」
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「エピローグ」
三太郎総選挙から1か月…。桃太郎の姿は、京都府北部の街「宮津市」にあった。大きな紙袋を両手に下げている。
天橋立を散策し、笠松公園展望台に上って「股のぞき」をし、「天に上る竜」の姿を見た。ロープウェイで山を下り、裏家紋に「六芒星」の紋を持つ、隣の元伊勢籠(こも)神社を参り、タクシーを拾った。車は、北に向かって山道を走った。
道中、タクシー運転手は、後部座席の桃太郎に、
「ここの浦島伝説が日本最古の話なんやて。ここの伝説では、浦島太郎は、海の中の「竜宮城」に行ったんやなくて、神社の裏の山の「常世の国」に行ったらしいわ。日本中に「浦島伝説」があるけど「山」に登った浦島太郎の話はここくらいやねんで。そんなん知らんやろー?」
と笑って話しかけた。(あぁ、知ってるよ…。でも運転手さん、一か所間違えてるよ。「浦島太郎」じゃなくて「浦嶋子」だよ…。)桃太郎は心の中で運転手の話を訂正した。物静かな山の麓の小さな神社に着いた。
ひっそりとした、神社の駐車場で片道分の料金を払い、「小一時間、待っててくれますか?」とチップ代わりにお釣りと「鯖の棒寿司」を運転手に手渡した。
神社入り口の立て看板をゆっくりと読んだ…。「三太郎総選挙」の時に浦島太郎から聞いたエピソードが書かれていた。神社の奥の山を見上げ、(ここが「常世の国」…、「蓬莱山」だったんだなぁ…。嶋子さんは、絶世の美女の奥さんに誘われてここを登って行ったんだなぁ。)
鳥居をくぐり、北前船の模型を見ながら正面の本殿に向かって歩いた。「2025年宇良神社千二百年祭り」に向けて「本殿改修の寄付のお願い」の看板が立っていた。お賽銭を入れ、二礼の後、二拍手し
「桃太郎です。嶋子さんに会いに来ました。どうかお姿をお見せください。」
とお願いし、一礼した。ふと、背後に人の気配を感じて振り返った。
「よお、桃太郎さんやないか…、久しぶりやな。突然なんや?」
浦島太郎が元気な顔を見せた。
「はい、11月に嶋子さん出雲に行かれるのであれば、一つお願いごとがありまして…。」
と桃太郎は、二つの紙袋を浦島太郎に渡した。
「一つは、嶋子さんにです。もう一つは、お荷物になりますが、出雲に行かれるのであれば、「神猿(まさる)」さんと「犬神」さんと「神鳥」の雉さんに渡してほしいんです。岡山土産と各々に当てた手紙が入っています。お願いできないでしょうか?」
浦島太郎が紙袋を覗き込むと三通の封書と「マスカットきび団子」と岡山の銘酒「御前酒」が入っていた。
「渡すだけでええのんか?」
「はい、手紙を添えていますので…。もし、お口添えいただけるのであれば、「桃太郎が、「すみませんでした」。そして「ありがとうございました」。」って言ってたとお伝えください。」
「あぁ、それくらいやったらかまへんで。時間あるんやったら「茶」くらい飲んでいくか?」
「ありがとうございます。少しお邪魔します。」
ふたりは、本殿裏手の勝手口へ回っていった。
桃太郎は座敷で正座して待っていると、浦島太郎が日本酒の一升瓶と陶器の湯飲みを二つ持ってきた。日本酒のラベルに「ええにょぼ」の文字が見える。
「桃太郎さん、いける口やろ?」
「はい、駐車場にタクシー待たせてますので、「軽く」ならご相伴預かります。」
浦島太郎は、桃太郎に湯飲みをひとつ渡すと「なみなみ」と注いだ。桃太郎は、注がれた日本酒の香りを楽しむと(ん!純米酒だな!?香りが「甘い」!)と「くいっ」と半分空けた。
「嶋子さん、このお酒の「ええにょぼ」っていうのは「良い女房」という意味なんですか?」
「いや、丹後弁で「美人」いう意味や。丹後以外の人は、よお、桃太郎さんと同じ勘違いされるけどな。ちょっと前の国営放送の「朝ドラ」見てた人はわかってるけどな。」
と笑った。
「ふーん、「美人」という意味ですか…。勉強になりました。」
「まあ、そんなこと気にせんと飲みや。なかなかうまい純米酒やろ。地元の蔵元の酒やねんけどな。結構、「名前」も「味」も、わしのお気に入りやねん。」
