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三章 月光の花魁
資金不足かも
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精霊女帝ヴァルネラが新たに仲間に加わってから、更に2ヶ月の時が経った
現在拠点にしているエルフ領と人族領との中間の森にて修業を行なっている
また森の中では常に爆音が鳴り響いていた
———黒髪の少女と蒼髪の少女が森を駆けめぐる
木の上を跳び、川を走り、崖を走る
二人の視線が交差する。二人は互いに距離を一瞬にして詰めた
森の静寂の中、鳴り響く剣と剣が重なる音、互いの荒い息
森の中でファシーノとデリカートが好戦している
「——はあぁっ!」
ファシーノがデリカートを圧す
右下、左上、右横、左斜め、常人には見えない速度の太刀筋に怯むデリカート
「そんな臆しては‥‥レオンは私のよ!」
ファシーノが何やら恥ずかしい事を声に出し剣を振るっている
するとファシーノの剣を受けていたデリカートが吠えた
「いいえっ!違います!」
デリカートの剣速が数段上がりだし、防戦一方だったが少しづつ攻撃も織り混ぜてきた
「‥‥クッ!いいわ!かかってきなさいっ」
ファッシーノは一瞬、驚きはしたがすぐさま立て直す
(おい、聞こえているぞ‥‥)
俺は二人の戦闘を崖の上から観戦していた
ヴァルネラと一緒にテーブルを置き椅子に座りティータイムを頂きながら、な!
「主よ、随分とモテるではないか?」
ヴァルネラが悪戯な笑みを作りながら話して来た
そんなヴァルネラに俺は魔法を使う
「‥‥‥主よ、身体が動かないのだが?」
「お前の身体を作っている魔力は俺のだぞ。いつでも動きを止められるのに決まっているじゃないか?」
今度はこちらが悪戯な笑みで答えてやる
するとヴァルネラから予想外の言葉が出てきた
「なるほど、初めて拘束されたがこれは中々クルものがある‥‥主は拘束が好きなのだな。我ほどの存在を拘束するとは罪な奴よ‥‥」
なぜか、変な扉を開いてしまいそうになったのですぐに拘束を解いた
「もう終わりか?別に嫌ではなかったのだが‥‥」
ヴァルネラは不満そうに尋ねてくるが無視する
ああ、よし。もう黙ろうか
———それよりも下の様子は‥‥と、もうそろそろ決着がつきそうだな
下では可憐な少女二人が火花を散らかせていた
しかし決着は突然に訪れる
デリカートがファシーノの一瞬の隙を見逃さず迫る
「そこッ!」
だが、繰り出された剣は宙を斬っただけだった
「‥‥終わりよ」
ファシーノは背後に廻りデリカートの首元に剣を当てていた
デリカートは『なぜ』と目の前の斬った筈のファシーノを見ると姿が消えていく
「残像、ですか‥‥」
「そうよ。デリカート上達したわね、驚いちゃったわ」
ファシーノは剣をしまい、近くに置いていたタオルで汗を拭いた
デリカートもまた覚束ない歩みでタオルを取る
「はあ。一発入れられると思ったのに、私もっと強くならなくちゃいけません」
デリカートとファシーノは良い笑顔をしている.
握手を交わし互いを讃え合う
「——タイミング的に今が降りどこだろうか」
と様子を見ていた俺たちは二人の場所へと向かった
「お疲れ様、二人とも。見応えある戦いぶりだった」
俺は二人の側まで行き、水を渡した
「中々の見物だったぞ。主をどうのこうのと言っていたようだが丸聞こえだったがな」
ヴァルネラが嫌味ったらしく言うと二人の少女は顔を赤くしてしまった
「あ、あれはデリカートが腑抜けていたから‥‥やる気を出すためにッ!」
「わ、私はファシーノ様が『自分の』と言うから‥‥」
二人は下を向いて黙ってしまった
なかなか可愛い態度をとる
それよりも三人に話さないといけない事があったな‥‥
「‥‥今から重要な会議をする」
俺がそう宣言すると三人は顔を戻し、真剣な表情になった
「俺たちが今こうして修行しているのは、本来の目的『バラトロ』と言う組織を追うためだ」
三人とも表情と雰囲気が今までよりも強張りだす。
「まだ『バラトロ』に関しての情報が少な過ぎる。どれほどの勢力、武装、目的かがわからない。そして俺たちは三人と少なすぎる。これからの方針は巨大な組織にすることだ」
すると三人の目が輝き出した
「ついに‥‥動くのね?いいわ、何処へでも地獄でもついて行くわっ」
「短いようで長い修行だったけどこの身に宿る魔力はレオン様の魔力。命ある限りお仕えします」
「主の思うがままに。我も動くとしよう」
三人とも跪き頭を垂れる。意見は一致した
「ありがとう。しかし、もう一つ重要なことがある」
皆の目が疑問になる中、代表してファシーノが口を開いた
「もう一つとはいったい?」
「重要とは、資金だ。我々には資金が足り無い。活動する拠点、生活用品と食糧、武装、土地が必要、そのための資金がないのだ!」
三人とも大方予想していただろう課題だ
この課題をどうするかが今後の活動を左右する
現在拠点にしているエルフ領と人族領との中間の森にて修業を行なっている
また森の中では常に爆音が鳴り響いていた
———黒髪の少女と蒼髪の少女が森を駆けめぐる
木の上を跳び、川を走り、崖を走る
二人の視線が交差する。二人は互いに距離を一瞬にして詰めた
森の静寂の中、鳴り響く剣と剣が重なる音、互いの荒い息
森の中でファシーノとデリカートが好戦している
「——はあぁっ!」
ファシーノがデリカートを圧す
右下、左上、右横、左斜め、常人には見えない速度の太刀筋に怯むデリカート
「そんな臆しては‥‥レオンは私のよ!」
ファシーノが何やら恥ずかしい事を声に出し剣を振るっている
するとファシーノの剣を受けていたデリカートが吠えた
「いいえっ!違います!」
デリカートの剣速が数段上がりだし、防戦一方だったが少しづつ攻撃も織り混ぜてきた
「‥‥クッ!いいわ!かかってきなさいっ」
ファッシーノは一瞬、驚きはしたがすぐさま立て直す
(おい、聞こえているぞ‥‥)
俺は二人の戦闘を崖の上から観戦していた
ヴァルネラと一緒にテーブルを置き椅子に座りティータイムを頂きながら、な!
「主よ、随分とモテるではないか?」
ヴァルネラが悪戯な笑みを作りながら話して来た
そんなヴァルネラに俺は魔法を使う
「‥‥‥主よ、身体が動かないのだが?」
「お前の身体を作っている魔力は俺のだぞ。いつでも動きを止められるのに決まっているじゃないか?」
今度はこちらが悪戯な笑みで答えてやる
するとヴァルネラから予想外の言葉が出てきた
「なるほど、初めて拘束されたがこれは中々クルものがある‥‥主は拘束が好きなのだな。我ほどの存在を拘束するとは罪な奴よ‥‥」
なぜか、変な扉を開いてしまいそうになったのですぐに拘束を解いた
「もう終わりか?別に嫌ではなかったのだが‥‥」
ヴァルネラは不満そうに尋ねてくるが無視する
ああ、よし。もう黙ろうか
———それよりも下の様子は‥‥と、もうそろそろ決着がつきそうだな
下では可憐な少女二人が火花を散らかせていた
しかし決着は突然に訪れる
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「そこッ!」
だが、繰り出された剣は宙を斬っただけだった
「‥‥終わりよ」
ファシーノは背後に廻りデリカートの首元に剣を当てていた
デリカートは『なぜ』と目の前の斬った筈のファシーノを見ると姿が消えていく
「残像、ですか‥‥」
「そうよ。デリカート上達したわね、驚いちゃったわ」
ファシーノは剣をしまい、近くに置いていたタオルで汗を拭いた
デリカートもまた覚束ない歩みでタオルを取る
「はあ。一発入れられると思ったのに、私もっと強くならなくちゃいけません」
デリカートとファシーノは良い笑顔をしている.
握手を交わし互いを讃え合う
「——タイミング的に今が降りどこだろうか」
と様子を見ていた俺たちは二人の場所へと向かった
「お疲れ様、二人とも。見応えある戦いぶりだった」
俺は二人の側まで行き、水を渡した
「中々の見物だったぞ。主をどうのこうのと言っていたようだが丸聞こえだったがな」
ヴァルネラが嫌味ったらしく言うと二人の少女は顔を赤くしてしまった
「あ、あれはデリカートが腑抜けていたから‥‥やる気を出すためにッ!」
「わ、私はファシーノ様が『自分の』と言うから‥‥」
二人は下を向いて黙ってしまった
なかなか可愛い態度をとる
それよりも三人に話さないといけない事があったな‥‥
「‥‥今から重要な会議をする」
俺がそう宣言すると三人は顔を戻し、真剣な表情になった
「俺たちが今こうして修行しているのは、本来の目的『バラトロ』と言う組織を追うためだ」
三人とも表情と雰囲気が今までよりも強張りだす。
「まだ『バラトロ』に関しての情報が少な過ぎる。どれほどの勢力、武装、目的かがわからない。そして俺たちは三人と少なすぎる。これからの方針は巨大な組織にすることだ」
すると三人の目が輝き出した
「ついに‥‥動くのね?いいわ、何処へでも地獄でもついて行くわっ」
「短いようで長い修行だったけどこの身に宿る魔力はレオン様の魔力。命ある限りお仕えします」
「主の思うがままに。我も動くとしよう」
三人とも跪き頭を垂れる。意見は一致した
「ありがとう。しかし、もう一つ重要なことがある」
皆の目が疑問になる中、代表してファシーノが口を開いた
「もう一つとはいったい?」
「重要とは、資金だ。我々には資金が足り無い。活動する拠点、生活用品と食糧、武装、土地が必要、そのための資金がないのだ!」
三人とも大方予想していただろう課題だ
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