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第018部 友よ、また…/はじめまして、こんにちは、さようなら
第010話 グローリーの白昼夢/第010話 《アシュエット》偏 指の先ほどの
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第010話 グローリーの白昼夢
グローリーは夢を見ない…筈だった…遠くで本当に遠くで子ども達の笑い声がする、眼を閉じ横たわっていたグローリーはそれを聞きながら微かに笑う、グローリーは幸せだった。
隣にキリングがいればもっと、更にはグローリーが逢いたい者達がいればもっとグローリーは満たされる。
「……おじいちゃん」
「…はい」
「会いたかった…おじいちゃん…」
「私もですよ、はじめまして」
「俺はグローリー」
「良い名前ですね、この子のお陰でようやく貴方に逢えましたね…」
グローリーは白い気配に目を開け身を起こすと暗い空間に白い衣装にフードを被った人物とその肩にはグローリーのヒヨコ、いつもチキと一緒にいる筈の存在がいた。
グローリーはその白い人物の正体に気づき声に出せば、向こうは口元しか見えないが優しい笑みを浮かべた。
「おじいちゃん…チキ達はおじいちゃんの所にいるの?」
「ええ、皆さん無事ですよ」
「良かった…でも、遠い」
「そうですね、貴方達は旅をしていますからいつかは来るでしょう。大丈夫ですよ、客人として良き友人として此方で不自由なく暮らしています」
「うん…」
「貴方は貴方の為すべき事、すべき事をゆっくりと1つずつ着実にこなしていきなさい」
白い人物が肩のヒヨコを撫でながら伝え、グローリーは頷いた。
「おじいちゃん…」
「はい」
「お父さんとお母さんに会いたい……」
「ごめんなさい……」
グローリーの願いに悲し気な声で謝る、グローリーは悲しませたいわけではない自分の望みを口にしただけだった。
「おじいちゃん…泣かないで…」
「……」
白い人物はそっとグローリーを抱きしめる、眼は隠れて見えていないが泣いている気配がしグローリーが慰める。
「ごめんなさい…」
「いえ…私が…私が悪いんです…」
肩のヒヨコが忙しなく動く、時間がもうないと告げているようだった。
「時間がありません、これだけは…こちらにいるチキ様達の事は此方に任せて下さい、それと貴方の友人であり家族である間も無くゲーターライフラフテスの呪いが花開きます、この子がとても心配してるので…とても優しくていつも美味しいものをくれるからと…側にいる魔王様にそう伝えなさい…」
「分かった…ありがとうおじいちゃん…」
「いえ…貴方達逢える日を待っています…」
白い人物の唇がキリングの瞳に触れそして姿が霧散し、グローリーもまた子ども達の声でゆるりとその場から遠ざかった。
「ぱぱー」
「どしたのー」
「珍しいなグローリーが昼寝なんて、よく眠れたか?」
「うん…」
グローリーが眼を覚ますと目の前にエクトとセレネの顔、そして覗き込むようなウォルゾガの顔に身を起こす。
「タナトスの所にいく…」
ウォルゾガの顔をみつめ夢の中の事伝えようと、をエクトとセレネの頭を撫でグローリーはタナトスの元へ向かった…。
第010話 《アシュエット》偏 指の先ほどの
「すぐ傷を治すからな」
ジラが倒れておる少年の身体を起こし回復薬を飲ませる、他の部屋いた子ども達は佳月と外神が連れて来たが皆痩せこけ、布を巻いたような粗末な服に身を包んでいた。
「殺さないでくれて良かったよ、今から適当に罪をでっち上げて奴隷に落とすから」
蒼夜が肩を竦め此処にいた男達の行く末を伝える、少年は癒えた痛みのない身体が男達から受けた暴力を思い出し恐怖にガタガタ震えていた。
「もういない」
「腕を戻します、これを飲んで下さい」
佳月は慰める訳でもなく冷えた声で言い、外神が更に小さな瓶に満たされた万能薬を出す。
「な、ん、で…」
