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三冊目――『旅の終着駅』
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■三冊目――『旅の終着駅』
「あの日のことを後悔し続けている。
この人生と言う旅は、嫌になるほど長い。
明日も明後日も、まだまだ続くのだろう。
僕はいま、回り道をしている。
それでも旅の終わりに、もう一度キミに会えたなら……
それだけでいい」
〇
その日は、朝から不幸を引き寄せてしまった。
「おい、嬢ちゃん。『イクサガミ』って小説、どこにあるか教えてくれねぇか」
そう声を掛けられて振り返ると、私は恐怖で身も心も震えた。
話しかけてきた利用者は、六十代ぐらいのおじいさん。
短く刈り込んだ髪、深いしわ。年の割には引き締まった身体。
これだけの特徴ならなかなか嫌いじゃないタイプなのだが……顔に大きな傷痕がある。おそらく若い時、ザクっと縦に切り裂かれた感じだ。
ここまででもすでにお引き取り願いたいところだが、おまけとばかりにに……左手の小指もない。
つまり彼は、ヤクザだった。
「おい、どうなんだ? その恰好は司書だろ?」
私は、恐怖で声が出せない。
今時、九龍以外にもここまでわかりやすいヤクザがいるのかと驚いたし、もしかしてこの前のように転売目的だろうか?。
しかし、以前はナナイさんがいたからどうにかなったが、彼のいないこの状況では私に何かできるはずもなかった。
つくづく、自分の不運と臆病さが嫌になる。
しかし、私は見習いとは言え九龍の司書だ。
一つ大きく息を吸い、胸の奥から押し出すようにして勇気を振り絞った――
「い、忙しいので他の司書に聞いてください……!」
私は、その場から逃走した。
無理無理無理っ! 勇気を振り絞ったところで、怖いものはやっぱり怖い。
「追いかけられて殺されるかもしれない」という思いから、私は一度も振り返らず、九龍の迷路のような路地を駆使しておじいさんヤクザからできるだけ距離を取った。
そして、どうにかナナイさんの家に辿りついた私はドアのカギをかけ、自分が寝起きしているソファの上で布団にくるまり気配を消す。
「どうした? なにをしている?」
読書中だったナナイさんが怪訝そうに私に尋ねてくる。
「ナナイさん。誰かが訪ねて来ても絶対に開けないでくださいね。ねっ⁉」
金を積まれたら普通に居場所を明かされそうで不安だが、私は祈るような気持ちでナナイさんにお願いした。
これが、二日前のことだった。
〇
「あれ? あの人……」
とある日の夕方。
中央広場を通りかかると、設置されたベンチに例のおじいさんヤクザが座っていた。
ただ先日と違って、今日は何かの本を熱心に読んでいる。この前言っていた小説だろうか?
私がそう思いながら眺めていると、ふと彼が顔をあげて目と目が合った。
「おう。嬢ちゃんじゃねぇか。この前は悪かったな、なんか怖がらせちまったみたいで」
私は、またヤクザに絡まれたという恐怖から、逃げ出したい衝動にかられた。
しかし――
「い、いえ……こちらこそ、逃げたりしてすみませんでした」
実はあの後、私はずっと後悔していたのだ。
勢いに任せて逃げてしまったが、もしかしたら彼はずっと読みたかった本を探していたのではないだろうか……? 今ごろ、本を見つけられず落胆しているのではないか? と。
そう思うと後悔の念はどんどん大きくなっていき、九龍とナナイさんによって自分は救われたのに何をやってるんだろう、という考えが胸の中でグルグルと渦巻いて離れなくなってしまったのだ。
ところが――
「あの……それって、この前言ってた本ですよね? 見つけたんですか?」
おじいさんヤクザは「おう、たまたま適当に入った図書館でな。いやぁ、苦労したぜ」と言って、本の表紙を見せてくれた。
その本は紛れもなく、先日話していた『イクサガミ』という小説だった。
「俺は、今までムショに入ったち出たりの繰り返しでよ、小説ってのにはあまり触れてこなかったんだ。けど、案外いいもんだな」
そう言って、彼はニッと笑う。
その瞬間、私は猛烈に罪悪感に苛まれた。
こんな楽しそうに本を読むよ人に対し、私はなんて態度を取ってしまったのだろう。見た目だけで判断して逃げ出してしまうなんて、見習いとは言え司書失格だ。
この人にもっと本を読んでもらいたい。そう思った私は――
「あの……」
「ん? どうした、嬢ちゃん」
「もし、まだ探したい本があれば言ってください。私が、お手伝いさせていただきます」
と告げた。
一週間後。
