13 / 141
二章 穢れの少女
戦闘開始
しおりを挟む————ドバアァァァン!!!!
「「「———!!」」」
突如、爆発音が響き渡り出入り口の扉が爆破された。
「———全員動くなッ!!!我々はエルフ軍特魔部隊である!裏オークションの主催者並びに会員の者は即刻連行させて貰う!!」
爆破された出入り口から武装した軍がゾロゾロと突入し、一人の軍人が声を荒げたのだ
——!!おいおいエルフ軍特魔部隊だと‥‥‥?
随分とかっこいいデザインじゃないかっ!黒の防魔ベストに下半身はスラッとした軍服。このデザインを少し真似たらもっと良い服になりそうだ
後に検討しておこうではないか!
それよりも問題なのは——
「な、なんで軍の奴らがここにッ!!?」
「もう終わった‥‥」
「なぜだ?!私は貴族だぞ?!!こんな、こんなとこで‥‥」
「ちくしょー!!誰が密告しやがった?!」
会員達が次々に取り押さえられて行く中で、少し引っ掛かることがある。
主催者があのエルフの事について『今日で最後』と言っていた。
そして観客達は初耳だったかの様な反応を示している。
なのに、あのジジイは主催者が発表する前に言い当てていた‥‥‥‥
—————!!
「なあ、ジジイお前もしかして‥‥‥‥」
———『動くな』———
さっきまでベロベロに酔っていた姿は錯覚だったかの様に今のジジイは平然と立っていた。そして、俺たちにいつでも魔法を放てる態勢をとっている。
「悪いな、あんちゃん。一応仕事でね‥‥そんであんちゃん『プラート』じゃないだろ?プラートは俺にオークションの情報を流してくれていた野郎でな、あんちゃんを最初に会った時から気づいていたよ」
男はそう言い、自軍の方へと歩みを進めると突入してきた軍人達が一斉にジジイに向かって敬礼した。
「お怪我はありませんか!?”隊長”!」
「全く‥‥隊長自ら潜入任務なんてどうかしてますよ!?」
「ガッハッハッハ!!すまないな!お前ら!ウィッ結果なんとかなったろ?」
「ちょっと隊長!!酔ってるじゃないですか!」
軍人達の方へと視線を移すと部下達は酔った隊長を優しく介抱している。
クソッあのジジイが隊長だったとは運が悪かった
(———それになんなんだ、これは)
俺とファシーノは軽蔑の目でその”隊長”とやらを見ていた
「おっと、そんな視線で見ないでくれ。———コホンッあーそれより会員の奴らと主催者は捕まえたか?」
「ハッ!会員の者は目の前の二人以外は全員捕えました。しかし、主催者の”ピピストには逃げられてしまい、数名を追跡に回しました」
「そうか‥‥そうそう自己紹介がまだだったな!俺は”ファルコ・グリージョ”!
エルフ軍特魔部隊所属にして隊長をやっている!ついでに階級はSSランクだ!」
フェルコと名乗るエルフの男は気高く高笑いながら俺たちの方へと視線を移す
そんなおかしな様子を見ていた俺とファシーノは少し拍子抜けしてしまった。
しかし相手はあのSSランク。油断は禁物だ‥‥
「こちらも名乗らせて貰おう、俺は『ネロ』だ。まさか、あの酔っ払いジジイが特魔部隊の隊長だったとは恐れ入った」
「ガッハッハ!ネロか!変装する人が悪かったなあ‥‥まあ、これも運の尽きだ。大人しく捕まってくれや?」
そう言うとファルコは腰に据えていた短剣を抜き構える
しかし、戦闘が始まる前にこいつらに聞いておきたい事がある
「一つ質問する、あの檻に入れられている”エルフ”はどうするつもりだ?」
俺はファルコに鋭い視線を送り問い出した
「ああ、気乗りしないがあのエルフには死んで貰う。悪いが上からの命だ。このまま地獄の様な生活が続くなら死んだ方が楽ってもんよ。せめてもの慈悲だ」
ファルコの表情は哀れみを帯びている事から本当に気乗りしない様子
この男は他のエルフとは違い話ができるタイプなのだろう
惜しい人材だ‥‥
「そうか‥‥ならば俺がその地獄とやらを終わらせ、奪うまでっ!」
「ガッハッハ!奪うのならこのファルコ・グリージョを超えて行け!!」
その言葉を最後に両者は激しくぶつかり戦闘が始まった———
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる