22 / 141
三章 月光の花魁
精霊召喚
しおりを挟むデリカートを仲間にしてからおよそ3ヶ月の時が流れていた。
俺たちはあの日から森の奥地に拠点を置き、毎日訓練をしている
時に身の丈数倍はある魔獣を討伐したり、対人戦をしたりし各々レベルを上げていった。そんな訓練の合間にデリカートが面白い事を口走る
「———私たちエルフは精霊と契約し使役することができます」
「何?それは本当か?どうやって契約するんだ?」
俺は興味津々でデリカートに詰め寄った
「そ、それはまず魔法陣を描いて魔力を注ぎ込めます。魔力量に比例して、精霊の階級が別れます。上位の精霊ほど魔力量が必要になり‥‥‥」
(なるほど、魔力量によって使役できる精霊が違うと)
「ねえレオン、あなた変に笑っているわよ?また何か考えているのかしら‥‥」
ファシーノに指摘されてしまった。そんなにニヤけていたとは
「なあデリカート?お前はこの3ヶ月間で強くなった。物凄い成長速度だ。そこで提案だ‥‥さらに強くなりたいか?」
俺はデリカートの手を優しく包み込み語りかける。
するとデリカートの長い耳が赤く染まってしまった
「はいっ‥‥貴方のお役に立てるのなら強くなりたいです」
「よく言ったデリカート!ではこれを飲んでくれ」
俺は右手に魔力を集めて小さな飴玉を創りデリカートに渡す
「これを飲めばいいんですね?」
「大丈夫だ、毒は無い。この飴玉を飲み込んだら精霊召喚を行う」
この会話を聞いていたファシーノが『まさか』と言っていたが何も聞こえないフリをしよう
そしてデリカートは意を決して飴玉を口に運び、飲み込んだ。
「‥‥?これでよろしいですか?」
何か起きると思い込んでいたが何も起きなかったことでデリカートは拍子抜けしている。
「よし準備はできた。始めるぞデリカート」
準備ができたとこでデリカートに指示を出す。
俺に指示を受け地面に魔法陣を描き始めた。
直径にして2m程だろうか、すごく複雑な魔法陣を可愛らしい動作で描いている
「ふぅ‥‥できました!」
額の汗を拭い、勢い良く立ち上がる
「では魔力を、と言いたいが何か詠唱は必要ないのか?」
俺は疑問に思った事を聞いたがデリカート曰く、『魔力を流したら精霊が現れ、言葉で契約を行う』らしい
意外にアバウトなのかもしれない
そんなこんなでデリカートが地面に描いた魔法陣に手をかざし魔力を注ぐと不思議な事が起こった
「あれ?こんなに私の魔力量はなかったはず」
デリカートは不思議に思っていると不意に俺の方を向き、何か確信めいた表情をする
デリカートは地面に手を当てながら魔力を流していると魔法陣が輝きだし目が開けられない程の眩い光が俺たちを包み込んだ
数秒後、光は収束し魔法陣が描いてあった所にはデリカートともう一人女性が佇んでいた
その女性は地面に未だ手をかざしているデリカートに見下ろしながら言う
『———我を召喚したのはお前か?』
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる