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第7部 異世界帰りの魔王様はチートで無双したりしなかったり~サラリーマンの1から始める異世界ビジネスプラン~
第30話 魔神と妖精王 そして…
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「??」
「はじめましてベルンです」
「……??グローリー…です」
龍皇国から《トイタナ》の店にグローリー達を連れて、ミルク等の買い物と紹介と案内すると、グローリーがベルンを見てずっと首を傾げてはベルンの体を確認したり匂いを嗅いだりしていた。
「あ、あのーグローリーさん?」
「……?グローリー…ベルン様?」
11歳という年齢にしてはかなり小さい、グローリーの腰程しかないベルンの脇を両腕で掬い上げ高く掲げた。
「わ、わたかーい」
「?…?」
「グリっち何してんの?」
「グリ止めろ」
ベルンは喜んでいるが流石にいきなり高く掲げるのはと、懐記とティスが止めに入る、ラピスやカタンに第9魔王店の片付けを手伝いながらあわあわとその光景を見守っていた。
「魔神よ、それ以上踏み越えるな」
ミルク屋の片付けを終わらせ、ラピスがグローリーの高さで飛んで目線を合わせて忠告する。
「?」
辺りにはグローリーのヒヨコと鳥、おりがみの作品達が子供達と遊んだりモギにちょっかいを掛けて遊んでいる、なんももメルヘンな空間だが妖精王ラピスは内心恐怖を抱きながら魔神グローリーに話を持ち掛ける、グローリーは首を傾げてベルンを確認していた。
第9魔王はカルンを腕に抱き肩を震わせ怯え、カタンはラピスがどう動くか見守り、カルンは腕の中で何してんだこいつらと言わんばかりの視線で見ていた。
「ベルンをおろせ、魔神」
「……」
「グローリーさん?」
「……同じ?」
「同じですか?」
「違う……?」
「?」
「ベルン返してー」
グローリーが呟く、抱えられたベルンも首を傾げればカタンんが足元でベルンを返すようグローリーに訴えている。
「魔神よ、お前の疑問はいつか解消される。今はその時ではないぞ」
「……うん」
「…今を持ち妖精王たる我がラピスフォルカートルゾニアの名において、お前を魔神の最上位とし魔神皇の称号を与えるぞ、受け取れ」
「名前長い…俺はグローリー?」
「魔神でもある」
「……」
「あちゃちゃーグリちゃん妖精王からの称号蹴ろうとしてんじゃんあり?」
「ダメだろ」
「歴史的にとんでもないとこにいる感じ?」
トラングが3匹の元合成獣を腕に抱えゴーシュと面白がるが、ティスが頭を抱えている。
「あ、神様から電話。もしもーし…はい」
「グリくん、神様達から話したいってー今いい?」
「うん」
『初めまして…魔神グローリー…私は《アタラクシア》の神の1人です。今その場にいる妖精王が貴方に魔神皇の称号を与えた今現在を以って貴方を神…《アタラクシア》の地上にいる14番目の神として神格を与えます』
詠斗がスマホをスピーカーにする、周辺にいる者達も固唾を呑んで見守る。
「……???」
『不満でしょうか?』
「なるなら…15番…14番目の神(・・・・・・)はもうここにいる?」
『……我々はあれを神とは認めません』
「そう……キリングに逢いたい…キリングと此処で皆と生きていけるなら神になっても良い…」
『それは我々でも難しいですね…』
「神様でも出来ない事ばかり…」
『魔神と魔王…相容れない筈の2体が惹かれ合い求め合い…何故でしょうか?我々には貴方達を理解してあげる事が出来ません…』
「キリングは最初に俺を見てくれた…今まではキリングについて行くだけだった…それで良かった…でもこうして此処で皆がいてキリングがいれば俺はきっと…」
『ならば、今の自分の手で序列第10位冽獄魔王を取り戻しなさい…そしてその時に再度貴方に問いましょう…我々も貴方達が2人で生きられる道を用意出来るようにします』