「…助けたいとジラさんが言ったからです、僕達は貴方達と何の関りもありませんが、貴方達が理不尽に奪われ暴力を受ける謂れはないと思いました。彼らに奪われた物を僕が貴方に返すだけです」
外神はジラに言われなければ動くつもりはなかった、懐記や他の誰かから言われても動く、だがそれだけだ。
目の前の酷い有様の彼らを見ても然程心は動かない、誰かに言われなければ外神は無関係な存在を救ったりはしない、だが関わったなら途中で放り出すつもりはない。
少年は外神の無機質な瞳、暗い闇の底の様な色を見つめどのみちこのまま何もしなければ先はないと瓶を受け取り一気に中身を飲み干した。
「ああ!」
「違和感は出ると思います、すぐに腕は元通りです」
「あ、お、俺の腕……」
「良かったな」
「君は幸運だね、彼らに感謝するといいよ」
喪った腕の先に違和感を覚え悲鳴を上げる、目を閉じて開けば腕は元通りになっていた。
ジラが笑い蒼夜も運が良いと頷く、少年は驚き指先の動きを確認するが自分の腕で間違いない。
「君が彼らのボスだね、俺達はある程度君達に手を差し伸べる、けれどそれだけだ。指の先程度の支援だが、これからそれを使い上手く生活していってほしい」
本来ならば教育や環境を整えるべきだが、蒼夜の意向で彼らが自力で生活が出来るだけの支援を言うのでそれに従う。
この世界にはこういう子ども達など吐いて捨てる程いる、目の前の彼らをこちらが満足するまで面倒を見るのは不平等過ぎるというのが蒼夜の気持ちだった。
「ありがとうございます…」
「これからが大変だけれどね」
少年が泣きながら深く頭を下げる、夜はまだ明けないが少年の心は先に明けたのだった…。
あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EX~売れない男は異世界で夢を見るけど現実も見る~
track.038 不穏な馬車
休憩をしながら御者や商隊の者達はさりげなく鍔騎達の前にいた丈夫な馬車の周囲を囲んでいる、サックとガブはその馬車に視線を向けないように気にしながら鍔騎は果物を齧る、先程おじちゃん呼ばわりした子どもが指を咥えて見ているので母親にもと2つ渡し嬉しそうに齧り母親も礼を言う。
「おじいちゃんの所にいくの!」
「それはいいね」
「ふふ、たまには孫の顔をみせようと思って…」
そういう母親の顔は暗く笑ってはいるが表情は固い、訳ありなのだろうかと鍔騎は思いつつ首を突っ込む事は出来ないと相槌を打つ。
「そろそろ出発するぞー」
商隊のリーダーの声に皆が集まり馬車に乗り込み馬車が走り出す、相も変わらず揺れるが皮の敷物が良い仕事をした。
「けっこう暗くなってきたな」
「……」
「あーまあ、そう来るよな」
馬車を走らせ数時間辺りは暗く走る道は整備も勿論されていない木々に囲まれた場所、サックが周囲を伺剣を携えガブが弓とナイフを出す。
「目的は前の馬車ですね、来ます!」
「盗賊だ!」
「なっ!」
ガブが暗い中弓を放つ先は木の枝、そこから悲鳴が上り落ちる音が聞こえ前を走る馬車の護衛達や商隊が暗がりから襲う盗賊達と戦闘が始まり鍔騎が驚く、客達も怯えているがガブが的確に敵を射貫き、サックもそれに続く。
「弓、いけるじゃん」
「貴方程ではないです、皆さん!床に身体を伏せて体制を低くしていて下さい!敵はこちらが気づいた事は計算外だと思います不利ではありません!」
ガブが口笛を吹きサックの弓の腕前を褒める、サックは鍔騎達に声を掛け余裕を見せてくれた。
『マスター前の馬車から異様な魔力を感じます、向こうの目当てはの馬車です。前の馬車から距離を置きましょう』
「そんな事をしたら前の馬車がどうなるんだ?人が乗っているんだろう」
『こちらにも人が乗っています、サック様、ガブ様、この馬車の速度を落として…』
「ぎゃあ!」
「大丈夫か!」
「俺が御者をする」
敵が前の馬車を狙い戦闘をしている様でこの馬車の御者の肩に飛んで来たナイフが刺さり鍔騎が御者を中に入れ、代わりにガブが手綱を握った。
「向こうが数で攻めていますね、このままでは…」
