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3章 ルダマン帝国編
第301話 行方知らずの貴族
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「まさか、精霊なんていうおとぎ話のような話が出てくるとは思わなかったわ」
〝暗帝〟はいまも半信半疑のようだ。
「あの二人が言うんだ。その線も含めて調査を進めてくれ」
「わかったわ。そのようにするわ」
「それで、逃げた中央貴族のハイルマン公爵は見つかったか?」
〝暗帝〟が持っている情報を元に今までの汚職などをすべて公表した。
それに併せて、レオンスは中央貴族の解体を宣告した。
だが、何者でもないレオンスの言うことを中央貴族は鼻で笑った。
それもレオンスの右手を見せられるまでのことだった。
魔力を流すと光るレオンスの右手に刻まれたルダマン帝国の紋章。
それは皇帝の証だ。
代々受け継がれてきた証。
その証を持つ者に反抗することはルダマン帝国への反抗になる。
しかし、そんなもので止まるような中央貴族ではない。
そんなもので降伏するようなら、ルダマン皇帝が抑えていた。
だが、ルダマン皇帝にはなかった助力者がいた。
〝弓帝〟だ。
事前に〝弓帝〟と会話をして、今までのことを丁寧に説明した。
彼女は皇帝を疑問視していたようだが、〝暗帝〟の説明とここまでの出来事を知ることで皇帝への疑心を払拭することができた。
〝弓帝〟を説得することができたことで中央貴族を取り押さえに踏み切れた。
中央貴族が集まる会議室に突然現れたレオンスや〝暗帝〟、〝弓帝〟とその部隊に中央貴族の連中は何事だと騒いだ。
レオンスが右手に刻まれたルダマン皇帝の紋章を見せたことで騒ぎが収まるかと思ったが、一人の中央貴族が「誰がそんなモノに従うか」と掴み掛かろうとした。
だが、その手が届くことはなかった。
誰が呼び出したかわからない魔法陣から電撃が放たれ、その男はレオンスの前で倒れた。
どうやら、魔道具である帝都と契約した者には自動防御機能が備わっているようだ。
危害を加えようとしなければこんなことにはならないようだが、彼はその一線を越えてしまったようだ。
死んでいるわけではないが、インパクトは十分だったようで、大人しく全員捕まえることができた。
ただ、一人を除いて。
彼は知っていたのだろうか。
逃走に成功したハイルマン公爵はいまだに行方がわかっていない。
「まだ見つかってないわ。ハイルマン公爵領も押さえているから領地に戻るようならすぐに見つけられるけど……」
(まあ、そんなことを考えるような相手ならすでに見つかっているだろう)
「どこかの国に亡命する可能性もあるか」
「ええ、その可能性もあるけど、それだけのコネがあればだけどね」
「情報にはないのか?」
「ハイルマン公爵が他国と親密になっているなんて情報は一切ないわね」
ハイルマン公爵は参謀だったジャック・バトラーがルダマン帝国に来るまでは零細貴族だったようだからな。
他国と密接に繋がる機会はそんなに多くなかっただろうとのことだ。
「そんな情報があればもっと関所に監視の目を向けているわよ」
「それもそうか。本当にどこに行ったのやら」
ハイルマン公爵が一番、ジャック・バトラーと親しかったようだ。
その彼が見つかれば、何かの手がかりを見つけられるかもしれないと思ったのだが、そう上手くはいかないようだ。
「まあ、ハイルマン公爵のことは〝暗帝〟の部隊に任せるしかないか」
「ええ、何か情報があればすぐに教えるわ」
話はそこで終わり、再び書類と格闘することになるレオンスだった。
〝暗帝〟はいまも半信半疑のようだ。
「あの二人が言うんだ。その線も含めて調査を進めてくれ」
「わかったわ。そのようにするわ」
「それで、逃げた中央貴族のハイルマン公爵は見つかったか?」
〝暗帝〟が持っている情報を元に今までの汚職などをすべて公表した。
それに併せて、レオンスは中央貴族の解体を宣告した。
だが、何者でもないレオンスの言うことを中央貴族は鼻で笑った。
それもレオンスの右手を見せられるまでのことだった。
魔力を流すと光るレオンスの右手に刻まれたルダマン帝国の紋章。
それは皇帝の証だ。
代々受け継がれてきた証。
その証を持つ者に反抗することはルダマン帝国への反抗になる。
しかし、そんなもので止まるような中央貴族ではない。
そんなもので降伏するようなら、ルダマン皇帝が抑えていた。
だが、ルダマン皇帝にはなかった助力者がいた。
〝弓帝〟だ。
事前に〝弓帝〟と会話をして、今までのことを丁寧に説明した。
彼女は皇帝を疑問視していたようだが、〝暗帝〟の説明とここまでの出来事を知ることで皇帝への疑心を払拭することができた。
〝弓帝〟を説得することができたことで中央貴族を取り押さえに踏み切れた。
中央貴族が集まる会議室に突然現れたレオンスや〝暗帝〟、〝弓帝〟とその部隊に中央貴族の連中は何事だと騒いだ。
レオンスが右手に刻まれたルダマン皇帝の紋章を見せたことで騒ぎが収まるかと思ったが、一人の中央貴族が「誰がそんなモノに従うか」と掴み掛かろうとした。
だが、その手が届くことはなかった。
誰が呼び出したかわからない魔法陣から電撃が放たれ、その男はレオンスの前で倒れた。
どうやら、魔道具である帝都と契約した者には自動防御機能が備わっているようだ。
危害を加えようとしなければこんなことにはならないようだが、彼はその一線を越えてしまったようだ。
死んでいるわけではないが、インパクトは十分だったようで、大人しく全員捕まえることができた。
ただ、一人を除いて。
彼は知っていたのだろうか。
逃走に成功したハイルマン公爵はいまだに行方がわかっていない。
「まだ見つかってないわ。ハイルマン公爵領も押さえているから領地に戻るようならすぐに見つけられるけど……」
(まあ、そんなことを考えるような相手ならすでに見つかっているだろう)
「どこかの国に亡命する可能性もあるか」
「ええ、その可能性もあるけど、それだけのコネがあればだけどね」
「情報にはないのか?」
「ハイルマン公爵が他国と親密になっているなんて情報は一切ないわね」
ハイルマン公爵は参謀だったジャック・バトラーがルダマン帝国に来るまでは零細貴族だったようだからな。
他国と密接に繋がる機会はそんなに多くなかっただろうとのことだ。
「そんな情報があればもっと関所に監視の目を向けているわよ」
「それもそうか。本当にどこに行ったのやら」
ハイルマン公爵が一番、ジャック・バトラーと親しかったようだ。
その彼が見つかれば、何かの手がかりを見つけられるかもしれないと思ったのだが、そう上手くはいかないようだ。
「まあ、ハイルマン公爵のことは〝暗帝〟の部隊に任せるしかないか」
「ええ、何か情報があればすぐに教えるわ」
話はそこで終わり、再び書類と格闘することになるレオンスだった。
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