「分かった…ありがとう…」
『武運を…今貴方が選んだ選択は…いえ…また…」
そうして静かに通話が切れる、周囲は神とグローリーの遣り取りにかなり引いている、詠斗達もまた今の会話についていけない、グローリーの無表情な容貌から信じられない程の熱量を感じた。
「グリっち、俺はグリっちの夢手伝うわ」
「夢?」
「キリングっちとここで一緒に俺達と生きて行きたいって事っしょ?」
「うん」
「俺も手伝う!キリングさんを取り戻そう!そして幸せになろう!」
「ありがとう」
「俺も一緒に手伝うよ!どんなに時間がかかっても!」
「そうだね」
「僕もお手伝いしまね!大事な人を取り戻しましょう!」
「うん」
「僕もグローリーさんが此処で大切な人と幸せになる為のお手伝いをさせて下さい」
「ありがとう」
懐記がグローリーの肩を叩く、詠斗、晴海、率、綴がそれに続く、只漠然と生きていたグローリーにこれからの目的と夢が生まれた瞬間だった。
「きっと叶いますよ!」
グローリーの腕の中でベルンが朗らかに笑う、ティス達も聞きたい事はあるがこの場に水を差すほど野暮ではない。
キリング…もう1度逢えたら話したい事沢山あるよ、紹介した人達、見せたい物、俺の夢…それを抱いてキリングを取り戻すと固くグローリーは誓った…。
「まさか魔神の愛がこれほど深いとは…」
「そしてあれの存在を把握している…」
「凄まじい…なのです…」
「やばい…すごい…深い…愛…」
「せめて魔王でなければ…」
「こればかりは…」
「魔神があれを14番目の神と認識している…」
「やー参った参った!恐ろしいな」
「ふむ…序列第10位の魔王を取り戻した際にもう1度問えば良い…魔王と添い遂げたければ魔神でいるのは難しい」
「ですが15番目の神としてですか…」
「次の最期の召喚をすればあれもはっきりと視えるでしょう」
「では始めて行きましょう…」
「これが最期祈りと願いを乗せて始めます」
『異議なし』
《神の庭》にていよいよ最期の召喚が始まる、気に掛かる事は多々あるが動き出した歯車は止められない、進むしかない、だから神々は進む、《アタラクシア》の完治に向けて…。
「はじめましてベルンです」
「……??グローリー…です」
龍皇国から《トイタナ》の店にグローリー達を連れて、ミルク等の買い物と紹介と案内すると、グローリーがベルンを見てずっと首を傾げてはベルンの体を確認したり匂いを嗅いだりしていた。
「あ、あのーグローリーさん?」
「……?グローリー…ベルン様?」
11歳という年齢にしてはかなり小さい、グローリーの腰程しかないベルンの脇を両腕で掬い上げ高く掲げた。
「わ、わたかーい」
「?…?」
「グリっち何してんの?」
「グリ止めろ」
ベルンは喜んでいるが流石にいきなり高く掲げるのはと、懐記とティスが止めに入る、ラピスやカタンに第9魔王店の片付けを手伝いながらあわあわとその光景を見守っていた。
「魔神よ、それ以上踏み越えるな」
ミルク屋の片付けを終わらせ、ラピスがグローリーの高さで飛んで目線を合わせて忠告する。
「?」
辺りにはグローリーのヒヨコと鳥、おりがみの作品達が子供達と遊んだりモギにちょっかいを掛けて遊んでいる、なんももメルヘンな空間だが妖精王ラピスは内心恐怖を抱きながら魔神グローリーに話を持ち掛ける、グローリーは首を傾げてベルンを確認していた。
第9魔王はカルンを腕に抱き肩を震わせ怯え、カタンはラピスがどう動くか見守り、カルンは腕の中で何してんだこいつらと言わんばかりの視線で見ていた。
「ベルンをおろせ、魔神」
「……」
「グローリーさん?」
「……同じ?」
「同じですか?」
「違う……?」
「?」
「ベルン返してー」
グローリーが呟く、抱えられたベルンも首を傾げればカタンんが足元でベルンを返すようグローリーに訴えている。
「魔神よ、お前の疑問はいつか解消される。今はその時ではないぞ」
「……うん」
「…今を持ち妖精王たる我がラピスフォルカートルゾニアの名において、お前を魔神の最上位とし魔神皇の称号を与えるぞ、受け取れ」
