若き頭領

ハーマ

文字の大きさ
8 / 23
異変

也真登の封じられた記憶

しおりを挟む
也真登&火牙刀視点

也真登「…………」

澪斗「也真登  思い出せない?」

楓雅との交友会の後様々なイベントを行い高校からの通達で学校に行くようになった也真登だが……今迄分かっていた筈の数式が全くわからない

也真登「どうやるんだよこれ……」

麗雅「教えるよ」

也真登「悪い……」

也真登  楓雅との交友会から記憶力があからさまに低下している……部下の話によれば襲撃があって俺は何かの薬を打たれたらしいし……そんな事も俺は覚えてないし……

火牙刀「無理をして思い出そうとするな」

也真登「なんで兄さんがここにいるの」

火牙刀「色々と事情があるんだよ  お前の邪魔はしない」

也真登「なら良いけどさ」

火牙刀  確かに記憶力が著しく低下している……

也真登「てか高校で煙草吸わないでよ」

火牙刀「電子煙草だ  それくらい許せ」

白鴎「火牙刀君も授業受けるかい?」

火牙刀「今習っても分かりませんのでどうぞお構いなく」

元々頭はいいので火牙刀は後ろに立って授業を聞く

「ヒュン………ザシュッ」

火牙刀「也真登ー  授業中にナイフを投げるな」

也真登「ごめん……手……」

無意識の内に也真登は火牙刀にナイフを投げており火牙刀は手を負傷

火牙刀「何か見たか?」

也真登「一瞬だけ敵に見えて………」

手の負傷部を治した也真登は何かに怯えているのか微かに震えていてその光景を飛悠雅に転送

飛悠雅『引き続き頼むぞ』

流石に返事はできないが火牙刀は席に戻って授業を受けている也真登を監視

火牙刀「…………」

その後も何回もナイフを投げられた火牙刀その度に避けたりキャッチしたりと忙しかった

~夜~

「ゴンゴンゴン」

火牙刀「也真登  やめろ」

也真登「…………」

火牙刀「也真登」

夜  会議を始める前に也真登が壁に頭をぶつけていて出血

也真登「…………」

その後何とか会議は終わったが……也真登は頭に大きい絆創膏を貼り頬には小さいバンドエイド

火牙刀「今日の分の仕事はしておくから寝ろ」

也真登「けど……」

火牙刀「駄目だ」

也真登「………分かった  仕事お願い」

火牙刀の説得で也真登はそのまま部屋に戻って風呂に入って寝たのだが……

也真登「うぅ……ぅぅぅ……」

也真登は魘されていた……

~夢の中~

也真登「深紅……さん………?」

深紅「すまない也真登………」

也真登は深紅に敵意を向けられていた……しかもその敵意は恐ろしい程強く幼い也真登に深紅は刃を向けた

也真登「深紅さん……」

いくら喧嘩が強いとは言え刀と素手では太刀打ちができず也真登は逃げる事しか出来ない

也真登「ゔっ……!!!!」

深紅「也真登……!!」

そして逃走虚しく也真登は深紅に刀で斬られ深紅は也真登の名前を叫ぶ

深紅「ごめん……ごめん也真登………!!お前を護りたいのに……!!!!」

也真登「深紅さん……」

背中から出血し倒れ込んだ也真登を深紅が抱きしめ涙を流す

深紅「也真登  頼みがある」

也真登「深紅さん?」

深紅「………俺が死んだらこの刀をお前が使ってくれ」

也真登「!!!!!!深紅さ………!!!!」

そう言って深紅は膝立ちになり自分の持っていた刀でこのレを突き刺した……

深紅「ゴフッ……ごめんな……也真登」

大量の血を吐きながら深紅はその突き刺した刀を抜き鞘に収めて也真登に渡す……

深紅「この気持ちに気がついてはいけないとわかっていたんだ……だけど気がついてしまった……俺の判断ミスでこの場が焔に満ちた………也真登……澪斗と麗雅を………俺の代わりに護って……」

