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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録

第040話 それぞれの1日…そして幕が上がる

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「………嵐の前の静けさ…か」
外神は自分の家で頼まれた食料木を用意し、静かすぎる周囲にぽつりと呟く、久方ぶりのゆっくりとした時間に何かが起こる前触れだろうとモニターに映る他の都市の孤児院やギルドや商会の面子の様子を見ていた。
独断変化もない概ね日常の様子が垣間見える、良くはない決まって嫌な事が起こる前触れだ。
「外神っち、サホンの木なんだけど《ガルディア》と《エットナ》でも欲しいってー他にどんな木があんの?」
「色々ありますよ、綿の木やキノコの木も…」
「へぇ、見せて」
「分かりました」
懐記に呼ばれ転移で《ガルディア》へ向かう、何が起こるのかどちらにせよ今回は色々変化があるのかもしれない…。

「ゆで卵屋の2号店を作る!」
『おー』
孤児院の子供達とニスム達の孤児院と獣人の事に達がいる皇国の孤児院の子供達、《エットナ》でのゆで卵屋が大盛況なのでカジノタワーの会議室を借り話し合いが盛り上がる。
2号店を作るなら気心知れた皇国で是非というドラゴン達からたってのお願いで皇国に造る事になった。
「もうお店の場所あるんだよ!」
「1から俺達で造るんだ!」
『おー』
土地はライガルが張り切って用意してくれたので店は、土台は崇幸と千眼が用意してくれたので内蔵は自分達で行う。
「飲み物売りたい!」
「お茶とジュース!」
「後調味料にこだわりたい!好きな味付けで食べて貰う!」
『おー』
「皆盛り上がってますね」
「さあ、おやつにしましょう」
「今日はジャムパンだぞー」
「んだよ、俺まで。あー酒のみてぇ。いてぇ!」
綴、ナイデル、アルケール、おまけでふつくさ文句を言うレトがおやつと飲み物を運んでやってくる、現在教室では孤児院の垣根を越えて綴提案の元クラブ活動が行われこのおやつは皇国の料理教室でナイルと子供達がお菓子クラブで作った物だ、ゆで卵屋はまんまたゆで卵クラブとして活躍を行っている。
「レトのにーちゃん、そればっかりー」
「苦くておいしくないよー」
「け、だからガキなんだよ、お前らいてぇ!」
「いらん事を言うな」
「全くです、さ、食べましょう」
「今日は酵母という物を使い発酵させたパンです、いつもと違いますよ」
『いただきます!』
綴がにこやかに皆にパンん配り食べると皆顔が綻ぶ、味が違う物を食べて和気あいあいと過ごした。

「ユラヴィちゃん、そっちいた?」
「あ、いましたわ!」
「お、よく見つけたな」
「先生こっちの葉っぱは!?」
「お、それは火傷にいいぞー」
こちらは晴海達が運営管理する《ガルディア》の公園で散策する、お薬(虫研究)クラブのユラヴィカやキッキやラキ、ライルや他の子供たちサバイバル体験?等や屋外活動に力を入れ、ジラやイシュターやティスに皇国の孤児院の教師達もグループに分かれて珍しい虫や薬草になる植物を採取していた。
採取が終われば葉を乾燥させ、モッカや皇国の薬師の元薬を作ったりもする、蒐集家も顧問にされているが本日は店があるので不在だ。
「みんなーおやつ食べよう」
「ジャムパンだ…」
「お茶は好きなのやれよー」
『はーい』
外神から造り方を教わり造った魔法コンロとポットで各々お湯を沸かす、好きにブレンドしたお茶を飲むのが楽しい。
晴海やイザラ達も食べている、ベリー系の酸味のあるジャムパンが美味しい、明日は蒸しパンを作るようで楽しみだ、お薬(虫研究)クラブは明日は解体した肉にハーブや塩の調味料で漬け込んだ干し肉作りを行うようで皆はしゃいでいた。
『晴海様…ジラ様、イザラ様、イデア様、イシュター様申し訳ありません、召集がかかりました。カジノタワー大会議室にお越しください』
ふいに風早の声が届く、何かしらが起きたらしいイシュター達に任せ転移でカジノタワー大会議室に向かった。

「いったいどうしたー?」  
「何があったの?」
「良いことではないかな…」
詠斗達、グローリー達、外神とメシュレラが集まり各々席に着席すれば神々がモニターに写し出される、表情は見えないが緊張した面持ちでいる。
『……蟲人…蜘蛛の出現が確認されました』
『都市1つを絡め取る糸…膨大な狂気的な魔力…』
『《イトセトナ》という都市が滅びました…民は全て養分として徐々に衰弱し死にゆくでしょう…』
『その数およそ1万人…』
『外神…我々が貴方に払えるポイントは1万ポイントなのです』
『伝説級任務として貴方に…』
『此方も最善を尽くす』
「まで何故外神くんだけに託す?こちらも戦力はある」
神々からの外神のみへの依頼、大河が疑問を投げ掛けた。
「それは彼にしか殺せないからでしょう」
大河の隣に座っていた蒐集家が歪な笑みを浮かべる、外神は何も発しないその場の椅子に人形のように座って沈黙していた。
「蜘蛛…足は…6は200年前に討伐…ならば8本…」
「8本は1300年前に討伐されてます、周期的には…」
「12本…2千年以上前に討ったな、周期的に12本か…」
外神、蒐集家とイシュターの結論は12本と想定する、外神は頷いた。
「………ナビさん、アムドキさんアヴァンユモゼさんナソスォサチさんマユラさんを呼んで下さい。それと昨夜此方に来たメディエスカさんも…今任務が終わったハインさんとワグナーさんの現在地は?」
【ハインさんとワグナーさんは………《イトセトナ》の異変を感じ現状の確認に向かいました】
「戻して下さい…他の場所に転移するように」
【……………】
「ポイントを使い強制超長距離転移で此方へ」
【……承知しました】
「詠斗さん皆さん…裏ギルドでこの件は引き受けます」
「待って!街の皆は助からないのか!?」
「はい、12本足の蜘蛛…蟲人の中で蠱毒蝶に次ぐ最強種です、手遅れです」
「どうしても、助けられないの?神様たち…」
「詠斗…晴海…2千年前の時はもっと多くの犠牲が出た、種を越え様々な命が散り耐え…寿命まで犠牲を払い事態は終結した。この時代に彼らがいる事に私は感謝する…」
詠斗が足掻く晴海も神々に尋ねればイシュターが淡々だが、言葉に熱を帯びていた。
『申し訳ない』
『すまない』
『《アタラクシア》には《アタラクシア》の摂理があります』
「君達は僕達に嘘と隠し事をしているよね」
神々の言葉に以前から抱えていた千歳、千眼、千華の違和感が確証に変わった…。

次回 絡めとるは12脚の蜘蛛なりや 第零章へ続く
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