あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第017部 お祭りは片付けまでがお祭りです/お祭りは最後まで楽しむのがお祭りです 

《アストマーズ》

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《ホローリングレース》開始前日の夜……
「くぅー酒がうまい」
「あー最高」
『おいおい、明日はレースだろ?そんなに飲んで』
『リラックス出来てるって事?』
「そうだよ!」
《アストマーズ》の《カルテッドタワー》の最上階のプールサイドで宴会が行われ、画面越しの現在《アーケディア》にいるジラや競馬が好きで《ホローリングレース》を誰よりも実は楽しみしている佳月も一緒に酒を飲んでいた。
周囲ではグラスをかち合わせる音が響く、何度目の乾杯かは分からないが兎に角楽しくて仕方がないと言った感じだった。
「外神ちゃんお手製ドリンクがあるから明日には響かないわよん、ねー」
「そうそう、外神のドリンクはすごいぞ!」
外神が《アヴィラタン》の植物を使い作った滋養強壮栄養回復ドリンク、小さなコルクの瓶に満たされた飲み物を振るチェニエ達、プールサイドのチェアでゴーレム達が運ぶ酒や飲み物を貰いながら夜の宴は楽しく行われていた。
「異界の食べ物って本当、美味しいよな」
「おいしい…こっちも負けてない」
「そうだな、負けてない」
『そっちの食いもんも本当に美味くなった』
『そうだな!』
「素材が変わったから余計美味くなったんだ、色々な物を取り入れて納得がいくものを出しているから」
画面越しのフォンとギーギスが杯を振る、13名の操者達は大半が本業があり飲食に携わっているビヒメゴ達は日夜異界の食材を使って美味しい物を産み出す事に余念がない、それもあってか現在《ホローリングレース》の人気はやや《アストマーズ》では下降気味らしい。
「明日の《ホローリングレース》が終わったら暫くは次のレースはないからな」
『それは残念』
「彼らが天使に会える頻度が増え創作意欲が湧き、人は異界とこの交易に精を出し、天使は変わらず、天人達も異界の物に興味が向いたから」
「みんな、見ている場所は変わったな。前は同じだったけど」
操者達が笑う、《ホローリングレース》しか娯楽が無かったといっても過言ではない《アストマーズ》もいまや皆別の娯楽を見出していた。
『悪魔が作った物が規制が掛けられてあまり《アタラクシア》に入ってこないって崇幸ががっかりしていたな』
『千景がいる《アヴィラタン》ばかりだもんな』
「悪魔の旦那たちが作った物ってやばいらしいから」
《アストマーズ》にしか存在しないとされている悪魔達、彼らが本気で産み出した物は《アタラクシア》に影響を及ぼすと神々が判断し現在規制されている、ゴーレムや芸術品が特に《アヴィラタン》では人気で《アヴィラタン》では《アストマーズ》の為に作られた作物や鉱物等が流れて来ていると面白がっていた。
「ううん、ねむい…おやすみ」
「寝るなよここで……うわ、寝たよ」
そうして話し込んでいればベンチに座っていたラグージェが目を擦り、隣でアイスを食べていたジュカの肩に寄りかかり寝息を立てジュカが嫌そうな声を上げる。
『ここいらでお終いだな、おやすみ』
『明日頑張れよ!賭けてるからな!』
『おやすみ』
ラグージェの寝息が宴の終了の合図、皆頷いて挨拶と片づけを行い引き上げた……。

『美しい青空の下、ただいまより《ホローリングレース》開幕します!』
翌日の朝、元気な姿で青い空の元自分の能力で出した相棒の馬達に跨る13名の操者達、顔色もよく全員笑みを浮かべて朗々と響くメディエスカの前口上を聞きスタートの合図を待つ。宙に浮かぶ幾つものリング、歓声をあげる観客たち、特別観覧席には天帝を初めとした天人族たち、全員リラックスした面持ちで開始を待つ、かつては順位を賭けて争い罰を恐れていた彼らはいない。
現在の優勝候補は天才ラグージェと実力を隠し続けたジュカ、皆それに続く誰が入賞してもおかしくはないレースにジュカは血が滾り熱さを感じる。
『それではスタート!』
メディエスカの高らかな声に宙を駆ける操者達、先頭はラグージェに続く、各世界から歓声が響き渡った。

「悪くはない」
「そうか」
操者達のマイスターである悪魔とその対となっている天使たちに用意された《カルテッドタワー》の観覧室、今回コースにはこの《カルテッドタワー》の周囲も使われ中から鑑賞する観客達もいる、《アストマーズ》での《カルテッドタワー》は複合施設として運用していくと種族会議で決められた。
崇幸からの要望は誰でも入れる場所、そこに身分や区別等はなく誰も彼も同じ目線でという希望だけがあり皆それに同意した。
上階からホローリングレースの様子を見降ろしコーヒーを飲むジュカのマイスターのファーツコクスとその対のアスナタリタス、ぶつかり合い魔法が放たれ順位を競う彼らを見下ろす。
「楽しそうなことだ」
「以前とは違うな」
「時代というものは変わっていく」
「私達にそのような感傷はない」
「ふ…言ってみただけだ」
「そうか」
ファーツコクスの張り付けたような笑み、アナスタリタスはコーヒーを飲みながらファーツコクスの感傷を否定しファーツコクスもまたそうだと頷く、言葉遊びにも満たない会話を続けていった…。

「うむ、良い」
「はい」
「そう思うであろう?第三妃よ」
「ええ、よい物かと」
天人族たちがいる特別観覧席、天帝の耀帝と補佐であり弟でもある燕碑と第三妃、後ろには護衛が控えレースを見物している、良いレースだと笑い後で褒美でも出そうかと鑑賞する、今はジュカがラグージェを抜き1位だった…。
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