若き頭領

ハーマ

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乗り越えたモノ

帰国

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也真登&火牙刀視点

※後半は也真登が主

火牙刀「…………」

その日  ジーガンを失い救われた火牙刀は与えられた部屋から出ずに写真や戦場から持ち運んだ武器を見る

火牙刀「……ほんと救われたよ」

火牙刀  だけど……だけどな……やっぱりさ……

火牙刀「寂しいんだよ………確かに俺は2年しかいなかったけれど……」

しかし火牙刀はもう涙は見せない……ジーガン達は前を向き生きる火牙刀を好いていたから……

也真登「……紅蘭」

紅蘭『どうした』

也真登「俺  やっぱり寂しいよ」

紅蘭『…………』

深紅を失ってから数日  部屋で外を眺めていた也真登が紅蘭に言う……「寂しいよ」と

也真登「だけど俺は前を向かなきゃいけない  過激派組織「深紅」を率いるのは俺しかできないからな」

紅蘭『…………(成程……深紅が也真登を好いた理由がわかる)』

也真登「紅蘭?」

紅蘭『何でもない  組織のボスとしての力量はまだ幼いが確かになにか引き寄せるものがあるのは理解した』

也真登「???」

紅蘭の言葉が理解出来なかったのか也真登は何もわからなかったが後に成長してからわかる様に……

也真登「あっ  兄さん」

紅蘭を腰に差してから也真登が朝食を取る為に食堂へ行くとそこには何を食べるか迷っている火牙刀の姿

火牙刀「おはよう也真登  朝食か?」

也真登「うん  兄さんもでしょ?」

火牙刀「そうなんだが何分メニューが多くて選べん」

也真登「深紅だと基本自炊だからねぇ」

大きさ的には深紅もアルタイル位あるが食堂はあるはもののメニューがほとんど無く基本皆自炊

火牙刀「誰かさんの好みで深紅の食堂のメニューはスイーツの方が主だからな  普通のフードメニューがたこ焼き、焼きそば、ラーメン、蕎麦、うどん、ホットドッグ、プライドポテトって少なすぎるだろ」

也真登「確かにスイーツ系は俺の趣味で否定しないけどそこまで言う?」

火牙刀「言うわ  たまーにラーメン食いたい時には空が基本夜食だぞ」

也真登「って言われてもなぁ……武器が揃わない位には金欠だし……」

完全に職業トークになりつつある2人

火牙刀「スイーツを期間限定とか数量限定、通常メニューと季節限定メニューに変えたらどうだ?通常メニューは何時もの人気の高いヤツでピックアップして季節物は季節限定にしたりとか」

レオン「成程  そういう手もあるのか」

也真登、火牙刀「レオンさん(副隊長)」

恐らく最初の方から聞いていたであろうレオンが話に割り込み

レオン「2人が食堂にいるって聞いてきてみれば食堂のメニュー表の前で何か話してて、何話てんのかと思ったら食堂のメニューでの職業トークしてたからつい聞いちゃってたんだけど……確かに季節限定とか数量限定は良いかもね」

シャルート「スイーツ系減らすんですか?」

レオン「仕事お疲れ様シャルート  減らすと言うよりは季節によって変わるって感じかな?お前何気スイーツ系食うから嫌か?」

仕事終わりに食事に来たシャルートもレオン達と談話

レオン「俺のオススメは「紅茶シフォン」な  シャルートの食事メニューのおすすめは?」

シャルート「俺ですか?俺は……そうですね…………鯖の味噌煮定食ですかね?」

也真登、火牙刀  日本人か!!!!!!

ついツッコミを入れた也真登と火牙刀

也真登「兄さん2年間アルタイルにいたんでしょう?よく食べていたものとかないの?」

火牙刀「今見たらなくなってた  マイナーだったからな」

火牙刀が好き好んで食べていたメニューは今のメニューにはない

レオン「何食べてたんだ?」

火牙刀「…………」

シャルート「?」

何故かレオンの質問に火牙刀は赤面

火牙刀「……大・量♡イクラ♡ずくし定食☆」

レオン「…………」

シャルート「…………」

也真登「…………」

火牙刀の返答に3人はフリーズ(火牙刀が余りにも可愛くて)

也真登  俺の兄くそ可愛い

レオン  火牙刀ってこんなに可愛かったのか

シャルート  俺の旦那まじ可愛い

しかし火牙刀は男であり元傭兵である

レオン「確かにあのメニューはマイナーだったが好き好んで食べる者もいたからな  現に目の前にいる訳だし復元できるか頼んでみるよ」

火牙刀「良いんですか?」

レオン「好きなんだろ?」

火牙刀「はい」

「頼めるだけ頼んでみるから先に席取っとくぞ」と言ってレオンはいつものやつを頼んで席取りへ

也真登「兄さん」

火牙刀「ん?」

也真登「可愛すぎて死ぬ」

火牙刀「俺は男だ」

也真登  そんな事は分かってるよ兄さん

などと思いながら也真登はシャルートのオススメの鯖の味噌煮定食を頼み、火牙刀は悩んだ結果食堂一押しの日替わり洋風定食を頼む

レオン「で  深紅にはどんなスイーツあるんだ?」

レオンが取った席にシャルートと行った也真登と火牙刀にレオンがそう聞く

火牙刀「ケーキとタルト類はほぼ全部揃ってます  あとゼリー系も充実していてシュークリームとかは苺が人気ですね」

也真登「後は和風のあんみつとかぜんざいとか……和風のスイーツはみたらし団子が人気です」

レオン「シフォンは?」

火牙刀「ケーキ類のジャンルに入ってます」

アルタイルよりもスイーツが充実している深紅

ガルガード「俺らの場合は肉体労働が主体だから食事の方を優先して増やしている」

レオンがガルガード用に席を開けていたので寝起きのガルガードがそこに着席

火牙刀「アルタイルは「戦闘」が主体で深紅は「イベント」が主体……真逆ですね」

ガルガード「それぞれの組織の個性だから違っているのが当然だ( ̄□ヾ)ファ~……(。σω-。)」

也真登「眠そうですね」

ガルガード「今日の早朝まで親父の飲みに付き合わされたからなぁ……( ̄□ヾ)ファ~」

也真登、火牙刀  絶対に酒が抜けきってない……

レオン「今度仕事で日本に行くからその時に寄らせてもらうよ  明日には日本に帰れるからね」

也真登、火牙刀「分かりました」

実はもう体調も良くなり悲しみに暮れなくなったので明日には帰国

シャルート「では俺はまだ書類が残っているので」

いつ食べ終えたのかシャルートは食事を終えて書類整理に戻ってしまいレオンとガルガードも仕事

也真登「手合わせでもする?」

火牙刀「たまにはそれもいいかもな」

そして残されて2人は久々に手合わせをして傷だけになったせいでレオンにこっぴどく怒られたらしい

~次の日の夜~

レオン「それじゃ  また今度」

也真登「また~♪」

ガルガード「余り無理をするなよ  火牙刀」

火牙刀「分かってます  日本に来たら連絡して下さいね」

次の日の早朝  レオンとガルガードの見送りで也真登と火牙刀は日本に帰国し家である「深紅」に帰宅

刃「おかえりなさい  ボス」

構成員「!!ボース!!!!♡」

構成員「火牙刀~!!!!(´;ω;`)」

也真登、火牙刀「うわわわ」

深紅に帰宅すると多くの構成員が泣きながら(中には也真登と火牙刀にハートマーク全開で)抱きつく

也真登「刃~……お前何したんだよ」

刃「んー?少しだらしなかったから叩き直した」

也真登「………少しやりすぎ」

刃「あっマジで?ごめん」

也真登  謝る気ないな

也真登「まぁ俺が帰ってきたから刃を怒らせなければ大丈夫だ  兄さん  着替えに行こう」

そう言われた火牙刀は泣いている仲間を慰めてから自室に戻ってスーツへ

火牙刀「………あれ?」

しかし何故かスーツの前が胸の中間あたりから閉まらない

火牙刀「也真登」

取り敢えずで火牙刀は也真登のところへ行く

也真登「何でそんな前開けてんの  ヤラシイなぁ」

火牙刀「お前俺なんだと思ってんだ  よく分かんないけど胸の中間あたりからボタンが閉まらない」

也真登「え?………本当だ」

火牙刀「どうしたらいい?」

也真登  やっぱり俺の兄さん可愛いわ

改めて兄の可愛さを実感しつつ也真登は少し考える

也真登「もしかしたらアルタイルにいた時に筋肉がついたのかも  新しいの新調しよっか」

火牙刀「その前にこのスーツ幾らしたんだ」

也真登「さぁ?」

火牙刀「知らないのか!?」

也真登  そりゃしょっちゅう作ってたら分からないって

也真登「丁度兄さんの誕生日も近いしプレゼントって事で  取り敢えず眠いから寝たい」

火牙刀「何の為にスーツ着せたんだ……」

也真登「体格の変化とか調べる為に  案の定兄さんは体格良くなってたけどね」

などと言いながら也真登は火牙刀を自分の部屋に連れていきスーツのままで就寝し、次の日に起こしに来た刃に2人とも(火牙刀は巻き添え)怒られた

~次の日~

也真登「……やっぱさぁ……武器商人を契約で雇うべきだよねぇ」

次の日  会議に出た也真登はシガレットチョコを食べながらそう言う

刃「何でチョコ食べながら……」

也真登「このままだと金欠な上に武器の製造が間に合わない」

刃「無視ですか……」

也真登「朝はチョコとか甘いモノを食べると脳が活性化されるんだよ」

と言いながら全員にチョコを配った也真登は全員が無意識にチョコを食べるのを確認して、突然「休暇日作るか」と言いだす始末

刃「えっ」

也真登「毎日働いてたら死ぬぞいくらなんでも  なので強制的に今月一杯は仕事全部休みに決定……異論は聞かないし今月はイベントも何も無い………休まない奴がいたら骨を折るなりなんなりして強制的に休ませろ」

全員「はい」

也真登の目が本気なので誰も何も言えない

也真登「それと今ここにいる人間全員は今から大浴場な  刃も強制」

全員「え?」

也真登「異論か?(ニッコリ)」

全員「いえ全く!!!!!!」

也真登が目を笑わさずしてにっこり笑うのは危険なので全員異論を唱えずに大浴場へ

刃「何でいきなり休暇入れたり大浴場へ?」

髪を洗って身体を洗い終わって湯船に浸かっていた也真登に先に湯船に浸かっていた刃がそう聞く

也真登「休みは普通にチョコ渡した時に考えた  大浴場はまぁ気まぐれ」

刃「気まぐれですか……」

也真登「少し感傷に浸るのもいいかなって思ってな  俺はまだ子供だけどあの人を越えるまでが最初の目標」

刃「………目標があっるていうのは良い事です」

刃は也真登がアルタイルに居る頃に成長をしたのだと肌で感じた……どうしてなのか逞しく見える

也真登「付いてきてくれ  刃」

刃「貴方が行くのならどこまでも」

いつの日か也真登への命の恩が終わる日まで……也真登は今は亡き大切な人である深紅を目指し、刃はまだ幼い也真登を支える糧となる







多くの悲しみや罪を背負っても変わらない関係……それを也真登と火牙刀、刃は持っている
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