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第三幕 学生期
105.暗殺事件を認識
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アントニオ・ジーンシャン(エスト)12歳
バルド(ルド) 年齢不明(魔人)
リン 300歳(龍人)
ヤン・ツヴァインツィガー 14歳(従者)
ハンス・グレーザー 14歳(先輩)
カール・イグナシオ 14歳(先輩)
ロベルト・ジーンシャン 58歳(父方祖父)
アルベルト・ジーンシャン 34歳(叔父)
オデット・ジーンシャン 34歳(叔母)
レオナルド・ジーンシャン 13歳(従兄)
エドアルド・ジーンシャン 10歳(従弟)
ヒロヤ・カンナギ 54歳(国王)
ジュン・カンナギ 35歳(王太子)
エミ・サント 61歳(母方祖母)
ヘンリー・サント 71歳(母方祖父)
アントニオ達が、おかわりのお茶を飲みながらまったりしていると、部屋の呼鈴が鳴った。
アントニオ
「はーい!」
ヤン
「あ、私が出ます!」
ヤンが立ち上がり戸を開けると、アルベルト(アントニオの叔父)が立っていた。
アルベルトの背後には、武装した魔導騎士が4人ほど控えている。
ヤン
「アルベルト様!」
アルベルト
「トニーは?」
ヤン
「今、一緒にお茶を飲んでいた所です。」
アルベルトは、魔導騎士達に廊下で待つように指示してから部屋に入った。
アントニオ
「叔父上! どうされたのですか?」
アルベルト
「あぁ! 良かった! 無事だったんだね。いや...ちょっとした問題が起きてね。一緒にいるのはご友人ですか?」
アントニオ
「はい。そうです。」
アルベルト
「申し訳ないが、お帰り頂いても?」
アントニオ
「もう、食後のお茶も終わった所ですので...会をお開きにしても大丈夫ですよね?」
ハンス
「はい!」
カール
「もちろんです!」
アントニオ
「今日は楽しかったです。夕食会に来て下さって有難うございました。また来て下さいね!」
ハンス
「勿体無いお言葉! 有難うございます。」
カール
「今度は、イグナシオ領の名産品を用意します!」
アントニオ
「わぁ! それは、とっても楽しみです! では、また、お会いしましょう!」
ハンスとカールが、去ったのを確認し、アルベルトは口を開いた。
アルベルト
「トニー、落ち着いて聞いて欲しい。」
アントニオ
「?......はい。」
アルベルト
「実は、エドアルドとレオナルドが乗った神殿の馬車が襲われてね。」
アントニオは呼吸をするのを忘れて固まる。
アルベルト
「大丈夫。私の息子達は、魔導騎士にも引けを取らないほど強い。もちろん無傷で相手を全員捕縛した。」
アントニオは呼吸を再開して、大きな溜め息を吐いた。
アントニオ
「無事で良かった! でも、代わってもらった所為で危険な目に...」
アルベルト
「気にすることはないよ。むしろ、レオナルドとエドアルドで良かった。もし、襲われたのがトニーだったらと思うと恐ろしい。」
確かに...俺が襲われていたら無事では済まなかったかも...。
アントニオは急に怖くなって身震いした。
ヤン
「何故、レオナルド様やエドアルド様が襲われたのでしょうか?それとも、神殿の神官が狙われたのですか?」
アルベルト
「理由は分からない。だが、狙われたのはトニーだ。」
アントニオ
「!?」
ん?
今、狙われたのは俺だって、叔父上は言ったのか?
何故?
焦茶で弱いから、強盗しやすそうとか?
誰かに恨みをかった?
でも、誰に???
アルベルト
「捕まえた男達は、神殿の馬車に乗った焦茶の子供を捕まえてくるように言われていたそうです。今日は偶然にもエドアルドが茶髪のカツラを被っていたので、間違われたのですが...誘拐を支持した男は、トニーが今日、馬車に乗る事を知っていた、という事になります。」
そんな! 茶髪のカツラを? 俺がエドにアドヴァイスしたばっかりに、事件に巻き込んでしまったのか!?
