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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~
5 集合
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時間は遡り《シーソル》の街、通行料1人3,000ログを支払い、綴、ラジカ、起きたチグリスを連れて入る。
「綴…おにぎり」
「はい、ごま塩おにぎりですよ。水も飲んで下さい」
「ん…」
「ここです、おや?」
賑やかな商業街といった感じだ、雑多な露店で収納袋に入れて布等を買い込む姿は商売人といった体で卸問屋のような雰囲気があり、更に奥へ進めば服作りの店が並んでいた。
ラジカに連れられて向かった先『フールフの縫製屋さんとリプの靴屋さん』と掛けられた木の看板の下には売地とある。
「店を畳んだんでしょうか?腕はとても良い方達なんですが」
「このケガじゃなきゃな、久しぶりだな旦那」
「フールフさん、その腕は?」
綴達の足元には4、5歳位子供サイズの小人の少年が、右腕に包帯を巻いて現れた。
「小人さん?」
「珍しいな…小人族…」
「その怪我は?どうしたんです?」
「…嫌がらせだよ、嫌がらせ。ちょっと腕が良くて良い仕事貰えるからって、夜に糸の採取をしてたら…」
「それは、酷い!」
「オイラも急ぎの仕事だからって、出たのもわりいんだ…」
「……貴方の助手のファーフル達は?」
「無事さ、戻ってこないオイラを探しにきてくれて治療院に連れてってくれたし、相棒のリプはそんなオイラを見てねこんじまったよ。」
何かも諦めたような表情、綴はその表情に胸が締め付けられた。
「ラジカさん、良いですか?」
「はい、流石に私もこの状況看過出来ません」
「店も畳んだし、旦那には悪いがみんなを連れて森で暮らすよ」
「フールフさん、僕達いえ…《アウトランダーズ商会》がそのケガを治せると思います。傷が癒えたらうちの商会で働きませんか?」
「え?む、むりだって骨が粉々でもうまともに動かないって…」
綴が片膝を付き真摯な眼差しでフルーフに訴えかける、フルーフは狼狽える、服を作るのが好きなのだ、縫うのものも、喜んでくれる人の笑顔、相棒達との好きな事を好きなだけ出来る時間を彼は何よりも愛している…それが出来るならどんな場所だって…良い。
「ほ、本当に治せるかもしれないのかい?」
「信じてくれますか?」
レグの力で治せなければ、神々の力を使ってでもと綴は思っている。
「また皆でやりたい!オイラをアンタに託す!」
「はい!少しじっとしていて下さい」
晴海から貰ったレグの治癒の力が入った札に魔力を込める、ゆっくりとフルーフの腕を癒していく。
「オイラの腕が…痛みが…」
「どうですか?」
「動く!動く!やったあ!」
「痛くないですか?」
「へーき!痛くないぞ!」
「良かった」
「では、リプさんの所に行きましょう」
ラジカがそっとフルーフを抱えるフルーフもなすがままだ、痛みも取れ腕も元に戻ったが精神は摩耗しているのだろう。
「ここがオイラの家さ!」
「木の中なんですね」
「今、リプとシシとヤヤを連れてくる!」
町外れの大木の穴の中にするりと入っていく、綴の内心は複雑だ真面目に仕事をしている彼が何故こんな目にあってしまうのか。
「綴さん、この世界は簡単に人を傷つけます。ほんのささいな事で」
「はい…」
「連れてきた!」
フルーフの後ろで大泣きしている小人の少年と、プレーリードッグを小さくしたような動物2匹が大号泣していた。
「うぅわよがっだよーありがどおー」
「もう、なくなよ」
「だっでぇ」
『ぷる』『ぷるう』
ファーフル達も泣きながら喜んでいる、綴がリプ達にも事情を説明し快諾してもらう。
