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第3回ゲスト 現代日本文化の礎・江戸時代さん

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菊木: どうも皆さん、こんばんは、菊木萬太郎です。今宵も、本来なら話を聞くことが出来ない方々に、この菊木萬太郎が……

観客:NEHORI! HAHORI!

菊木: 聞いていきたいと思います。ではゲストを紹介いたしましょう。今宵のゲストは日本人なら誰もが知っている超大物ゲスト! 265年に渡り平和の世を保ち続け、天下統一から始まり動乱でその幕を閉じた、現代日本文化の礎・江戸時代さんです!

江戸: どうも皆さん、ご存知、江戸時代でございます! あっ失礼、江戸時代でござる! 

菊木: いやー、江戸時代さん(笑)。

江戸: はい(笑)。

菊木: まさか来ていただけるとは思いませんでした! ありがとうございます!

江戸: いやーとんでもない! お礼を言うのは私の方ですよ! 人気番組に呼んでいただけて、本当に嬉しいですよ! あっ失礼、嬉しいでござる!

菊木: こちらこそ、大御所の江戸時代さんに出演していただけて光栄です! 来ていただけるものなんですねぇ!

江戸: いやぁ、来られるもんなんですねぇ。自分でもビックリしてますよ(笑)。

菊木: えー、それでは早速ですね、インタビューを始めたいと思います。

江戸: はい、よろしくどうぞ。

菊木: あのですね、お呼びしておいてなんですが、あの、どういうことなんですか?

江戸: 何がですか(笑)?

菊木: いや、ですから、その……いま私は江戸時代さんと話しているわけですよね?

江戸: そうですよ。あの江戸時代と話しているんです。ご存知、江戸時代と話しているわけですよ、菊木ちゃんは。

菊木: 急に菊木ちゃん呼びですか(笑)?

江戸: 菊木さんが「大御所の江戸時代さん」なんていうもんですから、もうここからは大御所の感じでいきますよ(笑)。それであれかい? 疑問に思っているのは、今ここにいる私の存在についてということかい?

菊木: そう……ですね(笑)。

江戸: いやもう、ここでちゃうと話が先に進まないからねぇ(笑)。

菊木: 確かにそうですね(笑)。

江戸: 今回はちょっと、そこをまぁ、飛ばして……

菊木: そうしましょうか。では、改めてインタビューをしていきたいんですけれども。

江戸: はいはい。

菊木: えー、時代・歴史ということで様々な見解や解釈、意見などがありますが、今回は「菊木萬太郎調べ」ということで「江戸時代」についてお話を伺っていきたいと思います。

江戸: あー、そのほうが良いかもしれないね。世の中にはスットボケたやつがいるからね。

菊木: いやあの江戸時代さん! 江戸時代さん!

江戸: な、なんですか?(笑)

菊木: 半笑いで聞き返している時点で、何のことかお分かりでしょ! 大御所だからって何を言っても許されるわけじゃないんですからね!

江戸: はいはい、わかってるから。もう大丈夫だから(笑)。

菊木: お願いしますよ? それで。江戸時代さんといえば、265年という長い間、太平の世を実現されたわけですが、いま思い返してみるといかがですか?

江戸: まぁ、色々と苦労もあったけどね、やっぱり純粋に楽しかったよ、あの日々は。私はほら、始まりと終わりが戦だったから、一入ひとしおなんだよね。

菊木: そうでした。太平の世と言いましても、始まりは「関ヶ原の戦い」ですからね。

江戸: 石田三成君と徳川家康君がさぁ、秀さん亡くなった後……失礼、豊臣さんが亡くなったあとに‥

菊木: 秀さん呼びなんですか!?

江戸: 普段はね(笑)。そりゃさ、石田君も徳川君も私より先に生まれているんだけど、豊臣さんはほら、江戸時代の前の時代を築いた人だからね。そりゃもう、さん付けだよね。あとはまぁ親しみ込めての秀さん呼びって感じかな(笑)。

菊木: あっ、なるほど……まぁ、なるほどかどうかは置いておきまして(笑)。もう関が原の戦いと言えば、天下分け目の大決戦といわれて、現在でも関ヶ原へ足を運ぶ方々も多いんですよ。私も学生の頃に修学旅行で行きまして。

江戸: おっ! 嬉しいなぁ。ただ、その、天下分け目の大決戦という感じでもなかった……まぁないわけじゃないけど、あのね……(笑)。

菊木: えぇっ!? 違うんですか!