アントニオ
「今日の晩餐会は家族だけの内々の会です。知っている人なんてごく僅かですよ?...え!?サント家の人が?...私の誘拐を支持したと?でも...誘拐しなくても、神殿に行く予定だったのですが...???」
アルベルト
「確かに何か変ですね...そもそも、エミ様からの招待状ではなかった可能性もある。やはり、こちらに1人でいるのは危険かもしれない。事件が解決するまでは、私の屋敷にいた方がいい。」
エミ様からの手紙ではなかった!?
アントニオはゾッとして、震える腕をさすった。
アントニオ
「あ...はい。そうですね...では、お屋敷にお邪魔させて下さい。」
アルベルト
「ヤンも一緒に来なさい。狙われたのは、トニー1人とは限らない。ジーンシャン領の子供を狙った可能性がある。」
ヤン
「はい。荷物をまとめて来ます。」
アントニオが部屋で荷物をまとめると、魔導騎士の1人が荷物を運んでくれる。
アルベルトに連れられて、アントニオはヤンと一緒にアルベルト邸に移動した。
アルベルト邸に着くと、ちょうどロベルトが魔導騎士達を集めて、神殿へ出発しようとしているところであった。
ロベルトはアントニオを見つけると、アントニオのそばに寄って肩をポンポン叩いた。
ロベルト
「トニーは無事か。」
アントニオ
「はい。」
アルベルト
「レオナルドとエドアルドは?」
ロベルト
「もちろん無事だが、少々厄介なことになった。」
アルベルト
「どういう事ですか?」
ロベルト
「囮作戦は成功したが、捕まったのは神殿の神兵で、黒幕ではない。捕まった神兵が口にした黒幕の名はアルボス祭司だ。」
アルベルト
「過激派の?」
ロベルト
「そうだ。私が神殿に行って捕まえてくるから、お前達は屋敷で待っていろ!
遅くなるようだったら、トニーは待っていないで寝なさい。お前を夜更かしさせたとグリエルモの嫁(メアリー)に知られたら、私は殺される。いいな?」
アントニオ
「はい。」
ロベルトが王立魔導騎士とジーンシャン魔導騎士を併せて30人も連れて出発するのを見送る。
ロベルトが魔導騎士を30人も連れて行くということは只事ではない。大抵の事件なら4、5人の魔導騎士を隊長が連れて出る事で事足りる。それだって凄い事だ。
ジーンシャン領では、殺人事件や市民が武器を持って暴れているような事件でも憲兵が出動する。
魔導騎士が出動するのは、対魔獣のときや、敵が軍隊のとき位である。
そして、黄金の狂戦士(バーサーカー)が出動するということは、国を揺るがす一大事があるときである。
祭司が事件に関わっており、犯人の中に神兵がいたという事は、軍隊が出動するべき事件なのだろうが、そんな事件の中心が自分であることにアントニオは恐れ慄いた。
神殿の祭司様が何故? 誘拐? お迎えの間違いでは? でも、ロベルトお祖父様が、間違いで軍隊を神殿に入れたりするのだろうか?
