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1章 異世界突入編
第26話 オリジン
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「そういえば、あの武器を作れるのも精霊術なのか?」
「ええ、精霊術よ。あれは私のオリジン」
「オリジン?」
聞き慣れない言葉に琉海は首を傾げた。
「オリジンっていうのは、高位精霊が持つ特殊能力みたいなものよ。その精霊しか扱うことのできないオリジナルの精霊術なの。身体強化は精霊と契約すれば、誰でも使えるけど、創造は私と契約している人間――つまり、ルイにしか使うことができない精霊術なのよ」
エアリスは汎用精霊術とオリジンの違いを教えてくれた。
汎用精霊術は水、火、風、土、雷など、自然に存在するものを具象化し操ることができる。
オリジンの場合は、この世に存在しないものを作り出したり、催眠をかけたりと、その精霊独自の精霊術を持っているようだ。
「でも、高位精霊には滅多に会わないでしょうし、契約してなければ宝の持ち腐れのようなものだから気にしなくていいわよ」
「ああ、そうか。精霊術にはマナが必要だから、使うには人間と契約する必要があるのか」
「そういうこと。一番警戒しないといけないのは、精霊と契約している人間よ」
なるほどと琉海は頷く。
「話が逸れちゃったわね。話を戻すと、今のルイなら私のオリジン『創造』を使うことができると思うわよ。マナの生成を試してみて」
琉海はエアリスに従って、マナを生成する。
「マナの生成はできているわね。それじゃあ、何か物をイメージしてみて」
「なんでもいいのか?」
「複雑なものじゃなければね」
「そうだな……」
琉海はパッと思いついたものを想像する。
すると、マナが消えて手元が光る。
光は次第に形を成す。
この感覚ははじめて剣を生み出したときと同じだ。
形が固定されて姿を現した。
手に収まるのはイメージ通りのもの。
片刃の剣。
日本では戦国時代に使われた武器。
刀だ。
「へえ、見たことのない剣ね」
「刀っていう武器だよ」
琉海は軽く振ってみた。
「これってどのくらい持つんだ?」
「消費したマナによって違うわよ。さっきルイが使ったマナだと使わなければ、一〇年ぐらいは持つんじゃないかしら」
「じ、一〇年も……」
「そのままならね。でも、ルイが身体強化状態で使ったら数分持つかどうかじゃない」
なるほど、身体強化を使用しての戦闘となると、その状態で武器がどれだけ耐えられるかを考える必要があるのか。
「それと、人間は武器に魔力を通して属性を付与したりもしていたかしら……」
エアリスは昔を思い出すように顎に手を添える。
ただ、この技法は人間たちの手法のためエアリスは説明できないらしい。
「でも、別に必要ないかもしれないわね。私の『創造』で火を纏う剣や凍らせる剣ぐらいなら作れるから」
「なら、それも試してみるか」
エアリスにやり方を教わって試してみる。
創造するのは、炎を纏う剣。
琉海の手元に集められたマナは形を作ろうとする。
そして、現実世界に顕現する。
手には剣が収まっていた。
ただし、創造できたのはただ耐久力の高い剣だった。
振っても何も起こらない。
「あれ? なんでできないのよ」
エアリスは首を傾げた。
炎を纏う剣は創造できなかった。なら、森の結界を破壊したときの剣はどうだろうか。
「今の俺でも結界を破壊したときの剣を作ることはできないのか?」
「あれはかなり複雑なのよ。あの森に住む多くの低位精霊にも協力してもらったし。でも、簡単な単一の属性を付与させるぐらいなら私一人でもなんとかなるはずなんだけど……」
エアリスは「どうしてかしら」と悩んでいた。
まあ、できないことに時間を使うほど余裕もない。
アンリを助け出さなければならないのだから。
「エアリス、とりあえず教わるものは教わった。この村を出て、アンリを追いたいと思うんだけど」
「ええ、思ってたよりもだいぶ早いけど、大丈夫じゃない。魔物ぐらいなら、瞬殺できるでしょうし」
エアリスの言葉に内心冗談だろと思いつつも頷いた。
「ええ、精霊術よ。あれは私のオリジン」
「オリジン?」
聞き慣れない言葉に琉海は首を傾げた。
「オリジンっていうのは、高位精霊が持つ特殊能力みたいなものよ。その精霊しか扱うことのできないオリジナルの精霊術なの。身体強化は精霊と契約すれば、誰でも使えるけど、創造は私と契約している人間――つまり、ルイにしか使うことができない精霊術なのよ」
エアリスは汎用精霊術とオリジンの違いを教えてくれた。
汎用精霊術は水、火、風、土、雷など、自然に存在するものを具象化し操ることができる。
オリジンの場合は、この世に存在しないものを作り出したり、催眠をかけたりと、その精霊独自の精霊術を持っているようだ。
「でも、高位精霊には滅多に会わないでしょうし、契約してなければ宝の持ち腐れのようなものだから気にしなくていいわよ」
「ああ、そうか。精霊術にはマナが必要だから、使うには人間と契約する必要があるのか」
「そういうこと。一番警戒しないといけないのは、精霊と契約している人間よ」
なるほどと琉海は頷く。
「話が逸れちゃったわね。話を戻すと、今のルイなら私のオリジン『創造』を使うことができると思うわよ。マナの生成を試してみて」
琉海はエアリスに従って、マナを生成する。
「マナの生成はできているわね。それじゃあ、何か物をイメージしてみて」
「なんでもいいのか?」
「複雑なものじゃなければね」
「そうだな……」
琉海はパッと思いついたものを想像する。
すると、マナが消えて手元が光る。
光は次第に形を成す。
この感覚ははじめて剣を生み出したときと同じだ。
形が固定されて姿を現した。
手に収まるのはイメージ通りのもの。
片刃の剣。
日本では戦国時代に使われた武器。
刀だ。
「へえ、見たことのない剣ね」
「刀っていう武器だよ」
琉海は軽く振ってみた。
「これってどのくらい持つんだ?」
「消費したマナによって違うわよ。さっきルイが使ったマナだと使わなければ、一〇年ぐらいは持つんじゃないかしら」
「じ、一〇年も……」
「そのままならね。でも、ルイが身体強化状態で使ったら数分持つかどうかじゃない」
なるほど、身体強化を使用しての戦闘となると、その状態で武器がどれだけ耐えられるかを考える必要があるのか。
「それと、人間は武器に魔力を通して属性を付与したりもしていたかしら……」
エアリスは昔を思い出すように顎に手を添える。
ただ、この技法は人間たちの手法のためエアリスは説明できないらしい。
「でも、別に必要ないかもしれないわね。私の『創造』で火を纏う剣や凍らせる剣ぐらいなら作れるから」
「なら、それも試してみるか」
エアリスにやり方を教わって試してみる。
創造するのは、炎を纏う剣。
琉海の手元に集められたマナは形を作ろうとする。
そして、現実世界に顕現する。
手には剣が収まっていた。
ただし、創造できたのはただ耐久力の高い剣だった。
振っても何も起こらない。
「あれ? なんでできないのよ」
エアリスは首を傾げた。
炎を纏う剣は創造できなかった。なら、森の結界を破壊したときの剣はどうだろうか。
「今の俺でも結界を破壊したときの剣を作ることはできないのか?」
「あれはかなり複雑なのよ。あの森に住む多くの低位精霊にも協力してもらったし。でも、簡単な単一の属性を付与させるぐらいなら私一人でもなんとかなるはずなんだけど……」
エアリスは「どうしてかしら」と悩んでいた。
まあ、できないことに時間を使うほど余裕もない。
アンリを助け出さなければならないのだから。
「エアリス、とりあえず教わるものは教わった。この村を出て、アンリを追いたいと思うんだけど」
「ええ、思ってたよりもだいぶ早いけど、大丈夫じゃない。魔物ぐらいなら、瞬殺できるでしょうし」
エアリスの言葉に内心冗談だろと思いつつも頷いた。
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