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第011部 イレギュラー過ぎる召喚は神々も知らない内に/500年の孤独と独夜と独りと到達に至る導 回顧録
絡めとるは12脚の蜘蛛なりや 第陸章
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「では、皆さん行きましょう。結界などの保護は銃がしてくれます、産まれた瞬間に転移でこちらに戻します…」
朝、朝食後に《ガルディア》の炊き出しの広場に集まり外神の主導の元説明がされ、見送りに来た詠斗達には巨大なモニターと小さいモニターがいくつも出され銃経由で《イトセトナ》の状況が伝わる様にと外神が用意してくれた。
「外神さん…」
「晴海さん必ず連れて来ます」
「うん…」
「気をつけてね」
「はい…」
外神が銃で空間を撃ち抜き固定させ、神々の協力とポイントを支払い《イトセトナ》へ超長距離転移で向かった。
「ああ、生きている物はあれしかない…」
「あー見ていて楽しいもんじゃないな」
「気味が悪いものじゃ」
「………」
「おぞましいですね」
「始めます…各自散って下さい、曲が流れたら唄って下さい」
千眼達が城に張り付く繭の不気味さを口にし外神が指を鳴らして転移で全員を飛ばす、毒も舞うこの地手短に済ませたい所だ…。
「始まったな」
「私が産み出した曲だ!無事に産まれる」
「その後だろ、何が起こるか分からん」
「前回は………知識が浅かったのと」
「ほんの少しの憐れみで友を失った」
「外神ちゃん…」
外で椅子に座り状況を見据える、メシュレラ、メディエスカ、シヴァ、ギーギス、スフテス、ヴィヴィ達、前回と同じ蜘蛛…あれから外神は強くなった…多くの事があった。
「外神が負ける訳ないだろ、化け物だしなーあー酒のみてぇ」
「外神ならば問題はない」
「そうだ、酒はこの時位耐えろ」
レト、マユラにシュリも同じ卓に付きモニターを眺めている、酒ではなく茶を呑み失った者を思い出しがら…成り行きを見守った…。
「活性魔法発動」
外神が巨大な繭を正面に捉えた状態で活性魔法を発動させる、それだけでは中で赤ん坊の状態までにはなるが目覚めない、そこで唄を流す各々の場所で流れる曲に合わせ唄が始まった。
子守唄とよく似て非なる唄…寝かしつける訳ではない、揺りかごから起こす為の唄、声が重なり魔力の帯となり繭に向かっていく。
ドクドクと激しく鼓動が脈打つ、街全ての生命を喰い育つ蟲。
「もうじきです」
繭に亀裂が入り唄は終わりに向かう、唄の終わりと共に繭が破れ泣く赤子に巨大な蜘蛛の足12脚を持つ蟲人が産まれ堕ち…千眼達は《ガルディア》に強制的に転移された。
「貴方を待つ人がいます…手短に済ませます」
外神が収納から半透明な三ツ又の矛を出し構え、戦闘が始まった。
「あー外神は剣が苦手か?」
「ああ、500年でこの程度だ」
「剣すら触った事がないとの事だからな」
ジラとイシュターがマユラとシュリがいる卓に座り、ジラが尋ねれば2人がそう返す、画面越しの外神は矛の構え等は教本通りな遣りなれなさが伝わる。
「外神の真骨頂は底無しの魔力と魔法センスだ」
「生かすという依頼があるからこそ、外神の魔法は極む」
「此処からと謂う訳か…」
イシュターの目が細まる、ジラは腕を組み成り行きを見守る、マユラとシュリは何て事は無いと茶を啜り、レトはアルケール達に連れて行かれていた。
「戻った…」
「無事に出現しましたが…あれは…数外個体魔王ですねほぼ」
「怖い怖い…後数日で完全に数外個体に成っていました……ふふ」
「毒と糸に禍々しい気配…街1つ喰い尽くしても満たされない飢餓…充満する異常な程の魔力じゃ」
「誕生した瞬間に命を燃やし尽くし焼け付く生命ね…俺達とは真逆か…」
詠斗達の卓に戻った千眼達、作戦は成功し計画通りに進んではいるが…何処か浮かない表情だ。
「おかえりなさい!」
「ふふ…晴海さん戻りましたよ」
「帰ったぞ、外神なら問題なしじゃ。少し待っていればすぐに連れて帰って来る」
「ああ…依頼は必ず達成されるからな」
晴海が駆け寄れば、ヴァンユモゼナ、ソスォサチ、アムドキアも笑っている。
「おかえり俺の花」
「戻りましたよゼナ…どうでしたか?私の唄は?」