『仕方ありません、ミック達を出します。この馬車はデコイ…元からこうなった場合の時間稼ぎに切り捨てるつもりだったんでしょう。ガブ様の先制で敵の計画が狂ったようですね』
そう言い神器が収納空間から、ミック、スライム、蜘蛛を出し前へ行かせた。
既に真っ暗な中、飛び出したミック達が夜の闇に消え悲鳴があちらこちらから聞こえるが前の馬車は止まらずガブが操る馬車も進み続けた…。
グローリーは夢を見ない…筈だった…遠くで本当に遠くで子ども達の笑い声がする、眼を閉じ横たわっていたグローリーはそれを聞きながら微かに笑う、グローリーは幸せだった。
隣にキリングがいればもっと、更にはグローリーが逢いたい者達がいればもっとグローリーは満たされる。
「……おじいちゃん」
「…はい」
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グローリーは白い気配に目を開け身を起こすと暗い空間に白い衣装にフードを被った人物とその肩にはグローリーのヒヨコ、いつもチキと一緒にいる筈の存在がいた。
グローリーはその白い人物の正体に気づき声に出せば、向こうは口元しか見えないが優しい笑みを浮かべた。
「おじいちゃん…チキ達はおじいちゃんの所にいるの?」
「ええ、皆さん無事ですよ」
「良かった…でも、遠い」
「そうですね、貴方達は旅をしていますからいつかは来るでしょう。大丈夫ですよ、客人として良き友人として此方で不自由なく暮らしています」
「うん…」
「貴方は貴方の為すべき事、すべき事をゆっくりと1つずつ着実にこなしていきなさい」
白い人物が肩のヒヨコを撫でながら伝え、グローリーは頷いた。
「おじいちゃん…」
「はい」
「お父さんとお母さんに会いたい……」
「ごめんなさい……」
グローリーの願いに悲し気な声で謝る、グローリーは悲しませたいわけではない自分の望みを口にしただけだった。
「おじいちゃん…泣かないで…」
「……」
白い人物はそっとグローリーを抱きしめる、眼は隠れて見えていないが泣いている気配がしグローリーが慰める。
「ごめんなさい…」
「いえ…私が…私が悪いんです…」
肩のヒヨコが忙しなく動く、時間がもうないと告げているようだった。
「時間がありません、これだけは…こちらにいるチキ様達の事は此方に任せて下さい、それと貴方の友人であり家族である間も無くゲーターライフラフテスの呪いが花開きます、この子がとても心配してるので…とても優しくていつも美味しいものをくれるからと…側にいる魔王様にそう伝えなさい…」
「分かった…ありがとうおじいちゃん…」
「いえ…貴方達逢える日を待っています…」
白い人物の唇がキリングの瞳に触れそして姿が霧散し、グローリーもまた子ども達の声でゆるりとその場から遠ざかった。
「ぱぱー」
「どしたのー」
「珍しいなグローリーが昼寝なんて、よく眠れたか?」
「うん…」
グローリーが眼を覚ますと目の前にエクトとセレネの顔、そして覗き込むようなウォルゾガの顔に身を起こす。
「タナトスの所にいく…」
ウォルゾガの顔をみつめ夢の中の事伝えようと、をエクトとセレネの頭を撫でグローリーはタナトスの元へ向かった…。
第010話 《アシュエット》偏 指の先ほどの
「すぐ傷を治すからな」
ジラが倒れておる少年の身体を起こし回復薬を飲ませる、他の部屋いた子ども達は佳月と外神が連れて来たが皆痩せこけ、布を巻いたような粗末な服に身を包んでいた。
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蒼夜が肩を竦め此処にいた男達の行く末を伝える、少年は癒えた痛みのない身体が男達から受けた暴力を思い出し恐怖にガタガタ震えていた。
「もういない」
「腕を戻します、これを飲んで下さい」
佳月は慰める訳でもなく冷えた声で言い、外神が更に小さな瓶に満たされた万能薬を出す。
「な、ん、で…」
「…助けたいとジラさんが言ったからです、僕達は貴方達と何の関りもありませんが、貴方達が理不尽に奪われ暴力を受ける謂れはないと思いました。彼らに奪われた物を僕が貴方に返すだけです」
