あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

問題発症解決編057幕 ヴァルキアと大河と ×第072話 切れない糸たち:まじない篇 アン/第72話 《アンツクイア》編 第参幕 《異空鳥

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 問題発症解決編057幕 ヴァルキアと大河と
「見事だ、流石は救世主」
「そんな事微塵も思っていないだろう、領地や裏街等は引き続き中継器を置いて運営し、ダンジョンは引き続き調査を行っていく」
「それで良い、《アウトランダーズ商会》に与えた領地はこれより《ヴァンガー》とする」
《ツヴァルキア城》の謁見の間、現在ヴァルキアと大河のみしかいない静かな場所で《カテラント帝国》でのザレナダーラを此方で引き受ける為の交換条件は引き続き継続していくという形で完了となる、しばし見つめ合う2名、最初に大河が口を開く。
「承知した…それでお前は、皇帝でいるのが嫌なのか?」
「なんだその質問は」
「つまらなそうだからな、顔にそう書いてある」
「とは言え皇帝を降りられるわけではないな」
「それはそうだな、たまには休め。俺は戻る」
「……」
玉座でヴァルキアは少しだけ肩の力を抜く、かつて大河と同じように言ってくれた者は今は遠い、大河が転移でいなくなった後に玉座に深く背を預ける。
「サニドツノス、今も私は此処にいる…」
かつての伴侶の名を口にするのは何時振りか、彼もまた自国で山積みの仕事を片付けているのだろうかと考えれば少しだけ口角を吊り上げた…。

「治療に時間が掛かる者は《療養街》へ他の者達は片付きましたよ」
「そうか、次は領地《ヴァンガー》の方を診てくれ」
裏街のテント内に戻った大河、詠斗達が食事の提供をしている傍ら蒐集家が大河を見つけそう伝える。
「…まあ、構いませんよ」
「大河さん、お帰り!飯出来てるから食ってって!蒐集家さんも」
「だ、そうですよ」
「ああ、貰おう」
「オケ、すいとんと果物と蒸した芋」
少し考えて嗤う蒐集家と大河の姿を見つけた詠斗が駆け寄り、裏街の住人や北の地からも炊き出しの手伝いに来ている者達から食事を貰いテーブルに並べていく。
「大河さん休んでる?」
「…寝てはいる」
「確かに忙しいし大変だけど俺達にもどんどん振って休んでね、帝国の事が少し落ち着いたら少しゆっくりしよう」
「そうだな…詠斗くん達は休んでいるのか?崇幸さんも」
「あー崇幸さんはね…元気に色々造ってる、店とか噴水とか遊具とか…千眼さんもいるから」
「そうだな、後で連絡しておく。いただきます」
蒐集家も出されたすいとんを箸で食べ2人のやりとりを見ている、詠斗がチーズやマヨネーズに辛い香辛料等並べてくれたので適当に手に取り振り掛けて大河は食べる、周囲の賑やかな雰囲気に暫し耳を傾けながら今夜はゆっくり休もうと腹に決めた…。

第072話 切れない糸たち:まじない篇 アン
「アンさん、これ持ってってくれ」
「こっちも」
「アンちゃん、ありがとう薬のおかげで身体が軽くなったわ」
アンと共に市場を歩けばひそひそと話す者達、そそくさと足早に去って行く者達、感謝し野菜や果物をくれる者達といった感じで三者三様に分かれていた。
「僕が持つよ」
「ありがとうございます」
「アンさんは調薬も出来るの?」
「はい、ここでは少しでも出来る事が多いと便利ですしお金も稼げます」
エツィアがアンが受け取った物を預かり収納カバンにしまう、率がアンの器用さに感嘆しアンは薄く笑って周囲に愛想を振りまく。
「アンちゃんて振る舞いが上品だよね、所作が綺麗」
「そうですか、ありがとうございます。そういう風に振舞えば商売をする上で対等に見て貰えると教えて貰いました」
布の屋台を眺め気になった物を購入しつつ、アンがエツィアの言葉に礼を言う。
「この鳥の刺繍のハンカチ綺麗だね」
「お、ぼっちゃんお目が高い。それは子宝に恵まれる為のおまじないがされたもんさ」
「そうですね、この国では鳥の刺繍は始まりと終わりの象徴です」
「それで院長先生は彼女に鳥の刺繍の布を持たせたんだね」
「……ええ、飛び立つ鳥の刺繍を」
晴海が手に取ったのは枝にとまる青い2羽の鳥の刺繍が施された布、気に入りそれをいくつか購入し率が昨日の少女の遺体に持たせた刺繍を思い浮かべる。
「誰か亡くなったのかい?ならこれはオマケだ、墓に結ぶと良い」
「ええ、ありがとうございます」
「赤い紐と白い紐?」
「これを墓の目印に結ぶんだ、次も…次は良い生であるようにって次へって意味さ」
店主が太目の捩じっている赤と白の紐を渡しアンは礼を言う、晴海達も礼を言い孤児院へと戻る、店主は沢山買ってくれたと嬉しそうにいつまでも手を振っていた。

第72話 《アンツクイア》編 第参幕 夜は《異空鳥》にて
「懐記君、仏壇に手を合わせても良いかな?服を借りたし挨拶をさせてくれないか?」
「ん、おけ」
「懐かしい日本の平屋か…お邪魔します」
夜厨房にいた懐記と外神に声を掛け外神が食堂の空間を広げ懐記が家を出す、佳月がじっくりと眺め懐記が玄関を開け挨拶してから足を踏み入れる、人の家の匂い…懐かしいなと佳月は思いながら仏壇のある居間に通される。
「では」
仏壇の前で佳月は正座し手を合わせた、儀式めいた線香やおりんなどは懐記の意向で省略し、ただ挨拶と礼を伝えて立ち上がる。
「ここ、消費した物は次の日に補充されるからばあちゃんの果実酒とか酒とかあげるわ」
「いいのかい?嬉しいなあ、梅酒やかりん酒とそれ用のリカーもありがとう。俺もこれで酒を漬けるよ」
「ん、また渡すわ」
「明日薬草やここの果物とかでさっそくやるよ」
台所で梅酒の瓶とかりん酒に果実酒用のリカーと氷砂糖も貰い今日1良い笑顔を受かべる佳月に懐記も頷く、せっかくだからここで酒を呑もうと懐記が冷蔵庫からつまみになりそうな物を出してくれ外神と佳月は椅子に座った。
「佳月さん、明日は良ければ大きな国で買い物をしたんです。教えてくれますか?それとこの世界の金を得ようと思っています、買い取って貰えそうな物を教えて下さい」
「それは構わないけれど…商業国家《ノヴェリド》を案内するよ、あそこには総合ギルドがあるからそこで買い取って貰えばいい。保存が利く食べ物、香辛料、布や剣や宝石…なんでも売れるし店を出しても良い」
「店、いんじゃない?暫くはいるっしょ。はい、豆腐と漬物ね」
外神がこの世界での案内を頼み、明日は大国へ赴く事になり佳月は梅酒のロックを煽りながら懐記が出してくれた冷奴ときゅうりとカブの漬物が出されそれを摘まむ。
「ん、おいしいね」
「佳月さんは僕たちと一緒に《アタラクシア》へ行きますか?」
「行くっしょ、佳月っち。はい、鮭のソテーとお浸し」
「そうさせて貰うと嬉しいね、もうこの世界に何の心残りも無いから。ただ生きているだけだしね、鮭ってホント美味しい、このお浸しもね」
外神と懐記の誘いに佳月は乗り《アタラクシア》へ向かう旅に同行する事が決定し更に酒が進む、懐かしい味に笑みが止まらない。
「佳月っちにこの家の空き家プレゼントするわ、いくらでも増やせるから好きに使って」
「いいのかい?ありがとう、明日の案内は任せてくれ」
懐記からの破格の贈り物に更に酒が進んでしまう、佳月は今日は本当に良き日だと取り留めのない会話を3人で交わし和やかな夜を過ごした…。



あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×EXTRA MYCLOSET~可愛いは世界の中心、世界の中心で可愛いを叫ぶ~
「朝飯と弁当までありがとね、ユラちゃん」
「いいのいいの、気を付けてね」
朝、朝食にトーストと目玉焼きとスープにお茶を出した後、商人を見送りユラは蔦で編んだ篭を持ち森へと採取へ向かう。
「木苺はっけん、こっちには薬草とこの花はドライフラワーにしてポプリにしましょ。ドライフルーツも作りたいし…」
森は材料の宝庫だ、ユラはこの森がとても好きだ、此処が故郷で実家と胸を張って言える。
「明日まで予約のお客さんはいないから、今日は採取と掃除と備蓄と料理の作り置きをしましょ」
今日の予定を立て食材を採取していく、キノコや木の実と果物籠が一杯になり収納にしまってまた籠を出す。
「この花…そっかもうそんな時期、またお祭りの時期が来たわ」
木の根元に咲くスズランのような連なっているピンクの花が風に流され揺れている、この花が咲くという事は間も無く暑い時期がやってくる。
「またこの花の装飾品を用意しなきゃ」
名も無き花、ユラはその花を見て微笑んだ…。
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