屋敷に入ると、ジュリアお祖母様、オデット夫人、レオナルド、エドアルド、カリーナが出迎えてくれた。
口々に無事で良かったと言われ、さらに不安になった。
アントニオ
「エド、レオ、申し訳ありません。晩餐会の代理を頼んだばっかりに、危険な目に合わせてしまいました。」
レオナルド
「いや、俺達を危険な目に合わせたのは犯人だ。トニーが悪いわけじゃないよ。」
エドアルド
「むしろ、お祖父様が僕を危険な目に合わせているんだよ。黒幕を捕まえて来いと命令してきたのはお祖父様だし。」
アントニオ
「ん? どういう事ですか? お祖父様はエドに犯人を捕まえて来いと言ったのですか?」
エドアルド
「そうだよ。ただの誘拐事件なら、お前達で十分だとか言ってね!」
アントニオ
「エドが神兵を捕まえたのですか!?」
エドアルド
「そうだよ。兄上と魔導騎士もいたけどね。僕がトニーのフリして、兄上達がチンピラのフリして、犯人の黒幕に会いに行ったんだよ。捕まったフリしてね。そしたら、神殿の神兵が出て来るし、誘拐じゃなくて、トニーの暗殺が目的だって言うし、黒幕はアルボス祭司だって言うし! マジで子供の手に負える事件じゃないよ!」
アルベルト
「でも、お前達だけで神兵を捕まえられたんだろう? 皆、無傷なようだし。」
エドアルド
「そうだけど! 僕は、まだ10歳の子供なんです! 学校にだって行ってない年齢の!」
アルベルト
「神殿へはお祖父様が行ってくれたんだからいいじゃないか。それよりも問題は、神殿の人間の何処までが事件に関係しているかと言う事だな。アルボス祭司単独の計画ならまだしも、他領に多くの派閥信者を持つスヴァトン祭司や、王都に古くからいて盤石な地盤を持つハイドリヒ祭司が相手では、こちらもただでは済まないだろう。」
アルベルト邸の皆は笑いながら話していたが、アントニオは血の気が引いて真っ青になっていた。
暗殺 ?誘拐でなく? なんで俺が? え? 戦争になるの???
完全に、許容範囲を超えた出来事に、脳が悲鳴をあげて目眩がした。アントニオは思わず、その場にしゃがみ込んだ。
ヤン
「アントニオ様!」
オデット
「まぁ! 大変! 早くお医者様を!」
アントニオ
「あ、大丈夫です。少し目眩がしただけで、ちょっと、お部屋で休ませて頂ければ...」
アルベルト
「大丈夫かい? 今日はもう部屋でゆっくり寝るといい。」
ふらふら立ち上がったアントニオはアルベルトに手を引いてもらい、いつも夏休みに借りる客室に移動した。
バルド(ルド) 年齢不明(魔人)
リン 300歳(龍人)
ヤン・ツヴァインツィガー 14歳(従者)
ハンス・グレーザー 14歳(先輩)
カール・イグナシオ 14歳(先輩)
ロベルト・ジーンシャン 58歳(父方祖父)
アルベルト・ジーンシャン 34歳(叔父)
オデット・ジーンシャン 34歳(叔母)
レオナルド・ジーンシャン 13歳(従兄)
エドアルド・ジーンシャン 10歳(従弟)
ヒロヤ・カンナギ 54歳(国王)
ジュン・カンナギ 35歳(王太子)
エミ・サント 61歳(母方祖母)
ヘンリー・サント 71歳(母方祖父)
アントニオ達が、おかわりのお茶を飲みながらまったりしていると、部屋の呼鈴が鳴った。
アントニオ
「はーい!」
ヤン
「あ、私が出ます!」
ヤンが立ち上がり戸を開けると、アルベルト(アントニオの叔父)が立っていた。
アルベルトの背後には、武装した魔導騎士が4人ほど控えている。
ヤン
「アルベルト様!」
アルベルト
「トニーは?」
ヤン
「今、一緒にお茶を飲んでいた所です。」
アルベルトは、魔導騎士達に廊下で待つように指示してから部屋に入った。
アントニオ
「叔父上! どうされたのですか?」
アルベルト
「あぁ! 良かった! 無事だったんだね。いや...ちょっとした問題が起きてね。一緒にいるのはご友人ですか?」
アントニオ
「はい。そうです。」
アルベルト
「申し訳ないが、お帰り頂いても?」
アントニオ