八条通りの密接しあう図書館の間にはいくつもの細い隙間がある。
そのうちの一つを通って行くと、四方を雑居ビルの壁に囲まれた木造二階建ての小さな図書館が現れた。
「へぇ、こんなとこにも図書館があんのか。面白い場所だな九龍は」
おじいさんヤクザが感心したように私に向けて笑った。
今回の目的地の名前は『高倉図書館』と言って、九龍の創設期からあるら図書館だ。
若干建付けの悪い引き戸を開けると、貸出カウンターという名のこたつで蜜柑を食べていた便底メガネのおじいさんと目が合う。
「おや、よく来たねリリカちゃん」
「お久しぶりです、館長」
何度か返却業務で訪れたことがあったので館長へ挨拶しつつ、私は『風と空のアリア』という古い小説がないかを尋ねた。
「ああ、もちろんあるよ。単行本と文庫本、どっちにする?」
「えっと、文庫本でお願いします」
「了解。じゃあ、ちょっと待ってて」
そう言って館長は、どっこいしょ……と立ち上がる。『風と空のアリア』を借りるならここしかないと思っていたが、やはりその予想は当たっていたようだ。
館長が奥の部屋に続く襖を開けると、本棚が壁に沿うようにズラリと並んでいた。そして、その本棚たちは『風と空のアリア』の作者である『百山祐樹』の本で埋め尽くされていた。
私は読んだことないが『百山祐樹』は昭和の大文豪らしく、その著書は数百冊にも及ぶという。
そして、館長はそんな作者と学生時代からの友達で、売れない作家だった時のものも含めて本はすべて持っているらしい。
「はい、これだよ。映画化もされた名作さ」
しばらく待っていると、館長が『風と空のアリア』の文庫本版を持ってきてくれた。
おじいさんヤクザはその本を受け取ると、表紙を愛おしそうに撫でた。
そして彼は――
「……そういや、こんな表紙だったな」
と、小さくつぶやいた。
「あの……さっきのってどういう意味ですか? たしか、本にはほとんど触れてこなかったという話でしたが……」
八条通りへ出ておじいさんヤクザと別れる間際、私はレファレンスが成功した嬉しさもありつつ、疑問に思ったことを尋ねてみた。
彼は以前「俺は、今までムショに入ったち出たりの繰り返しでよ、こういった本にはあまりは触れてこなかったんだ」と言っていた。
それなのに、何故か『風と空のアリアを』見て懐かしそうにしていたのだ。
私がそのことも含めて聞いてみると、「……そうか。嬢ちゃんたちには聞こえちまったか」と言って、頬をポリポリと掻いた。
そして――
「人に話すまでもねぇと思ってたが、ここまで親切にしてもらったんだもんな……なんで俺みてぇな半端モンが本なんか読み始めたか、ちょっとだけ話させてくれねぇか?」
と言った。
〇
南六条西五丁目の『鈴森ビル』にある図書居酒屋『のんべえ』へやって来た。
お座敷に案内され、私はテーブルの向かいに座ったおじいさんヤクザに何を呑むか尋ねた。すると、「酒はやめたんだ。痛い目にばっかあってきたからな」という返事が苦笑いと共に返ってきた。
そんな人の前で呑むのもどうかと思い、コーラとウーロン茶を注文した。
「さて、どこから話したもんかな」
おじいさんヤクザはウーロン茶を一口飲むと、少しだけ何か考えた末にズボンの後ろポケットからメモ帳を取り出した。
そして、彼はびっしりと本の名前が書かれたページをいくつかめくると、とあるページで「あった、これだ」と言ってその手を止めた。
「嬢ちゃんは、この文章がどの本のものかわかるか?」
私はそう言われて、差し出されたメモ帳をのぞき込んでみる。そこには、本の一説のようなものが書かれていた。
どうやら、「旅」にまつわることが書かれているらしい。
しかし――
「……さすがに、これだけだとわからないですね」
元から読書は好きだったし、九龍に来てからもナナイさんに付き合ってそれなりに本は読んできたつもりだが、見当もつかなかった。
私は「うーん……」と考え込む。
そして、ふとさっきのことを思い出してひらめいた。
「もしかしてその文章……『風と空のアリア』と関係があるんでしょうか? ずいぶん、懐かしんでた様子でしたし」
私は、自分でもなかなかの名推理なんじゃないかと思った。
だが――
「いや……それは、読んでみるまでわからねぇんだ。俺はまだ、この本を読んだことがなくてよ」
と言われてしまった。
「……この本が懐かしいのはな、死んだ女房がまだ結婚したての頃に読んでた本だからだ」
私はまず、結婚してた事実に驚き、その後すぐ奥さんが亡くなっているとことに対してなんと言えばいいかわからず、言葉に詰まってしまった。
しかし、おじいさんヤクザはそれを察したのか「気にすんな」と笑い、話を続けてくれた。
