若き頭領

ハーマ

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気がついた気持ち

20歳の誕生日に………

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也真登視点

也真登「…………」

刃「也真登  大丈夫?」

也真登「大丈夫」

如月から関係を断ち切る話をされた後から也真登は毎日泣き腫らしてはぼーっとしている

也真登「どうしろと言うんだ………」

也真登  あの日からずっと眠れない……仕事も頭に入ってこないし何をやっても怪我をする……刃や兄さんに迷惑かけまくりだ……

既に如月から話を切り出されてから半年が過ぎたが也真登は不眠症に陥り仕事もできない

火牙刀「強制的にでも眠らすか?」

刃「出たよ脳筋」

火牙刀「誰が脳筋だ  一番手っ取り早いだろ」

刃「そりゃそうだけど」

也真登が不眠症になっているのは刃と火牙刀も知っているが実は火牙刀も不眠症

火牙刀「っ」

刃「おい………お前も不眠症か」

火牙刀「どうにも安心出来なくてな  まだ副隊長が……」

刃「無理すんな」

火牙刀はレオンの行方がわからずずっと探し回っているのもあって本当に眠れていない

「バターン」

刃「だぁもう言わんこっちゃない!」

結局火牙刀が倒れてしまい也真登も倒れて数人係で部屋へ

也真登「あー………」

飛悠雅「無理しすぎだ  俺が呼ばれることなんて滅多にないぞ」

也真登「飛悠雅兄さん………」

也真登  俺倒れたのか………

自分が倒れたことさえ気が付かなかった也真登はゆっくりと起き上がり頭痛で頭を抑える

颯「大丈夫ですか?」

也真登「頭痛が酷い………水持ってきてくれ」

零「はい」

也真登  頭痛が酷い………吐き気はないからいいが頭がぼーっとしてるな………

零「どうぞ」

也真登「有難う」

水を持ってきてくれた零に礼を言いつつ也真登は水を飲んでサイドテーブルに置く

飛悠雅「お前と一緒に火牙刀も倒れたらしいな」

也真登「そうなの?」

飛悠雅「同時に倒れたって言ってたから多分そうだろ  刃が他の事色々してるから今は不在だがさっきまではいたんだ」

也真登の体調不良から刃が仕事を代替わりしているが也真登程無茶はしていない

飛悠雅「と言うか何かあったのか?火牙刀はまぁ心配でああなった訳だが………也真登は?神修からなにか通達はあったか?」

也真登「神修で何かあったの?」

飛悠雅「重大って訳では無いが如月の調子が不安定で終夜が付きっきりで面倒を見ているらしい  終夜曰く「情緒不安定と自暴自棄になってる」って言われてな………深紅にはその連絡が来てないのか」

也真登「多分来てたとは思う………けど分からない」

水を飲んだおかげか也真登は頭痛こそなくなったが頭は依然ぼーっとしている

飛悠雅「そうか………半年後誕生日だからそれまでには体調戻しておけよ」

とそう言って飛悠雅は退室しすれ違いで刃が入室

刃「体調は?」

也真登「水を飲んだおかげで大分和らいだ」

刃「そう  ちょっとお客さんいるんだけど平気?」

也真登「大丈夫」

刃の言葉で颯と零は退室し代わりに別の人が入室

也真登「ラミさん」

入ってきたのは「最強」と呼ばれる情報屋のラミ

ラミ「「倒れた」と聞いてな  席を外してくれると有難い」

刃「分かった」

ラミは2人きりで話がしたかったのか刃に頼んで2人にしてもらいいつも付けている仮面を外す

ラミ「神修で何が起きているか知っているか?」

単刀直入にラミがそう言い出して也真登は驚く

也真登「え?」

ラミ「花吐き病って知っているか?」

也真登「片思いを募らせると発病する奇っ怪な病ですよね?確か両想いになったら白銀の百合の花を吐く……」

ラミ「如月はその病に犯されている  それも2年前からだ」

如月は花吐き病だった……外では力を使って制御し普段の何も無い時だと如月は花を吐き続ける……それに也真登は気がついていなかった

ラミ「如月はこのままいけばあと7ヶ月で死ぬ  白銀の百合の花を吐かない限り」

也真登「…………」

ラミ「自分の気持ちに素直になれ  考えろ何故如月がお前にあの話をしたのかを……何故如月がお前に脅迫をしてまで関係を続けたのかを……如月は元々飽き性ですぐに手放すのにお前だけはなんとしても手放さそうとしなかったのかを………自分の中にある気持ちに気がつくんだ」

