あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第3部 歩く路は笑顔で 余裕を持って進んでいこう

6 何これぇー(ドラゴンの皆さまより)

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「魔王が…給仕…」

「まず飲み物から…異界の酒ビールと蜂蜜酒、果実酒と水、果実水と異界のお茶とこの世界のお茶は香りが違う物が幾つかある…何にする?」

「俺は異界の酒!お代わりはありだろう?」

「ああ、いくらでも…」

「なら、私も同じ物を」

大河のビールを千眼がプルタブを開けグラスに注ぐ缶はその場で消える、皿を渡し次のナイルの所へ移動する。

アゲイル達の次に並んでいたアルケールとナイデルは何とも言えない複雑な顔をして、ビールを選んで注いで貰っていた。

「アゲイル様、レグ様スープは異界の調味料を使ったもの2つあります。芋を使った味噌汁というものと魚と貝の醤油スープです」

「せっかくだ2つ貰おう、レグ?」

「私は芋スープ!ところでその爪綺麗!髪も可愛い!」

「確かにナイルに良く似合っているな」

「ありがとうございます、率さんにして貰いました」

「私の髪と爪もして欲しい!」

「なら、後で頼んでみて下さい。可愛いくしてくれますよ」

「分かった!」

スープと飲み物は主役2名に用意された、ガラスのテーブルにナイルが風魔法で運んでくれる、サラダとパンも皿に乗せて隣の…鉄板焼きコーナーに移動すると既に1人でパーティーが始まっていた。

「おい、チグ先に食うなよ。全く…それうまそうだな」

「うまい…全部うまい」

「なら、1通り少しずつくれ」

「ん…」

大皿に貝や魚や肉を丁寧に切り分け2人前を手早く盛り付け風魔法でテーブルに運ぶ。

「アゲイル…レグ、おめでとう…」

「……ありがとう」

「ありがとう!」

チグリスからの祝いの言葉にアゲイルとレグが満面の笑みを浮かべ受け止める、チグリスはまた味見と焼き係に戻った。

「どうも、アンタが《不毛の地》で俺達の祝いをしてくれるって言ったのは」

「はい、せっかくだからこの場所がこれから変わっていくのを見て欲しいのと、後は単純にお祝いしたかったんです、おめでとうございます。揚げたての肉、キノコ、カツや野菜!パンに挟んでも美味しいですよ!」

『全部!』

「はい!」

皿に2人前ずつ串を並べ風魔法で運ぶ、次は隣の大河のポップコーン&炒め物のコーナー。

「これは一体…」

「初めてみた…食欲のそそる匂い」

皿に山盛りのポップコーンに釘付けになっている、物は試しと大河が味見を促す。

「食べてみてくれ、味は付いてないがそのままでもうまい」

ポップコーンを1つ取り口に運ぶサクっと軽い歯ごたえ、口の中ですぐになくなりまた次がすく欲しくなる。

『おいしい!』

「そうか、なら味は…醤油はこれは俺達のいた世界の調味料と後は塩だな、やっぱり塩がオススメだ。おかわりも沢山あるか色々試してみてくれ」

「そうか、なら最初は塩か」

「この色々混ざっているのがいい」

「分かった」

どんぶりの様な器にスコップの形の匙で一山掬い、果物の皮とハーブが、混ざった塩を振りかけ蓋をして何回か混ぜた物を風魔法でナイルに運んで貰う、後は腸詰めとキノコの炒め物の皿によそって貰い、隣の果物のスペースに移動した。

「爪と髪!私も皆みたいにして欲しい!」

「はい、勿論良いです。お食事が終わったらやりますね、アゲイルさんもやりますか?」

「いいのか?頼む」

「はい、分かりました。デザートなんですが後半にすごい物を用意しているので腹八分目程でお願いします。これは口に直しなので軽めに用意してます」

ニコニコと率が笑う、口直しの軽めと言われても目の前の果物は飾り切りの果物が綺麗に並べられ、器の下には氷も敷かれ冷たさを保ち目にも鮮やかに楽しませてくれていた。

「綺麗だな」

「可愛い!」

2人少しずつ全ての種類を取り、用意された席に着いた。



「では、料理と飲み物皆さん行き渡りましたね!料理の説明も1通りしたので、この後は自由に食べたい物を食べて下さい。器やグラスの回収はこちらでしますー。料理の追加もしますので無くなったら言って下さい。デザートは後半のお楽しみに!それでは、ご結婚おめでとうございます!カンパイ!」