「荷物は全部収納に入っているから、いつでも行ける!」
「よ、よろじぐおねがいしまずぅ」
『ぷるう』『ぷる』
「綴…飯」
「あ、そうですね。みんなお腹空いてませんか?軽く食べましょう」
「チグリスさん、綴さんそれは無理みたいですね。スマホに詠斗さんから至急《ガルディア》の貧民街にくるようにとの事です」
「大変、すみません。先に《ガルディア》へ」
転移魔法を使い《ガルディア》へ向かう、食事をお預けされたチグリスは憮然としつつフルーフ達を抱えた。
「ちっ、どいつもこいつも」
「僕も久しぶりに怒りを感じたよ」
「酷い…」
「フルーフ達は晴海くんとチグリスと炊き出しを食べていて下さい、話しが済んだら《不毛の地》へ行きましょう」
《ガルディア》で千眼も合流し、アシューの件とフルーフの件を話し皆憤る、晴海は頷きフルーフ達を連れチグリスと炊き出しに行く。
「しかし、ダクラン家か。厄介だな、あいつらは貴族とか以外は塵だと思っているような5家の中でも質がわりぃ一族だからな」
ランダが頭を抱える、大河は千眼に合図を送り千眼は蝶を空へ飛ばす。
「しつこそうな感じだ、そこでここの守りを固めていこうと思う。壁を作ろうか、カジノの土地にもね」
「へぇ、いいね。後そのダクラン?とかいう奴ら出禁ね。ラジカっちいい?」
「はい、大した事ありませんから。裏市場には客では無く商人として入っても購入は出来ますから、なんなら5家全て敵に回しても構いませんよ」
「おい、正気か!?」
「いんじゃない」
ラジカの台詞にランダが青ざめ、懐記は面白がる。
「大した事はないですよ、こちらは彼らが束になっても出来ない事をしますし」
「なら、嫌がらせをされないよう早速壁を作るか」
「魔鉄で囲み、入り口は認証式にしようか。限られた人しか入れないようにね」
『それいい!』
「ニア君、魔石に魔力注いでくれる?」
「はい、僕もアシューさんの家族を奪われそうになったのは赦せません。頑張ります」
千眼と千歳の背筋に悪寒めいた物が走る、弱体化しても1位の貫禄はある。
そして3分で出来る壁造りが始まる、次回『壁』
「綴…おにぎり」
「はい、ごま塩おにぎりですよ。水も飲んで下さい」
「ん…」
「ここです、おや?」
賑やかな商業街といった感じだ、雑多な露店で収納袋に入れて布等を買い込む姿は商売人といった体で卸問屋のような雰囲気があり、更に奥へ進めば服作りの店が並んでいた。
ラジカに連れられて向かった先『フールフの縫製屋さんとリプの靴屋さん』と掛けられた木の看板の下には売地とある。
「店を畳んだんでしょうか?腕はとても良い方達なんですが」
「このケガじゃなきゃな、久しぶりだな旦那」
「フールフさん、その腕は?」
綴達の足元には4、5歳位子供サイズの小人の少年が、右腕に包帯を巻いて現れた。
「小人さん?」
「珍しいな…小人族…」
「その怪我は?どうしたんです?」
「…嫌がらせだよ、嫌がらせ。ちょっと腕が良くて良い仕事貰えるからって、夜に糸の採取をしてたら…」
「それは、酷い!」
「オイラも急ぎの仕事だからって、出たのもわりいんだ…」
「……貴方の助手のファーフル達は?」
「無事さ、戻ってこないオイラを探しにきてくれて治療院に連れてってくれたし、相棒のリプはそんなオイラを見てねこんじまったよ。」
何かも諦めたような表情、綴はその表情に胸が締め付けられた。
「ラジカさん、良いですか?」
「はい、流石に私もこの状況看過出来ません」
「店も畳んだし、旦那には悪いがみんなを連れて森で暮らすよ」
「フールフさん、僕達いえ…《アウトランダーズ商会》がそのケガを治せると思います。傷が癒えたらうちの商会で働きませんか?」
「え?む、むりだって骨が粉々でもうまともに動かないって…」