どうやら奥さんは数か月前、彼がまだ塀の中にいる間に病気で亡くなったらしい。
今度こそ……今度こそ刑務所を出たらまともになろう。そう誓っていた矢先の出来事だったという。
奥さんの死から数日後。途方に暮れていたおじいさんヤクザのもとに、一通の手紙が届いたらしい。それは、奥さんが生前に投函していた最後の手紙だった。
「で、その最後に書かれていたのが、さっき見せた文章だったってわけだ」
奥さんはかなりの読書家だったようで、いつも手紙の最後に本から引用した励ましの言葉だったり名言を書いてくれていたという。
どんな時でも、どうしようもない自分を見捨てずに待っていてくれた……そんな彼女が最後に選んだ言葉がどんな本に書かれていたのか知りたい――そう思ったおじいさんヤクザは、出所後に家へ帰ってみた。しかし、すでに本などの遺品は奥さんの兄妹によって整理されてしまっていたらしい。
「だからよ、今までアイツがどんな本を読んでたのか必死に思い出してな。こうやってメモして、九龍に来たってわけだ」
おじいさんヤクザは寂しそうにそうつぶやくと、再びウーロン茶を一口飲んだ。
「……あの、そのメモちょっとだけ借りてもいいですか?」
「ん? 構わねぇが、なにすんだ?」
私は司書見習いとしての義務感以上に、このおじいさんの探している『文章』を見つけてあげたくなっていた。
しかし、自分のレファレンス力だけでは到底解決してあげられるわけがない。
なので私は、悪魔の力を借りることにした。
しかし――
「ふむ……見覚えのない文章だな」
「え⁉」
私はそのままの足で図書バー『ゲーティア』に向かったが、いきなり出鼻をくじかれた。
ナナイさんに例の文章を見せてみると、まさかの答えが返ってきて困惑してしまう。
「ち、ちなみに……ナナイさんは、こに書かれた本ってどれぐらい読んでます?」
「すべてだ。貴様が爺さんのメモから写してきたというタイトルは、どれも有名どころだからな」
「そんな……」
ナナイさんの下で働いてみてわかったことだが、この人は悪魔的な性格をしていても本に対しては真摯で嘘をつかない。
つまり、今回のレファレンスはいきなり暗礁に乗り上げてしまったということになる。
「ナナイさんが忘れてるだけ……ってことはありませんか?」
「神に誓ったっていい。それだけはありえん」
ジョークなのか本気なのかわからないが、ナナイさんの自信のほどだけは伝わってきた。それに、私もその可能性は低いと思っていたので、きっと忘れているわけがなかった。
あとは、ありえるとしたら――
「気づかないうちに読み飛ばしていた、って可能性は……」
「限りなく可能性はゼロに近いがな。もしくは、その文章はリストに載ってない本に書かれているかだ」
「…………」
今回のレファレンスは、だいぶ雲行きが怪しいようだった。
〇
そして、おじいさんヤクザと出会ってどれだけの月日が流れただろう。
彼は借りた小説を読み終えるたびに九龍へ現れて「いやー、今回もダメだったわ」と言って、メモに書かれた次の本を借りていった(ちなみに、ナナイさんのことは話してみたが一応の可能性に賭けて全部の小説を読んでみるとおじいさんヤクザは宣言していた)。
そして、そんなことを繰り返していくうちに、季節はあっという間に巡り……メモに書かれていた小説は、とうとう最後の一冊となってしまった。
ところが――
「……わりぃな、嬢ちゃん。無駄な時間に付き合わせちまったみたいだ」
中央広場でおじいさんヤクザが寂しそうに笑う。
彼は最後の小説のページを閉じた。私は、信じられない気持ちでいっぱいだった。
「だ、大丈夫ですよ。きっと、思い出せてない本があるだけですって……」
なんとか言葉を絞り出しておじいさんヤクザを励ましたつもりだったが、自分でも「これほど根拠の薄い『大丈夫』はないな」と思った。
しかし、だからと言って「では、また奥さんの読んでいた他の本を思い出したら九龍に来てください。その時は私が案内しますから」と言ってしまうのは、かなり諦めに近い感覚だ。
そして、ここで諦めてしまったら……きっと私は永遠に後悔すると気がしてならない。
しかし……そうは言っても、どうすればいいのかまではさっぱりわからなかった。
もっと私に、ナナイさんのような推理力があれば……まさに、そう思った時だった――
「爺さん、リリカ。読めたぞ、今回の件」
聞き覚えのある声に振り向くと、ナナイさんが中央広場へとやって来た。
「例のメモをもう一度見せてみろ」
「は、はい!」
私はおじいさんから写させてもらったメモをナナイさんへと渡した。
「『風と空のアリア』の名前を見てふと気づいたのだ。『最果ての一族』『タイムトラベルガールズ』『犬山峠』『信長の首』……ふむ、やはりな」
「あの……何がわかったんですか?」
私にはさっぱりわからないが、ナナイさんには何かが見えているらしい。
そんな私の想いを見透かすかのように、彼はこちらを見てこう告げた――
「映画だ。ここに載っている作品はどれも、映画化された作品だ」
ナナイさん曰く、ここに載っている本はすべて昭和から平成にかけて映画化された名作らしい。
「普段、そういうものを見ないので気づくのが遅れたが……映像化されている作品ならば、その映画だけに出てきたセリフというものも存在するのではないか?」
「な、なるほど!」
たしかに、映画だけの追加シーンやまたは尺の都合上でセリフを変えるということはよくある。例の文章はそれを書いた可能性が高い。
「行きましょう、おじいさん、ナナイさん!」
私はナナイさんの推理を聞くのと同時に、すぐ向かうべき場所が頭の中に浮かんでいた。
中央広場から東西に延びる三十六号通りを西へ向かい、突き当りを右に曲がる。目指すは『砂原キネマ図書館』だった。
〇
「うーん、なるほど。そういうことで、うちに来たんですね」
雑居ビルの二階。
映画マニア兼館長の砂原さんがおじいさんのメモをしげしげと眺める。
「はい、映画化された作品の中だけに出てきたセリフなんじゃないかと思ってるんですけど」
私たちは先ほどナナイさんがレファレンスしてくれた内容をそのまま砂原館長に伝えてみた。
しかし――
「その推理は、ある意味外れてますし、ある意味当たってます」
「……どういうことですか?」
私は、思わず首を傾げた。
すると――
「このメモに書かれた文章というのは、セリフではないんですよ」
砂原さんがハンドタオルで汗をぬぐいつつ、そう告げた。
私は「そんな……」という気持ちになった。
せっかく答えにたどり着いたと思ったのに、予想が外れてしまったのだ。
ここが最後の希望とまで思っていただけに、そのショックは計り知れないほど大きかった。
だが――
「すると、なんだ? セリフではないが……映画に出てくる別の何かだと言いたいのか?」
ナナイさんは私が館長に事情を説明する間も黙っていたが、静かに……だがしっかりとした口調でそう尋ねた。その眼光は鋭く、切り込むような勢いがある。
館長はその様子に一瞬戸惑いつつ――「え、ええ……。さっきも言った通り、この文章はたしかにセリフではありません」と答え、「ただ」と付け加えた。
「そこに書かれた文章は……歌詞です」
私とおじいさんヤクザは「え?」と驚く。
「その文章は、昭和六十年に映画化された『無法者の一生』という名作邦画の主題歌のサビですよ」
館長がそう言った瞬間、おじいさんヤクザが「あっ……」とこぼした。
そして――
「そっか……松田千冬かよ」
と言うと、「あいつ、まだ覚えてたんだな」と呟き、その頬に一筋の涙が伝った。
その昔。まだ結婚したての頃だったという。
ある日、たまたま付き合いのある業者から松田千冬という人気歌手のコンサートチケットをもらい、奥さんを誘ったらしい。
奥さんはそう言った類のものに行ったことがなかったらしく、とても楽しみにしていたそうだ。
しかし、コンサート前日――
「俺が捕まっちまってな。あいつが翌日コンサートを見に行ったかどうかは、何となく気まずくて聞けないままだったが……もしかしたら、一人でこの曲を聞いたのかもな」
そして、奥さんは最期の言葉としてこの曲の歌詞を選んだ。
またいつの日か、どこかで会えることを願って。
「……それでも旅の終わりにもう一度キミに会えたならそれだけでいい、か」
おじいさんヤクザはそうつぶやくと、おちょこいっぱいだけ注文した日本酒をグッと飲み干して「ありがとな」と言った。
そして、私とナナイさんのいる席を立つ。
私は慌てて「また、いつか来てくださいね」と言った。最初はおじいさんヤクザに怯えもしたが、今は紛れもなく本心からそう思っていた。
おじいさんヤクザは振り返ることはなかったが、右手をひらひらと振ってくれて、そして店を出て行った。
居酒屋図書館『昭和』では、私たちがリクエストした松田千冬の『旅の終着駅』という曲が薄くBGMとして流れており、最後のサビに差し掛かっていた。
「…………」
私も、おちょこの中身をグッと飲み干して思う。
たしかに、人生は旅だ。
まっすぐな道ばかりではなく、曲がりくねったり、時には道がないときだってある。
そしてきっとその旅では、多くの出会いと別れがあるだろう。
ただ、決して容易くないこの旅の途中……私もいつかあ「最後にまた会いたい」と思えるような人に出会えたらいいなと思った。
「あの日のことを後悔し続けている。
この人生と言う旅は、嫌になるほど長い。
明日も明後日も、まだまだ続くのだろう。
僕はいま、回り道をしている。
それでも旅の終わりに、もう一度キミに会えたなら……
それだけでいい」
〇
その日は、朝から不幸を引き寄せてしまった。
「おい、嬢ちゃん。『イクサガミ』って小説、どこにあるか教えてくれねぇか」
そう声を掛けられて振り返ると、私は恐怖で身も心も震えた。
話しかけてきた利用者は、六十代ぐらいのおじいさん。
短く刈り込んだ髪、深いしわ。年の割には引き締まった身体。
これだけの特徴ならなかなか嫌いじゃないタイプなのだが……顔に大きな傷痕がある。おそらく若い時、ザクっと縦に切り裂かれた感じだ。
ここまででもすでにお引き取り願いたいところだが、おまけとばかりにに……左手の小指もない。
つまり彼は、ヤクザだった。
「おい、どうなんだ? その恰好は司書だろ?」
私は、恐怖で声が出せない。
今時、九龍以外にもここまでわかりやすいヤクザがいるのかと驚いたし、もしかしてこの前のように転売目的だろうか?。
しかし、以前はナナイさんがいたからどうにかなったが、彼のいないこの状況では私に何かできるはずもなかった。
つくづく、自分の不運と臆病さが嫌になる。
しかし、私は見習いとは言え九龍の司書だ。
一つ大きく息を吸い、胸の奥から押し出すようにして勇気を振り絞った――
「い、忙しいので他の司書に聞いてください……!」
私は、その場から逃走した。
無理無理無理っ! 勇気を振り絞ったところで、怖いものはやっぱり怖い。
「追いかけられて殺されるかもしれない」という思いから、私は一度も振り返らず、九龍の迷路のような路地を駆使しておじいさんヤクザからできるだけ距離を取った。
そして、どうにかナナイさんの家に辿りついた私はドアのカギをかけ、自分が寝起きしているソファの上で布団にくるまり気配を消す。
「どうした? なにをしている?」
読書中だったナナイさんが怪訝そうに私に尋ねてくる。
「ナナイさん。誰かが訪ねて来ても絶対に開けないでくださいね。ねっ⁉」
金を積まれたら普通に居場所を明かされそうで不安だが、私は祈るような気持ちでナナイさんにお願いした。
これが、二日前のことだった。
〇
「あれ? あの人……」
とある日の夕方。
中央広場を通りかかると、設置されたベンチに例のおじいさんヤクザが座っていた。
ただ先日と違って、今日は何かの本を熱心に読んでいる。この前言っていた小説だろうか?
私がそう思いながら眺めていると、ふと彼が顔をあげて目と目が合った。
「おう。嬢ちゃんじゃねぇか。この前は悪かったな、なんか怖がらせちまったみたいで」
私は、またヤクザに絡まれたという恐怖から、逃げ出したい衝動にかられた。
しかし――
「い、いえ……こちらこそ、逃げたりしてすみませんでした」
実はあの後、私はずっと後悔していたのだ。
勢いに任せて逃げてしまったが、もしかしたら彼はずっと読みたかった本を探していたのではないだろうか……? 今ごろ、本を見つけられず落胆しているのではないか? と。
そう思うと後悔の念はどんどん大きくなっていき、九龍とナナイさんによって自分は救われたのに何をやってるんだろう、という考えが胸の中でグルグルと渦巻いて離れなくなってしまったのだ。
ところが――
「あの……それって、この前言ってた本ですよね? 見つけたんですか?」
おじいさんヤクザは「おう、たまたま適当に入った図書館でな。いやぁ、苦労したぜ」と言って、本の表紙を見せてくれた。
その本は紛れもなく、先日話していた『イクサガミ』という小説だった。
「俺は、今までムショに入ったち出たりの繰り返しでよ、小説ってのにはあまり触れてこなかったんだ。けど、案外いいもんだな」
そう言って、彼はニッと笑う。
その瞬間、私は猛烈に罪悪感に苛まれた。
こんな楽しそうに本を読むよ人に対し、私はなんて態度を取ってしまったのだろう。見た目だけで判断して逃げ出してしまうなんて、見習いとは言え司書失格だ。
この人にもっと本を読んでもらいたい。そう思った私は――
「あの……」
「ん? どうした、嬢ちゃん」
「もし、まだ探したい本があれば言ってください。私が、お手伝いさせていただきます」
と告げた。
一週間後。
八条通りの密接しあう図書館の間にはいくつもの細い隙間がある。
そのうちの一つを通って行くと、四方を雑居ビルの壁に囲まれた木造二階建ての小さな図書館が現れた。
「へぇ、こんなとこにも図書館があんのか。面白い場所だな九龍は」
おじいさんヤクザが感心したように私に向けて笑った。
今回の目的地の名前は『高倉図書館』と言って、九龍の創設期からあるら図書館だ。
若干建付けの悪い引き戸を開けると、貸出カウンターという名のこたつで蜜柑を食べていた便底メガネのおじいさんと目が合う。
「おや、よく来たねリリカちゃん」
「お久しぶりです、館長」
何度か返却業務で訪れたことがあったので館長へ挨拶しつつ、私は『風と空のアリア』という古い小説がないかを尋ねた。
「ああ、もちろんあるよ。単行本と文庫本、どっちにする?」
「えっと、文庫本でお願いします」
「了解。じゃあ、ちょっと待ってて」
そう言って館長は、どっこいしょ……と立ち上がる。『風と空のアリア』を借りるならここしかないと思っていたが、やはりその予想は当たっていたようだ。
館長が奥の部屋に続く襖を開けると、本棚が壁に沿うようにズラリと並んでいた。そして、その本棚たちは『風と空のアリア』の作者である『百山祐樹』の本で埋め尽くされていた。
私は読んだことないが『百山祐樹』は昭和の大文豪らしく、その著書は数百冊にも及ぶという。
そして、館長はそんな作者と学生時代からの友達で、売れない作家だった時のものも含めて本はすべて持っているらしい。
「はい、これだよ。映画化もされた名作さ」
しばらく待っていると、館長が『風と空のアリア』の文庫本版を持ってきてくれた。
おじいさんヤクザはその本を受け取ると、表紙を愛おしそうに撫でた。
そして彼は――
「……そういや、こんな表紙だったな」
と、小さくつぶやいた。
「あの……さっきのってどういう意味ですか? たしか、本にはほとんど触れてこなかったという話でしたが……」
八条通りへ出ておじいさんヤクザと別れる間際、私はレファレンスが成功した嬉しさもありつつ、疑問に思ったことを尋ねてみた。
彼は以前「俺は、今までムショに入ったち出たりの繰り返しでよ、こういった本にはあまりは触れてこなかったんだ」と言っていた。
それなのに、何故か『風と空のアリアを』見て懐かしそうにしていたのだ。
私がそのことも含めて聞いてみると、「……そうか。嬢ちゃんたちには聞こえちまったか」と言って、頬をポリポリと掻いた。
そして――
「人に話すまでもねぇと思ってたが、ここまで親切にしてもらったんだもんな……なんで俺みてぇな半端モンが本なんか読み始めたか、ちょっとだけ話させてくれねぇか?」
と言った。
〇
南六条西五丁目の『鈴森ビル』にある図書居酒屋『のんべえ』へやって来た。
お座敷に案内され、私はテーブルの向かいに座ったおじいさんヤクザに何を呑むか尋ねた。すると、「酒はやめたんだ。痛い目にばっかあってきたからな」という返事が苦笑いと共に返ってきた。
そんな人の前で呑むのもどうかと思い、コーラとウーロン茶を注文した。
「さて、どこから話したもんかな」
おじいさんヤクザはウーロン茶を一口飲むと、少しだけ何か考えた末にズボンの後ろポケットからメモ帳を取り出した。
そして、彼はびっしりと本の名前が書かれたページをいくつかめくると、とあるページで「あった、これだ」と言ってその手を止めた。
「嬢ちゃんは、この文章がどの本のものかわかるか?」
私はそう言われて、差し出されたメモ帳をのぞき込んでみる。そこには、本の一説のようなものが書かれていた。
どうやら、「旅」にまつわることが書かれているらしい。
しかし――
「……さすがに、これだけだとわからないですね」
元から読書は好きだったし、九龍に来てからもナナイさんに付き合ってそれなりに本は読んできたつもりだが、見当もつかなかった。
私は「うーん……」と考え込む。
そして、ふとさっきのことを思い出してひらめいた。
「もしかしてその文章……『風と空のアリア』と関係があるんでしょうか? ずいぶん、懐かしんでた様子でしたし」
私は、自分でもなかなかの名推理なんじゃないかと思った。
だが――
「いや……それは、読んでみるまでわからねぇんだ。俺はまだ、この本を読んだことがなくてよ」
と言われてしまった。
「……この本が懐かしいのはな、死んだ女房がまだ結婚したての頃に読んでた本だからだ」
私はまず、結婚してた事実に驚き、その後すぐ奥さんが亡くなっているとことに対してなんと言えばいいかわからず、言葉に詰まってしまった。
しかし、おじいさんヤクザはそれを察したのか「気にすんな」と笑い、話を続けてくれた。
どうやら奥さんは数か月前、彼がまだ塀の中にいる間に病気で亡くなったらしい。
今度こそ……今度こそ刑務所を出たらまともになろう。そう誓っていた矢先の出来事だったという。
奥さんの死から数日後。途方に暮れていたおじいさんヤクザのもとに、一通の手紙が届いたらしい。それは、奥さんが生前に投函していた最後の手紙だった。
「で、その最後に書かれていたのが、さっき見せた文章だったってわけだ」
奥さんはかなりの読書家だったようで、いつも手紙の最後に本から引用した励ましの言葉だったり名言を書いてくれていたという。
どんな時でも、どうしようもない自分を見捨てずに待っていてくれた……そんな彼女が最後に選んだ言葉がどんな本に書かれていたのか知りたい――そう思ったおじいさんヤクザは、出所後に家へ帰ってみた。しかし、すでに本などの遺品は奥さんの兄妹によって整理されてしまっていたらしい。
「だからよ、今までアイツがどんな本を読んでたのか必死に思い出してな。こうやってメモして、九龍に来たってわけだ」
おじいさんヤクザは寂しそうにそうつぶやくと、再びウーロン茶を一口飲んだ。
「……あの、そのメモちょっとだけ借りてもいいですか?」
「ん? 構わねぇが、なにすんだ?」
私は司書見習いとしての義務感以上に、このおじいさんの探している『文章』を見つけてあげたくなっていた。
しかし、自分のレファレンス力だけでは到底解決してあげられるわけがない。
なので私は、悪魔の力を借りることにした。
しかし――
「ふむ……見覚えのない文章だな」
「え⁉」
私はそのままの足で図書バー『ゲーティア』に向かったが、いきなり出鼻をくじかれた。
ナナイさんに例の文章を見せてみると、まさかの答えが返ってきて困惑してしまう。
「ち、ちなみに……ナナイさんは、こに書かれた本ってどれぐらい読んでます?」
「すべてだ。貴様が爺さんのメモから写してきたというタイトルは、どれも有名どころだからな」
「そんな……」
ナナイさんの下で働いてみてわかったことだが、この人は悪魔的な性格をしていても本に対しては真摯で嘘をつかない。
つまり、今回のレファレンスはいきなり暗礁に乗り上げてしまったということになる。
「ナナイさんが忘れてるだけ……ってことはありませんか?」
「神に誓ったっていい。それだけはありえん」
ジョークなのか本気なのかわからないが、ナナイさんの自信のほどだけは伝わってきた。それに、私もその可能性は低いと思っていたので、きっと忘れているわけがなかった。
あとは、ありえるとしたら――
「気づかないうちに読み飛ばしていた、って可能性は……」
「限りなく可能性はゼロに近いがな。もしくは、その文章はリストに載ってない本に書かれているかだ」
「…………」
今回のレファレンスは、だいぶ雲行きが怪しいようだった。
〇
そして、おじいさんヤクザと出会ってどれだけの月日が流れただろう。
彼は借りた小説を読み終えるたびに九龍へ現れて「いやー、今回もダメだったわ」と言って、メモに書かれた次の本を借りていった(ちなみに、ナナイさんのことは話してみたが一応の可能性に賭けて全部の小説を読んでみるとおじいさんヤクザは宣言していた)。
そして、そんなことを繰り返していくうちに、季節はあっという間に巡り……メモに書かれていた小説は、とうとう最後の一冊となってしまった。
ところが――
「……わりぃな、嬢ちゃん。無駄な時間に付き合わせちまったみたいだ」
中央広場でおじいさんヤクザが寂しそうに笑う。
彼は最後の小説のページを閉じた。私は、信じられない気持ちでいっぱいだった。
「だ、大丈夫ですよ。きっと、思い出せてない本があるだけですって……」
なんとか言葉を絞り出しておじいさんヤクザを励ましたつもりだったが、自分でも「これほど根拠の薄い『大丈夫』はないな」と思った。
しかし、だからと言って「では、また奥さんの読んでいた他の本を思い出したら九龍に来てください。その時は私が案内しますから」と言ってしまうのは、かなり諦めに近い感覚だ。
そして、ここで諦めてしまったら……きっと私は永遠に後悔すると気がしてならない。
しかし……そうは言っても、どうすればいいのかまではさっぱりわからなかった。
もっと私に、ナナイさんのような推理力があれば……まさに、そう思った時だった――
「爺さん、リリカ。読めたぞ、今回の件」
聞き覚えのある声に振り向くと、ナナイさんが中央広場へとやって来た。
「例のメモをもう一度見せてみろ」
「は、はい!」
私はおじいさんから写させてもらったメモをナナイさんへと渡した。
「『風と空のアリア』の名前を見てふと気づいたのだ。『最果ての一族』『タイムトラベルガールズ』『犬山峠』『信長の首』……ふむ、やはりな」
「あの……何がわかったんですか?」
私にはさっぱりわからないが、ナナイさんには何かが見えているらしい。
そんな私の想いを見透かすかのように、彼はこちらを見てこう告げた――
「映画だ。ここに載っている作品はどれも、映画化された作品だ」
ナナイさん曰く、ここに載っている本はすべて昭和から平成にかけて映画化された名作らしい。
「普段、そういうものを見ないので気づくのが遅れたが……映像化されている作品ならば、その映画だけに出てきたセリフというものも存在するのではないか?」
「な、なるほど!」
たしかに、映画だけの追加シーンやまたは尺の都合上でセリフを変えるということはよくある。例の文章はそれを書いた可能性が高い。
「行きましょう、おじいさん、ナナイさん!」
私はナナイさんの推理を聞くのと同時に、すぐ向かうべき場所が頭の中に浮かんでいた。
中央広場から東西に延びる三十六号通りを西へ向かい、突き当りを右に曲がる。目指すは『砂原キネマ図書館』だった。
〇
「うーん、なるほど。そういうことで、うちに来たんですね」
雑居ビルの二階。
映画マニア兼館長の砂原さんがおじいさんのメモをしげしげと眺める。
「はい、映画化された作品の中だけに出てきたセリフなんじゃないかと思ってるんですけど」
私たちは先ほどナナイさんがレファレンスしてくれた内容をそのまま砂原館長に伝えてみた。
しかし――
「その推理は、ある意味外れてますし、ある意味当たってます」
「……どういうことですか?」
私は、思わず首を傾げた。
すると――
「このメモに書かれた文章というのは、セリフではないんですよ」
砂原さんがハンドタオルで汗をぬぐいつつ、そう告げた。
私は「そんな……」という気持ちになった。
せっかく答えにたどり着いたと思ったのに、予想が外れてしまったのだ。
ここが最後の希望とまで思っていただけに、そのショックは計り知れないほど大きかった。
だが――
「すると、なんだ? セリフではないが……映画に出てくる別の何かだと言いたいのか?」
ナナイさんは私が館長に事情を説明する間も黙っていたが、静かに……だがしっかりとした口調でそう尋ねた。その眼光は鋭く、切り込むような勢いがある。
館長はその様子に一瞬戸惑いつつ――「え、ええ……。さっきも言った通り、この文章はたしかにセリフではありません」と答え、「ただ」と付け加えた。
「そこに書かれた文章は……歌詞です」
私とおじいさんヤクザは「え?」と驚く。
「その文章は、昭和六十年に映画化された『無法者の一生』という名作邦画の主題歌のサビですよ」
館長がそう言った瞬間、おじいさんヤクザが「あっ……」とこぼした。
そして――
「そっか……松田千冬かよ」
と言うと、「あいつ、まだ覚えてたんだな」と呟き、その頬に一筋の涙が伝った。
その昔。まだ結婚したての頃だったという。
ある日、たまたま付き合いのある業者から松田千冬という人気歌手のコンサートチケットをもらい、奥さんを誘ったらしい。
奥さんはそう言った類のものに行ったことがなかったらしく、とても楽しみにしていたそうだ。
しかし、コンサート前日――
「俺が捕まっちまってな。あいつが翌日コンサートを見に行ったかどうかは、何となく気まずくて聞けないままだったが……もしかしたら、一人でこの曲を聞いたのかもな」
そして、奥さんは最期の言葉としてこの曲の歌詞を選んだ。
またいつの日か、どこかで会えることを願って。
「……それでも旅の終わりにもう一度キミに会えたならそれだけでいい、か」
おじいさんヤクザはそうつぶやくと、おちょこいっぱいだけ注文した日本酒をグッと飲み干して「ありがとな」と言った。
そして、私とナナイさんのいる席を立つ。
私は慌てて「また、いつか来てくださいね」と言った。最初はおじいさんヤクザに怯えもしたが、今は紛れもなく本心からそう思っていた。
おじいさんヤクザは振り返ることはなかったが、右手をひらひらと振ってくれて、そして店を出て行った。
居酒屋図書館『昭和』では、私たちがリクエストした松田千冬の『旅の終着駅』という曲が薄くBGMとして流れており、最後のサビに差し掛かっていた。
「…………」
私も、おちょこの中身をグッと飲み干して思う。
たしかに、人生は旅だ。
まっすぐな道ばかりではなく、曲がりくねったり、時には道がないときだってある。
そしてきっとその旅では、多くの出会いと別れがあるだろう。
ただ、決して容易くないこの旅の途中……私もいつかあ「最後にまた会いたい」と思えるような人に出会えたらいいなと思った。
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