【完結】乙女ゲームに転生した転性者(♂→♀)は純潔を守るためバッドエンドを目指す

狸田 真 (たぬきだ まこと)

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第三章 結婚してから乙女ゲームのヒロインである妻が愛してると言ってくれない

7.友人と再会

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 ホワイト夫人が陽気で親しみやすい美人なら、シルバー公爵令嬢は高潔で他を寄せ付けない様な美人である。

 しかも、この2人、大の親友だと言うから腹立たしい!

 しまった! 今日はデボラ・シルバーまでもがエンパイアスタイルのドレスだわ! それが今の流行なのね!? ワタクシとした事が出遅れた! 何とか、挽回しなくては!

シャーリーン
「ご機嫌よう、公女様...あら? そちらの方は?」

 チビでガリ痩せで、下男のように顔中日焼けしている、草みたいな頭の貧相な男が隣に立っている。

デボラ
「ご機嫌よう。コレはワタクシの下僕ですが、気になさらなくて結構よ」

 そう、紹介された貧相な男は、苦い顔で笑った。

ピーター
「お初にお目にかかります。ワタクシメはシルバー公爵家の騎士で、ピーター・グリーンと申します。社交界に気高く咲く花、ピンク伯爵夫人にお会い出来ました事、誠に光栄に思います」

 なるほど、騎士だから日に焼けているのね。あまり強そうには見えないけど、流石、公爵家の騎士だわ。なかなか洗練された挨拶をする。

 だけど、王家の血をひく公女様の相手をするには、いくら何でも見すぼらしい男じゃない?

 上手くパートナーを誘えなかったのね! それで暇な騎士を連れて来たんだわ! いい気味! 笑いが止まらないわ!

シャーリーン
「ワタクシの方こそ、お会い出来て光栄ですわ」

ピーター
「何と素敵な笑顔で笑う方なのでしょう! ピンク伯爵夫人が微笑まれると、まるで花咲く庭園にでも迷い込んだような、不思議な心地がして参ります」

シャーリーン
「まぁ、お上手ですこと」

 バシッ!

 突然、デボラ公女が、グリーン卿を扇子で殴った。

ピーター
「イタタッ、どうしたのです!?」

デボラ
「どうしたも、こうしたもありませんわ! アンタはワタクシの婚約者でしょう!? どうして他の女性を褒めるのよ!」

 こ、婚約者!? この見すぼらしくて身分も低い騎士爵の男が!? 嘘でしょ!? 何て愉快なの!

ピーター
「ここは社交の場ですよ!? この位の挨拶は普通ではないのですか!?」

デボラ
「うるさい! 黙れ! 一言も口をきくな!」

 やっだぁ~! いつも澄ました公女様が、真っ赤になって怒っていらっしゃるわ! 何て楽しいの!? ざ・ま・あ ❤︎

シャーリーン
「ま、まぁ、まぁ、落ち着いていらして、ワタクシはお2人の間に割って入ったりしませんわ! だって、お2人は大変お似合いですもの!」

 シャーリーンは踏ん反り返り、満面の笑顔で言い放った。

 レベルの低い男と同レベルの女であると嫌味を言ったのである。

 シャーリーンはデボラ公女が更に怒りをあらわにして恥をかく事を期待した。


 しかし、デボラはすっかり落ち着いてご機嫌になり、違う意味で真っ赤になった。

デボラ
「そんな...お似合いだなんて言われたって、嬉しくなんかないですわ!」

 そう言って、上目遣いでグリーン卿を見つめている。

 明らかに喜んでいる様子のデボラに、シャーリーンは頭の中が「?」でいっぱいになった。

 どう言う事!?

 公女様は、紹介するのも嫌な位にこの騎士の男を嫌っているのではないの!?
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