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2章 スティルド王国編
第81話 安堵
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「「ふう……」」
ティニアとエリザの母娘二人は琉海の勝利に大きく息を吐いた。
琉海が押されている前半では、ティニアはエリザの手を強く握っていたのだが、それも最初だけだった。
トップスピードの攻撃を何度も躱す琉海の姿に、実力に差があるのを察した。
何を理由にそんなことをしていたのか、ティニアにはわからなかったが、襲撃者との戦いぶりを見たティニアには、意図的に避けているのだろうと思った。
それでも、戦いに絶対はない。
一瞬でも隙を突かれてしまったら、負けてしまう可能性もあり、安心して見ていられなかった。
シェイカーが倒れたとき、一気に緊張から解放された。
弛緩する感覚を覚え、自分がどれだけ緊張していたのかも自覚する。
「よかったわね」
「お母さまこそ」
エリザの言葉にティニアはそう返した。
微笑む二人。
それでも一番喜んでいるのは、エリザかもしれない。
だからなのか――
「ふふ、そうね。ティニアのおかげかしら」
エリザはそう言ってティニアの頭を撫でた。
琉海が本選に出場することで、未発掘だった強者を掘り出すことに成功したスタン
ト公爵家は高く評価されるだろう。
しかも、去年の準優勝者に勝利したというおまけ付き。
マグレで本選に出場するわけではないという証明にもなる。
もう、琉海を軽視する者はいないだろう。
エリザとティニアが話していると、扉をノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
エリザが入室を許可すると、入ってきたのはアンジュたちだった。
「し、失礼します」
アンジュが先頭で入り、メイリ、静華、エアリスが続いた。
ティニアの無事な姿を見てアンジュは深く頭を下げた。
「申し訳ございません! ティニア様をお守りすることができませんでした」
「いいわよ。私に怪我はなかったから」
ティニアは怪我がなかったのを伝えるためにアンジュに近づいて、頭を上げるように肩を叩く。
「メイリも気にしないでね」
ティニアが攫われたことを一番気にしているのは、一番近くにいたメイリだと、ティニアは気づいていた。
「はい……」
メイリは一礼してそう答えたが、若干元気がないように聞こえた。
その反応にティニアは時間が経たないと難しいかなと思う。
「それより、試合の結果はどうなったんですか?」
静華が興味深そうに聞く。
そういえばとアンジュとメイリもティニアに視線を向けた。
エアリスはあまり興味がないようで、ぼうっとガラス張りの外を眺めている。
「ルイ様が勝ちました」
ティニアの回答に三人は安堵の息を吐いた。
そのタイミングでエリザが口を開いた。
「さて、この後の試合もあるけど、祝勝会もしたいから、私は先に戻っているわ。あなたたちはどうするの?」
「そうですね。他の試合も気になりますけど、ルイ様と一緒に私たちも屋敷に戻りましょうか」
ティニアは屋敷に戻ることを選択した。
今日は襲撃者との戦闘も起き、予想外のことで疲労もあるだろうと思っての提案だった。
ティニアの提案に異論を挟む者はおらず、琉海と合流して屋敷に戻ることになった。
エリザが先に部屋を出て、ティニアたちもそれに続く。
最後にエアリスが部屋を出ようとしたとき、何かの気配を感じてエアリスはガラス張りの窓の外に視線を向けた。
視線は一般の観客席。
気のせいだったのかと首を傾げるエアリス。
「エアリス、どうしたの?」
静華が立ち止まっていたエアリスに気づいて聞く。
「なんでもないわ」
エアリスはそう言って、静華と一緒に部屋を出た。
ティニアとエリザの母娘二人は琉海の勝利に大きく息を吐いた。
琉海が押されている前半では、ティニアはエリザの手を強く握っていたのだが、それも最初だけだった。
トップスピードの攻撃を何度も躱す琉海の姿に、実力に差があるのを察した。
何を理由にそんなことをしていたのか、ティニアにはわからなかったが、襲撃者との戦いぶりを見たティニアには、意図的に避けているのだろうと思った。
それでも、戦いに絶対はない。
一瞬でも隙を突かれてしまったら、負けてしまう可能性もあり、安心して見ていられなかった。
シェイカーが倒れたとき、一気に緊張から解放された。
弛緩する感覚を覚え、自分がどれだけ緊張していたのかも自覚する。
「よかったわね」
「お母さまこそ」
エリザの言葉にティニアはそう返した。
微笑む二人。
それでも一番喜んでいるのは、エリザかもしれない。
だからなのか――
「ふふ、そうね。ティニアのおかげかしら」
エリザはそう言ってティニアの頭を撫でた。
琉海が本選に出場することで、未発掘だった強者を掘り出すことに成功したスタン
ト公爵家は高く評価されるだろう。
しかも、去年の準優勝者に勝利したというおまけ付き。
マグレで本選に出場するわけではないという証明にもなる。
もう、琉海を軽視する者はいないだろう。
エリザとティニアが話していると、扉をノックする音が聞こえてきた。
「どうぞ」
エリザが入室を許可すると、入ってきたのはアンジュたちだった。
「し、失礼します」
アンジュが先頭で入り、メイリ、静華、エアリスが続いた。
ティニアの無事な姿を見てアンジュは深く頭を下げた。
「申し訳ございません! ティニア様をお守りすることができませんでした」
「いいわよ。私に怪我はなかったから」
ティニアは怪我がなかったのを伝えるためにアンジュに近づいて、頭を上げるように肩を叩く。
「メイリも気にしないでね」
ティニアが攫われたことを一番気にしているのは、一番近くにいたメイリだと、ティニアは気づいていた。
「はい……」
メイリは一礼してそう答えたが、若干元気がないように聞こえた。
その反応にティニアは時間が経たないと難しいかなと思う。
「それより、試合の結果はどうなったんですか?」
静華が興味深そうに聞く。
そういえばとアンジュとメイリもティニアに視線を向けた。
エアリスはあまり興味がないようで、ぼうっとガラス張りの外を眺めている。
「ルイ様が勝ちました」
ティニアの回答に三人は安堵の息を吐いた。
そのタイミングでエリザが口を開いた。
「さて、この後の試合もあるけど、祝勝会もしたいから、私は先に戻っているわ。あなたたちはどうするの?」
「そうですね。他の試合も気になりますけど、ルイ様と一緒に私たちも屋敷に戻りましょうか」
ティニアは屋敷に戻ることを選択した。
今日は襲撃者との戦闘も起き、予想外のことで疲労もあるだろうと思っての提案だった。
ティニアの提案に異論を挟む者はおらず、琉海と合流して屋敷に戻ることになった。
エリザが先に部屋を出て、ティニアたちもそれに続く。
最後にエアリスが部屋を出ようとしたとき、何かの気配を感じてエアリスはガラス張りの窓の外に視線を向けた。
視線は一般の観客席。
気のせいだったのかと首を傾げるエアリス。
「エアリス、どうしたの?」
静華が立ち止まっていたエアリスに気づいて聞く。
「なんでもないわ」
エアリスはそう言って、静華と一緒に部屋を出た。
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