也真登にもたれ掛かり今にも目を閉じそうな深紅が血を吐きながらも也真登への言葉を紡ぐ

深紅「ごめんな………也真……登………お前に………罪を着せてしまう………也真登………俺…………お前……が………」

そして深紅は言葉を言い切る前に事切れ暖かったはずの体温が無くなってく……

也真登「はっ!!!!!!」

そこで夢から覚めた也真登は全身汗だくで呼吸も荒く足が鉛のように重い

也真登「いっ……!!!!!!」

何とか動こうとした也真登だが足が動かずそのままベッドから落ちてしまい、たまたま帰ってきた火牙刀がそれを発見

火牙刀「也真登大丈夫か」

汗だくなのを察した火牙刀は也真登を風呂に入れ身体を洗ってやる

也真登「昔の……」

火牙刀「ん?」

也真登「封印していた記憶が蘇ってきて……その夢を見てて……足が鉛のように重くなってきて……落ちた」

火牙刀「……兄さんから「アルタイルで治療をするからアメリカに来てくれ」と言われた  明日アメリカに飛ぶぞ」

「ついでにこの首のも取るぞ」と火牙刀が言う

也真登「やっぱりこの装置で記憶力が著しく低下してるんだ……」

火牙刀「気がついたのか?」

也真登「昨日の事を忘れてるあたりやばいなって」

火牙刀「副隊長が直してくれる  大丈夫だ」

也真登の身体を洗い終え湯船に浸からせたので火牙刀は出ていこうとしたが、也真登が珍しく「一緒に入りたい」と駄々を捏ねたので結局男2人で湯船に漬かることに

火牙刀「いつもシャワーだけで済ませてたんだが……」

也真登「たまには湯船にも浸かりなよ」

火牙刀「まぁ……たまにはな」

也真登  兄さんって結構傭兵してたからなのか良い身体してるんだよなぁ……

火牙刀「兄の身体をまじまじと見てどうした?」

少し照れているのかそう火牙刀が言う

也真登「やっぱり良い身体してるなぁって思って」

火牙刀「也真登も成人すれば筋肉が一気につくよ  俺がそうだったから」

也真登「本当?」

火牙刀「ああ」

火牙刀は歯を見せて「ニカッ」と笑う……その笑みの裏に隠された誰も知らない悲しみを背負いながら……

火牙刀「一緒に寝るか?」

也真登「うん」

風呂から上がり髪を乾かした火牙刀は也真登にそう提案し也真登を抱きしめながら眠りにつく……

~次の日~

也真登「ふぁ……」

火牙刀と眠ったお陰で也真登は次の日悪夢を見ずに起床

火牙刀「んっ……んん……おはよう……也真登」

也真登「おはよう」

也真登が起きてから起きた火牙刀は普段とはスローペースでゆっくりと準備し数分後に準備が完了

也真登「それじゃぁアメリカ行ってくる」

刃「その間の深紅は任せて」

也真登「おう(*`∀´*)」

刃達に送られて也真登と火牙刀はアメリカに飛び立つ

~アメリカ  アルタイル城~

レオン「訓練以来だね  也真登君」

也真登「お手数お掛けします」

ガルガード「飛悠雅から話は聞いた  治療をするからこっちに来てくれ」

アルタイル城に来て早々治療をする為に也真登はガルガードに拉致

レオン「俺からしたらお前も記憶が蘇ってるように見えるが?」

ふとレオンと一緒に食事をする為に食堂に来るとレオンにそう言われ驚く

レオン「思い出してるんじゃないか?ガーザスさんの弟  ジーガンが死んだ日の事………お前の力の覚醒と引換に死んでいった仲間達の事を……」

そう……火牙刀は仲間を失う代わりに己の力を覚醒させてその時の記憶を封じているのだ

火牙刀「勘弁して下さいよ………俺だってあの記憶封じてるんですよ?と言うか俺がやった訳じゃないのに解けるんですか?」

レオン「身内の記憶が蘇ると同時にお前の記憶も蘇るんだよ  ジーガンや仲間達の死因はお前が原因ではなかっただろ?何故そこまで気にするんだ?」

火牙刀「俺が死なせた様なものです………俺が武器を渡せばよかっただけの事……それをしなかったからジーガンが死に仲間達が散っていった……散っていった命はもう戻ってはきません」

レオン「だがお前は自殺をしようとはしなかった……そこはお前の意思だろ?」

レオンは火牙刀の事をよく見ている……火牙刀が自分と同じ日本から逃れてきた人だから余計に……

火牙刀「自殺をしたら仲間やジーガンが俺を生かした意味がなくなる……あいつらの生きた証が消えてしまう」

レオン「そこん所は相変わらずだな  也真登君の治療が終わったらお前の傷も治療するからな」

とそう伝えられ也真登の後にレオンに治療を施された也真登と火牙刀は暫くの間、アルタイルで治療後の経過を観察されると共に休養の為生活することを余儀なくされた……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

処理中です...