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第三幕 学生期
190.誤解の誘拐事件再び1
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アルベルト邸に遣いの竜騎士が帰って来た。ディーデリックの里親探しの件でジーンシャン領のロベルトに伝言を頼んだ竜騎士だ。竜騎士よりロベルトからの返事がグリエルモに伝たえられた。
『ジーンシャン領の者は、誰であっても人身売買はしない。だが、オッケル男爵に、すぐに奴隷の解放を要求をし、ディーデリックをジーンシャン家の小姓として預かれ。事業の共同運営を提案し、オッケル男爵家の帳簿を開示させ、赤字が出ている事業を徹底的に見直させろ。里親はこちらで探す。』という内容だった。
竜騎士
「ロベルト様は、必要経費が2億イェ二になっても、3億イェ二になっても、必ず土属性の子供を手に入れろと仰っていました。」
グリエルモ
「そうか...事業の運営見直しはアルベルトに任せて、帳簿の確認はジュゼッペに任せる。ディックの解放交渉はアウロラにやってもらおう。」
メアリー
「手薄になる屋敷にトニーを置いて出掛けられないから、私達は屋敷に残るわ。」
そうして、アルベルトとジュゼッペ、アウロラの3人はオッケル男爵家へと向かった。
________
オッケル
「これは、これは、アルベルト・ジーンシャン様。 一体、どのようなご用件で?」
オッケル男爵夫妻は苦い顔をした。
ディーデリックを無償譲渡した今、ジーンシャンの方々に、これ以上、何の用があるのか?
アルベルト
「兄上や義姉上は事情により来る事が叶いませんでしたので、私達が代理で参りました。この2人は、ジーンシャン家の執事ジュゼッペ・サクラーティと、その夫人のアウロラです。」
ジュゼッペ
「ジュゼッペ・サクラーティ次期男爵でございます。次期辺境伯であらせられるアントニオ様の専属執事をしております。」
アウロラ
「オッケル様、お初にお目にかかります。ジュゼッペ・サクラーティの妻にして、竜騎士長ディアナ・モルナールの娘アウロラでございます。」
アウロラは173cmを超える長身。プラチナブロンドの髪にアイスブルーの瞳、脚が長くて非常に小顔である。1つもジュエリーを身に付けていないが、アウロラの存在自体が宝石のようにゴージャスだ。この美女が、王国中に名を轟かせるジーンシャン魔導騎士団の竜騎士長の娘というから驚きである。
オッケルの妻、フランカも美人と評判の妻なのだが、アウロラと比べると、ジュエリーを身に付けていても見すぼらしく思えてしまう。オッケルは一瞬、妻を紹介するのをためらった。
オッケル
「エリアン・オッケル男爵でございます。...こちらは妻のフランカです。」
フランカ
「フランカでございます」
アルベルト
「さっそくですが、オッケル様の事業が上手くいっていないと伺いました。そこで、微力ながらですが、お手伝い出来ればと思いまして参りました」
オッケル
「それは有難いお話で...」
アルベルト
「一体、どの様な事業をなさっているのですか? 物品の製造販売ですか? それとも何らかのサービス業でしょうか? 場合によっては我々が資金の提供を行いましょう」
オッケルは城勤めの文官で、いうなればサラリーマンだ。領地も持っておらず、事業というのは、口から出まかせだった。
オッケル
「あ、いえ、事業と言いましても、大規模なものではなく、ちょっとした投資をしているだけなのです」
アルベルト
「大丈夫です。帳簿や投資先の記録を拝見してもよろしいでしょうか? 投資先にテコ入れするなどして事業を立て直しましょう! 赤字を黒字にする方法を一緒に考えますよ!」
オッケルは冷や汗をかいた。
帳簿なんて見られたら、今までの嘘が全部バレてしまう!
オッケル
「さ、流石に帳簿の開示は...プライベートなことですので...」
アルベルト
「恥ずかしいかもしれませんが、1億イェ二も借金があるのですよね? 決して悪いようにはしませんので、信頼して頂けませんか?」
オッケル
「いえ、信頼していないわけではないのですが...その...実は、昨日は急な事でしたので我が家の現状を調べずに負債があると申し上げたのですが、辺境伯様がお帰りになった後で経理の担当者に確認しましたら、負債はすでに返済済みだったようでして!」
アルベルト
「返済済み? 大きな借金の返済が完了していたのに、担当者はオッケル男爵に報告しなかったのですか?」
オッケル
「そ、それは...」
フランカ
「そ、そうなんですの! 私達が安心してお金を使ってしまわないように、もう少し財産が増えて安定するまでは、黙っていようと経理の者が気をきかせたみたいなんですの!」
アルベルト
「そうなんですか! それは良かった! では、ディーデリックを奴隷から解放して、養子に出しても問題がないということですね?」
オッケル
「は? ...ディーデリックならすでに...あぁ、入れ違いでいらっしゃったのですかな? すでに竜騎士の方が迎えに来て、奴隷譲渡の手続きを致しましたよ」
アルベルト
「そうなのですか!? おかしいですね? 私の元には里親が決まったという連絡は来ていないのですが...竜騎士の誰が奴隷譲渡の手続きに来たのですか? 名前は?」
オッケル
「確か、リンドウ様と仰っていました。」
アルベルト
「リンドウ!? そんな名前の竜騎士はジーンシャンにはおりません」
オッケル
「え!?」
アルベルト
「ディーデリックは何処に?」
オッケル
「ですから、すでに、その竜騎士の方が連れて行かれました。ユニコーンの馬車に乗っておられたので、てっきり...」
ジュゼッペ
「何ですって!? それは本当ですか!?」
フランカ
「本当ですわ! ほら! ここに奴隷譲渡の書類の控えが!」
フランカが広げた書類に皆で目を通す。
アルベルト
「無償譲渡...確かに。」
オッケル
「アイリスという夫人が養子にすると...」
アルベルト
「...オッケル男爵、落ち着いて聞いて下さい...貴方は騙されたのです。」
オッケル
「何だって!?」
アルベルト
「一体何処から情報が漏れたんだ...ユニコーン騎兵の中に裏切り者がいると...?」
ジュゼッペ
「つまりディーデリックは誘拐されたという事ですか!?」
アウロラ
「うわ、面倒くさいどころの話じゃないですね。」
アルベルト
「オッケル男爵、申し訳ありません。本当は、私は少し貴方を疑っていたのです。ディーデリックを奴隷として高く売りたいために、色々と嘘をつかれているのではないかと...ですが、貴方はディーデリックの幸せのために無償で手放されたのですね。貴方は立派な方だった!
安心して下さい。私達が必ずディーデリックを取り返します! 犯人の特徴を教えて下さい!」
『ジーンシャン領の者は、誰であっても人身売買はしない。だが、オッケル男爵に、すぐに奴隷の解放を要求をし、ディーデリックをジーンシャン家の小姓として預かれ。事業の共同運営を提案し、オッケル男爵家の帳簿を開示させ、赤字が出ている事業を徹底的に見直させろ。里親はこちらで探す。』という内容だった。
竜騎士
「ロベルト様は、必要経費が2億イェ二になっても、3億イェ二になっても、必ず土属性の子供を手に入れろと仰っていました。」
グリエルモ
「そうか...事業の運営見直しはアルベルトに任せて、帳簿の確認はジュゼッペに任せる。ディックの解放交渉はアウロラにやってもらおう。」
メアリー
「手薄になる屋敷にトニーを置いて出掛けられないから、私達は屋敷に残るわ。」
そうして、アルベルトとジュゼッペ、アウロラの3人はオッケル男爵家へと向かった。
________
オッケル
「これは、これは、アルベルト・ジーンシャン様。 一体、どのようなご用件で?」
オッケル男爵夫妻は苦い顔をした。
ディーデリックを無償譲渡した今、ジーンシャンの方々に、これ以上、何の用があるのか?
