失った物

ハーマ

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転校生

始まり

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私立劉ヶ咲学園

銃声等が響く学園に1人の青年が転校する

クラスメイト「越前君?越前さん?」

仁「……好きな様に呼んでくれ  年齢を問う気はない」

クラスメイト「あっはい」

仁  21と言うだけでここまで馴染めないか……

仁は「転校生」と称されていたが実際は「編入生」であり21歳のためクラス委員以外では話しかけられない

クラス委員「僕の名前は  鳳凰  月希  武器と防具を持っているってことは「能力者」?」

仁「俺の事は知ってるから言わなくていいだろ  一応能力者だ……不必要な殺傷は好まない」

月希「優しいんだね  この学園では一般生徒は絶好のカモだから……」

仁  「優しい」……か……裏を返せば「必要ならば躊躇なく殺る」って意味だが……

仁「……確か一般生徒は午前中だけ授業で後は能力者同士の戦いに巻き込まれないように寮に戻るんだよな?」

クラス委員「うん  僕達は戦えないから」

等と話をしていると不意に午前中が終わるチャイムが鳴り早い者は即刻準備をして走って帰る

仁「月希  何かあったら俺を呼べ」

そう言い残して仁はクラスから離れ黒い仮面をつけて持っていた刀を握り走り出す

仁「一般生徒をカモにして力を得る……か……ほんとこの学園可笑しいな」

敵「誰だてめえ」

仁が走り出した理由は一般生徒の悲鳴が聞こえたから……

一般生徒「助けてくれるんですか?」

仁「時間を稼いでやるから寮に戻りな」

クラスと今では音程を変えて話す

仁「口程にもねぇなぁ  ……だがまあ「弱者は強者の言うことを聞く」ってのは良いな」

刀1本……しかも鞘の付いた状態で仁は戦ったが一分も経たずに終わり敵を従える

仁「危ねぇから寮まで送る」

一般生徒「あ  ありがとうございます」

護衛がてら一般生徒を寮まで送る事を仁はくり返し寮に付いたのは既に日にちが変わってからを延々と繰り返す……

~3ヶ月後の夜~

仁  能力者はシャワー付きの個室で自炊……物は買っておいたから適当に作るか……

仁は生活環境が自炊をしなければならない状況下にあった事が良くある為自炊すると何故か高級料理店の様な出来栄えへと変わる(普通に売ってる食材で)

仁「(孤食ほど虚しいものはないな……)」

自分で作った料理を食べながら仁はそう思いながら冷蔵庫に入れてあった酒を飲む

仁「…………」

一切味の無い食事を終え何をする訳でもなく武器の調整をし終えた仁は不意に寮から出て学園の屋上に行く

仁「…………」

何も言わず……唯無言で仁は持ってきたヴァイオリンを肩にかけて演奏し出す……美しい音色と歌を美しい夜景と共に……

月希「越前君?」

仁「月希?」

不意に演奏をしていると月希の声が聞こえ演奏をやめると月希は、「綺麗な音色と声が学園の屋上から聞こえたから」と言いながら「続けて?」と言うので演奏を再開する

月希「音が綺麗だね」

仁「先代が最後に残した物だ」

月希「越前君やっぱり「越前家」の当主だったんだね」

「越前」と言う苗字はとても珍しい苗字故に家系が一発で分かるのだ

仁「「家を継いだ上での自由は個々」って言うのが俺の家のルール  当主になってから暫くヴァイオリンは弾けなかったが久々に弾いて少し訛ってるけどな」

月希「それでも綺麗だよ  ずっとやってるの?」

仁「ずっとやってる、俺は能力者でも珍しい「不老不死能力」を持ってるからずっとこの形(なり)だ  気付かぬ内に何世紀も経ってしまったが夜景の綺麗さは昔から変わらない」

月希「……羨ましいな……僕は一般生徒だから戦えないし……今しかわからない」

そう呟く月希を慰めようかとした仁は月希の表情が葵に似ていて胸が高鳴る……

仁「月希 確か寮内だったらどの部屋にいてもいいんだよな?」

月希「そうだよ?何で?」

仁「俺の部屋に来い」

仁  胸の高鳴りが止まない……これじゃぁ俺は月希に恋してるみてぇじゃねぇか

月希「越前君?大丈夫?」

無言で何も言わない仁を心配した月希が仁の顔を見ると仁は顔が熱くになり離れる

仁「行くぞ月希」

顔の熱を悟られぬ様に月希の後ろを歩き部屋に招き入れて念入りに鍵を占めて月希に「飯は食ったか」と聞く

月希「まだ食べてない」

仁「なら適当に作るから少し待ってろ」

と言ってお茶を出しながら能力でアレルギー等を調べて料理を作る

仁「ほいよ」

月希「……普通の食品で普通に作ってて何でこうも綺麗に彩るのか……」

仁「気づいたらいつもこうなってるんだよ……」

仁  ……やばい

月希に食事を渡し美味しそうに食べる姿を見ていたら仁の体に異変が……

仁「月希  少しシャワー浴びてくるから食べ終わったら流しに食器置いておいてくれ」

月希「分かった」

仁  ……確かに男も行ける口だが月希は反則だろ

仁は月希の食事風景を見ているだけで「欲しい」と思ってしまい、勃ってしまったのを悟られたくなくて急いでシャーを浴びる

仁「くっ……っ……」

流石にそのままではいれないのでシャワー浴びながら自分で扱く

仁「っ……!」

極力声を抑えた状態で達し能力で何も無かったかのようにして義手と片目を直す

仁「味の方どうだった?」

月希「美味しかったよ」

仁「そりゃ良かった  で  お前何で俺と話してくれるんだ?クラス委員だからか?」

仁  この3ヶ月俺と話をしているのは月希だけ……それ以外は目もくれていない

月希「別にクラス委員だからってわけじゃないよ何て言うのかな……越前君は「当主」って言う立場と「学生」と言う立場……その二つの両立は難しい筈なのに両立できてて……凄いと思った  後……笑った時の顔がとても寂しげで放っておけない」

仁「……俺  笑ってる事あるか?」

仁は基本笑みを見せない

月希「ごく稀にね  初めて見た時に凄く……苦しいのか悲しいのか……寂しいのか分からない表情をしていて……」

仁  笑ってる事あるんだ……全くの無自覚だな……

一体なんで笑ったのかは分からないが仁はとても悲しげに笑う

仁「……もう夜遅い  ベッドは月希が使っていいから寝ろ」

月希の優しさで泣きそうになった仁はそれを隠す為に月希を寝かし自分も寝る……

~翌日~

今日も午後は「謎の戦闘員」として1人生徒を護りながら戦う

仁「疲れた」

一旦教室に戻り珍しく夕方に戦闘を終えた仁はある事を思い出す

仁「……葵……」

もうこの世にはいない恋人……葵のことを思い出し気が付けば仁は涙を流して俯いていた……

仁「!?」

不意に泣いていると「ガララ」と教室の後ろの扉が開く音がして振り向くと、そこには驚いた顔の月希の姿……

仁「っ……」

不覚にも月希に涙を見せてしまった仁は走って量に戻ったが  暫くしてある「大事な物」をクラスに忘れてしまい戻ろうとして部屋を出るとそこには月希……

月希「ご……ごめん……忘れ物届けようとして……」

仁「……上がってけ」

明らか動揺している月希を部屋に入れ忘れ物を返してもらうと綺麗な状態になっていて驚く

仁「……綺麗に……してくれたのか?」

月希「うん」

仁「有難う……大事な物なんだ」

月希「やっぱり……それ  いつも肌身離さず持ってるよね?」

仁がクラスに忘れた物……それは葵が生きている頃に人生で初めて買ったクロスのネックレス……

仁「ああ……恋人がまだ生きている頃に初めて買ったクロスのネックレスだ」

月希「クラスで……どうして泣いてたの?」

単刀直入で聞かれた

仁「……死んだ恋人の事を思い出してたら気が付いたら涙が溢れて……月希  お前になら見せてやるよ俺の本当の姿」

仁はそう言って服を脱ぎ義手を取り片目を見せる

月希「え……」

仁「これが俺の本当の姿だよ  月希……目的の為に俺が払った代償」

月希「……痛く……ないの?腕とその目……」

まるで割れ物を労るかの様に月希は仁の既にない腕と片目に触れてそう言う

仁「最初は痛かったんだろうけど随分と昔のことでもう覚えてないな……味覚もないから味がわからない」

月希「…………」

何を思ったのか月希はとても泣きそうな顔をして俯く

仁「届け物有難う  月希  もう……部屋に戻れ」

仁  俺の怪我を見た者は基本的に俺から離れていく……

仁の怪我を見た者は仁を憐れみながら離れるか嫌悪するかのどちらか……

仁「友達が減るのは……結構辛いな……」

月希が部屋から出ていき仁はそう言うが実際「友人」以外の感情があるのは自身でも分かりきっていたのだが……

仁「辛い……」

そう呟きながら仁は眠る事が出来ずに次の日へと持ち越す
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