あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第016部 魔なる神たる人の子よ*尊き血と古き血/自己犠牲の先の解

第010話 採取のついで×第0134話 《バーススカ集合国》編 治療*まじない偏依存case8/《アーケディア》偏 dress:5 静かな

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 第010話 採取のついで
「ここは人がいないな」
「鑑定が泣ければ薬草と毒草の区別がつかない場所ですから、魔王のスキルでしょう」
「なんだそのスキルは」
「さあ?」
蒐集家は嗤う…チリン…静かな森のやや奥、人気はない上に不気味さも漂う。
さっそく蒐集家が身体から蔦を出し採取を行う、大河は慣れた光景だが異質な物に変わりはない。
「こんな物でしょう、面白いですね。まったく同じ見た目の効果が反転している植物達とついでにどうぞ」
「なんだこの小さい生き物は」
「ご所望の数外個体魔王ですよ、隠れていたので捕まえてみました」
薬草と毒草を蔦が採取しそのうちの1本が大河の目の前に手乗りサイズの小さな黒い塊を差し出す、それを受け取り何かと尋ねればまさかの数外個体魔王と言われまじまじと見る。
「なんだ?お前魔王なのか?震えているぞ、寒いのか?」
「魔王ですから状態異常無効があるでしょう、怯えているんですよ。我々に」
「そうか、いきなり捕まったら驚くか…すまない。俺達と来るか?」
『……』
黒い固まりが大河を見上げる、どことなくチワワっぽいなと思いつつ大きな横に広がる耳とつぶらな潤んだ黒い目に震えている姿に申し訳なさを感じる、返事はなくただただ震えているので落ち着いたらもう1度確認しようととりあえず上着の中に入れて置くことにした。
「私の用は済みました」
「なら、ギルドに戻るか」
「それも良いですが、先ほどの子供が面倒な事に巻き込まれているみたいですよ」
「早く言え、行くぞ」
蒐集家の淡々とした報告に大河が眉を吊り上げ、先ほどの森の入り口に転移で向かった。

第0134話 《バーススカ集合国》編 治療
「不審な動きをしていた者は捉えておきました。別室にします」
「その件は後で、サニドツノスさん万能薬を」
「ああ、使わせて貰う」
ナハトとバーンを拘束しガイッセの屋敷で兵と見張りを立て拘束し、ラジカが広場で不審な動きをしてた者達を捕らえ別室で千早と兵が尋問を行っている。
千歳から万能薬を貰いサニドツノスが意識不明で寝たきりになっているガイッセへ万能薬を飲ませる、痩せた身体に浅い呼吸を繰り返す意識は戻る事はないだろうと言うガイッセの顔色は良くなるがやはり意識は戻らなかった。
「毒で倒れたと言っていたな」
「毒が混入していた物は残っているのかな?」
「はっ!保管してあります」
「持ってこい」
「蒐集家さんに分析して貰おうか」
ドアの前に立っていた兵に毒を盛られた物を持ってこさせようと命を下し兵が部屋を出る、寝る前に飲むという酒に混入されていたという酒、その日の部屋の前に立つ衛兵が酒を運ぶ役割と毒見を行っている。
「その日の護衛はギワで毒見もギワが行っていると厨房の料理人が証言しているという事だな」
『そうそう、そんで捕まえた不審者達はギワちゃんの部下でなんとか処刑をされる前に助け出そうとしていたらしいよん』
「でも、他の長の皆よりも随分厳重な警護で屋敷や兵士の数も多いし毒見役まで揃えて要人なのかな?」
「ガイッセは《カテラント帝国》のヴァルキア皇帝陛下の叔父の1人だ、私が陛下と離縁した際に連れて来た。生き残る為に《ガッセ》を任せたが……」
痩せた骨と皮の身体はかつての見る影もないなとサニドツノスは思う、千歳もラジカも言葉を詰まらせた。
「も、申し訳ありません!盟主様!保管されていた酒が……」
「無くなったか、ガイッセを暗殺しようとした物は余程使われた毒を暴かれたくないようだな」
「ならば、尚の事蒐集家の出番ですね。彼は性格が歪んでいて暴かれたくない物を暴きたいと思う性分ですから」
「こういう時、味方で良かったと思うよ」
「味方ではないでしょう、敵でもないと思います今の所は」
兵士が慌てて部屋に戻りサニドツノスは冷静に言い、ラジカはさっさとこの件を解決する為早急に蒐集家を此処に呼ぶ事にした…。

まじない偏依存case8 
「おはよう、アンさん、カンビ」
「お、おはようございます」
「きょうは俺も手伝いで来たよ、ルンカって言うんだよろしくね」
朝、孤児院でアンとカンビと挨拶を交わす晴海とルンカ、舵とチグリスの面々で街を回る事にした。
「今日は2手に分かれて探そうと思うんだ、カンビちゃんと晴海ちゃんとチグリスちゃん。俺とルンカちゃんで《意思の選択》を売っている人を探そうと思うんだ」
「では、私が舵さんとルンカさんと一緒に探します。この周辺の情報は頭に入ってますから」
「それは心強いね、孤児院は大丈夫かな?」
「はい、平気です」
アンが微笑み、カンビと晴海とチグリス、舵とルンカとアンの2手に分かれ街を回る事にした。

「きょ、今日はこの辺りを探そうと思います」
「うん、分かった!」
「晴海…あれ食べたい」
「分かった!買って聞いてみよ」
今日は昨日とは反対側の冒険者ギルドが在る方へ足を運ぶ、チグリスが肉串の屋台を指さし晴海が情報収集がてら買う事にした。
「おじさん、肉串5本下さい」
「あいよ、2,000ログね」
「ありがとう、俺《選択の意思》が切れたから欲しいんだけど、中々売っている人に会えないんだ。この辺で売ってたって教えて貰ったから来たんだけど」
「お、坊主それは間が悪かったな!ついさっき他の場所へ移動して行ったぞ!俺も新しいの買ったんだ。家族みんな使っているからな」
「えーそうなんだ。タイミングが悪いなあ」
「どんな人が売っていたんですか?」
「ん?うーんばあさんだったと思うがあんまり覚えていないな…」
店主が首に下げた《選択の意思》を見せてくれる、チグリスに3本串を渡して晴海とカンビは1本ずつ食べる。
カンビの質問に店主は首を傾げ売っていた人物の詳細を覚えていなかった、店主に礼を言いカンビが冒険者ギルドで情報を集めてみる事にした。

《アーケディア》偏 dress:5 静かな夜にて
結羅が久しぶりの和食を心の底から楽しみ、クマの商人と共に《異空鳥》に招かれ風呂に入り部屋まで借りた深夜。
外神も懐記も寝た後、佳月は酒瓶とグラスを持ちとある部屋を訪ねた。
「どうぞ」
ノックをした後声と共に扉が開き、結羅が微笑みながら佳月を出迎え中へ招いた。
「酒は飲める?」
「ええ、嫌いではありませんわ」
「良かった」
窓際の小さな丸テーブルにグラスと酒瓶を置き佳月が座り酒を注げば、結羅も座ってその様子を眺める。
服装はフリルが少なめの白とピンクのロングワンピースでよく似合っている、グラスをかちりと鳴らし琥珀色の酒を飲む。
「ガイド君も寝てるし、俺達の会話を聞いているのは神々だけ」
「神様達だけが聞いているなんてなんだかすごく神聖に感じますわ」
「神々だってステータスに神って冠しているだけの存在だと俺は思っているよ」
「……この世界に神様はいませんから…」
「それで自分が神に近い存在になろうと?その身体見事な物だね、その目腕足…半分以上が人形の物に変えている」
「分かりますか?」
「まあ、自分の身体を封印具にして人形の身体に変えているって事はね」
静か…静かすぎる夜、佳月の潰していない方の眼でまっすぐ結羅を視ている、結羅は曖昧な笑みを浮かべて酒で唇を湿らせた。
「私この世界が好きですわ…みんな優しくてこの世界に来てよかったと…だから恩返しがしたくてこの世界の厄災を自分の身体に封印しましたの」
「尊い自己犠牲」
「愚かだと馬鹿だと佳月さんは思いますか?」
「そうだ、君は馬鹿な事をしたと思っている。出してご覧、君の身体。俺が封印を解除して君の身体を戻す」
「出来るんですか?」
「まあね、見せてくれたら分かる」
『ならばこちらも手を貸そう』
佳月の言葉に結羅が驚く、佳月が酒を飲みながら頷けば《アユズラーグ》の神も手を貸そうと声が聞こえる。
「まだすべての厄災の封印が終わっていませんわ」
『では、新しい封印具を我々が用意しましょう』
「どうしてそこまでしてくれるんですの?」
『貴方が召喚された者だからです、こうして逢ったのは縁です。我々も我々が出来る事をします』
『ステータスに神と冠しているだけの存在でもありますが』
「聞いていたのか?失礼」
《アタラクシア》の神々も手を差し伸べる、佳月は苦笑いを浮かべ結羅は頭を下げた。
「不安でしたの…この無理やりな封印がいつまで保つか…もし封印が解かれてしまったらどうしようと…」
「もうその心配をする必要はないさ、さ、身体を出して」
「はい…」
佳月の言葉に頷き収納空間から両腕から掌まで、10本の指、右足、目玉を出して並べていくどれも黒い文字が刻まれ厭な瘴気を放っていた。
「よく今まで頑張った」
「はい…」
佳月の労いの言葉に結羅は歯を食いしばった後、ゆっくりゆっくり息を吐いた…。



あなたは異世界に行ったら何をしますAnotherSid×Cry&Trigger~弱虫な僕と強い君~
Cry×Trigger1
今夜も幕は上がる、今夜も自分の傍らの存在は美しかった…。
「……たまにはゆっくりと静かな夜を過ごしたいな」
「無理、そんな事を考えるだけ人生の無駄」
偶然が重なって本来召喚される筈だった世界じゃない世界に来てしまった不運な青年、桜坂 全(さくらざか ぜん)は夜の呪都(じゅと)《エクサス》の《ゲート》前で狩りをしていた。
「はぁ、神も仏もいる世界なのに僕の願いは叶わない」
「さっさと終わらせればいいだろう、私はトリガーを弾く」
比良はこの《アンゲニクス》という世界で自身の境遇を呪いつつ傍らの美貌の青年が銃をぶっ放す姿を視界に捕らえつつ、渦巻く《ゲート》と呼ばれる空間にいくつもの針を手から生み出し投げていく。
『ギャアア』
『ギシャアア』
醜い叫び声、最初は戸惑っていたこの行為も慣れた、仕事だ、これをしなければ生活できないと何度も自分に言い聞かせゲートから出て来ようとするモンスター通称《エネミー・メア》達を屠っていく。
「これで今夜は終わりだ」
「はぁ、終わった」
「帰るぞ」
「うん…」
蜂蜜を流したような長い髪、薄い紫の瞳は宝石のように美しく遠めからでも誰の目から見ても美しい全の相棒(?)のセロニカ=ヒンリス=ガロナ通称セロと呼ばれている天詩の後を付いていく、今夜も夜空に浮かぶ白い月よ星々は煌々と輝いていた…。


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