ラミは「最強」と呼ばれるだけあって全てを知っているのだ……如月の気持ちも也真登の気持ちも……

ラミ「答えを出すのなら早めにしておいた方がいい  手遅れになる前に」

そう言い残してラミは出ていき刃と颯、零が入室

也真登「刃」

刃「何?」

也真登「頼みがある」

也真登は刃にある事を頼んだ……

~数日後~

也真登「(遅い)」

数日後には体調も良くなり普通に動き回っているのだが頼んだものがなかなか出来ない

刃「也真登!!悪い遅くなった」

刃もかなり大急ぎで作ったらしく息を切らして也真登の所へ

也真登「無理を言って済まない」

刃「大丈夫  どこか行くの?」

也真登「少し出かける」

也真登は刃から受け取ったものと先日取ったバイクの免許書を持ってバイクに乗って如月の家へ

也真登「(ピンポンは押さないけど……)」

也真登は最上階まで来て如月の部屋の前まで来てポストに何かを入れて大急ぎでバイクで帰宅

~如月~

如月「今何か入ったな」

音に気が付いた如月がポストを見ると細長い紙が入っていて裏返すと……

如月「………「真應  也真登」………?」

その手紙の後ろにはちゃんと也真登の直筆の名前が書いてありリビングに移動して手紙を開ける

終夜「也真登君から直筆の手紙ですか?」

如月「内容自体はパソコンで作られてるけど最後の文字は也真登だ」

如月  「半年後の午前12時00分に如月さんの部屋にて」という言葉は………

つまり答えを出してくれると言う事だろう………

~あっという間に半年後~

刃「誕生日おめでとう」

その日は深紅での也真登の誕生日パーティで個々がそれぞれ誕生日プレゼントを渡していく

颯、零「也真登様」

ふと大体の人から誕生日プレゼントを受け取った也真登は颯と零に呼ばれ声の方へ行く

也真登「どうした?」

颯「也真登様宛に誕生日プレゼントが届きました」

零「宛名は終夜様と如月様の2名です」

と言われ渡された箱を部屋に戻って開けてみると……

也真登「終夜さんはスーツで如月さんは私服………」

20歳になって一気に体格が変化した也真登を知っていたのか2人とも体格に合わせた服をプレゼントしたのだ

也真登「チョイス凄いな………」

終夜の送ってきたスーツは武器の使用量が多い也真登を気遣った収納スペースの多いモノで、如月の送ってきた私服は也真登の好みに合わせた冬用の服(冬用の服が也真登は極端に少ない)

也真登「刃  少し出かける」

刃「分かった  気をつけてね」

午後11時50分  パーティーの終わった也真登はバイクに乗って如月の家へ

「カチャン」

貰ったカードキーを使って也真登は如月の部屋に入ると如月は待っていたのか、リビングの外が見えるところで立っていた

也真登「夜遅くに失礼します」

如月「問題ない」

也真登「そっちに行っても?」

如月「構わない」

如月の言葉は酷く疲れている感じで覇気がない

也真登「俺はこの関係を終わらせる気はありません  身体の関係は別の関係として築きたい」

如月「…………」

也真登「恋人として新しい関係を築くために今日は来ました」

如月「…………」

也真登の言葉に終始如月は無言だったがその顔は驚きに満ちどう返答したらいいかわからないらしい

也真登「これ俺の持ち家の鍵です」

如月「…………」

也真登「もし……嫌でした………」

也真登が言葉を紡ぐよりも先に如月は也真登を抱きしめた……何を言うわけでもなくただ抱きしめている

如月「良いのか」

ふと如月が言う……「良いのか」と……

如月「強姦から身体の関係を始めたんだぞ  それでも良いのか」

也真登「俺が選んだ答えです  受け入れて下さい」

如月「………分かった」

漸く如月は抱きしめるのをやめたが疲れていた感じのした如月の顔は清々しくなり優しい

也真登「では失礼します  休みの日わかったら連絡します」

そう言って也真登は如月の部屋を出ていく

如月「有難う  也真登」

如月がそう言っていたのを聞きながら……

也真登「♪~」

刃「上機嫌だね」

也真登は城に戻ってからやけに上機嫌

也真登  愛されてる……それが良くわかった………本当に愛されているとわからなかったから賭けのようなものだったけど……如月さんは受け入れてくれた

刃「やれやれ」

也真登は如月の気持ちに気がついたのだ……20歳になりまた新しく手に入れた力は色によってどう思っているのかを知ることが出来る……如月を見た時に見えた色は赤でそれは「愛情」を示しているのだ………だから也真登は「恋人として新しい関係を築きたい」と言ったのだ

刃「也真登  顔が綻んでるよ」

也真登「えっ」

刃「全く恋仲になったのは良いけど余りハメを外しすぎないでよ」

也真登「お  おう/////」

刃  全く……

なんやかんや言って也真登と如月が恋人同士になったのは刃にも嬉しいことだった



※まだまだ続きますよ!!( ̄▽ ̄;)
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