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3章 ルダマン帝国編
第203話 この町の雰囲気
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琉海がこの町に来てから1日が経っていた。
琉海は泊っている宿の屋根の上で胡坐をかいている。
まるで座禅を組むように座っていた。
エアリスから教えてもらった自然力によるソナーの練習をしていた。
しかし、まだ習得には至っていなかった。
視認できないマナを一定の波長で周囲に流すのに苦労していた。
ほとんど感覚で行う技術。
その感覚を掴むのが難しかった。
まったく上達できないからか、頭の片隅で別のことを思考してしまう。
昨日は宿に案内されて少し休憩した後、この町の中を散策した。
そこで気づいたのは、町に大きな貧困の格差がなかった。
少なくとも、脱出することになった前の町にあったようなスラム街のような場所は見当たらなかった。
この町も元イラス王国の領地のはずなのにここまの違いがあるのかと思わされた。
このことをニコルに聞いたところ、帝国の中央貴族がイラス王国民蔑視の通達をする前にこの町の住人に生活できるだけの支援を行ったようだ。
その結果、この町にいた元イラス王国民は困窮することなく、生活基盤を築くことができた。
後からやってきたルダマン帝国民には、イラス王国民をこの町から追い出したと説明したそうだ。
実際はイラス王国民が身だしなみを綺麗にしてルダマン帝国民に混ざっただけなのだが、それを知る者は元イラス王国民と領主と領主関係者のごく一部のみ。
(まあ、元イラス王国民であるかどうかを判断する方法が服装ぐらいしかないのだから、身綺麗にしてしまえばわからないのだろうな)
身綺麗にしてしまえば、元ホームレスかどうかなんてわからないのと一緒だ。
今も流れてきたルダマン帝国民は知らずに生活している。
町中の生活に支障は起きていないようで、円滑に経済は回っているようだ。
しかし、これらの政策はルダマン帝国の中央貴族の考えに反するもの。
もし、この事実が中央貴族たちに知られれば、ここの領主もただでは済まないだろう。
ただし、それを漏らす者がいればの話だ。
元イラス王国民は外部に知られれば、迫害されることを知っている。
わざわざ自分たちの首を絞めるようなことはしないだろう。
そして、ルダマン帝国民は追い出されたと思い込んでいる。
証拠のようなものも残っていないようで、追究されてもこの事実にたどり着くことはできないようだ。
前の町との雰囲気が違ったのはこれが理由だった。
ここまでイラス王国民に優しい町はないため、レオンスたち反乱軍の隠れる拠点になっているようだ。
そんな町について思考を巡らせながら、精霊術の練習をしていると近づいてくる者がいた。
「ここで練習していたのね」
姿を現したのはリーリアだった。
そして、その後ろにはスミリアの姿もあった。
「レオンスが呼んでいるわ」
「レオンスが?」
「さっき幹部全員がこの町に合流したわ。だから、作戦会議をするからルイを連れてきてって言われたわ」
スミリアがそう説明してくれた。
作戦を遂行するための人員が合流できたようだ。
「わかった。すぐに行く」
琉海は精霊術の練習を切り上げ、立ち上がった。
琉海は泊っている宿の屋根の上で胡坐をかいている。
まるで座禅を組むように座っていた。
エアリスから教えてもらった自然力によるソナーの練習をしていた。
しかし、まだ習得には至っていなかった。
視認できないマナを一定の波長で周囲に流すのに苦労していた。
ほとんど感覚で行う技術。
その感覚を掴むのが難しかった。
まったく上達できないからか、頭の片隅で別のことを思考してしまう。
昨日は宿に案内されて少し休憩した後、この町の中を散策した。
そこで気づいたのは、町に大きな貧困の格差がなかった。
少なくとも、脱出することになった前の町にあったようなスラム街のような場所は見当たらなかった。
この町も元イラス王国の領地のはずなのにここまの違いがあるのかと思わされた。
このことをニコルに聞いたところ、帝国の中央貴族がイラス王国民蔑視の通達をする前にこの町の住人に生活できるだけの支援を行ったようだ。
その結果、この町にいた元イラス王国民は困窮することなく、生活基盤を築くことができた。
後からやってきたルダマン帝国民には、イラス王国民をこの町から追い出したと説明したそうだ。
実際はイラス王国民が身だしなみを綺麗にしてルダマン帝国民に混ざっただけなのだが、それを知る者は元イラス王国民と領主と領主関係者のごく一部のみ。
(まあ、元イラス王国民であるかどうかを判断する方法が服装ぐらいしかないのだから、身綺麗にしてしまえばわからないのだろうな)
身綺麗にしてしまえば、元ホームレスかどうかなんてわからないのと一緒だ。
今も流れてきたルダマン帝国民は知らずに生活している。
町中の生活に支障は起きていないようで、円滑に経済は回っているようだ。
しかし、これらの政策はルダマン帝国の中央貴族の考えに反するもの。
もし、この事実が中央貴族たちに知られれば、ここの領主もただでは済まないだろう。
ただし、それを漏らす者がいればの話だ。
元イラス王国民は外部に知られれば、迫害されることを知っている。
わざわざ自分たちの首を絞めるようなことはしないだろう。
そして、ルダマン帝国民は追い出されたと思い込んでいる。
証拠のようなものも残っていないようで、追究されてもこの事実にたどり着くことはできないようだ。
前の町との雰囲気が違ったのはこれが理由だった。
ここまでイラス王国民に優しい町はないため、レオンスたち反乱軍の隠れる拠点になっているようだ。
そんな町について思考を巡らせながら、精霊術の練習をしていると近づいてくる者がいた。
「ここで練習していたのね」
姿を現したのはリーリアだった。
そして、その後ろにはスミリアの姿もあった。
「レオンスが呼んでいるわ」
「レオンスが?」
「さっき幹部全員がこの町に合流したわ。だから、作戦会議をするからルイを連れてきてって言われたわ」
スミリアがそう説明してくれた。
作戦を遂行するための人員が合流できたようだ。
「わかった。すぐに行く」
琉海は精霊術の練習を切り上げ、立ち上がった。
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