あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第013部 序列第13位と生きた山脈×まだまだ続くよ空の旅

Stage.7-Final 幕が引いた後

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『ああ、くそ!』
『次は無いのねぇん』
『いや、まだ気配がありましたよ。あちらさんが逃げられるまで手札を切ってくるでしょうね』
『ヴェリ…』
「終わりましたね」
「みんな!」
「タナトス!」
脅威が去った闘技場に千歳達が降りてくる、ウォルゾガがタナトスに駆け寄る。
「大丈夫か?」
「見ての通りですよ」
「そうか…みんな良かった無事で…」
「…返しますよ」
指輪の姿に戻った剣を返そうとするが…抜けない、ウォルゾガがタナトスの指を掌で包む。
「持っていてくれ、俺にはこれ位しか出来ない」
「……抜けませんし預かっておきます」
「ああ」
「タナトスさん無茶を聞いてくれてありがとう…」
「ああ、礼を言わせてくれ…」
大河と千歳がタナトスに深々と頭を下げる、タナトスは無表情で口を開いた。
「では私が此処の支配者という事で、新しい支配者を指名しますね。トワンとミカイ貴方達に此処を任せます。崇幸達が療養街を完成させるまでは私の元で動いて貰います」
『え?』
「いや、ちょまって…」
「ああ、いきなり言われても…」
「貴方達は私の物でしょう、前皇帝の弟君、ミカトゥライ・イラカース。前皇国騎士団団長トゥワース・ガンダィン」
『あ』
たじろぐミカイとトワンが後退る、タナトスは端からそのつもりだった、牢獄の支配者など御免被りたい。
「では、明日私の元へ。今日は休む所がないでしょうからカジノタワーの部屋にでもいて下さい」
「ミカトゥライ叔父上…トゥワース元騎士団長」
「陛下…」
「陛下」
「終わった…私の代で…余は母…いや皇太后の件がある…戻る、此処を貴殿らに任せる」
叔父と甥の関係だが希薄だ、ヴリトゥユはそれだけ言い城へと戻って行く、ミカイとトワンはその背を見送り決闘会場以外更地になった元牢獄を眺めた。
「兄上は私を守る為に私をここに送った」
「俺は普通に皇族に歯向かって此処に送られた、手を組んだと言うか本当に罪の無い人々もいたから少しでも助けたくてな、ミカイ…ミカトゥライ様と此処で生きて来た」
「今更だな、ミカイで良い」
「そうか…詳しい話しはまた後日か聞かせて貰う、長い1日が終わったんだ」
「そうだね…少し休もう考えるのその後で、皆ご苦労様。特別手当を考えよう」
大河と千歳が疲労の表情を浮べる、まだやる事は沢山あるが…今は…熱いコーヒーでも飲んでゆっくりしながら皆の声が聞きたいと思った…。

「皇太后……」
「毒杯を煽り…」
「速やかに遺体を……いや凍結し保管せよ」
「は」
城に戻ったヴリトゥユは冷たくなった仮の母と対面する、離宮の皇太后の寝室で眠る様に亡くなった彼女は秘密を全て抱え1人逝ってしまった。
侍従や騎士達は頭を下げ、親子の対面を機械的に見守る、命を下部屋を後にし向かったのは宝物庫。
前皇帝から借りた剣を元の場所に納めれば、足元の一角が沈み木箱が現れた。
「……あの魔人」
フゥの仕業かとその木箱を手にし中を開ける、メッセージが蓋に刻まれていた。
『真実を知りたいと思ったその時に魔力を注げ』
「余に必要ない、ケリャリカ皇太后が命と引き換えに葬った過去と真実…偽りを真実にすれば良いだけだ」
ヴリトゥユは箱を粉々に砕く、これでもう偽りが真になる他無い。
ヴリトゥユは宝物庫を後にする、もう此処には来ない…。

「あらぁあもったいないぁい」
フゥは遠いそれこそ大陸を越えた場所で笑う、先程の遊戯は酷く愉しかったと上機嫌でいた。
フゥの願いは叶わなかったがそれでも良い、願いは自分で叶える。
「今度は何処で誰と遊ぼう~あぁ~ちょうど良い所にぃ~今度は魔人であそびましょ」
少し離れた場所で丁度良い次の遊び相手が見つかったと喜ぶ、フゥはそこから姿を消した…。

「すまない、私は弱い…」
「兄上…」
「姉上からお前を守る事も出来ない…」
ミカイ…ミカトゥライはカジノタワーの部屋で過去を…振り返る、3兄弟で野心溢れる姉ヴィスタリアに常に命や存在を脅かされ続けた兄、気弱で希薄で美しかった兄はいつも姉に怯えていた。
「私は姉上に殺されるだろう…ミカトゥライ…お前はどうか生きてくれ…」
そこがこの国の地獄であってもと…兄は苦し気な表情浮かべた、それから数年後にヴリトゥユが産まれヴリトゥユが成人した日に兄が殺され、ヴィスタリアも後を追う様に死に自分は此処へ送られた。
あの魔人が兄を殺したのは間違いない、ヴィスタリアが頼んだのも間違いないでは何故ヴィスタリアも死んだのか…。
「ケリャリカ…貴女が殺したのか…」
あの2名の間に何があったかは知らない、全ての真相は闇に葬られたミカイもミカトゥライの名をもう名乗る事はないだろう…。

「……はぁ」
タナトスはグローリー宅の奴隷ギルドの自分のデスクに座る、先程ウォルゾガとカーテス達が持ってきたオムライスとスープとサラダとお茶に果物が置かれたトレイを眺める、落ち着いたらみんなでお祝いをしようと、燈火と舵もやって来て労う……。
『お疲れ様でしたタナトス様』
「私に用でも?向こうは良いんですか?」
『はい、皆様大喜びです。ありがとうございます』
『ご苦労様でした、現時点を持ち貴方は14番目の魔王へと進化しました』
「どうでも良い」
風早の声と神々の声、タナトスはつまらなさそうに吐き捨てる。
『ふむ…魔王に昇格した事により魂と肉体のバランスが少し落ち着いたようだ』
『油断はできないなのです』
そう言って神々の気配と風早の気配が遠ざかるのと引き換えに、右手にあの時出現したスキルの眼が出現した。
『ザァーザァー…ザザ…よぉ、やっぱり魔王になったか』
「お久しぶりです」
『どうだ魔王になった気分はあ?』
「特に何も」
右手から雑音と共に少年の声が聞こえる、タナトスは内心冷汗を浮べるがなんとか平静を装う。
『んな怯えんなよ、同じ魔王同士だろう?なぁ、今日は挨拶だ。《絶望たる魔人》は強かったか?』
「そうですね」
『気を付けろ、じゃあな。おめでとう』
手短にそう言って目が閉じられ消える、タナトスは疲れたなと思いながらオムライスを口に運ぶ、指輪が視界にチラついたが外れない、指を切り落とすか…と思っていれば再度目が開く。
『マスター指を切り落としても指輪は外れません』
「うるさい」
『今後マスターの仕事の手伝いなどをさせて頂きます』
「勝手な事をするな」
『勇者スキルから魔王スキルに進化した結果です、補佐をさせて頂きます』
「うるさい」
『風早殿達に挨拶をして参ります』
「聞け、勝手な事をするな」
『失礼します」
タナトスはそれはそれはふかぁく溜息を吐いて、オムライスを食べていく…もうやってられない…。

Stage.7-Final 幕が引いた後 End
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