『カンパーイ!』

グラスの軽くぶつかる音が聞こえてくる、その後は皆料理と飲み物に夢中だった。

「な、なんだ!この酒は!こんなうまい酒初めて飲んだぞ!」

「そうですね、このポップコーンというのもビールという酒にとても合います!はっ、もうないお代わりを!」

「わ、我も!」

「この揚げ物とかいうものも美味しい!!」

「幾らでも入る!」

「うう…アゲイル様のお陰でこんな美味しい物が食べられるなんて、俺はぁ幸せ!!」

飲み物コーナーが早くも大人気、用意したビールがもうなくなりそうなので大河が追加で出す、グラスに注ぐのももどかしいのか、缶から一気に飲み干す者もいた。

詠斗達はその合間に写真を撮ったり、グラスや器に浄化魔法を掛けて綺麗にしたり、食べたり飲んだりと忙しなく動いていた。

「ナイルのその板は何だい?」

写真を撮っていたナイルの隣にナイデルが並び、不思議そうに見ている。

「父様、これはスマートフォンという、詠斗さん達がいた世界のアイテムです、これを持っている他の人と離れても会話が出来たり、写真や動画…ほらこうすると…」

「異界には便利な物があるんだな、綺麗な物だ」

「ええ、日々新しい刺激がありとても楽しいです」

「そうか…」

我が子のこんな楽しそうな姿はいつ振りか、思い出す日々はあまりに遠く…今こうして楽しく笑ってすごしているナイルを見るのは父親としてとても嬉しいものだった。



「あれ、チグリスの兄貴は?」

「肉を焼いている所に…いませんね」

淡い碧の髪と瞳の外見が20台半ばの青年ドラゴンラドゥと、黄色をくすませた色の髪と瞳の外見が20代前半の青年ドラゴンオリガがグラスにビールを注ぎながらチグリスを探していた。