「もう、食後のお茶も終わった所ですので...会をお開きにしても大丈夫ですよね?」
ハンス
「はい!」
カール
「もちろんです!」
アントニオ
「今日は楽しかったです。夕食会に来て下さって有難うございました。また来て下さいね!」
ハンス
「勿体無いお言葉! 有難うございます。」
カール
「今度は、イグナシオ領の名産品を用意します!」
アントニオ
「わぁ! それは、とっても楽しみです! では、また、お会いしましょう!」
ハンスとカールが、去ったのを確認し、アルベルトは口を開いた。
アルベルト
「トニー、落ち着いて聞いて欲しい。」
アントニオ
「?......はい。」
アルベルト
「実は、エドアルドとレオナルドが乗った神殿の馬車が襲われてね。」
アントニオは呼吸をするのを忘れて固まる。
アルベルト
「大丈夫。私の息子達は、魔導騎士にも引けを取らないほど強い。もちろん無傷で相手を全員捕縛した。」
アントニオは呼吸を再開して、大きな溜め息を吐いた。
アントニオ
「無事で良かった! でも、代わってもらった所為で危険な目に...」
アルベルト
「気にすることはないよ。むしろ、レオナルドとエドアルドで良かった。もし、襲われたのがトニーだったらと思うと恐ろしい。」
確かに...俺が襲われていたら無事では済まなかったかも...。
アントニオは急に怖くなって身震いした。
ヤン
「何故、レオナルド様やエドアルド様が襲われたのでしょうか?それとも、神殿の神官が狙われたのですか?」
アルベルト
「理由は分からない。だが、狙われたのはトニーだ。」
アントニオ
「!?」
ん?
今、狙われたのは俺だって、叔父上は言ったのか?
何故?
焦茶で弱いから、強盗しやすそうとか?
誰かに恨みをかった?
でも、誰に???
アルベルト
「捕まえた男達は、神殿の馬車に乗った焦茶の子供を捕まえてくるように言われていたそうです。今日は偶然にもエドアルドが茶髪のカツラを被っていたので、間違われたのですが...誘拐を支持した男は、トニーが今日、馬車に乗る事を知っていた、という事になります。」
そんな! 茶髪のカツラを? 俺がエドにアドヴァイスしたばっかりに、事件に巻き込んでしまったのか!?
アントニオ
「今日の晩餐会は家族だけの内々の会です。知っている人なんてごく僅かですよ?...え!?サント家の人が?...私の誘拐を支持したと?でも...誘拐しなくても、神殿に行く予定だったのですが...???」
アルベルト
「確かに何か変ですね...そもそも、エミ様からの招待状ではなかった可能性もある。やはり、こちらに1人でいるのは危険かもしれない。事件が解決するまでは、私の屋敷にいた方がいい。」
エミ様からの手紙ではなかった!?
アントニオはゾッとして、震える腕をさすった。
アントニオ
「あ...はい。そうですね...では、お屋敷にお邪魔させて下さい。」
アルベルト
「ヤンも一緒に来なさい。狙われたのは、トニー1人とは限らない。ジーンシャン領の子供を狙った可能性がある。」
ヤン
「はい。荷物をまとめて来ます。」
アントニオが部屋で荷物をまとめると、魔導騎士の1人が荷物を運んでくれる。
アルベルトに連れられて、アントニオはヤンと一緒にアルベルト邸に移動した。
アルベルト邸に着くと、ちょうどロベルトが魔導騎士達を集めて、神殿へ出発しようとしているところであった。
ロベルトはアントニオを見つけると、アントニオのそばに寄って肩をポンポン叩いた。
ロベルト
「トニーは無事か。」
アントニオ
「はい。」
アルベルト
「レオナルドとエドアルドは?」
ロベルト
「もちろん無事だが、少々厄介なことになった。」
アルベルト
「どういう事ですか?」
ロベルト
「囮作戦は成功したが、捕まったのは神殿の神兵で、黒幕ではない。捕まった神兵が口にした黒幕の名はアルボス祭司だ。」
アルベルト
「過激派の?」
ロベルト
「そうだ。私が神殿に行って捕まえてくるから、お前達は屋敷で待っていろ!