浦島太郎は、手酌で二杯目を入れると、桃太郎の湯飲みにも注ぎ足した。桃太郎は、少し口をつけると、一息ついて浦島太郎に言った。
「この間の「三太郎総選挙」ではいろいろと失礼しました。嶋子さんと金太郎さんにひどいこと言ってしまって、本当にすみませんでした。
思いあがっていた僕を真剣に怒ってくれた嶋子さんには感謝しています。金太郎さんにもお詫びに行こうと思っているのですが、あの選挙で「一位」になられてから、相当忙しいようで、なかなか会ってもらえる時間が取れないようです。」
「さよか、金さんは「商売繁盛」で「休み無し」ってか。そりゃ、結構なこっちゃ。」
「はい、電話すると「休み無しになってしまうんやったら、前のままの方が良かったよ。」って言ってましたよ。」
「欲のない金さんらしい話やな。ところで桃太郎さんはどないやねん。」
「僕は、惨敗の三位でしたから、「失業」して「暇」になるかと思っていたのですが、番組の延長で嶋子さんと金太郎さんと司会の「のーの」さんが、いろいろとフォローしてくれたおかげで干されることは無かったので、僕も「岡山の人たち」もほっとしています……。」
「あぁ、投票結果発表後、桃太郎さん泣きまくってたもんなぁ…。負けて悔しくて泣くんやなくて、「神猿(まさる)」さん、「犬神」さん、「神鳥」の雉さんに対して「詫び」の「泣き」やったからなぁ。あれだけ泣いて「反省」するところ見せられたら、悪く言うものはおれへんやろ。まあ、いずれにしても桃太郎さんも「普通」に「いけてる」んやったらよかったわ。」
「はい、ありがとうございます。でも、投票の結果は、断然ぶっちぎりで嶋子さんだったのに辞退されてもったいなかったですよね。嶋子さんが65%、金太郎さんが33%、僕が2%でしたから、本当の勝者は嶋子さんですよねぇ。」
「あー、それは全然かまへんねん。何べんも言うけど、わしは「太郎」でも「英雄」でもあれへんねんから…。「金さん」優勝で文句なしや!まあ、わしは、「きれいな嫁さんともう一回逢えたら」言うことなしやけどな。」
「嶋子さんらしいですね。僕は、あの番組以降、いろんな伝承を自分で調べるようになったんですけど、「浦島太郎」の話もいろんなバージョンがあるんですねぇ。明治までは、結構大人向けの話だったんで驚きましたよ。
「あぁ、結構リアルに「へげへげ」のことが書いてあったやろ。明治の頭に、それは「子供向けやない。」って文部省の役人らから、わしが「玉手箱開けて煙「もあー」でおじいさんになってしまいました。めでたしおめでたし。」ってな。全然めでたくないわのう!「人の人生勝手に書き変えんな!」ちゅうねん!」
「そうですよねー。嶋子さんが正しいですね。嶋子さんの伝承をたくさん読ませてもらったんですけど、僕が読んだ嶋子さんの話で一番良かったのは、室町時代の「御伽草紙(おとぎそうし)」ですよね。「玉手箱を空けたら、煙に巻かれて嶋子さんが「鶴」になって「水江の浦」から「常世の国」に飛んでいって、「亀」の奥さんとその後、「千年」仲良く過ごしました。」っていう話が嶋子さんにとってのベストエンディングやったと思いますよ。あまりのハッピーエンドで、ちょっと羨ましかったです。」
「あぁ、足利尊氏公や義光公はわしのファンやったからなぁ…。尊氏公はここに参ってくれて「お神酒」や「神馬」奉納してくれてるし、香川の三豊市の荘内半島は室的時代には「浦島」って呼ばれとって、三代将軍の「義光」公は参拝してくれたらしいわ。
「義光」公トリビアがあるんやけど、日本最大のヒット「坊さん」アニメナンバーワンの「一休さん」で主人公の「一休さん」に「いけず」ばっかりやりよる三代将軍の「義光」公の声優は「ちびまる子ちゃん」のナレーションもやってる「キートン山田」やねんで。ちなみに余談やけど「キートン」さんは、わしの本名の「嶋」の字を使こてる「長嶋茂雄」さん役で少年ジャンプの「Dr.スランプあられちゃん」前の最後のジャンプアニメ「侍ジャイアンツ」でも声優やってんねん。あの青髭跡はマンガとはいえ、ジャイアンツの長嶋終身名誉監督はどない思ってたんやろうかなぁ…?
