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第三幕 学生期
174.アルベルト邸でディナー1
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アントニオ・ジーンシャン(エスト)12歳
グリエルモ・ジーンシャン37歳(父)
メアリー・ジーンシャン 40歳(母)
ジュゼッペ・サクラーティ 30歳(執事)
アウロラ・サクラーティ 21歳(執事の妻)
ヤン・ツヴァインツィガー14歳(部下)
ディーデリック・バース12歳(友人)
リッカルド・ロッシ 18歳(護衛)
結局この日、アントニオ達は皆で王宮に行き、国王陛下に、騒動の報告と謝罪をしたあと、アルベルト邸に泊まる事になった。
ヤンだけでなく、ディーデリックも招待され、一緒にディナーをして宿泊することになった。
アルベルト邸は、ディーデリックが育ったオッケル男爵家よりもはるかに広い敷地を有しており、大きくて立派な屋敷が建っている。
国中の憧れであるジーンシャン魔導騎士が、正装の青い軍服を着て、入り口の前にズラリと並んで出迎えた。その胸には金糸で刺繍された獅子が猛々しく吠えている。
その中心では、黄金の髪を持つ屋敷の主人アルベルトをはじめ、ジーンシャン家の一族が待っていた。皆、正式に名乗り、ディーデリックを次期領主の友人として、丁重に迎えてくれる。
ディーデリックが名乗った際に驚くことがあった。
執事の存在である。
ジュゼッペ
「トニー様の執事で、次期男爵のジュゼッペ・サクラーティと申します。こちらは妻のアウロラです。」
もちろん、執事がいることは貴族としては普通のことなのだが、ディーデリックは、アントニオの執事が、次期男爵であることに驚いた。
次期男爵ということは、将来は男爵ということだ。自分の主人であるオッケル男爵と同格の男が、トニーにとっては召使いなのである。
分かっていたけど、格が違い過ぎる。
そんな次期男爵の執事が、トニー様のご友人という事で、自分にペコペコしてくるので、ディーデリックは、恐縮しつつも、ふわふわと浮ついた気分になった。
豪華な客室に通される。
その部屋は、オッケル男爵家の1番豪華な部屋よりも、もっと豪華な部屋だった。
オデット夫人
「気に入らなければお部屋を変えますが、ここが一番いい客室なのです。こちらでも宜しいですか?」
高貴な貴婦人に声をかけられディーデリックは、緊張し、とても小さな声で返事をした。
ディーデリック
「も、もちろんです。とても気に入りました。」
オデット夫人
「気に入って頂けて嬉しいわ。そうそう、制服が汚れてしまったら大変だわ。ディナーの前にお着替えをして下さいね。」
ふと見ると、高貴な貴婦人のスカートに少女が隠れている。黄金に輝く髪を持つ妖精のような美少女が、スカイブルーの宝石のような瞳でディーデリックを見つめていた。
ディーデリックは、何だか恥ずかしくなって、消え入るような声で返事をした。
ディーデリック
「はい.....。」
貴婦人と美少女が部屋を出て行くと、ディーデリックは、どうしたものかと悩み始めた。
ディーデリックは、自分の手荷物から、ラフなシャツとズボンを取り出して眺める。ディーデリックの持ってきた私服は、どう考えても、辺境伯家のディナーに出席出来るような服ではなかったのだ。
困っていると、着替えたアントニオがやってきた。
アントニオ
「ディック、もう、準備は出来ましたか?」
ディーデリック
「申し訳ありません! お待たせしてしまいまして...着替えを忘れて来てしまいまして、学生服のままでも良いでしょうか?」
もちろん、服を忘れたわけではない。ディーデリックは、そもそも、貴族のディナーに参加出来るような服は持ち合わせていない。持ってきた私服はディーデリックの持っている服の中で1番上等な服だった。穴も開いていないし、シミもついていない服だからだ。
だが、小さなプライドで、服を持っていないとは言えず、忘れたと言ったのである。
アントニオ
「でしたら、レオに服を借りましょう」
アントニオは、ディーデリックを連れて、レオナルドの部屋に向かった。
アントニオ
「レオ! ディックに服を貸して頂けませんか? 学生服しか持って来なかったそうなのです。私もあまり持ってきていなくて余りがないのです」
レオナルド
「いいですよ。好きなのを着て下さい。」
レオナルドの部屋に招き入れられて、ウォークインクローゼットに通された。
シンプルだが上質な生地の衣装が並んでいる。
アントニオは、その中から、上等そうな衣装を手に取り、ディーデリックに当ててくる。
アントニオ
「うぅ~ん。悪くないけど、ちょっとサイズが大きいなぁ~。もっと、小さいのはないかな?」
アントニオはぶつぶつ言いながら、次々に衣装を取り出し、ディーデリックに当てた。