遅くなるようだったら、トニーは待っていないで寝なさい。お前を夜更かしさせたとグリエルモの嫁(メアリー)に知られたら、私は殺される。いいな?」
アントニオ
「はい。」
ロベルトが王立魔導騎士とジーンシャン魔導騎士を併せて30人も連れて出発するのを見送る。
ロベルトが魔導騎士を30人も連れて行くということは只事ではない。大抵の事件なら4、5人の魔導騎士を隊長が連れて出る事で事足りる。それだって凄い事だ。
ジーンシャン領では、殺人事件や市民が武器を持って暴れているような事件でも憲兵が出動する。
魔導騎士が出動するのは、対魔獣のときや、敵が軍隊のとき位である。
そして、黄金の狂戦士(バーサーカー)が出動するということは、国を揺るがす一大事があるときである。
祭司が事件に関わっており、犯人の中に神兵がいたという事は、軍隊が出動するべき事件なのだろうが、そんな事件の中心が自分であることにアントニオは恐れ慄いた。
神殿の祭司様が何故? 誘拐? お迎えの間違いでは? でも、ロベルトお祖父様が、間違いで軍隊を神殿に入れたりするのだろうか?
屋敷に入ると、ジュリアお祖母様、オデット夫人、レオナルド、エドアルド、カリーナが出迎えてくれた。
口々に無事で良かったと言われ、さらに不安になった。
アントニオ
「エド、レオ、申し訳ありません。晩餐会の代理を頼んだばっかりに、危険な目に合わせてしまいました。」
レオナルド
「いや、俺達を危険な目に合わせたのは犯人だ。トニーが悪いわけじゃないよ。」
エドアルド
「むしろ、お祖父様が僕を危険な目に合わせているんだよ。黒幕を捕まえて来いと命令してきたのはお祖父様だし。」
アントニオ
「ん? どういう事ですか? お祖父様はエドに犯人を捕まえて来いと言ったのですか?」
エドアルド
「そうだよ。ただの誘拐事件なら、お前達で十分だとか言ってね!」
アントニオ
「エドが神兵を捕まえたのですか!?」
エドアルド
「そうだよ。兄上と魔導騎士もいたけどね。僕がトニーのフリして、兄上達がチンピラのフリして、犯人の黒幕に会いに行ったんだよ。捕まったフリしてね。そしたら、神殿の神兵が出て来るし、誘拐じゃなくて、トニーの暗殺が目的だって言うし、黒幕はアルボス祭司だって言うし! マジで子供の手に負える事件じゃないよ!」
アルベルト
「でも、お前達だけで神兵を捕まえられたんだろう? 皆、無傷なようだし。」
エドアルド
「そうだけど! 僕は、まだ10歳の子供なんです! 学校にだって行ってない年齢の!」
アルベルト
「神殿へはお祖父様が行ってくれたんだからいいじゃないか。それよりも問題は、神殿の人間の何処までが事件に関係しているかと言う事だな。アルボス祭司単独の計画ならまだしも、他領に多くの派閥信者を持つスヴァトン祭司や、王都に古くからいて盤石な地盤を持つハイドリヒ祭司が相手では、こちらもただでは済まないだろう。」
アルベルト邸の皆は笑いながら話していたが、アントニオは血の気が引いて真っ青になっていた。
暗殺 ?誘拐でなく? なんで俺が? え? 戦争になるの???
完全に、許容範囲を超えた出来事に、脳が悲鳴をあげて目眩がした。アントニオは思わず、その場にしゃがみ込んだ。
ヤン
「アントニオ様!」
オデット
「まぁ! 大変! 早くお医者様を!」
アントニオ
「あ、大丈夫です。少し目眩がしただけで、ちょっと、お部屋で休ませて頂ければ...」
アルベルト
「大丈夫かい? 今日はもう部屋でゆっくり寝るといい。」
ふらふら立ち上がったアントニオはアルベルトに手を引いてもらい、いつも夏休みに借りる客室に移動した。
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