「見事だな、お前はいつも完璧だ」
「ふふ…」
「あーそういうのは2人でやってくれ」
出迎えたゼナがヴァンユモゼナを抱き寄せアムドキアが首を振る、ソスォサチは画面を見ている。
「……」
「信じて待とうね晴海くん」
詠斗が晴海の肩に手を置く、画面の向こうは戦闘が続く。
「………雷皇」
飛行魔法で三つ又の鉾から雷が空を裂いて12本の脚に向かう、泣く赤ん坊の背の脚のみに当たるように威力をを落として発動させ、12丁の銃で付け根部分を同時に撃ち抜く…が空間歪曲で弾丸が空間に溶け込み外神の周辺に転移で牙を向くが全て外神の身体の周辺で消滅する。
「空間特化型…雷より銃のダメージを避けた…雷の回復は早い…危機察知…取捨選択……だがまだ赤ん坊…」
冷静な外神の分析、銃を12丁を出し12通りの魔法を蟲毒蝶の毒を混ぜ込み放つ、空間歪曲を防ぐ為に高速で脚に向かい武器の形状を剣に変え絶え間なく攻撃を仕掛けるが…生かすのが難しい…。
脚を1本斬り落とす事に成功し脚をそのまま、此方も空間歪曲を使い足がまだ斬り落とされていないと誤認させている状態を後11回続ければ脚を全て切り離しチナスと同じように無力化出来ると賭けた。
「2…3…4…」
瞬く間に4本脚を切り離す、蟲毒蝶の毒は強い…放てば根元が腐食し斬り離しやすい。
「5…6…7……?」
7本斬り離した所で異変が生じ一度転移で距離を取り更に上から俯瞰する形で見ている、此方の空間歪曲を呑み込もうとしている。
「……数外個体魔王……残りは全て一気に…」
外神の瞳に何かが蠢く残りの脚の付け根の最も脆い箇所を探り銃で撃ち抜く、赤ん坊の泣き声が一際大きくなり額に4つの丸い赤い瞳が出現した。
「……数外個体魔王へと進化…いや昇華…間に合った…」
無表情だが脚全て斬り落とし空間歪曲で固定させたまま収納空間に全て納め、泣く赤ん坊は支えを無くしゆっくりと落下するのを転移で受け止めた。
「これで良いのかな…」
「じゃ、それ貰ってくわ外神」
「…如月君…」
「よお、久しぶりだなぁ」
泣きじゃくる赤ん坊の4つの目は此方を映し出している、収納から布を出して体に巻いてやり戻ろうと空間に銃を放とうとした所で背後から声をが掛かる、出来ればこのタイミングで決して逢いたくはない少年…以前大河達の前で序列第12位蒐刻魔王その2と名乗った少年が立っていた…。
朝、朝食後に《ガルディア》の炊き出しの広場に集まり外神の主導の元説明がされ、見送りに来た詠斗達には巨大なモニターと小さいモニターがいくつも出され銃経由で《イトセトナ》の状況が伝わる様にと外神が用意してくれた。
「外神さん…」
「晴海さん必ず連れて来ます」
「うん…」
「気をつけてね」
「はい…」
外神が銃で空間を撃ち抜き固定させ、神々の協力とポイントを支払い《イトセトナ》へ超長距離転移で向かった。
「ああ、生きている物はあれしかない…」
「あー見ていて楽しいもんじゃないな」
「気味が悪いものじゃ」
「………」
「おぞましいですね」
「始めます…各自散って下さい、曲が流れたら唄って下さい」
千眼達が城に張り付く繭の不気味さを口にし外神が指を鳴らして転移で全員を飛ばす、毒も舞うこの地手短に済ませたい所だ…。
「始まったな」
「私が産み出した曲だ!無事に産まれる」
「その後だろ、何が起こるか分からん」
「前回は………知識が浅かったのと」
「ほんの少しの憐れみで友を失った」
「外神ちゃん…」
外で椅子に座り状況を見据える、メシュレラ、メディエスカ、シヴァ、ギーギス、スフテス、ヴィヴィ達、前回と同じ蜘蛛…あれから外神は強くなった…多くの事があった。
「外神が負ける訳ないだろ、化け物だしなーあー酒のみてぇ」
「外神ならば問題はない」
「そうだ、酒はこの時位耐えろ」
レト、マユラにシュリも同じ卓に付きモニターを眺めている、酒ではなく茶を呑み失った者を思い出しがら…成り行きを見守った…。
「活性魔法発動」
外神が巨大な繭を正面に捉えた状態で活性魔法を発動させる、それだけでは中で赤ん坊の状態までにはなるが目覚めない、そこで唄を流す各々の場所で流れる曲に合わせ唄が始まった。
子守唄とよく似て非なる唄…寝かしつける訳ではない、揺りかごから起こす為の唄、声が重なり魔力の帯となり繭に向かっていく。