「銀魂」読んでから「ジャンプファン」になった、金さんに話したったら「そんなこと知りませんでした。」って喜んどったわ。
話が飛んでしもたけど、足利の「将軍様」を喜ばせるため、お伽衆(おとぎしゅう※将軍に「寝物語」を行うもの)が書き加えよったんやろな…。
わしが年老いた両親を心配して一度、水江の村に戻った後、玉手箱開けたシーンの後、鶴になったわしが常世の国に戻って「へげへげ」しまくりやったやろ。どんだけ、わしと嫁さん、絶倫の「好き者」やねんってな―。物語の80%が「へげへげ」やもんなぁ…。まあ、ほんまに鶴になって嫁さんと千年一緒に暮らせんねやったらそっちの方が嬉しかったけど、神話の時代の神様やあれへんねやから「人」が「鶴」に変身するってあり得へんわなぁ……。それは、放送中にわしがお前さんに言った通りや……。」
「でも、結納の時の「高砂人形」と一緒に納められる「鶴と亀」が嶋子さんと奥様が元だって話もありますから素敵なエピソードじゃないですか!「色気事」、「女っ気」ナッシングの僕からすると超羨ましいですー。金太郎さんも都でプレイボーイっぷりはたくさん残ってますからね。」
「せやな、あの「あけび」の歌で百人の「あけび」は食ってるわな。ちなみにわしの「亀吉」程やないけど金さんの「松茸」は「鉞(まさかり)」並みやで!「あけび」の「実」どころか「木」まで「ゴッソーン」って切り倒しよるわ!」
ふたりして大声で笑った。
「プップー」本殿の表で車のクラクションの音が聞こえた。
「お客さーん、1時間経ちましたよー。ぼちぼちよろしいですかー?」
タクシー運転手の声がする。
「じゃあ、嶋子さん、出雲に行かれたら、皆さんによろしくお伝えください。機会があれが、みんなで集まりたいですね。僕は、出雲に呼ばれない立場なので…。
足柄の道の駅で金太郎さんお勧めの「ふるさとゴハン食堂」で「相州牛ウニとろ牛めし」でもいっしょに食べて箱根で温泉でも入りましょう。」
「せやな、金さんにも言っておくわな…。じゃあ、桃太郎さんも元気でな。」
「はい、頑張ります。ぱにゃにゃん(※ラオス語で「頑張る」の意)です。これからもお付き合いよろしくお願いします。」
と深々と浦島太郎に頭を下げると桃太郎は本殿を出ていった。
空は抜けるような青空の下で、浦島太郎が鳥居に向かって走って行く桃太郎を見送ると裏山から、「嶋子さん、一人の若者を救わはったんやね…。今も、優しい嶋子さんのままやねんね。」と姫さんの声が聞こえたような気がした。
めでたしめでたし…。これでおしまい…。
三太郎総選挙から1か月…。桃太郎の姿は、京都府北部の街「宮津市」にあった。大きな紙袋を両手に下げている。
天橋立を散策し、笠松公園展望台に上って「股のぞき」をし、「天に上る竜」の姿を見た。ロープウェイで山を下り、裏家紋に「六芒星」の紋を持つ、隣の元伊勢籠(こも)神社を参り、タクシーを拾った。車は、北に向かって山道を走った。
道中、タクシー運転手は、後部座席の桃太郎に、
「ここの浦島伝説が日本最古の話なんやて。ここの伝説では、浦島太郎は、海の中の「竜宮城」に行ったんやなくて、神社の裏の山の「常世の国」に行ったらしいわ。日本中に「浦島伝説」があるけど「山」に登った浦島太郎の話はここくらいやねんで。そんなん知らんやろー?」
と笑って話しかけた。(あぁ、知ってるよ…。でも運転手さん、一か所間違えてるよ。「浦島太郎」じゃなくて「浦嶋子」だよ…。)桃太郎は心の中で運転手の話を訂正した。物静かな山の麓の小さな神社に着いた。