綴が片膝を付き真摯な眼差しでフルーフに訴えかける、フルーフは狼狽える、服を作るのが好きなのだ、縫うのものも、喜んでくれる人の笑顔、相棒達との好きな事を好きなだけ出来る時間を彼は何よりも愛している…それが出来るならどんな場所だって…良い。
「ほ、本当に治せるかもしれないのかい?」
「信じてくれますか?」
レグの力で治せなければ、神々の力を使ってでもと綴は思っている。
「また皆でやりたい!オイラをアンタに託す!」
「はい!少しじっとしていて下さい」
晴海から貰ったレグの治癒の力が入った札に魔力を込める、ゆっくりとフルーフの腕を癒していく。
「オイラの腕が…痛みが…」
「どうですか?」
「動く!動く!やったあ!」
「痛くないですか?」
「へーき!痛くないぞ!」
「良かった」
「では、リプさんの所に行きましょう」
ラジカがそっとフルーフを抱えるフルーフもなすがままだ、痛みも取れ腕も元に戻ったが精神は摩耗しているのだろう。
「ここがオイラの家さ!」
「木の中なんですね」
「今、リプとシシとヤヤを連れてくる!」
町外れの大木の穴の中にするりと入っていく、綴の内心は複雑だ真面目に仕事をしている彼が何故こんな目にあってしまうのか。
「綴さん、この世界は簡単に人を傷つけます。ほんのささいな事で」
「はい…」
「連れてきた!」
フルーフの後ろで大泣きしている小人の少年と、プレーリードッグを小さくしたような動物2匹が大号泣していた。
「うぅわよがっだよーありがどおー」
「もう、なくなよ」
「だっでぇ」
『ぷる』『ぷるう』
ファーフル達も泣きながら喜んでいる、綴がリプ達にも事情を説明し快諾してもらう。
「荷物は全部収納に入っているから、いつでも行ける!」
「よ、よろじぐおねがいしまずぅ」
『ぷるう』『ぷる』
「綴…飯」
「あ、そうですね。みんなお腹空いてませんか?軽く食べましょう」
「チグリスさん、綴さんそれは無理みたいですね。スマホに詠斗さんから至急《ガルディア》の貧民街にくるようにとの事です」
「大変、すみません。先に《ガルディア》へ」
転移魔法を使い《ガルディア》へ向かう、食事をお預けされたチグリスは憮然としつつフルーフ達を抱えた。
「ちっ、どいつもこいつも」
「僕も久しぶりに怒りを感じたよ」
「酷い…」
「フルーフ達は晴海くんとチグリスと炊き出しを食べていて下さい、話しが済んだら《不毛の地》へ行きましょう」
《ガルディア》で千眼も合流し、アシューの件とフルーフの件を話し皆憤る、晴海は頷きフルーフ達を連れチグリスと炊き出しに行く。
「しかし、ダクラン家か。厄介だな、あいつらは貴族とか以外は塵だと思っているような5家の中でも質がわりぃ一族だからな」
ランダが頭を抱える、大河は千眼に合図を送り千眼は蝶を空へ飛ばす。
「しつこそうな感じだ、そこでここの守りを固めていこうと思う。壁を作ろうか、カジノの土地にもね」
「へぇ、いいね。後そのダクラン?とかいう奴ら出禁ね。ラジカっちいい?」
「はい、大した事ありませんから。裏市場には客では無く商人として入っても購入は出来ますから、なんなら5家全て敵に回しても構いませんよ」
「おい、正気か!?」
「いんじゃない」
ラジカの台詞にランダが青ざめ、懐記は面白がる。
「大した事はないですよ、こちらは彼らが束になっても出来ない事をしますし」
「なら、嫌がらせをされないよう早速壁を作るか」
「魔鉄で囲み、入り口は認証式にしようか。限られた人しか入れないようにね」
『それいい!』
「ニア君、魔石に魔力注いでくれる?」
「はい、僕もアシューさんの家族を奪われそうになったのは赦せません。頑張ります」
千眼と千歳の背筋に悪寒めいた物が走る、弱体化しても1位の貫禄はある。
そして3分で出来る壁造りが始まる、次回『壁』
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