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二章 穢れの少女
新たな仲間
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蒼髪エルフ少女の回復が終わると、俺は彼女と同じ視線まで腰を下ろして話しかける
(まずはこの彼女の敵意を抑えなければな‥‥)
「最初に言っておくが俺たちは悪い奴ではない。そこは信じてほしい。それと‥‥‥‥‥君の”空のように深い蒼髪”はとても綺麗だ」
彼女に優しく語りかけた。すると彼女は少し警戒を解き口を開いてくれた
「‥‥やっと‥‥やっと‥‥出会えた‥‥辛かった‥‥怖かった‥‥悲しかった‥‥痛かった」
目には大粒の涙が溜まり、月の光を反射する
そんな彼女に俺は『そうか』とだけ伝えた
「もう‥‥駄目かと思った‥‥諦めようと思った‥‥楽になりたっか‥‥」
彼女は泣き崩れ、地面に生えている草を思いきり握りしめる
「でも‥‥お母さんの言葉が忘れられなかった‥‥『必ずこの髪を好きと言ってくれる人がいる』って‥‥何年も待った‥‥何年も‥‥何年も‥‥」
「———ッ!」
彼女は勢いよく俺の胸に飛び込んできた。彼女を咄嗟の判断で受け止める
「———うわぁぁぁあんッ!」
張り詰めていた糸が切れたのか一層強く泣き崩れてしまった。
そんな彼女の背中に手を回し軽くさする
ファシーノは俺の後ろでこの光景を微笑ましく見守っていた
( 泣き止むまで待つか‥‥)
「ファシーノしばらくここを拠点にする。後で家を建てるぞ」
「ふふふ、了解よ‥‥」
そのまま彼女は俺の胸で泣き続けた。
彼女は朝まで泣き続け、俺の胸の中で寝てしまった
◊◊◊
「———あれ‥‥ここは」
目を開けるとふかふかのベッドに目の前には天井がある
(あれ?私は確か‥‥森の中にいたはず‥‥)
ベッドから腰を浮かし近くの窓を覗くとそこは森だった
(やっぱり森だ‥‥でもこんな森の中に家なんてないはず‥‥)
クンクン
とてもいい匂いが鼻を伝う。私は匂いにつられて重い足を一歩踏み出した
歩いた先にはキッチンで料理をしている彼女とリビングでくつろいでいる彼がいた。昨日の事が徐々に記憶から蘇ってきて‥‥‥‥
「あ、あの昨日は助けて頂きありがとうございます」
「ああ、おはよう。まずは席についてご飯にしようか。今日はファシーノの手料理だ」
彼は後ろの彼女にご飯の合図を仕出す
私は戸惑いながらも席に座るとお皿が並べれる。
しかし、私は手に取れなかった‥‥
「どうした?毒なんて入っていないぞ」
「ちょっと、それは失礼じゃないかしら?」
二人は楽しそうに会話をする
でも、私はどうしたらいいかわからなかった‥‥
「こんなに美味しそうな料理を数年ぶりに見てたら‥‥毎日味のないスープだったから‥‥」
「どうしたらいいか分からないと?」
意図を察したのか彼は見事私の心中を当ててきた
「そんなことだろうと思った。良いから、まずは料理が冷めないうち食べろ」
彼は強引に誘う。私はスプーンを片手に取りスープを掬った。
少しもたついたが意を決して口に運ぶ
「おい‥‥しい‥‥」
なんでだろう‥‥久しぶり美味しい料理を食べたせいか涙が溢れてきてしまった。
「ふふふ、この人と同じね」
「おい、ファシーノそれは言わない約束だろ」
「あらあらごめんなさい?」
やはり二人とも仲が良い、そしてとても暖かい
私は涙を流しながら出された料理を完食したのだった
◊◊◊
「さあ、そろそろ君の今後について話そうか」
食後のティータイムを堪能したところで切り出す
「君には選択肢がある。俺たちと共に来るか、人族側で暮らすかまあ、俺たち的には前者をおすすめす———」
「———共に行きます!」
おおっと喰いぎみにきて驚いたぞ
「本当にいいのか?後戻りはできないぞ?」
「私は、私を助けてくださった貴方を信用します。あの無限のような地獄を助けてくださり、体の傷までも治してくれた方に恩を仇で返す真似はしません」
彼女の眼は俺を真っ直ぐに捉えている。 覚悟を決めた人の眼だ
「そうか、わかった‥‥それと名前はなんと言う?」
すると彼女は黙りだし、思考を巡らせていた。
きっと何年も名前を呼ばれてこなかったのだろう
数秒の時が流れ、彼女の口が動いた
「デリー、デリーとお母さんに呼ばれていました」
「そうかデリーか‥‥一つ良いか?俺が少しだけ名前を付け加えても良いか?」
コクッ
彼女はすぐに首を縦に振ってくれた
「———デリカート・ドゥエ。これが今日から君の名だ。そして新しい生だ」
俺は椅子に座っている彼女に新しい名を告げた
すると彼女の瞳にまたも涙が宿る
「デリカート・ドゥエ‥‥ 私の新しい名前、新しい生。本当に‥‥本当に終わったんだ‥‥お母さん‥‥私見つけたよ」
———そしてありがとう———
何だか俺までもらい泣きしてしまいそうだ‥‥
横をチラリと見るとファシーノも涙を流していた。
(何だか二人は似ているな‥‥‥姉妹か?)
「さてこっちも名乗るとしよう。俺の名はレオン・ジャルディーノ。別名で『ネロ』とも言う。こっちの彼女は———」
「———ファシーノ・ウノよ、よろしくね?二人でたくさん語りましょ?」
自己紹介をするが一体何を語るんだ。そんなニコニコして逆に怖いぞファシーノ
「はいッ!よろしくお願いします!」
彼女、改デリカートは深く、深くお辞儀し新たな仲間に加わった。
(これで二人目だ‥‥まだまだ足りないがこれからだな)
「よしこれからはここを拠点に活動をする。 そして俺たちにはまだまだ力が足りない。よってこの森で半年ほど訓練するぞ」
「はいッ!『え‥‥』」
一人だけおかしな声が聞こえたがきっと空耳だろう
まさかあのファシーノがそんなまさかね‥‥
こうして新たなメンバーが加わり半年ほど訓練する事になる
(まずはこの彼女の敵意を抑えなければな‥‥)
「最初に言っておくが俺たちは悪い奴ではない。そこは信じてほしい。それと‥‥‥‥‥君の”空のように深い蒼髪”はとても綺麗だ」
彼女に優しく語りかけた。すると彼女は少し警戒を解き口を開いてくれた
「‥‥やっと‥‥やっと‥‥出会えた‥‥辛かった‥‥怖かった‥‥悲しかった‥‥痛かった」
目には大粒の涙が溜まり、月の光を反射する
そんな彼女に俺は『そうか』とだけ伝えた
「もう‥‥駄目かと思った‥‥諦めようと思った‥‥楽になりたっか‥‥」
彼女は泣き崩れ、地面に生えている草を思いきり握りしめる
「でも‥‥お母さんの言葉が忘れられなかった‥‥『必ずこの髪を好きと言ってくれる人がいる』って‥‥何年も待った‥‥何年も‥‥何年も‥‥」
「———ッ!」
彼女は勢いよく俺の胸に飛び込んできた。彼女を咄嗟の判断で受け止める
「———うわぁぁぁあんッ!」
張り詰めていた糸が切れたのか一層強く泣き崩れてしまった。
そんな彼女の背中に手を回し軽くさする
ファシーノは俺の後ろでこの光景を微笑ましく見守っていた
( 泣き止むまで待つか‥‥)
「ファシーノしばらくここを拠点にする。後で家を建てるぞ」
「ふふふ、了解よ‥‥」
そのまま彼女は俺の胸で泣き続けた。
彼女は朝まで泣き続け、俺の胸の中で寝てしまった
◊◊◊
「———あれ‥‥ここは」
目を開けるとふかふかのベッドに目の前には天井がある
(あれ?私は確か‥‥森の中にいたはず‥‥)
ベッドから腰を浮かし近くの窓を覗くとそこは森だった
(やっぱり森だ‥‥でもこんな森の中に家なんてないはず‥‥)
クンクン
とてもいい匂いが鼻を伝う。私は匂いにつられて重い足を一歩踏み出した