ひっそりとした、神社の駐車場で片道分の料金を払い、「小一時間、待っててくれますか?」とチップ代わりにお釣りと「鯖の棒寿司」を運転手に手渡した。
神社入り口の立て看板をゆっくりと読んだ…。「三太郎総選挙」の時に浦島太郎から聞いたエピソードが書かれていた。神社の奥の山を見上げ、(ここが「常世の国」…、「蓬莱山」だったんだなぁ…。嶋子さんは、絶世の美女の奥さんに誘われてここを登って行ったんだなぁ。)
鳥居をくぐり、北前船の模型を見ながら正面の本殿に向かって歩いた。「2025年宇良神社千二百年祭り」に向けて「本殿改修の寄付のお願い」の看板が立っていた。お賽銭を入れ、二礼の後、二拍手し
「桃太郎です。嶋子さんに会いに来ました。どうかお姿をお見せください。」
とお願いし、一礼した。ふと、背後に人の気配を感じて振り返った。
「よお、桃太郎さんやないか…、久しぶりやな。突然なんや?」
浦島太郎が元気な顔を見せた。
「はい、11月に嶋子さん出雲に行かれるのであれば、一つお願いごとがありまして…。」
と桃太郎は、二つの紙袋を浦島太郎に渡した。
「一つは、嶋子さんにです。もう一つは、お荷物になりますが、出雲に行かれるのであれば、「神猿(まさる)」さんと「犬神」さんと「神鳥」の雉さんに渡してほしいんです。岡山土産と各々に当てた手紙が入っています。お願いできないでしょうか?」
浦島太郎が紙袋を覗き込むと三通の封書と「マスカットきび団子」と岡山の銘酒「御前酒」が入っていた。
「渡すだけでええのんか?」
「はい、手紙を添えていますので…。もし、お口添えいただけるのであれば、「桃太郎が、「すみませんでした」。そして「ありがとうございました」。」って言ってたとお伝えください。」
「あぁ、それくらいやったらかまへんで。時間あるんやったら「茶」くらい飲んでいくか?」
「ありがとうございます。少しお邪魔します。」
ふたりは、本殿裏手の勝手口へ回っていった。
桃太郎は座敷で正座して待っていると、浦島太郎が日本酒の一升瓶と陶器の湯飲みを二つ持ってきた。日本酒のラベルに「ええにょぼ」の文字が見える。
「桃太郎さん、いける口やろ?」
「はい、駐車場にタクシー待たせてますので、「軽く」ならご相伴預かります。」
浦島太郎は、桃太郎に湯飲みをひとつ渡すと「なみなみ」と注いだ。桃太郎は、注がれた日本酒の香りを楽しむと(ん!純米酒だな!?香りが「甘い」!)と「くいっ」と半分空けた。
「嶋子さん、このお酒の「ええにょぼ」っていうのは「良い女房」という意味なんですか?」
「いや、丹後弁で「美人」いう意味や。丹後以外の人は、よお、桃太郎さんと同じ勘違いされるけどな。ちょっと前の国営放送の「朝ドラ」見てた人はわかってるけどな。」
と笑った。
「ふーん、「美人」という意味ですか…。勉強になりました。」
「まあ、そんなこと気にせんと飲みや。なかなかうまい純米酒やろ。地元の蔵元の酒やねんけどな。結構、「名前」も「味」も、わしのお気に入りやねん。」
浦島太郎は、手酌で二杯目を入れると、桃太郎の湯飲みにも注ぎ足した。桃太郎は、少し口をつけると、一息ついて浦島太郎に言った。
「この間の「三太郎総選挙」ではいろいろと失礼しました。嶋子さんと金太郎さんにひどいこと言ってしまって、本当にすみませんでした。
思いあがっていた僕を真剣に怒ってくれた嶋子さんには感謝しています。金太郎さんにもお詫びに行こうと思っているのですが、あの選挙で「一位」になられてから、相当忙しいようで、なかなか会ってもらえる時間が取れないようです。」
「さよか、金さんは「商売繁盛」で「休み無し」ってか。そりゃ、結構なこっちゃ。」
「はい、電話すると「休み無しになってしまうんやったら、前のままの方が良かったよ。」って言ってましたよ。」
「欲のない金さんらしい話やな。ところで桃太郎さんはどないやねん。」
「僕は、惨敗の三位でしたから、「失業」して「暇」になるかと思っていたのですが、番組の延長で嶋子さんと金太郎さんと司会の「のーの」さんが、いろいろとフォローしてくれたおかげで干されることは無かったので、僕も「岡山の人たち」もほっとしています……。」
「あぁ、投票結果発表後、桃太郎さん泣きまくってたもんなぁ…。負けて悔しくて泣くんやなくて、「神猿(まさる)」さん、「犬神」さん、「神鳥」の雉さんに対して「詫び」の「泣き」やったからなぁ。あれだけ泣いて「反省」するところ見せられたら、悪く言うものはおれへんやろ。まあ、いずれにしても桃太郎さんも「普通」に「いけてる」んやったらよかったわ。」
「はい、ありがとうございます。でも、投票の結果は、断然ぶっちぎりで嶋子さんだったのに辞退されてもったいなかったですよね。嶋子さんが65%、金太郎さんが33%、僕が2%でしたから、本当の勝者は嶋子さんですよねぇ。」
「あー、それは全然かまへんねん。何べんも言うけど、わしは「太郎」でも「英雄」でもあれへんねんから…。「金さん」優勝で文句なしや!まあ、わしは、「きれいな嫁さんともう一回逢えたら」言うことなしやけどな。」
「嶋子さんらしいですね。僕は、あの番組以降、いろんな伝承を自分で調べるようになったんですけど、「浦島太郎」の話もいろんなバージョンがあるんですねぇ。明治までは、結構大人向けの話だったんで驚きましたよ。
「あぁ、結構リアルに「へげへげ」のことが書いてあったやろ。明治の頭に、それは「子供向けやない。」って文部省の役人らから、わしが「玉手箱開けて煙「もあー」でおじいさんになってしまいました。めでたしおめでたし。」ってな。全然めでたくないわのう!「人の人生勝手に書き変えんな!」ちゅうねん!」
「そうですよねー。嶋子さんが正しいですね。嶋子さんの伝承をたくさん読ませてもらったんですけど、僕が読んだ嶋子さんの話で一番良かったのは、室町時代の「御伽草紙(おとぎそうし)」ですよね。「玉手箱を空けたら、煙に巻かれて嶋子さんが「鶴」になって「水江の浦」から「常世の国」に飛んでいって、「亀」の奥さんとその後、「千年」仲良く過ごしました。」っていう話が嶋子さんにとってのベストエンディングやったと思いますよ。あまりのハッピーエンドで、ちょっと羨ましかったです。」
「あぁ、足利尊氏公や義光公はわしのファンやったからなぁ…。尊氏公はここに参ってくれて「お神酒」や「神馬」奉納してくれてるし、香川の三豊市の荘内半島は室的時代には「浦島」って呼ばれとって、三代将軍の「義光」公は参拝してくれたらしいわ。
「義光」公トリビアがあるんやけど、日本最大のヒット「坊さん」アニメナンバーワンの「一休さん」で主人公の「一休さん」に「いけず」ばっかりやりよる三代将軍の「義光」公の声優は「ちびまる子ちゃん」のナレーションもやってる「キートン山田」やねんで。ちなみに余談やけど「キートン」さんは、わしの本名の「嶋」の字を使こてる「長嶋茂雄」さん役で少年ジャンプの「Dr.スランプあられちゃん」前の最後のジャンプアニメ「侍ジャイアンツ」でも声優やってんねん。あの青髭跡はマンガとはいえ、ジャイアンツの長嶋終身名誉監督はどない思ってたんやろうかなぁ…?
「銀魂」読んでから「ジャンプファン」になった、金さんに話したったら「そんなこと知りませんでした。」って喜んどったわ。
話が飛んでしもたけど、足利の「将軍様」を喜ばせるため、お伽衆(おとぎしゅう※将軍に「寝物語」を行うもの)が書き加えよったんやろな…。
わしが年老いた両親を心配して一度、水江の村に戻った後、玉手箱開けたシーンの後、鶴になったわしが常世の国に戻って「へげへげ」しまくりやったやろ。どんだけ、わしと嫁さん、絶倫の「好き者」やねんってな―。物語の80%が「へげへげ」やもんなぁ…。まあ、ほんまに鶴になって嫁さんと千年一緒に暮らせんねやったらそっちの方が嬉しかったけど、神話の時代の神様やあれへんねやから「人」が「鶴」に変身するってあり得へんわなぁ……。それは、放送中にわしがお前さんに言った通りや……。」
「でも、結納の時の「高砂人形」と一緒に納められる「鶴と亀」が嶋子さんと奥様が元だって話もありますから素敵なエピソードじゃないですか!「色気事」、「女っ気」ナッシングの僕からすると超羨ましいですー。金太郎さんも都でプレイボーイっぷりはたくさん残ってますからね。」
「せやな、あの「あけび」の歌で百人の「あけび」は食ってるわな。ちなみにわしの「亀吉」程やないけど金さんの「松茸」は「鉞(まさかり)」並みやで!「あけび」の「実」どころか「木」まで「ゴッソーン」って切り倒しよるわ!」
ふたりして大声で笑った。
「プップー」本殿の表で車のクラクションの音が聞こえた。
「お客さーん、1時間経ちましたよー。ぼちぼちよろしいですかー?」
タクシー運転手の声がする。
「じゃあ、嶋子さん、出雲に行かれたら、皆さんによろしくお伝えください。機会があれが、みんなで集まりたいですね。僕は、出雲に呼ばれない立場なので…。
足柄の道の駅で金太郎さんお勧めの「ふるさとゴハン食堂」で「相州牛ウニとろ牛めし」でもいっしょに食べて箱根で温泉でも入りましょう。」
「せやな、金さんにも言っておくわな…。じゃあ、桃太郎さんも元気でな。」
「はい、頑張ります。ぱにゃにゃん(※ラオス語で「頑張る」の意)です。これからもお付き合いよろしくお願いします。」
と深々と浦島太郎に頭を下げると桃太郎は本殿を出ていった。
空は抜けるような青空の下で、浦島太郎が鳥居に向かって走って行く桃太郎を見送ると裏山から、「嶋子さん、一人の若者を救わはったんやね…。今も、優しい嶋子さんのままやねんね。」と姫さんの声が聞こえたような気がした。
めでたしめでたし…。これでおしまい…。
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最後の話、良かったです。
やっぱりハッピーエンドですよねー❗️
お読みいただきありがとうございました。
ハッピーエンドは、赤井先生ゆずりです(笑)。
この作品も、いっぱい小ネタいただいて、ハッピーエンドに持ち込むヒントをいっぱいもらったのが思い出されます。
バッドエンドより、絶対ハッピーエンドがいいですよね!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
の〜の先生
リメイク版、快進撃おめでとうございます🎉
年末年始は「ニッポン文化」を意識しやすい時期ですので、これをキッカケに三太郎を読んでくれた方が、三太郎についてのアレコレを楽しんでくれるのではないかと思います🌸
イラストのチョイス、素敵です💖
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感想ありがとうごっざいむあぁぁぁす!
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絶対読んでくれてる!
ちょっとうれしい!
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(⋈◍>◡<◍)。✧💛←色付きって流行り?最近みんなやってますよね(笑)!
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ビヴァ!メリークリスマス―!🎉ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
いつも、たぬ吉がお世話になってます。
プレゼントありがとうございました!
「みりおた」の皆さんに感謝いっぱいです!
(⋈◍>◡<◍)。✧♡