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3章 ルダマン帝国編
第225話 突破口
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琉海は街の建造物で射線を遮るように走っていた。
しかし、それを嘲笑うかのように建物を躱して矢が襲ってくる。
今回もギリギリで避ける。
だが、避けるのもあとどれだけ続けられるかわからない。
琉海は常にマナを周囲に放って、飛来物がその範囲に入ったときの淀みを感知して事前に矢の入射角を把握していた。
これはエアリスから教わっていたソナーの練習による副産物だった。
エアリスのように均一にマナを放つことはできないが、均一でなければ琉海でもできる。
琉海は自分の周りをマナで満たしていた。
マナが充満している中に矢が入れば、視認できてなくても淀みを感知することができる。
あとは、力任せに避けるだけ。
それでも、ギリギリだった。
どれだけ避けようとしても、矢の軌道がギリギリまで修正される。
(何かで操作してるみたいだ)
そうとしか思えない。
あまりにも奇妙な動きをする矢。
その矢が再び琉海を襲う。
マナの歪みを察知した琉海は体勢を変えて、回避しようとする。
「……ッ!?」
想定より速い。
速度を上げてきた。
(当たる!)
避け切れないと判断した琉海は剣で弾く。
剣と矢がぶつかるとキンッと甲高い音が鳴った。
それと同時に剣が折れた。
矢を弾くつもりだったが、剣が耐えられず、矢の軌道をずらすことしかできなかった。
ただ、それで十分だった。
剣ならいくらでも《創造》できる。
気になるのは、矢の性質が変化していることだ。
さっきよりも速度と威力が上がっていた。
これが小手調べなら、もっと威力も上がるだろう。
「剣でどれだけ対応できるかだな」
いつでも対応できるように剣を《創造》する。
少しすると、再び矢が襲ってくる。
速度もさっきより上がっている。
「どこまで対応できるのか試されてるのか?」
琉海は迫ってくる矢を対処していく。
対処していくにつれて矢の威力も上がっていく。
そして、常に移動しているのにも関わらず、狙いが外れない。
どれだけ矢を捌いても琉海は〝弓帝〟の捕捉手段を解明することができないでいた。
解明できれば対策が立てられるが、そう上手くはいかない。
捕捉手段がどんなものかわからなければ帝都を出ることもできない。
どこまで追跡できるかもわからない相手を連れて収容所までは行きたくなかった。
邪魔されて計画が台無しになったら、目も当てられない。
琉海は突破口を見つけるために帝都中を駆け巡る。
弾切れも狙ってみたが、矢の攻撃が止むことはなかった。
何度目かわからない矢が再び琉海を狙う。
剣で一本目を弾くと足元に転がっている陶器を破壊して液体がこぼれた。
追加で迫ってくる矢を剣で弾く。
すると、火花が散った。
矢の速度が火花を散らすほど加速しているようだ。
そして、その火花が地面の液体に引火した。
「…………ッ!?」
突然発生した炎に琉海は驚き、隙が生まれる。
その隙を狙ったかのように矢が襲いかかる。
矢が見えていても体が動かない。
(これは避けれない!)
せめて致命傷は避けようと急所を守る。
しかし、想像とは裏腹に矢は琉海の足元をかすめた。
「どういうことだ?」
先ほどまで正確無比だったのに。
今までと状況が違うのは足元から発火した炎だけ。
(何かの魔法でこっちを見ていて、炎に驚いて矢のコントロールを誤った?)
視覚だけ飛ばしていたとして炎に驚くなんてことがあるだろうか。
ありえない。
そんなことで驚くような者が〝帝天十傑〟の一人に選ばれるはずがない。
となると――
「炎が何かに影響を与えて矢のコントロールを鈍らせた?」
琉海は仮設を立てる。
そして、攻略が始まった。
正確無比の追尾する矢のカラクリを明かすために。
しかし、それを嘲笑うかのように建物を躱して矢が襲ってくる。
今回もギリギリで避ける。
だが、避けるのもあとどれだけ続けられるかわからない。
琉海は常にマナを周囲に放って、飛来物がその範囲に入ったときの淀みを感知して事前に矢の入射角を把握していた。
これはエアリスから教わっていたソナーの練習による副産物だった。
エアリスのように均一にマナを放つことはできないが、均一でなければ琉海でもできる。
琉海は自分の周りをマナで満たしていた。
マナが充満している中に矢が入れば、視認できてなくても淀みを感知することができる。
あとは、力任せに避けるだけ。
それでも、ギリギリだった。
どれだけ避けようとしても、矢の軌道がギリギリまで修正される。
(何かで操作してるみたいだ)
そうとしか思えない。
あまりにも奇妙な動きをする矢。
その矢が再び琉海を襲う。
マナの歪みを察知した琉海は体勢を変えて、回避しようとする。
「……ッ!?」
想定より速い。
速度を上げてきた。
(当たる!)
避け切れないと判断した琉海は剣で弾く。
剣と矢がぶつかるとキンッと甲高い音が鳴った。
それと同時に剣が折れた。
矢を弾くつもりだったが、剣が耐えられず、矢の軌道をずらすことしかできなかった。
ただ、それで十分だった。
剣ならいくらでも《創造》できる。
気になるのは、矢の性質が変化していることだ。
さっきよりも速度と威力が上がっていた。
これが小手調べなら、もっと威力も上がるだろう。
「剣でどれだけ対応できるかだな」
いつでも対応できるように剣を《創造》する。
少しすると、再び矢が襲ってくる。
速度もさっきより上がっている。
「どこまで対応できるのか試されてるのか?」
琉海は迫ってくる矢を対処していく。
対処していくにつれて矢の威力も上がっていく。
そして、常に移動しているのにも関わらず、狙いが外れない。
どれだけ矢を捌いても琉海は〝弓帝〟の捕捉手段を解明することができないでいた。
解明できれば対策が立てられるが、そう上手くはいかない。
捕捉手段がどんなものかわからなければ帝都を出ることもできない。
どこまで追跡できるかもわからない相手を連れて収容所までは行きたくなかった。
邪魔されて計画が台無しになったら、目も当てられない。
琉海は突破口を見つけるために帝都中を駆け巡る。
弾切れも狙ってみたが、矢の攻撃が止むことはなかった。
何度目かわからない矢が再び琉海を狙う。
剣で一本目を弾くと足元に転がっている陶器を破壊して液体がこぼれた。
追加で迫ってくる矢を剣で弾く。
すると、火花が散った。
矢の速度が火花を散らすほど加速しているようだ。
そして、その火花が地面の液体に引火した。
「…………ッ!?」
突然発生した炎に琉海は驚き、隙が生まれる。
その隙を狙ったかのように矢が襲いかかる。
矢が見えていても体が動かない。
(これは避けれない!)
せめて致命傷は避けようと急所を守る。
しかし、想像とは裏腹に矢は琉海の足元をかすめた。
「どういうことだ?」
先ほどまで正確無比だったのに。
今までと状況が違うのは足元から発火した炎だけ。
(何かの魔法でこっちを見ていて、炎に驚いて矢のコントロールを誤った?)
視覚だけ飛ばしていたとして炎に驚くなんてことがあるだろうか。
ありえない。
そんなことで驚くような者が〝帝天十傑〟の一人に選ばれるはずがない。
となると――
「炎が何かに影響を与えて矢のコントロールを鈍らせた?」
琉海は仮設を立てる。
そして、攻略が始まった。
正確無比の追尾する矢のカラクリを明かすために。
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