「名前長い…俺はグローリー?」
「魔神でもある」
「……」
「あちゃちゃーグリちゃん妖精王からの称号蹴ろうとしてんじゃんあり?」
「ダメだろ」
「歴史的にとんでもないとこにいる感じ?」
トラングが3匹の元合成獣を腕に抱えゴーシュと面白がるが、ティスが頭を抱えている。
「あ、神様から電話。もしもーし…はい」
「グリくん、神様達から話したいってー今いい?」
「うん」
『初めまして…魔神グローリー…私は《アタラクシア》の神の1人です。今その場にいる妖精王が貴方に魔神皇の称号を与えた今現在を以って貴方を神…《アタラクシア》の地上にいる14番目の神として神格を与えます』
詠斗がスマホをスピーカーにする、周辺にいる者達も固唾を呑んで見守る。
「……???」
『不満でしょうか?』
「なるなら…15番…14番目の神(・・・・・・)はもうここにいる?」
『……我々はあれを神とは認めません』
「そう……キリングに逢いたい…キリングと此処で皆と生きていけるなら神になっても良い…」
『それは我々でも難しいですね…』
「神様でも出来ない事ばかり…」
『魔神と魔王…相容れない筈の2体が惹かれ合い求め合い…何故でしょうか?我々には貴方達を理解してあげる事が出来ません…』
「キリングは最初に俺を見てくれた…今まではキリングについて行くだけだった…それで良かった…でもこうして此処で皆がいてキリングがいれば俺はきっと…」
『ならば、今の自分の手で序列第10位冽獄魔王を取り戻しなさい…そしてその時に再度貴方に問いましょう…我々も貴方達が2人で生きられる道を用意出来るようにします』
「分かった…ありがとう…」
『武運を…今貴方が選んだ選択は…いえ…また…」
そうして静かに通話が切れる、周囲は神とグローリーの遣り取りにかなり引いている、詠斗達もまた今の会話についていけない、グローリーの無表情な容貌から信じられない程の熱量を感じた。
「グリっち、俺はグリっちの夢手伝うわ」
「夢?」
「キリングっちとここで一緒に俺達と生きて行きたいって事っしょ?」
「うん」
「俺も手伝う!キリングさんを取り戻そう!そして幸せになろう!」
「ありがとう」
「俺も一緒に手伝うよ!どんなに時間がかかっても!」
「そうだね」
「僕もお手伝いしまね!大事な人を取り戻しましょう!」
「うん」
「僕もグローリーさんが此処で大切な人と幸せになる為のお手伝いをさせて下さい」
「ありがとう」
懐記がグローリーの肩を叩く、詠斗、晴海、率、綴がそれに続く、只漠然と生きていたグローリーにこれからの目的と夢が生まれた瞬間だった。
「きっと叶いますよ!」
グローリーの腕の中でベルンが朗らかに笑う、ティス達も聞きたい事はあるがこの場に水を差すほど野暮ではない。
キリング…もう1度逢えたら話したい事沢山あるよ、紹介した人達、見せたい物、俺の夢…それを抱いてキリングを取り戻すと固くグローリーは誓った…。
「まさか魔神の愛がこれほど深いとは…」
「そしてあれの存在を把握している…」
「凄まじい…なのです…」
「やばい…すごい…深い…愛…」
「せめて魔王でなければ…」
「こればかりは…」
「魔神があれを14番目の神と認識している…」
「やー参った参った!恐ろしいな」
「ふむ…序列第10位の魔王を取り戻した際にもう1度問えば良い…魔王と添い遂げたければ魔神でいるのは難しい」
「ですが15番目の神としてですか…」
「次の最期の召喚をすればあれもはっきりと視えるでしょう」
「では始めて行きましょう…」
「これが最期祈りと願いを乗せて始めます」
『異議なし』
《神の庭》にていよいよ最期の召喚が始まる、気に掛かる事は多々あるが動き出した歯車は止められない、進むしかない、だから神々は進む、《アタラクシア》の完治に向けて…。
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