あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第8部 晴れた空の下手を繋いで…

第21話 古代種様の収納

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「賑わいと活気がある」
「ええ、下にはカジノ上は泊まる所とラウンジと今度ダンジョンが出来ますよ」
「ラウンジは昨日ジラに連れて行って貰ったな、酒が旨い」
「おう、今日はカジノに行くか?」
「カジノ?」
「遊ぶとこーチグリスは来るか?」
「寝る…」
「千歳は?」
「そうだね、遊ぼうかな」
「いいね」
「チグリスは来ないのか?」
「ん…楽しんで父上…次はいく」
「ああ」
商業エリアに転移しイシュターが興味深く辺りを見渡せば千歳が説明をしてくれる、チグリスに来ないか尋ねるイシュターの顔は微かにぎこちない。
「じゃ、砂糖とトウモロコシとかついでに散策しようか。毎日店が増えるし奥の情報ギルドで軽く食べようか?」
「行く…」
「じゃ、ミルク屋に行くか」
「そうだね」
馴染みの《トイタナ》の露店でトウモロコシモドキを在庫分全て購入、香辛料屋を周り在庫を全て購入していく。
「お、トイ君の酒屋は今日もこんでいるね」
「カノリとカウンの酒か…」
「お、ボトル追加しよ。ちょっと買ってくるから先行ってくれ」
「馳走になったのだから、私が…」
「ん?別にいい、おごったもんだ」
「なら、私も買うとしよう」
「金あんの?じゃ、懐記達先行っといて」
「後で」
「ん…」
「収納にある、千年前のコインだが使えるようだ」
「へぇ、古代種の収納か面白そう」
「見るか?」
「お、いいの?」
列にジラとイシュターが加わり懐記とチグリスと分かれる、傭兵王と龍が酒を買う為に並ぶとは目立つちはするが馴染んでいる、ジラの顔馴染みもいるようで周囲と挨拶を交わした。
「大した物はない」
「なんか、面白そうなもんあったら買い取るぞ~。カジノの景品にもいいかもな」
「鱗なら沢山ある」
「アンタの?」
「ああ、他のドラゴンの物もある。骸も」
「骸はいいけど、鱗は後で見せて」
「わかった」
会話は尽きない、列に並ぶ時間もあっという間に過ぎていった。

「千歳…おやつ」 
「はい、これを食べて」
情報ギルドに向かう途中にチグリスからおやつを最速され、千歳が指に棒付きの琥珀色の飴の中に果物を閉じ込めた飴を手品のように出してチグリスに渡す。
「……これは?」
「クローダーさん達が作った蜂蜜飴、子ども達と舵君に大人気で明日のお祭りで売る物だよ」
「………足りない」
「噛み砕いたら駄目、舐めて食べてみるといいよ」
「……」
今まで何が出ても黙って食べていたチグリス、出された飴は見た目面白いが腹の足しにはならないが言われた通りに舐めてみる、美味しいは美味しい…まるで子どもになった気分だ。
父である古代種が復活し、すぐ側にいるのが不思議で仕方ない、驚きもした嬉しさもあるだが、もう子どもの時は過ぎ去ってしまった。
千歳や詠斗達な側にいても友人としていたいが、何故だか崇幸の側にいると無性に子どもに還りたくなる、一緒に遊んでくれおやつをくれ、手を繋いでくれる存在が潜在的に欲しかったのかとチグリスは気づく。
「もう、食べ終わった?」
「ん…」
「おかわりするかい?」
「ギルドに着いたら食べる…」
「まだ沢山あるから食べたかったら言って」
千歳が笑う、また今度貰うかと残った棒を燃やした。

「う、初めまして古代種様あー私はトラング・ハーベンダー・カゥドゥと申します、カジノの支配人を勤めております、永きの眠りからの復活お喜び申し上げます、本日は当カジノを存分にお楽しみ下さい」
「同じく、現在龍皇国預かりの身であり支配人の補佐を勤めさせて頂いております、ガーランバラーダのカトゥーシュカと申し上ます」
「固くなる必要はない、ガーランバラーダか……ここは皇国ではないのだ」
「は、はい」
「じゃ、古代種様はジラと遊んでく感じ~?」
「お、おいトラング!」
「そうさせて貰う」
酒を買い商業ギルドで軽く食べ、せっかくだからとジラとゴーレムとヒヨコとおりがみの子達が世話して風呂に入りオープン前のカジノのスタッフルームで食事していた、トラングとカトゥーシュカに顔を見せに来た。
「まだオープン前だけど遊ぶ?」
燻製肉とチーズサンドにかぶり付きながら聞けば、ジラもニヤリと笑う。
「気前いいじゃんー」
「そりゃー支配人特権使っちゃいますよ~」
「ど、どうぞお掛け下さい。召し上がりますか?」
「貰おう」
「お待ち下さい…嫌いな物はありますか?」
「いや」
トラングが椅子を引きイシュターに座って貰う、キノコソテーとベーコンサンドに燻製肉とチーズサンド、フルーツサラダをイシュターの前に素早く並べた。
「どうぞ、飲み物はどうしますか?」
「俺はカノリジュース~」
「俺はミルクー」
「ミルクを貰おう」
「はい」
グラスにイシュター、ジラ、トラングの順番で飲み物を用意し、ゴーレムとヒヨコとおりがみの子達にも食事を出してやる。
「そういや、あんたの収納見せてよ。景品にしようぜ」
「ああ」
『え?』
「ごふぅ!ジ、ジラ殿!」
食事が終わりトラングとカトゥーシュカの声が重なりカトゥーシュカが盛大に噎せる、イシュターの前の空間が開きゴーレム達がテーブル周辺を片付ける。
「私の鱗と滅んだ国《オーム》のみで使われていたコイン…定期的に宝石の涙を流す彫刻、オーガンダの瞳、主人達の血を吸い呪物に転じた剣、所有者達が次々変死する呪物の宝石…捨てても戻ってくる杖…」
『待った!』
「おーい、鱗とコインはいいけどなんで呪物ばかり?」
「呪物はちょっと~」
「景品には希少過ぎます」
「そうか?私の収納は封印も可能だからこういった類いの物が多い…」
まだまだ出て来そうな物を一旦3名で止め、もう少し穏やかな物はないのかと言うと足元でゴーレム達が手を伸ばす、どうやら欲しいらしいのでイシュターが鱗とコインを贈り残りはしまった。
「なら、こちらは?黄金の果実が成る木だあまり美味くないがな」
「あ、これはトイにやるわ。売って」
「贈ろう」
「ども」
イシュターが少し大きめな鉢にジラの腰程の高さの木に成る、黄金のリンゴモドキをジラに渡す。
「これは魔力で音を奏でる、失敗作だと渡された気紛れらしい」
「気紛れ…良ければ私に孤児院に置いて遊び道具に」
「ならば寄贈する」
次に収納から不格好な壺を出す、説明を聞いたカトゥーシュカがイシュターから受け取った。
「ありがとうございます」
「癖つよ~」
「トラング!」
「いや、こういう物ばかりだ。集まってくる」
砕けた口調のトラングに流石にカトゥーシュカが嗜めるが、イシュターは気にしていない。
「なんか景品は生活お役立ちアイテムが人気、後は酒とか?」
「酒はないが、確か…聖剣はどうだ?役立つのでは?」
「いちいち出て来るのが桁ちがいよな~でも聖剣はいいかも?売って下さいよ~」
「前の持ち主は剣聖ギャスパーだが」
『しまって下さい』
「そいつ、ソードブレイカーだったんでー」
「それが世に出ると不味いです」
「そうか…ああ、これは?食器類だ毒物を浄化する魔法が組み込まれている」
「お!いいじゃないですか!王族も客にいるしー」
「すげーいんじゃない?」
「ラジカ殿に鑑定して貰い、買い取らせて貰いますね」
「そうか…」
揃いの毒無効化の食器を本当は贈り物にしても良かったが、仕事ならば金銭を受け取るのが妥当かと頷いた。
「じゃ、カジノいきますかー」
トラングが立ち上がり、開店前のカジノを楽しむ事にした。

「かわいいのができたー、ナイル様また次回も来ますね」
「家でも作ろう」
「後で兄さんの所に持っていこう」
「私はカタン達に」
「ナイル殿、良ければテトラにこれを」
「テルド殿、これから渡しにいきませんか?テトラの所に、同居人が増えたんですよー是非」
テルドが躊躇いがちにクッキーをナイルに渡す、ナイルがにこりと微笑んでカクラやカナンめ頷いたのですこし考えた後一緒にテトラの所へ向かう事に決めた。
「ナイル先生…ありがとう。懐記達の手伝いしてくる」
「はい、私が作ったのも皆さんで食べて下さい。私はテルド殿と戻りますから」
「わかった」
「うん!おとたん!」
「ぱぱー」
「クッキー美味しかった?」
「うん!」
「んー」
魔人の子供達も昼寝から起きて、クッキーを沢山食べて満足しているようだった、ナイルからクッキーを受け取り収納にしまった。
「ナイル殿!燻製器売って下さい!型も!」
「こちらも!」
「こっちにも!」
「はい、並んで下さいね」
「売るのを手伝おう」
燻製器と型の即売会が始まり、カクラとカナンとテルドが手伝っているので、グローリー達は懐記達の元へ戻った。
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