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第012部 空の旅は安心安全にみんなで会いにいこう

第6幕 第7話 囮×Stage.6-7 《ブリキノ国》《イグン王国》

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Stage.6-7 《ブリキノ国》《イグン王国》
「戦争が始まる前に《ブリキノ国》と《イグン王国》に交渉をしにいこう」
「詠斗っちと晴海っちはこの国で炊き出しして、外神っち俺のスキルの家を出したいんだけど、空っちに影響出る?」
「………スキルですから影響はないようです」
「おっけ、王様ー広い場所貸して」
「どうやって皆さんを呼びますか?放送とか…」
「それなら、これを使います」
庭で崇幸、懐記、外神が話を進め、詠斗やジラ達は国の状況を聞き、歩いて来た状態を鑑みて懐記のスキルの家を仮住まいとして提供する事にした。
外神が予め収納袋に移した銃を出し、それを国中に飛ばし拡声器として使い使用許可が降りた城の裏側の広場に向かい家を幾つも並べてそこを拠点とする。
「土地ならば城の裏を使うと良い…」
『ナビさん、風早さんお願いします』
【分かりました】
【了解です】
「外神っち、食料木で周辺囲って。そしたら出発」
「はい……」
懐記が等間隔に家を並べて行く、外神がその周辺を囲うように様々な食料木を生やした。

「おとーさん…」
「うん?」
「ち、ちがうよ!ごめんなさい」
「い、いや良いんだ…よし、後でお兄さんたちに合わせてやるからなら、孤児院で君たちは預かろう。皆兄弟だ」
風早とナビの銃からのアナウンスの声に戸惑いながら民が続々とやってくる、バスの中にいた獣人の子供達も家に移る為に出れば崇幸の元へ駆けて足にしがみ付き父と呼ぶ、崇幸はその子供の頭を撫でて抱き上げてやる、少し年上の獣人の子供はおろおろして謝るが崇幸はその子供の頭も撫でてやれば子供は頷いた。
どういう理由で奴隷になったのかは今すぐ聞かなくても良いだろう…綴も笑顔を向けて子供達を安心させる、傭兵達やチェカ達も炊き出しを手伝い何時の間にか炊き出しは列を成し、外神が用意した食料木も好きなだけ採って食べて良いというアナウンスが流れ混乱も無く皆果物を採って食べ炊き出しを待つ。
「僕は《ブリキノ国》に行きます」
「じゃ、俺もそっち。ヤバい傭兵集団抱えてるんでしょ」
「俺もそっちに行くぞ」
「私も同行しよう、良いだろう外神。シュリお前は《イグン王国》へ」
「承知しました」
外神、懐記、ジラ、マユラは魔人の傭兵集団を囲う《ブリキノ国》への交渉へ向かうと決め、崇幸、千眼、シュリは《イグン王国》へ向かう事にし、綴と詠斗、晴海は《ガーデン王国》への支援を行うと役割を決めた。
「んじゃ、ヤバい方にトゥナーちゃんと俺とフォンも行くか?」
「はい、行かせて貰います」
「此処まで来たらそっちか」
「…ギーギスさんは此処で皆さんの護衛をお願いします」
「そうなるか、魔人同士の戦いは不毛だ。俺が探しているヤツは傭兵とかしないしな。ここで晴海達を守るさ、イザラ、イデアもな」
「私は《イグン王国》への交渉に同行しよう、魔石核と引き換えに食料支援を行うと言った国が《イグン王国》だ」
トゥナー、フォン、フェシェスタも《ブリキノ国》へ、ギーギスは《ガーデン王国》で詠斗達の護衛、ホスィソ達《栄光の剣と盾》は崇幸達と《イグン王国》へ行く事になり早速行動を開始した…。

第6幕 第7話 囮
「外神の塩人気だなー」
「質が良いんですよ」
「美味しいんですよー」
「おお、無人販売ってこんな感じかー」
店に戻ったカイム達、店はもう始まり客が列を作っていた。
裏口からカイムが首根っこを掴まれた男たちは何をされるのかとビクビクしていたが、2階の従業員用の宿泊部屋に通されシャワーに入り、服を着替える様に言われてビクビクとハインとワグナーに入り方を聞いてシャワーと着替えを済ませて、千歳たちのいる事務室に入った。
「初めまして、助かるよ。店番がいてくれた方が都合がいいからね、よろしく」
「早速ですが給料はこの額で家がないという事なのでここに住んで貰って構いません、主な業務はお客様からの質問に答えて貰うのとこの店の管理、在庫なくなり様ならそれの連絡ですね。分からない事はこれで聞いて下さい」
「あとは、ここに沢山の人が来るかな。でも他の土地に移動する為に立ち寄るから見掛けたら挨拶してくれればいいよ。ゴーレムにも店番をお願いするから4人で上手く回して」
着心地の良いシャツとズボンと履き心地の良い靴、一式売れば暫くは生活出来る位の質、案内された場所には身なりの良い青年達とゴーレム2体、この2名はたった今人生が大きく変わったのだ。
「今夜、薬売っているヤツと接触する」
「んー多分俺とカイムじゃ勘付かれるから、ハインとワグナーに囮になって貰う」
「ハイン君、ワグナー君、くれぐれも無理無茶はしないようにね」
「何か少しでも異変を察したら即時撤退をして下さい」
ハインとワグナーに念を押して注意するように言い、カイムとヤハネは離れた場所で今夜薬を売る人物の鑑定を行う事にした。
千歳とラジカは《アウトランダース商会》《グジャグ支店》の支配人達にスマホと、ゴーレムの紹介をし研修を行った。
2人はよく分からないまま、仕事と家を得た…。

Stage.6-7 《ブリキノ国》《イグン王国》
「じゃ、行ってくるわ。すぐ戻るけど」
「こっちもな」
「みなさん気を付けて下さいね」
外神たち《ブリキノ国》チームと崇幸達《イグン王国》チームに分かれ空の影響がない場所で転移を行う事にし、晴海達に見送られ《ガーデン王国》を後にした。

「リーダー来たよ」
「強い気配…」
「向こうも強い手札を仕入れたぽいねー」
「ぐちゃぐちゃに出来るかなー」
「鬼人と…」
「妙な混ざり者…と他は…ああ眠いぃ…」
《ブリキノ国》の王城、謁見の間で気配を感じた《砂城の牙》の面々、戦闘開始する準備は整っている。
玉座の王の顔色は何処か悪い、外には兵もいる、進軍している兵、《ガーデン王国》の国境付近にも兵は控えている、盤石な布陣で更に王の一声で《砂城の牙》達もすぐに転移で《イグン王国》へ向かう……だが胸騒ぎは収まらなかった。
「陛下、《ガーデン王国》の使者が謁見を…」
「しょぼい国の使者~?」
「何かあるのか、一度我々は姿を隠した方が良いかと」
「あのもう終わる寸前の国にそんな余裕があるんですかね」
「予想外、来るのは《イグン》の使者だと思った」
「……王、相手しろ」
「…通せ」
騎士が王に報告し、此処に連れて来るよう命を下し、6名は1度この場から姿を消した。
静寂が広がる間もなく戦を始めようとしている国とは思えない静けさ、王は野心と野望を抱え玉座に座り待つ…。
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