江戸: いや! 違うというわけじゃない! なんというか、簡潔に言えば、いま私が言ったことを全て忘れていただきたい……

菊木: なんですかもう(笑)。

江戸: いやね、いくら大御所の私といえども言えないんですよ、詳しくは。例えば私という「江戸時代」の出来事を調べる際に、人間の皆さんは過去の文献や伝承などから、歴史の真実や謎を紐解いていくでしょ?

菊木: そうですね。タイムマシンが無い以上、その方法しかありませんからね。

江戸: つまりは、そういった過去という糸を紡ぎ、歴史という大きな織物を作って来たわけなんだよね、人類の皆さんは。もちろん、過去の糸が足りない時には、推測・想像などの糸も使って。結局、真実に迫ることは出来ても、歴史の全てを明らかにすることは不可能に近い。菊木さんの言うとおり、タイムマシンがなければ、もうどうにもならない。

菊木: え、えぇ。

江戸: あれ、どうしたの?

菊木: いえあの、フザケているのか、真面目に話しているのか……(笑)。

江戸: 真面目! 大真面目!

菊木: …………インタビューで嘘をつくんですね(笑)。

江戸: 嘘じゃないって、真面目だって! あ、失礼、真面目でござる。

菊木: なるほどね、なるほどなるほど…………江戸時代さんがその気なら、私にも考えがありますよ。

江戸: (笑)

菊木: 真面目でござるだ、大御所の設定だ、秀さんだとね。そう来るんでしたら私ももう少しくだけたインタビューにしていきますので。よろしいですね(笑)。

江戸: 別にそれは、あの、構わないですけど……

菊木: あっ、大御所の設定は続けて下さい。

江戸: ……別に構いやしねぇよ? くだけたインタビューでもね!

菊木: それじゃ再開しますが、他の時代の皆さんとのご関係はどうなんでしょうか?

江戸: えっ? 江戸時代の出来事とか文化を聞くんじゃないんですか?

菊木: …………

江戸: フッ(笑)。俺のさ、江戸時代のさ、出来事とか聞くんじゃないの?

菊木: それは調べればおおよその事は分かりますし、学校でもある程度習いますし、テレビ特集やインターネット上に情報が溢れてますから。誰でもその気になれば分かることなんです。それに、仮に聞いた所で、先程のお話ぶりですと、歴史がひっくり返るような事にもなりかねない訳なんですよね? もうますます江戸時代の出来事については聞くことが出来ません。

江戸: あ、あぁ、まぁ……

菊木: 通常では絶対に聞くことが出来ないこと、迫ることが出来ないこと。そこへ私、菊木萬太郎が切り込んでいくのがこの番組「菊木萬太郎の根掘り葉掘り」なんですよ。

江戸: ……な、なるほどなぁ。

菊木: それでは今一度お聞きします。他の時代の皆さんとのご関係はどうなんでしょうか? やはり冷え切っていたりするんでしょうか?

江戸: と、とんでもないよ菊木さん。もうね、仲が良いって有名なんだから。我々日本の時代というのは。

菊木: そうなんですか!

江戸: そうだよ。俺はね、もう昭和さんとはマブだから。

菊木: (笑)

江戸: もうガッツンガッツン。ほら、俺と昭和さんは養成所の同期だからさ。

菊木: 待って待って(笑)。

江戸: 大御所相手に「待って待って」はダメだろ君(笑)。

菊木: 待って待ってと言わせてるんですよ江戸時代さんが! なんですか養成所の同期って!

江戸: それはだから! 人間の皆さんに分かりやすく言い換えて説明してるの! 我々時代目線というか、時代の感覚をそのまま話した所で、何も伝わらないから分かりやすく変換してるんですよ! じゃねぇや、変換してるんだよ!(笑)

菊木: すみませんでした、どうも(笑)。ではもう、分かりました。もう疑問にも思わず、このまま最後まで行きます。……えー、昭和さんとは同期(笑)。

江戸: 何を笑ってるの?

菊木: すみません。それで、昭和さんとは養成所で同期ということですが……

江戸: いやね、昭和さんは苦労人でね。ま、人じゃないけども。とにかく苦労してる方でね。養成所に入ったのは同じ時期で。時代というものの勉強をしながら、互いの夢をよく語り合ってたんだけど、ちょっと身内に不幸があってね。少しお休みしてた時期があって、時代としては俺のほうが先にデビューしちゃったわけなんだよ。

菊木: それで江戸時代さんのほうが先になったんですか。ということは明治時代・大正時代のお二方は昭和さんよりも後輩だったということですか?

江戸: そうそう。普通にいけば昭和さんが明治になる予定だったんだよ。もちろん、昭和さんが江戸で、俺が明治になる可能性もあったわけだけども。

菊木: 昭和さんはかなり長い間お休みをしてらしたんですね。

江戸: そうだね。でもね、昭和さんは偉いよ。後輩の明治・大正が先に活躍していくのをさ、自分のことのように喜んでたからね。

菊木: あぁ、何か想像できますね、その感じ。

江戸: そうだろ? 本当に心の優しい方でね。だから無名時代の昭和さんを見てて、あぁこれは一時代を築きあげるぞと思ってたなぁ。

菊木: ……時代だけに「無名時代」って上手いこと言ったなって思ってます?

江戸: (笑)

菊木: いやあの、思ってますか?

江戸: なんだ、思っちゃいけないのか?

菊木: (笑)

江戸: 良いだろ別に心で思うくらい! 変なとこばっかり拾ってさ(笑)。

菊木: いやだって江戸時代さんが「拾って」みたいな雰囲気を出したんじゃないですか!

江戸: 出した、出したよ! 出したけどさ、随分と冷たい拾い方だったじぇねぇか!

菊木: (笑)

江戸: 「いやぁ江戸時代さーん、上手いこと言いますねぇ」で良いだろ(笑)。「上手いこと言ったなぁって思ってます?」って突き放したろ? 肩のところをグッと手で押したろ!

菊木: でも……

江戸: でももヘチマもへったくれもないんだよ(笑)。

菊木: いやあの、その明治時代さんや大正時代さんとの仲はどうだったんですか?

江戸: ん? 何が?

菊木: (笑)

江戸: 何を笑ってんの?(笑)

菊木: 仲が悪いんじゃないですか!

江戸: 悪くないよ別に! 大正時代君となんか一杯やったばっかりだからね。しかも店で飲んだんじゃないよ? 大正君の家にお呼ばれして、語り合いながら一献いっこん傾けたんだから。

菊木: あっ、そうだったんですか! 今でも交流なされていると。なるほど…………

江戸: …………

菊木: 明治時代さんとは?

江戸: ……いや別に。

菊木: 仲悪いんじゃないですか!

江戸: 悪いよ! 明治と平安とは仲が悪いんだよ、俺は!(笑)

菊木: 平安時代さんとも悪いんですか!?

江戸: あん? 気が合わねぇんだよ、平安さんとはよ! 国風文化だなんだか知らねぇけどさ、口開きゃ俺に「粗暴よのぉ」だ「粗雑よのぉ」だの! お前は本当に国風文化のあった平安時代なのかこの野郎ってなるんだよ、会うたびによ!

菊木: そんなに悪いんですか!? 仲良くしてくださいよもう! 明治時代さんとはどうして仲が悪いんですか?

江戸: えぇ? あれだよ、幕末の時期だよ。大政奉還だ王政復古の大号令だで、大騒ぎになってるときに俺の所へフラッと来たかと思ったら「江戸兄さん、これからは文明開化、私の時代ですよ」とこうだぞ! 遠回しに「お前は時代遅れのバカなんだよ」って言ってんだよアイツは!

菊木: 本当に明治時代さんが言ったんですか?

江戸: 言ったよ! それで「なんだお前バカにしてんのか」って俺と明治がピリついてよぉ。まぁ、むろさんが間に入ってくれたから収まったけどよ。

菊木: 室さんて、室町時代さんですか!?

江戸: そうだよ! 室さんが間に入ってくれてなきゃ、江戸と明治の取っ組み合いが始まってたよ。まったく明治のやつ……

菊木: ま、まぁ良きライバルということで……

江戸: いや、ライバルというかね……

菊木: 質問を変えます!

江戸: あっ、良い判断。それは良い判断。もうね、俺の株が下がりっぱ(笑)。

菊木: ではお聞きしたいんですけど、ライバルという言葉なんですが、これは英語ですよね?

江戸: 同意を求めた質問ならその通り。英語だね。

菊木: やはり黒船来航ということもあり、英語はある程度……

江戸: そりゃ流暢りゅうちょうとはいかないまでも、多少は出来るよ。それでやっぱり菊木さんたち皆さんの発音がどうにも気になっちゃうわけなんだよね。

菊木: やはり日本人の発音になってますか?

