あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第015部 繋がる糸たちへ/繋がらない糸たちへ

第0105話 店を任せる×第0105話 《バーススカ集合国》編 賠償は…/第0105話 《アンツクイア》編 第参拾陸幕 いや、塔便利過ぎ

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 第0105話 店を任せる
「おいしーおにくー」
「すごいね!やわらかいーい」
「はじめて食べたー」
「ゆっくり食べろよ」
「取らないし沢山あるから」
「ほら、ジュース飲んで」
「お肉焼けました」
「パンもある、スープも」
洞穴のような場所の外で出来た料理を子ども達に振る舞えば取り合いの喧嘩やがっついて食べてはいるもの、笑顔を浮かべて食べていた。
子どもは10人程、漁師や市場の店主や冒険者達が自分達の食い分から分けていたり仕事を回してなんとかやっているらしい。
「これきれー」
「いいのー食べてー?」
「ありがとうございます…」
たらふく食べた後に舵がデザートにと、フルーツ飴や果物を振る舞いやっと落ち着いた。
「よし、俺たちはここに店を置こうと思ってね。君たちに店を任せたいどうだろう?」
「俺たちの目的は金を稼ぐことじゃないから売り上げは全部君たちが使うといいよ」
「ええ…そんな…俺、字とか読めないし計算もそんなに…」
「学校にも通えるようにできますよ、教室もあります。小さな子達も」
崇幸の提案に戸惑う年長の少年、舵も燈火も是非と進めるが戸惑ってばかりで詠斗が肩を置く。
「ゴーレム達が守ってくれるから、盗まれたり危ない人がくる事もないさ」
「家も用意しよう、君たちがここから離れてもいいと言うなら学院に寮やしっかりとした孤児院も紹介出来る」
「……いえ、俺はここにいたいんです。俺の父さんや爺さんはこの海で死にました…この子たちの親もそうです…墓だから…」
大河の提案に首を振る、海を見つめ多くの命を奪い育んできた存在を見つめ崇幸達は納得する。
『彼らの事は私がみます、店があれば彼らの事はゴーレム達と一緒に此処で…』
「なら、さっそく店を用意しよう。大河君、俺とギルドへ行ってくれるか?この辺の土地を買おう。詠斗君達、子供達を頼むよ」
『はい』
風早の言葉に崇幸が頷き大河を伴い商業ギルドへ向かうと決め、詠斗達に店の準備と子ども達を頼んだ。

第0105話 《バーススカ集合国》編 賠償は…
テントが鎮火し千歳が浄化魔法を掛け、ラジカやサニドツノスが焼けたテントを風魔法で動かすとノケイネとその部下達がうっと顔を背けるような無残な光景が広がっていた。
「くそ、たしかにこれは呪いだ」
「う…うぐ」
「うぇ」
「吐くならそっちで吐け!」
吐き気を堪えられない部下達を叱咤し移動させ、サニドツノスもその有様を確認しそのまま土魔法で地面に隊商達の亡骸を埋めてしまう。
「ノケイネ、此処を立ち入らないように囲め。この付近を暫し立ち入りを禁止とする。残ったテントを他の場所へ移動させろ」
「ああ、分かりました」
「なら僕が運びますよ、収納がありますから、何処に移動しますか?転移で皆さんを運ぶ事も出来ます」
「ああ、そいつは助かる。なら川の上流の方に」
サニドツノスが命を下し、すぐにノケイネが動き千歳が手伝いを買って出る、ラジカは少し考え口を挟んだ。
「ノケイネ殿、今回出た負債彼らに賠償させるつもりだった額は《アウトランダーズ商会》で補填します」
「い、いや…それは…確かにテントもダメになってしまったし移動もする、体調がまだ不調のヤツもいるが…」
「構いませんよ、友好の証として納めて下さい」
「だそうだ、貰っておけ。《バーススカ集合国》は貧国だ」
『そーそーよ、貰っちゃって。ありがとラジカちゃん、千歳パパ』
躊躇うノケイネにサニドツノスと千歳と千早が後押し、ならばと隊商達に負わせる賠償の肩代わりを《アウトランダーズ商会》が行うと決まった、千歳は急ごうと準備を手伝い転移に取り掛かった。

第0105話 《アンツクイア》編 第参拾陸幕 いや、塔便利過ぎしょ 
「なんですかこの木…」
「砂糖の木です、この実を割ると砂糖がでます。採った後も無限に実が生りますから」
「はぁ!?なんですか?そんな木、聞いた事ないです!」
「やっぱ砂糖は必要だし、あげるから使って。油も」
「ええ」
植木の砂糖の木、クルミサイズの実を外神が割ると中からさらさらとした綺麗な砂糖が出て来てノンフォは驚くがそんな大層な物をあっさりとしかもタダでくれると言うからノンフォの開いた口が塞がらない。
「ま、貰っといてよ」
「ダンジョンには砂糖の壺も出るらしいですけど…大分上の階層で本当かどうか分からないですし…そういう無限に出る壺1つで1家族が一生暮らしていける価値があるんですよ…それに似たような物を…」
ノンフォの言葉に佳月がそういえばあったなーという表情を浮かべ、早速油と砂糖でラスクや揚げパンの作り方を教えた。