アルベルト
「兄上や義姉上は事情により来る事が叶いませんでしたので、私達が代理で参りました。この2人は、ジーンシャン家の執事ジュゼッペ・サクラーティと、その夫人のアウロラです。」
ジュゼッペ
「ジュゼッペ・サクラーティ次期男爵でございます。次期辺境伯であらせられるアントニオ様の専属執事をしております。」
アウロラ
「オッケル様、お初にお目にかかります。ジュゼッペ・サクラーティの妻にして、竜騎士長ディアナ・モルナールの娘アウロラでございます。」
アウロラは173cmを超える長身。プラチナブロンドの髪にアイスブルーの瞳、脚が長くて非常に小顔である。1つもジュエリーを身に付けていないが、アウロラの存在自体が宝石のようにゴージャスだ。この美女が、王国中に名を轟かせるジーンシャン魔導騎士団の竜騎士長の娘というから驚きである。
オッケルの妻、フランカも美人と評判の妻なのだが、アウロラと比べると、ジュエリーを身に付けていても見すぼらしく思えてしまう。オッケルは一瞬、妻を紹介するのをためらった。
オッケル
「エリアン・オッケル男爵でございます。...こちらは妻のフランカです。」
フランカ
「フランカでございます」
アルベルト
「さっそくですが、オッケル様の事業が上手くいっていないと伺いました。そこで、微力ながらですが、お手伝い出来ればと思いまして参りました」
オッケル
「それは有難いお話で...」
アルベルト
「一体、どの様な事業をなさっているのですか? 物品の製造販売ですか? それとも何らかのサービス業でしょうか? 場合によっては我々が資金の提供を行いましょう」
オッケルは城勤めの文官で、いうなればサラリーマンだ。領地も持っておらず、事業というのは、口から出まかせだった。
オッケル
「あ、いえ、事業と言いましても、大規模なものではなく、ちょっとした投資をしているだけなのです」
アルベルト
「大丈夫です。帳簿や投資先の記録を拝見してもよろしいでしょうか? 投資先にテコ入れするなどして事業を立て直しましょう! 赤字を黒字にする方法を一緒に考えますよ!」
オッケルは冷や汗をかいた。
帳簿なんて見られたら、今までの嘘が全部バレてしまう!
オッケル
「さ、流石に帳簿の開示は...プライベートなことですので...」
アルベルト
「恥ずかしいかもしれませんが、1億イェ二も借金があるのですよね? 決して悪いようにはしませんので、信頼して頂けませんか?」
オッケル
「いえ、信頼していないわけではないのですが...その...実は、昨日は急な事でしたので我が家の現状を調べずに負債があると申し上げたのですが、辺境伯様がお帰りになった後で経理の担当者に確認しましたら、負債はすでに返済済みだったようでして!」
アルベルト
「返済済み? 大きな借金の返済が完了していたのに、担当者はオッケル男爵に報告しなかったのですか?」
オッケル
「そ、それは...」
フランカ
「そ、そうなんですの! 私達が安心してお金を使ってしまわないように、もう少し財産が増えて安定するまでは、黙っていようと経理の者が気をきかせたみたいなんですの!」
アルベルト
「そうなんですか! それは良かった! では、ディーデリックを奴隷から解放して、養子に出しても問題がないということですね?」
オッケル
「は? ...ディーデリックならすでに...あぁ、入れ違いでいらっしゃったのですかな? すでに竜騎士の方が迎えに来て、奴隷譲渡の手続きを致しましたよ」
アルベルト
「そうなのですか!? おかしいですね? 私の元には里親が決まったという連絡は来ていないのですが...竜騎士の誰が奴隷譲渡の手続きに来たのですか? 名前は?」
オッケル
「確か、リンドウ様と仰っていました。」
アルベルト
「リンドウ!? そんな名前の竜騎士はジーンシャンにはおりません」
オッケル
「え!?」
アルベルト
「ディーデリックは何処に?」
オッケル
「ですから、すでに、その竜騎士の方が連れて行かれました。ユニコーンの馬車に乗っておられたので、てっきり...」
ジュゼッペ
「何ですって!? それは本当ですか!?」
フランカ
「本当ですわ! ほら! ここに奴隷譲渡の書類の控えが!」
フランカが広げた書類に皆で目を通す。
アルベルト
「無償譲渡...確かに。」
オッケル
「アイリスという夫人が養子にすると...」
アルベルト
「...オッケル男爵、落ち着いて聞いて下さい...貴方は騙されたのです。」
オッケル
「何だって!?」
アルベルト
「一体何処から情報が漏れたんだ...ユニコーン騎兵の中に裏切り者がいると...?」
ジュゼッペ
「つまりディーデリックは誘拐されたという事ですか!?」
アウロラ
「うわ、面倒くさいどころの話じゃないですね。」
アルベルト
「オッケル男爵、申し訳ありません。本当は、私は少し貴方を疑っていたのです。ディーデリックを奴隷として高く売りたいために、色々と嘘をつかれているのではないかと...ですが、貴方はディーデリックの幸せのために無償で手放されたのですね。貴方は立派な方だった!
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