アントニオ
「レオ、もっと小さなサイズの服はありませんか? 以前着ていた服は、もう、捨ててしまいました?」
ディーデリックは、12歳としては背が高い方だが162cmしかない。174cmあるレオナルドの服は、どれも大き過ぎるのだ。
レオナルド
「エドの部屋にあると思う。」
アントニオ
「エドは小さい(148cm)から、ディックはエドの服を着れませんよ?」
レオナルド
「俺の服のお下がりがあるはず。エドが成長したら着られるように、俺の着れなくなった服をエドの部屋に移したのです。」
3人でエドアルドの部屋に行くと、エドアルドはディーデリックを熱烈に歓迎した。
エドアルド
「兄上の服が欲しい!? どうぞ! どうぞ! 借りるとか言わずに、持って帰っていいですよ!」
ディーデリック
「え!? いいのですか? こんなに高価な服を?」
エドアルド
「これがあると、僕は新しい服を買ってもらえないんです。でも、僕が着れるようになる頃には、流行遅れになっちゃうんですよ。いつも、いつも、兄上は最新の流行の新品の服で、僕は流行遅れのお下がりなんです! それが、嫌で、嫌で! あ、でも、今ならまだ、流行遅れじゃないと思いますよ! ね! 助けると思って持って帰って!」
アントニオ
「おぉ! ちょうど良さそうなサイズがいっぱいありますね! これなんか、とってもカッコイイかも!」
アントニオが嬉々として、これも、あれも着てみてと勧めるので、ディーデリックは試着する事になった。
手に取っただけで、上質な生地と、見事な仕立ての服だと分かる。
恐る恐る袖を通すと、その着心地の良さに驚いた。
白いフリルのブラウスに、赤いジャケット、オレンジ色のベスト、金色のキュロットだ。
鏡の前に立つと、まるで自分が貴族のお坊ちゃんになったような気分になって、ディーデリックは嬉しくなる。
アントニオ
「うぅ~ん。悪くないけど、ディックはやっぱり可愛い系よりもカッコイイ系がいいかもしれませんね。」
そう言ってアントニオは、黒いジャケット、シンプルな濃いグレーのベストとウィングカラーシャツ、黒いキュロットをディーデリックに手渡す。
ディーデリックは、豪華な服が似合わないと言われたんだと思い、少ししょんぼりした。
アントニオは、フリル多めでリボンの付いた白いブラウスに、淡いサーモンピンクのベスト、光沢のあるブロンズ色のキュロットを履いており、華やかな衣装で、どこからどう見ても貴族の坊ちゃんの装いだ。
やっぱり、奴隷の自分には、地味な服しか似合わないのだろうか...
グリエルモ・ジーンシャン37歳(父)
メアリー・ジーンシャン 40歳(母)
ジュゼッペ・サクラーティ 30歳(執事)
アウロラ・サクラーティ 21歳(執事の妻)
ヤン・ツヴァインツィガー14歳(部下)
ディーデリック・バース12歳(友人)
リッカルド・ロッシ 18歳(護衛)
結局この日、アントニオ達は皆で王宮に行き、国王陛下に、騒動の報告と謝罪をしたあと、アルベルト邸に泊まる事になった。
ヤンだけでなく、ディーデリックも招待され、一緒にディナーをして宿泊することになった。
アルベルト邸は、ディーデリックが育ったオッケル男爵家よりもはるかに広い敷地を有しており、大きくて立派な屋敷が建っている。
国中の憧れであるジーンシャン魔導騎士が、正装の青い軍服を着て、入り口の前にズラリと並んで出迎えた。その胸には金糸で刺繍された獅子が猛々しく吠えている。
その中心では、黄金の髪を持つ屋敷の主人アルベルトをはじめ、ジーンシャン家の一族が待っていた。皆、正式に名乗り、ディーデリックを次期領主の友人として、丁重に迎えてくれる。
ディーデリックが名乗った際に驚くことがあった。
執事の存在である。
ジュゼッペ
「トニー様の執事で、次期男爵のジュゼッペ・サクラーティと申します。こちらは妻のアウロラです。」
もちろん、執事がいることは貴族としては普通のことなのだが、ディーデリックは、アントニオの執事が、次期男爵であることに驚いた。
次期男爵ということは、将来は男爵ということだ。自分の主人であるオッケル男爵と同格の男が、トニーにとっては召使いなのである。
分かっていたけど、格が違い過ぎる。
そんな次期男爵の執事が、トニー様のご友人という事で、自分にペコペコしてくるので、ディーデリックは、恐縮しつつも、ふわふわと浮ついた気分になった。
豪華な客室に通される。
その部屋は、オッケル男爵家の1番豪華な部屋よりも、もっと豪華な部屋だった。
オデット夫人
「気に入らなければお部屋を変えますが、ここが一番いい客室なのです。こちらでも宜しいですか?」
高貴な貴婦人に声をかけられディーデリックは、緊張し、とても小さな声で返事をした。
ディーデリック
「も、もちろんです。とても気に入りました。」
オデット夫人