外神はジラに言われなければ動くつもりはなかった、懐記や他の誰かから言われても動く、だがそれだけだ。
目の前の酷い有様の彼らを見ても然程心は動かない、誰かに言われなければ外神は無関係な存在を救ったりはしない、だが関わったなら途中で放り出すつもりはない。
少年は外神の無機質な瞳、暗い闇の底の様な色を見つめどのみちこのまま何もしなければ先はないと瓶を受け取り一気に中身を飲み干した。
「ああ!」
「違和感は出ると思います、すぐに腕は元通りです」
「あ、お、俺の腕……」
「良かったな」
「君は幸運だね、彼らに感謝するといいよ」
喪った腕の先に違和感を覚え悲鳴を上げる、目を閉じて開けば腕は元通りになっていた。
ジラが笑い蒼夜も運が良いと頷く、少年は驚き指先の動きを確認するが自分の腕で間違いない。
「君が彼らのボスだね、俺達はある程度君達に手を差し伸べる、けれどそれだけだ。指の先程度の支援だが、これからそれを使い上手く生活していってほしい」
本来ならば教育や環境を整えるべきだが、蒼夜の意向で彼らが自力で生活が出来るだけの支援を言うのでそれに従う。
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「……」
「あーまあ、そう来るよな」
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「目的は前の馬車ですね、来ます!」
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「なっ!」
ガブが暗い中弓を放つ先は木の枝、そこから悲鳴が上り落ちる音が聞こえ前を走る馬車の護衛達や商隊が暗がりから襲う盗賊達と戦闘が始まり鍔騎が驚く、客達も怯えているがガブが的確に敵を射貫き、サックもそれに続く。
「弓、いけるじゃん」
「貴方程ではないです、皆さん!床に身体を伏せて体制を低くしていて下さい!敵はこちらが気づいた事は計算外だと思います不利ではありません!」
ガブが口笛を吹きサックの弓の腕前を褒める、サックは鍔騎達に声を掛け余裕を見せてくれた。
『マスター前の馬車から異様な魔力を感じます、向こうの目当てはの馬車です。前の馬車から距離を置きましょう』
「そんな事をしたら前の馬車がどうなるんだ?人が乗っているんだろう」
『こちらにも人が乗っています、サック様、ガブ様、この馬車の速度を落として…』
「ぎゃあ!」
「大丈夫か!」
「俺が御者をする」
敵が前の馬車を狙い戦闘をしている様でこの馬車の御者の肩に飛んで来たナイフが刺さり鍔騎が御者を中に入れ、代わりにガブが手綱を握った。
「向こうが数で攻めていますね、このままでは…」
『仕方ありません、ミック達を出します。この馬車はデコイ…元からこうなった場合の時間稼ぎに切り捨てるつもりだったんでしょう。ガブ様の先制で敵の計画が狂ったようですね』
そう言い神器が収納空間から、ミック、スライム、蜘蛛を出し前へ行かせた。
既に真っ暗な中、飛び出したミック達が夜の闇に消え悲鳴があちらこちらから聞こえるが前の馬車は止まらずガブが操る馬車も進み続けた…。
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出版社: アルファポリス
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【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
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アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
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