あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

文字の大きさ
239 / 1,079
第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~

STAGE.2-11 魔王なら魔王っぽいビジュアルしとけ

しおりを挟む
「冒険者ギルドはギルドだけどなー」
「中に出ましたね…」
「手前省けたわ、じゃ報告しよ。昨日の依頼とまとめてやっとくわ」
「?ごめんなさい」
「大丈夫です、グローリーさん。連れて来てくれてありがとうございます」
グローリーの転移魔法で出たのは冒険者ギルドの中、いきなり現れた4人にその場にいた冒険者達や依頼主、職員達が凍り付くが懐記は御構い無し窓口に向かい、ライガルもあやまるグローリーを連れていく。
「い、依頼完了お疲れ様です…えと薬草ダンジョンは第2階層までですね、……買い取りはこちらの金額です…」
「グローリー、いたのか戻るぞ」
「キリング…」
『魔王…?』
「ん、魔王?誰?」
懐記が狼狽えている受付嬢に第2階層のドロップ品をショルダーバッグから出して並べ、買い取りしている間に冒険者ギルドの入り口からグローリーを呼ぶ声に、ライガルとティスの呟く声に懐記が振り返るが魔王らしき見た目をしている人物はいない代わりに、濃い蜂蜜色の髪に琥珀色の瞳に結晶を散りばめたような美しい瞳をしたいかにも光属性の塊のような端整な容姿のグローリーとは真逆な青年が立っていた。
「グローリー、帰るぞ」
「キリング…パーティーはクビになった」
「ああ、問題ない、彼女達は勝手な事をしたからクビにした。またすぐにメンバーを揃えるから。ほら、戻るぞ」
「………」
「グローリー?」
キラキラとしたキリングの瞳がゆっくり瞬く、グローリーは何も言わず動かない、ティスとライガルはキリングの様子を伺う、懐記がキリングの前に立ちグローリーをキリングから隠すようにした。
「グリっちは、昨日からこっちのパーティーのメンバーなんだわ。もうそっちには戻らないからグリっちの分のメンバーも探してくんない?」
「そうか、こちらのパーティーで誤解があったんだ。グローリーの面倒を見てくれていたなら感謝する、謝礼も出す」
声も表情も穏やかだがイラつきを隠そうともしないキリングを見ながら懐記が鑑定をする、魔王:危険 撤退推奨 の文字が現れる、懐記も感じる千華の魔王奪還の際に遭った蒐刻魔王よりもヤバい気配がする…が…。
「あのさ、魔王なら魔王らしいヴィジュアルしといてくんない?その外見はどう見ても勇者とか光属性っしょ」
「お、おい懐記!」
「懐記さん、挑発はいけません…」
「魔王?何の話しか分からないが、今はそんな伝説の存在関係ないだろう?すまないが、メンバーを新たに募集しなければならない、グローリー行くぞ」
「それはダメ、今はこちらのパーティーのメンバー」
「ちょっと待て懐記」
「これは…色々と不味い…」
自分を魔王と自覚していない魔王(これから会う魔王全員これか?)周囲はキリングがグローリーを迎えに来た時点で、大半の冒険者や依頼主達は速やかにギルドを出ている。
実はこの2名はこの街《トルゥードン》の地雷とも言える存在、過去散々この街を拠点にする者達が学んで来た事だった。
グローリーに何かをすれば必ずキリングからの報復が待っている、今回グローリーをパーティーに加えたヤツも此処で大人しく引けば安泰だがと周囲は思いながら冒険者ギルドを去る。
「グリっち、どうすんの?戻る?俺は嫌だけど、グリっちの意志は尊重するわ」
「戻らない…キリング…今まで…ありがとう」
懐記の問い掛けに力強くグローリーが首を振る、一歩前に進みしっかりとはっきりキリングの宝石のように美しい瞳に向けて伝える。
「よく言った、さっさと戻ろう。今日は沢山飯作るわ、ティスっちライガルっち帰ろ」
「……認めない、戻れグローリー」
「…戻らない。キリングありがとう…これキリングに…」
キリングがうつむき低い声音でグローリーを呼ぶ、ティスとライガルが警戒態勢に入る、グローリーが懐記から貰った金色のおりがみで折った畳んだ鶴を懐から取り差し出した。
「何故勝手な事をしている?そいつらに唆されたのか?何を言われた?どんな条件を提示された?」
「言わない…」
「は?」
「キリングさんですよね、お話し中に失礼します。現在グローリーさんは我々のパーティー《黄昏の瞳》のリーダーです。リーダーのパーティー移籍は他のメンバーの承認が必要となります、私は承認しません」
「俺もー」
「同じくーじゃ、そういう事でー」
警戒を崩さずライガルが会話に入り相手を伺う、魔王という自覚が無ければまだ打つ手はある。
「………」
グローリーを連れて4人でテントに戻る、残されたキリングの視線は未だに床を見ていた…。