「気に入って頂けて嬉しいわ。そうそう、制服が汚れてしまったら大変だわ。ディナーの前にお着替えをして下さいね。」
ふと見ると、高貴な貴婦人のスカートに少女が隠れている。黄金に輝く髪を持つ妖精のような美少女が、スカイブルーの宝石のような瞳でディーデリックを見つめていた。
ディーデリックは、何だか恥ずかしくなって、消え入るような声で返事をした。
ディーデリック
「はい.....。」
貴婦人と美少女が部屋を出て行くと、ディーデリックは、どうしたものかと悩み始めた。
ディーデリックは、自分の手荷物から、ラフなシャツとズボンを取り出して眺める。ディーデリックの持ってきた私服は、どう考えても、辺境伯家のディナーに出席出来るような服ではなかったのだ。
困っていると、着替えたアントニオがやってきた。
アントニオ
「ディック、もう、準備は出来ましたか?」
ディーデリック
「申し訳ありません! お待たせしてしまいまして...着替えを忘れて来てしまいまして、学生服のままでも良いでしょうか?」
もちろん、服を忘れたわけではない。ディーデリックは、そもそも、貴族のディナーに参加出来るような服は持ち合わせていない。持ってきた私服はディーデリックの持っている服の中で1番上等な服だった。穴も開いていないし、シミもついていない服だからだ。
だが、小さなプライドで、服を持っていないとは言えず、忘れたと言ったのである。
アントニオ
「でしたら、レオに服を借りましょう」
アントニオは、ディーデリックを連れて、レオナルドの部屋に向かった。
アントニオ
「レオ! ディックに服を貸して頂けませんか? 学生服しか持って来なかったそうなのです。私もあまり持ってきていなくて余りがないのです」
レオナルド
「いいですよ。好きなのを着て下さい。」
レオナルドの部屋に招き入れられて、ウォークインクローゼットに通された。
シンプルだが上質な生地の衣装が並んでいる。
アントニオは、その中から、上等そうな衣装を手に取り、ディーデリックに当ててくる。
アントニオ
「うぅ~ん。悪くないけど、ちょっとサイズが大きいなぁ~。もっと、小さいのはないかな?」
アントニオはぶつぶつ言いながら、次々に衣装を取り出し、ディーデリックに当てた。
アントニオ
「レオ、もっと小さなサイズの服はありませんか? 以前着ていた服は、もう、捨ててしまいました?」
ディーデリックは、12歳としては背が高い方だが162cmしかない。174cmあるレオナルドの服は、どれも大き過ぎるのだ。
レオナルド
「エドの部屋にあると思う。」
アントニオ
「エドは小さい(148cm)から、ディックはエドの服を着れませんよ?」
レオナルド
「俺の服のお下がりがあるはず。エドが成長したら着られるように、俺の着れなくなった服をエドの部屋に移したのです。」
3人でエドアルドの部屋に行くと、エドアルドはディーデリックを熱烈に歓迎した。
エドアルド
「兄上の服が欲しい!? どうぞ! どうぞ! 借りるとか言わずに、持って帰っていいですよ!」
ディーデリック
「え!? いいのですか? こんなに高価な服を?」
エドアルド
「これがあると、僕は新しい服を買ってもらえないんです。でも、僕が着れるようになる頃には、流行遅れになっちゃうんですよ。いつも、いつも、兄上は最新の流行の新品の服で、僕は流行遅れのお下がりなんです! それが、嫌で、嫌で! あ、でも、今ならまだ、流行遅れじゃないと思いますよ! ね! 助けると思って持って帰って!」
アントニオ
「おぉ! ちょうど良さそうなサイズがいっぱいありますね! これなんか、とってもカッコイイかも!」
アントニオが嬉々として、これも、あれも着てみてと勧めるので、ディーデリックは試着する事になった。
手に取っただけで、上質な生地と、見事な仕立ての服だと分かる。
恐る恐る袖を通すと、その着心地の良さに驚いた。
白いフリルのブラウスに、赤いジャケット、オレンジ色のベスト、金色のキュロットだ。
鏡の前に立つと、まるで自分が貴族のお坊ちゃんになったような気分になって、ディーデリックは嬉しくなる。
アントニオ
「うぅ~ん。悪くないけど、ディックはやっぱり可愛い系よりもカッコイイ系がいいかもしれませんね。」
そう言ってアントニオは、黒いジャケット、シンプルな濃いグレーのベストとウィングカラーシャツ、黒いキュロットをディーデリックに手渡す。
ディーデリックは、豪華な服が似合わないと言われたんだと思い、少ししょんぼりした。
アントニオは、フリル多めでリボンの付いた白いブラウスに、淡いサーモンピンクのベスト、光沢のあるブロンズ色のキュロットを履いており、華やかな衣装で、どこからどう見ても貴族の坊ちゃんの装いだ。
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