江戸: なってるねぇ。例えば「インタビュー」という単語。

菊木: はい、インタビュー。これを本場の発音で言うと……

江戸: ウィンラビュー。

菊木: (笑)

江戸: (笑)

菊木: 明治時代さんの言う通りだと思います(笑)。

江戸: なんでよ! なんでよ!(笑)

菊木: ウィンラビューがまかり通ると思ったら大間違いですよ(笑)

江戸: まかり通るも何も、本場の発音だからなぁ(笑)。

菊木: それじゃ江戸時代さん。いまこれテレビカメラで撮影しているわけですが、カメラという発音も……

江戸: モチのロン。全然なってないね。言ってあげようか?

菊木: 是非お願いします。

江戸: んんっ。……キュルメェラ(笑)。

菊木: 自分で笑っちゃってるじゃないですか!

江戸: 笑ってないよ!

菊木: 今もうキャラメルって言いましたよね?

江戸: 言ってない言ってない。キャメラって言ったよ、俺は(笑)。

菊木: なにをしれっと修正してるんですか!

江戸: ちょっとやり過ぎたかなって……

菊木: 発音のやり過ぎ?

江戸: (笑)

菊木: 発音のやり過ぎ?

江戸: 二度聞くな! まったく……そういえばそうだ、西郷どん。

菊木: また切り捨てるようにして話題を変えましたね(笑)。

江戸: 違う違う、話題は変えてないよ。これも発音の話。

菊木: あっ、そうでしたか。それにしても西郷どんで発音とはどういうことなんですか? やはり方言の発音ということでしょうか?

江戸: 方言じゃなくて「西郷隆盛」自体の発音が間違ってるんだよ。最近、またバカの一つ覚えで「西郷どん西郷どん」言ってるけどさ。

菊木: 江戸時代さん、辻斬りに遭いますよ?

江戸: (笑)

菊木: 世間の流行りに対して「バカの一つ覚え」なんて酷いこと言ってたら、あっさり辻斬りですよ(笑)。

江戸: 「バカの一つ覚え」の言葉一つであっさり辻斬りしにいく奴のほうが酷いだろ!

菊木: (笑)

江戸: いやだから、西郷隆盛の発音がなっちゃいないって言ってんの俺は。

菊木: 本来はどういった発音なんですか?

江戸: 西郷トゥクモァリィ。

菊木: ………………

江戸: えーっと、おい西郷どん、鍋のシメはどうするんだい? もちろん最後うどん!

菊木: ……せめて笑いを取るならまだしもね。

江戸: (笑)

菊木: トゥクモァリィでいまひとつだったもんだから、西郷どんダジャレって(笑)。 しかもそれもいまひとつというね(笑)。

江戸: 申し訳ない! ただなんか西郷さんをバカにしたみたいな感じになっちゃって……

菊木: 「最後うどん」発言で、鹿児島県の皆さんはおそらく立ち上がりましたよ?

江戸: それはもう、俺も感じているから。いま南のほうの温度がグッと上がったもの。

菊木: (笑)

江戸: ものすごくね、熱いものを感じるよね。またね、熱源は確かに南なんだけど、流行りということもあってか他の方角からも感じるよね。なんだろ、熱さと同時に鋭さも感じるね。

菊木: 鋭さもですか!?

江戸: 感じる感じる! こうなったら現実味を帯びてくるもの、辻斬り(笑)。

菊木: 最後うどんなんて下らないことを言うからですよ(笑)。あっ、ちなみに坂本龍馬の発音はどういった感じなんですか?

江戸: そんなんアレだよ、坂本ドラゴンホースとか……(笑)

菊木: 知りませんよ本当に! そんなんだとか、ドラゴンホースだとか……

江戸: 何が(笑)。

菊木: 何がじゃないですよ! 九州のみならず四国の方々をも敵に回しましたからね(笑)。最後うどんに坂本ドラゴンホースは無いですよ。西郷さんと坂本さん達は新時代の幕開けを担った方々なんですから。

江戸: 俺はそいつらに幕を降ろされた方なんだよ!

菊木: そうでした……(笑)。

江戸: 仲が良いわけないだろ(笑)。そりゃ幕府のまつりごとは空回りで、諸外国との関係もあって、倒幕運動にはなるだろう思ってたけどさ、ハッと気がついたら「江戸兄さん、これからは文明開化、私の時代ですよ」で明治時代だよ。俺は悲しいよ(笑)。

菊木: 確かにそうですよね。歴史を一つの視点から、一つの勢力目線からしか見ないというのは、おかしな話ですものね。

江戸: そう、勝てば官軍になっちゃうからね。

菊木: それでは江戸時代さん。

江戸: なんですか改まって?

菊木: そろそろお時間なので……

江戸: えっ、もう? じゃあ最後ぐらい大御所キャラやめても……

菊木: もちろんです。

江戸: あっ、それでは、大御所キャラはこのあたりで……

菊木: まあ、あの、今回はですね。始めに言いました通り、皆さんが知っている以外の江戸時代さんを、ということで話をしてきました。

江戸: 本当にどうでもいいようなことについて話しましたね。

菊木: ただやはり、今回だけでは時間が足らないわけです。もっともっとお聞きしたいことがありますから。

江戸: そうですね。私もやはり話し足りないところがありますね。江戸中期の話もしたいですし、OED35の話もしたいですしね。

菊木: オーイーディー?

江戸: そうですOEDです。

菊木: サーティーファイブ?

江戸: はい。OED35っていう元号アイドルが最近出来ましてね?

菊木: なんですかその面白そうな話は! 事前に調べた時にはそんな情報ありませんでしたよ!?

江戸: おとついですから、結成が(笑)。もっと江戸時代を知ってもらおうということで、バカの一つ覚えで流行りに乗っかりまして(笑)。

菊木: (笑)

江戸: 昭和さんと平成君にアドバイスもらいまして。「あえてこのタイミングでパロディを出せば、流行りに乗り遅れている寂しい感じも出せて、それはもう注目されますよ!」って平成君が言うもんですから(笑)。

菊木: いや、アイドル作らなくても十分に注目されていると思うんですけどね、江戸時代さんは(笑)。

江戸: いやぁ、可愛い後輩のアドバイスなんで、やってみようかなと(笑)。

菊木: なるほど……あっそれで、今回では時間が足らないので、またお呼びします!

江戸: あら! いやぁ嬉しいですねぇ!

菊木: その時はですね、また違った角度から江戸時代さんに迫りたいと思っています!

江戸: はい、楽しみにしております!

菊木: では最後にですね、江戸時代さんから現代に生きる皆さんへ何かお言葉を頂戴したいのですが。

江戸: 分かりました。えー、まぁ人類の皆さんはですね、未来に向かって歩き続けているわけですが、今こそ振り返るべきだと思っております。ただしこれは、過去を振り返るという意味ではありません。
 皆さんは人類史という道を歩いています。前が未来。後ろが過去。そして歩き続け、常に動き続いている足元が現在です。まだ見ぬ未来を夢見て、前向きに歩いていることと思います。ですが、皆さんは前向きに歩いてはいません。皆さんは未来に背を向け、後ろ向きに歩いているのです。

菊木: …………

江戸: 過去の栄光にすがり、過去の過ちに翻弄され続け、背のほうから唐突に現れては去りゆく「今」を過ごしているのです。今こそ、人類の皆さんには未来へと振り返って欲しいのです。過去を忘れるのではなく、過去を背負うのでもない。過去を知り、歴史を受け入れ、その上で未来へ向かって振り返る。しっかりと未来を、前を見つめ、力強く進んでいって欲しいのです。
 もちろん、山あり谷あり。平和な世界という未来への道は長く険しいものかもしれません。歩き続けても、景色が変わらず、平和な世界へ近づいているのかと不安になることもあるでしょう。そんな時にこそ、過去を思い出し、先人たちの知恵と勇気と共に、また一歩一歩と歩いていけばいいのです。
 私、江戸時代を始め、いままでの時代や歴史たちは、人類の真の平和が実現するよう、切に願っています。本日はどうもありがとうございました。

菊木: …………本当の思いを話してくださるとは思ってませんでした(笑)。

江戸: あれ? 違いました? あっ、そういう感じの「お言葉を頂戴」じゃないんですね(笑)。

菊木: いえいえ! ようやく江戸時代さんらしいお話を聞くことが出来ました!

江戸: ただ、次に呼んでもらった時のシメの言葉はもう無いですよ(笑)。

菊木: また新しいのを考えておいて下さい。

江戸: 厳しい(笑)。それは厳しい(笑)。

菊木: では江戸時代さん、本日はどうもありがとうございました!

江戸: あ、いえ、こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました!

菊木: 本日のゲストは現代日本文化の礎・江戸時代さんでした!

江戸: 皆さん、どうもありがとうございました。

菊木: さて番組をご覧の皆さん、次回はこの菊木萬太郎がアナタの事を!

観客: 『NEHORI!』 『HAHORI!』

菊木: 聞いちゃうかもしれませんよ。それではまた次回、ごきげんよう! さよなら!
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