「ん、じゃ、飯作るわ。楽しいから沢山作るか」
「手伝う」
「俺も…やる」
「私は先に詠斗さん達に状況の説明と仕事の確認をします、何故この街に詠斗さん達が入ると著しく体調が崩れるのか、見えて来ました。懐記さんスマホをお借りしても良いですか?」
「ん、後で俺も連絡入れるわ」
「はい」
ライガルが懐記からスマホを受け取る、懐記達は早速準備に取り掛かった。

「商業エリアも順調ですね」
「出店希望も増えていますし、カジノも好調です」
「《トイタナ》の店もすごいね、追加の仕入れをしたけどユナイドさんの所からでも足りないから、他の支店からの仕入れも始めたし」
本日の業務が全て終了し全員畑に引き上げ少し遅めのおやつ休憩となり、おせんべいや羊羹に親子サブレを山積みにして各自お気に入りのお茶や飲み物を楽しんでいた。
「あ、懐記くんから電話だ。はい、ライガルさん……え?ちょっと待ってみんなに聞こえるようにするから」
詠斗がスマホをスピーカーに切り替えテーブルに置く、落ち着いた心地よい品のあるライガルの美声からとんでもない話が出てその場にいた全員が凍り付く。
「はあ、魔王と魔神の共生?どうなってんだ?しかも正真正銘の自然発生した魔神だろ?」
「魔人から魔神に進化…おそらく長く魔王といた為かな…」
「……自覚のない魔王」
「1位の弱体化の影響が此処までとは…」
ジラ、千歳、千眼、千華が各々考え込む、魔王…キリングの確保は難しそうというのは話の中で理解した。
「龍皇の弟…もしその魔王が魔法以外…剣を使うのであれば戦闘はせず撤退しろ」
『懐記さんの鑑定に危険、撤退推奨と出たとの事です』
「不味ね…グローリー君を連れて、兎に角皇国に向かった方が良いね」
『そうします、原因の調査の件は魔王と魔神が長期に渡り共生していた為あの街一帯が特殊な場所に変化したものだと私は考えます』
「《ベストレア山脈》より濃い場所って所か」
『そのようですね』
「ライガルさん、お疲れ様です。引き続き懐記さんをお願いします」
『はい』
綴が締めくくり会話が終了する、何となく全員の気が重い。
「ねえ、千眼さん。剣を使う魔王は危険なの?」
「ああ…私達の持つ情報の中で剣を使う魔王は1名のみ…」
「僕達の中で1位と13位が最も強い存在なのだけど、その次点が武器を使う魔王という認識だね」
「現在1位のニアは弱体化、所在不明の13位を除くとするならば現時点で最強の魔王ですが…此方側に付かなければ弱体化と無自覚で良かったのかもしれません」
千華が紅茶を飲みながらライガルからの話の異常さを噛み締める、他者にそれも魔神に拘る魔王…序列第12位の魔王の人工的に造られた魔神アシュアへの感情を彷彿とさせた。
「神様達に連絡しておかないと」
詠斗がラインを打ち始める、少し休んで夕食の準備でもしようかと…簡単に済ませようと即座に決まった…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜

九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます! って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。 ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。 転移初日からゴブリンの群れが襲来する。 和也はどうやって生き残るのだろうか。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...