「佳月のやつ塔がこんなにすごい物だって思わなかったのか…」
「興味無さそうだったし…」
「砂糖の壺に塩の壺、油もそうだが無限カバンにミルクがでる動物…」
「これも中々の業物だな」
「便利な物だな、《アタラクシア》でも1つの場所に此処まで纏まっていないからな」
塔に挑んでいるギーギス、ノイズ、ナチェ、マユラ、シュリが塔の便利さを実感する、確かに普通の人間なら攻略は難しいだろう、だが攻略出来れば恩恵がある、1階層1戦で済む上に攻略してもしなくても戻れる、攻略した階層から始められそれ以下の階層には行き放題、すなわち77階層をクリアした彼らはその階層にも行ける。
上の階層や中階層にも便利な道具が出る、宝石や剣に盾に鎧や回復薬、オオカミのような生物までドロップしノイズやシュリが頭を撫でればマスターだと思っているのかすり寄ってくる。
「さっきの階層で出た石鹸も香りなどは無いが使っても減らないし、チーズみたいなのも味が薄いけどこれも減らない。すごくないか?」
「うん、料理すれば美味しい…」
ナチェやノイズも味や質はいまいちだが便利な物に感動している上、彼らには割と攻略が簡単な塔、まだ日は高いからまだまだ彼らの探索は続く…。



あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×NoGodBless&Bless Playce ~蒐集話忌憚~
「おやまぁ、こんな死にかけのばあさんが来られるとはねえ、おとぎ話しかと思っていたよ」
「機会は誰にでもありますよ」
「そうかい、こんなばあさんの願いを叶えてくれるのか」
「はい、話しが終わった後にこの蝋燭息を吹き掛け火が消えれば貴女の願いは叶います」
「そうかい、私の願いは…私が預かっていた物が持ち主に戻る事さ…」
年老いた老婆は疲れた表情を浮かべ、ゆっくりと口を開いた…。

EP、8
「私が…あれは40年以上前、まだ無垢な小娘だった時さ、こんなばあさんでもそんな時代があったのさ…貴族の屋敷に奉公に出されてね…そこには同じ年のそれはもう可愛がられていたお嬢様がいたのさ…それはもう綺麗で愛らしくて優しくてね…お嬢様のお傍にいる時だけは辛い現実を忘れたもんさ…ある日お嬢様に婚約者が出来てね、その婚約者は評判が良くなかったんだ。その婚約者は他に女がいて…でもお家の事情もあるからとお嬢様は諦めた表情を浮かべていたんだ…お嬢様には恋仲の執事がいてね…まあ、そりゃあ叶わぬ恋ってやつさ、せめて婚約者がまともな奴だったらよかったんだが…それである時お嬢様は執事と駆け落ちをしてね…すぐに連れ戻されたよ…執事は………殺されちまった…。その執事が殺される前に預かった手紙…これをお嬢様に届いて欲しいんだ…」
「なるほど…では息を吹き掛けてください」
老婆が赤い火に蝋燭に息を吹き掛け火を消そうとするが火は消えない、フードの男はにやりと口元に笑みを浮かべた。
「貴女は真実を話していない、貴方は執事が好きだった。お嬢様と執事が逃げるのを告げ口し邪魔をした、手紙も貴女が預かった訳ではなく貴女が盗んだ。裕福で誰からも愛され、自分の想い人からも愛されるお嬢様を憎んだ」
「ああ、そうさ!たかが婚約者が屑な位いいじゃないか!私は惨めに暮らして…あの人だけ殺されてあのお女は何のお咎めもなし!婚約者と結婚して……ふふ…だけどね、あの女不幸になったんだ…ようやくやっと…子供は取り上げられ、夫になった男とその家族から監視されことあるごとに逃げた事を詰られ…そして今、病気さ……ゴホゴホ…私も治らない病さ…」
老婆の血走った目と咳き込めば口からどす黒い血が吐かれ、苦しみながら笑みを浮かべ続ける。
「執事の手紙…あの人の手紙を病床で読んで…苦しみながら死ねば良いんだ、あんな女!あの人はあの女を愛していた!だけどあの女は結婚前のほんの火遊びみたいな物よと吐き捨てた、手紙はあの人とその家族が持っている鉱山の所有権とそれをあの女に譲るっていう手紙!あの頃は大したことなかった鉱山さ、それが今になって希少な鉱石が出てとんでもない財を成している!それを今はあの人の家族が引き継いでいるんだ。その手紙……ふふ…きっとあの女悔しがる…婚約者なんかの家の財なんかちっぽけに感じる位の莫大な財さ、その事を知って悔しがって死ねばいいんだ!」
「そうですか、では火をもう1度消して下さい」
ぜぇぜぇと荒い息と脂汗を滲ませ、老婆はもう1度息を吹き蝋燭の火が消え老婆の姿が揺らめいて消えた…。
「手紙は届きますよ、でも調べがたりませんでしたね。お嬢様も40年も経てばすっかり老婆です、彼女は痴ほう症で今は朝に何を食べたかも思い出せない。果たして彼女がその手紙を読む事が出来ても理解でき、悔しがるのでしょうか…でも互いに幸せなのでしょうね…過去を忘れたお嬢様とやっと願いが叶った彼女…どちらも寿命はほとんど残っていないようですし、願いは叶いましたからおしまい…」
フードの男は乾いた音を立てて手を叩く、大小どんなくだらない願いも本人達には大事な望みなのだ…。




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