歩いた先にはキッチンで料理をしている彼女とリビングでくつろいでいる彼がいた。昨日の事が徐々に記憶から蘇ってきて‥‥‥‥
「あ、あの昨日は助けて頂きありがとうございます」
「ああ、おはよう。まずは席についてご飯にしようか。今日はファシーノの手料理だ」
彼は後ろの彼女にご飯の合図を仕出す
私は戸惑いながらも席に座るとお皿が並べれる。
しかし、私は手に取れなかった‥‥
「どうした?毒なんて入っていないぞ」
「ちょっと、それは失礼じゃないかしら?」
二人は楽しそうに会話をする
でも、私はどうしたらいいかわからなかった‥‥
「こんなに美味しそうな料理を数年ぶりに見てたら‥‥毎日味のないスープだったから‥‥」
「どうしたらいいか分からないと?」
意図を察したのか彼は見事私の心中を当ててきた
「そんなことだろうと思った。良いから、まずは料理が冷めないうち食べろ」
彼は強引に誘う。私はスプーンを片手に取りスープを掬った。
少しもたついたが意を決して口に運ぶ
「おい‥‥しい‥‥」
なんでだろう‥‥久しぶり美味しい料理を食べたせいか涙が溢れてきてしまった。
「ふふふ、この人と同じね」
「おい、ファシーノそれは言わない約束だろ」
「あらあらごめんなさい?」
やはり二人とも仲が良い、そしてとても暖かい
私は涙を流しながら出された料理を完食したのだった
◊◊◊
「さあ、そろそろ君の今後について話そうか」
食後のティータイムを堪能したところで切り出す
「君には選択肢がある。俺たちと共に来るか、人族側で暮らすかまあ、俺たち的には前者をおすすめす———」
「———共に行きます!」
おおっと喰いぎみにきて驚いたぞ
「本当にいいのか?後戻りはできないぞ?」
「私は、私を助けてくださった貴方を信用します。あの無限のような地獄を助けてくださり、体の傷までも治してくれた方に恩を仇で返す真似はしません」
彼女の眼は俺を真っ直ぐに捉えている。 覚悟を決めた人の眼だ
「そうか、わかった‥‥それと名前はなんと言う?」
すると彼女は黙りだし、思考を巡らせていた。
きっと何年も名前を呼ばれてこなかったのだろう
数秒の時が流れ、彼女の口が動いた
「デリー、デリーとお母さんに呼ばれていました」
「そうかデリーか‥‥一つ良いか?俺が少しだけ名前を付け加えても良いか?」
コクッ
彼女はすぐに首を縦に振ってくれた
「———デリカート・ドゥエ。これが今日から君の名だ。そして新しい生だ」
俺は椅子に座っている彼女に新しい名を告げた
すると彼女の瞳にまたも涙が宿る
「デリカート・ドゥエ‥‥ 私の新しい名前、新しい生。本当に‥‥本当に終わったんだ‥‥お母さん‥‥私見つけたよ」
———そしてありがとう———
何だか俺までもらい泣きしてしまいそうだ‥‥
横をチラリと見るとファシーノも涙を流していた。
(何だか二人は似ているな‥‥‥姉妹か?)
「さてこっちも名乗るとしよう。俺の名はレオン・ジャルディーノ。別名で『ネロ』とも言う。こっちの彼女は———」
「———ファシーノ・ウノよ、よろしくね?二人でたくさん語りましょ?」
自己紹介をするが一体何を語るんだ。そんなニコニコして逆に怖いぞファシーノ
「はいッ!よろしくお願いします!」
彼女、改デリカートは深く、深くお辞儀し新たな仲間に加わった。
(これで二人目だ‥‥まだまだ足りないがこれからだな)
「よしこれからはここを拠点に活動をする。 そして俺たちにはまだまだ力が足りない。よってこの森で半年ほど訓練するぞ」
「はいッ!『え‥‥』」
一人だけおかしな声が聞こえたがきっと空耳だろう
まさかあのファシーノがそんなまさかね‥‥
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