犯罪者育成プログラム

ポテトバサー

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犯罪者育成プログラム

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 教授は授業中だった。

「つまり、軽犯罪や重犯罪にかかわらず、一夜にして凶悪な犯罪者になることはない」

 講義を受けている生徒たちはみな真剣だった。

「生まれ育った環境、犯罪を犯すまでに至った環境が、犯罪者になるかどうかを決めると言っても過言ではない」

 教授は生徒一人一人の目を見ながら熱く語りかけた。

「しかし、一定の年齢・精神状態の時に、誰かの手によって正しき道へと戻れるような助けがあれば、多くの確率で犯罪に手を染めることはない」

 生徒たちは相変わらず真剣に話を聞いていたが、教授の言うことにピンときていなかった。当然、教授もそのことに気付いていた。

「生徒諸君がうまく理解できないのも仕方がない。この世界では三百年以上も前から犯罪が起きていないからな… だが諸君、実は犯罪者育成プログラムというものがある」

 一人の生徒が質問をした。

「それはどういったものなのです?」

「そのプログラムには様々な項目があるのだが…… 分かりやすいところで言えばルールを守らない。他にもマナー・モラルを持ち合わせない、挨拶をしない、礼も言わない、謝りもしない。他人の事を考えず、他人に暴言を吐いたり、暴力を振るう。また、善悪というものを子供たちに教えない・教えられない、育児放棄に胎児の遺棄と、例を挙げるとキリが無い。が、とにかく、それを意識的・無意識的に実行している所がある」

 生徒たちは信じられない様子でザワつき始めた。

「百聞は一見にしかず、実際に見たほうが多くの事を学べるだろう、よって次回の授業はそこへ行くことにする」

「先生、それはどこなんですか?」

 教授は言い飽きた様子で生徒に答えた。

「地球という星だ……」
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