ドクドクと激しく鼓動が脈打つ、街全ての生命を喰い育つ蟲。
「もうじきです」
繭に亀裂が入り唄は終わりに向かう、唄の終わりと共に繭が破れ泣く赤子に巨大な蜘蛛の足12脚を持つ蟲人が産まれ堕ち…千眼達は《ガルディア》に強制的に転移された。
「貴方を待つ人がいます…手短に済ませます」
外神が収納から半透明な三ツ又の矛を出し構え、戦闘が始まった。
「あー外神は剣が苦手か?」
「ああ、500年でこの程度だ」
「剣すら触った事がないとの事だからな」
ジラとイシュターがマユラとシュリがいる卓に座り、ジラが尋ねれば2人がそう返す、画面越しの外神は矛の構え等は教本通りな遣りなれなさが伝わる。
「外神の真骨頂は底無しの魔力と魔法センスだ」
「生かすという依頼があるからこそ、外神の魔法は極む」
「此処からと謂う訳か…」
イシュターの目が細まる、ジラは腕を組み成り行きを見守る、マユラとシュリは何て事は無いと茶を啜り、レトはアルケール達に連れて行かれていた。
「戻った…」
「無事に出現しましたが…あれは…数外個体魔王ですねほぼ」
「怖い怖い…後数日で完全に数外個体に成っていました……ふふ」
「毒と糸に禍々しい気配…街1つ喰い尽くしても満たされない飢餓…充満する異常な程の魔力じゃ」
「誕生した瞬間に命を燃やし尽くし焼け付く生命ね…俺達とは真逆か…」
詠斗達の卓に戻った千眼達、作戦は成功し計画通りに進んではいるが…何処か浮かない表情だ。
「おかえりなさい!」
「ふふ…晴海さん戻りましたよ」
「帰ったぞ、外神なら問題なしじゃ。少し待っていればすぐに連れて帰って来る」
「ああ…依頼は必ず達成されるからな」
晴海が駆け寄れば、ヴァンユモゼナ、ソスォサチ、アムドキアも笑っている。
「おかえり俺の花」
「戻りましたよゼナ…どうでしたか?私の唄は?」
「見事だな、お前はいつも完璧だ」
「ふふ…」
「あーそういうのは2人でやってくれ」
出迎えたゼナがヴァンユモゼナを抱き寄せアムドキアが首を振る、ソスォサチは画面を見ている。
「……」
「信じて待とうね晴海くん」
詠斗が晴海の肩に手を置く、画面の向こうは戦闘が続く。
「………雷皇」
飛行魔法で三つ又の鉾から雷が空を裂いて12本の脚に向かう、泣く赤ん坊の背の脚のみに当たるように威力をを落として発動させ、12丁の銃で付け根部分を同時に撃ち抜く…が空間歪曲で弾丸が空間に溶け込み外神の周辺に転移で牙を向くが全て外神の身体の周辺で消滅する。
「空間特化型…雷より銃のダメージを避けた…雷の回復は早い…危機察知…取捨選択……だがまだ赤ん坊…」
冷静な外神の分析、銃を12丁を出し12通りの魔法を蟲毒蝶の毒を混ぜ込み放つ、空間歪曲を防ぐ為に高速で脚に向かい武器の形状を剣に変え絶え間なく攻撃を仕掛けるが…生かすのが難しい…。
脚を1本斬り落とす事に成功し脚をそのまま、此方も空間歪曲を使い足がまだ斬り落とされていないと誤認させている状態を後11回続ければ脚を全て切り離しチナスと同じように無力化出来ると賭けた。
「2…3…4…」
瞬く間に4本脚を切り離す、蟲毒蝶の毒は強い…放てば根元が腐食し斬り離しやすい。
「5…6…7……?」
7本斬り離した所で異変が生じ一度転移で距離を取り更に上から俯瞰する形で見ている、此方の空間歪曲を呑み込もうとしている。
「……数外個体魔王……残りは全て一気に…」
外神の瞳に何かが蠢く残りの脚の付け根の最も脆い箇所を探り銃で撃ち抜く、赤ん坊の泣き声が一際大きくなり額に4つの丸い赤い瞳が出現した。
「……数外個体魔王へと進化…いや昇華…間に合った…」
無表情だが脚全て斬り落とし空間歪曲で固定させたまま収納空間に全て納め、泣く赤ん坊は支えを無くしゆっくりと落下するのを転移で受け止めた。
「これで良いのかな…」
「じゃ、それ貰ってくわ外神」
「…如月君…」
「よお、久しぶりだなぁ」
泣きじゃくる赤ん坊の4つの目は此方を映し出している、収納から布を出して体に巻いてやり戻ろうと空間に銃を放とうとした所で背後から声をが掛かる、出来ればこのタイミングで決して逢いたくはない少年…以前大河達の前で序列第12位蒐刻魔王その2と名乗った少年が立っていた…。
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