「ああ、いましたよ。チグリス様ここにいたんですか…」

「お、一緒に肉食おう…」

鉄板を乗せた台の裏にしゃがみ込んできゅう達と焼いた肉や貝を食べているチグリスと目が合う、2人を釘付けにしたのは一緒に食べているきゅう達だった。

「タータイルクッガ!タグモールモグラも」

「ラビィタイタックもいますね、珍しい。しかもみんな亜種…」

「ん…何か用か?ラドゥ、オリガ」

「一緒に呑もうと思って…こいつらは?」

『も、もぐ』『もぐぅ』『もぉぐ』『きゅ?』『ぴい』

ハル達は怯え気味、きゅうは首を傾げウィンは焼いた野菜を食べている、チグリスといれば問題はないという信頼を置いているのかきゅうとウィンは食事を続けている。

「ここで暮らしている…」

「へぇ、こうやってみると可愛いもんだな。こいつ等俺達ドラゴンも捕食しようとするからな」

「それが彼らの本能でしょう、目の前に在る物を喰らい尽くす。この3種が同じ場所にいて血を見ないのはすごいですね。彼らは上手く共生しているんですか?チグリス様」

「仲は良いだろうな、湖に魚を捕りに行って持って帰ってくる位だ…お前たち俺を喰いたいか?」

全員首を横に振る、身体の大きさから見れば良く食べる方だが詠斗や皆が与えてくれるもので十分だった。

「へえ、目の前に在る物全て食い物だと言っても言い位のヤツらがねぇ」

ラドゥの淡い碧の瞳が細まる、ハル達はチグリスの後ろに隠れてしまった。

「ラドゥが驚かすから怯えているじゃないですか…」

「用がないなら他へ行け」

「肉一緒に食おうって、ほらお前たちも悪かったよ来いよ」

「怯えさせてすみません、良かったらこちらで皆で食事をしませんか?チグリス様も」

「どうするお前たち?俺はこの後やることがある…また後で、ハル達も給仕があるから仕事するそうだ」

チグリスが立ち上がりきゅう達も各々定位置に戻って行く、バツが悪そうな顔をラドゥとオリガは浮かべた。

「あーあ、振られた。あ、チグリスの兄貴その髪と爪いいな。俺もやってほしいんだけど」

「僕もお願いしたいですね、綺麗ですし。他の方々の爪も綺麗ですし興味があります」

「それは、アゲイルとレグが終わってから率に聞いてみればいい。ほら、肉…」

「うわ、本当にチグリスの兄貴が食い物くれた!さっきも貰ったけど!あれは皆いたし!食いながら焼いてたから普通にくれたけど、今は食ってないのに肉くれた!」

「面倒だから長に分けて貰ったり、鱗と交換したり、脅したりして食料を貰って?いるあのチグリス様からまさか…食べていない時に肉を貰えるなんて…」

「……やっぱり返せ」

『いやいや…』



「異界の方は器用ですね」

「小さい物に見事な細工を施せるとは…」

腹も8分目酒も程よく回りそれぞれの交流会が始まり、率はレグとアゲイルのネイルを行っているのを4人ほどに囲まれ見られているが、なんだかんだ会話を挟みつつのんびりと行っていて緊張も意外と無く進めていく。

「綺麗、私の爪に花が咲いた!」

「ああ、綺麗だ…」

白く塗った爪に淡いピンクの花のネイルシールを使う、風魔法で乾かせばすぐに乾くので時間の短縮にもなり便利だった。

「髪も……うん。こんな感じで」

詠斗から借りたコンパクトミラー(ボストンバッグの底に何故かあった)で、編み込みでハーフアップにした髪型を見せた。

「レグ!綺麗だ!俺の伴侶は世界一だな!」

「う…」

顔を真っ赤にしたレグがネズミの姿に戻ってしまうが、それもまたアゲイルは嬉しそうにしている、その光景を他のドラゴン達も微笑ましく見ていた。



「お、モグラちゃんたちさっきは悪かったな!俺はラドゥだ。どうだ?酒でも飲んでいかない?」

「ラドゥなんですか、それ。すみませんね、僕はオリガと言います、よければ如何ですか?」

『もぐ』『もぐ』『もぐ』ハル達がそれぞれ自己紹介を行い、1杯だけならとお茶を5人で飲む事にした。

「ハルさん、ナツさん、アキさんですね。仕事中だからお茶を飲むんですか?どこかの誰かも見習って欲しいですね」

「んぁ、おれの事かぁー今日はめでたい席だからいいんだよー。な、もぐらちゃん達ーほらカンパイってやつな」

巾着袋から各々小さいコップを出して、卓に予め用意されていたお茶をオリガが注いでくれ、小さくカンパイを皆で行った。



『きゅ!』『ぴぃ』

「きゅう殿でしたかな、皿とコップを片付けてくれるとはいやはや気の利く事で」

きゅうとウィンは卓を周り食べ終わった皿やコップを片付けていく、アゲイルとレグの支度が済めばいよいよデザート…みんなで作ったウエディングケーキの登場だ、きゅう達も楽しみで仕方ない。

ウキウキと各卓を周り、ドラゴン達に挨拶しながら早くみんなの驚く顔がみたいなと思った。



「もうそろそろか…」

「ですね」

思いのほか揚げ物とポップコーンの重要が高くナイルに手伝って貰いながら、仕込みを行った分はもう間も無く無くなりそうだった。

「好評で良かったです!」

「しばらくポップコーンはいいな」

「私は好きですよー飽きません。特に醤油味、香ばしくて…」

ナイルがトウモロコシモドキの粒を風魔法で取りながら顔を綻ばせる、沢山準備し作った物がこうも次から次へと消えていくと気持ちが良かった。

「皆戻ってきました!そろそろ始めますか」

「ああ」

「はい!チグリス!」

「ん…」

「そろそろか…

率も戻って来て片付けた台の前に並んで、デザートの時間を告げまずはアゲイルとレグに来てもらう、アゲイルも銀のネイルに金の花のシール、髪は無造作に高く括っているが良く似合っていた。

「それではデザートは皆で作った、ウェディングケーキとフルーツ水飴です!」

詠斗からの収納から現れたのは、高さ2mを超えるパンケーキのタワーと氷の塊に窪みを作り果物と水飴を流した物が出て来た。

皆口をポカンと開け、それを見たドラゴンの皆様の声は『なにこれぇー』だった…。
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