人柱皇女はキスをねだる(R18)

彩葉ヨウ(いろはヨウ)

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大切

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「おはようございます。」
「…おはよう。ゼノ。」

いつも通りに挨拶をすると、リアは少し様子が違っていた。

「…どうした?」
いつもの様子と違うリアに、俺は心配になって声をかける。
「っ。あの…昨日…」

顔を赤らめて俯く彼女は昨日のことを聞きたいようだ。

「大丈夫です。私が着替えさせた訳ではなく、カミーリアが服を着替えただけですので。」

カミーリアに言われていたように、俺はリアを安心させる為そう告げた。
しかしリアはそこを心配しているわけではなかったらしい。

「っ。着替える何かをしたということなのかしら…?」

ジッと見つめられれば、俺はシャノン卿のように上手く誤魔化すことは出来なかった。

「…。」

「もしかして、ヤっ__。」
「ってはない。」

何を言われるか分かった俺は被せてそう答えた。




「っ。悪い。
確かにカミーリアにはそれが一番の方法だと言われたけど…

俺はとしたいから…」

何だか恥ずかしくなっていき、だんだんと声が消えた。




「それじゃ…なら、してくれるの?」

俺の目の前に来た赤く染まる彼女は、そう言って背伸びをしてくる。

そうして俺の唇に自身の唇を重ねた。

「っ。」

正直言って今すぐヤりたい。
シャノン卿は俺を菩薩と言っていたが、俺だってリアを前にすればただの男に過ぎないのだ。

「リア…」
ゆっくりと彼女を抱きしめ、唇を重ねる。するとすぐに彼女から舌が絡められた。

「ん…。」
 そっと唇を話せば、視線が交わる。

リアからの承諾を得ることができ、シャノン卿からも餞別を受けている俺は、リアをベッドへと押し倒した。


何度もキスを交わし、ドレスの裾から手を這わせる。

すべすべとした肌に触れれば、俺の心臓は高鳴るだけだった。

やっと触れることができた。

近くにいるだけでドキドキしていたのに、数ヶ月で触れてもいい関係になれるなんて…


「んっ…」
息遣いが色づき始め、俺は更にキスを深めた。






するとコンコンと扉を叩かれた。

「っ。」
「ま、待って!」

ベッドに倒れているリアを起き上がらせ、俺はいつもの位置へとついた。

失敗した。今は朝なのだから誰かが来てもおかしくはないのだ。

「どうぞ。」
リアの声で扉が開かれた。

すると申し訳なさそうな顔をしているシャノン卿がいた。

「…タイミングが悪かったようで申し訳ない。」
言いづらそうに口元を隠し、そう言われた。何をしようとしていたのか筒抜けだと分かりリアは顔を真っ赤にしている。


「何の御用でしょうか?」
邪魔された俺は怒りを抑えるので精一杯だ。

「いや、昨日の暴走の話をしようと思ってな…」

それは俺から声を掛けたことだったので仕方ないと我慢する。


「カミーリアを呼べるか?」
シャノン卿がリアに確認するとリアは首を傾げた。

「分からないわ。昨日暴走したばかりだし、ちゃんと出てこれるだけの条件が揃っているのか…

1度やってみると分かるのだけれど。」

リアはチラリと俺を確認する。
睡眠剤を持っているのは俺なのだ。

「意識が遠のくと危ないので、ベッドに座ってください。」

そう言って俺はカミーリアに貰った薬を取りだし、俺の手で一粒リアの口に押し込んだ。

それを驚いた顔で受けるリアはみるみるうちに赤くなっていく。

「…さっきの続きはまた、夜にでも。」
耳元で囁くとリアは恥ずかしそうに眉を顰めている。そしてギュっと胸元で手を握りしめながら小さく頷いてくれた。


それを満足気に見ながら、俺は口に水を含んでリアに口移しをする。

「っ。んん…」
ごくんと薬が降り、俺はペロリと口を舐めた。

薬はすぐに効く。
何か言いたそうにしていたリアだったが、薬に負けてそのままベッドへと倒れ込んだ。

「ゼノ。そういうことをするなら
すると言ってくれ…」

頭を押さえたシャノン卿は心臓に悪いと言うのだ。先程邪魔された俺は小さな仕返しをできて怒りが収まるようだった。


「…カミーリア。」
そう呼ぶとすぐにリアの体は赤い目を開いた。

「今ので少し長く留まれそうだわ。ありがとう、ゼノ。」

カミーリアはいつものようにリアの体で俺にお礼を言う。

「昨日助けてもらったのにすぐに呼び出して悪い。」


「凄いな。本当にカミーリアが何度も出てこれるなんて…」

「それだけゼノの想いは特別なのよ。しかもヴィクトリアと想いが通じあっているのだから相性がいいの。

でも、時間は限られているのだから、私を呼んだ理由を聞かせてもらいたいわ。」



「ああ。昨日の暴走の理由を考えてみたんだが、カミーリアなら分かるかと思ってな…

俺が騎士をしていた時今までの暴走は想いが足らないために起こっていたんだ。

ゼノが専属騎士となってからはこれが初めて。

ゼノの想いは変わらないのだから、変わるとすれば…」

「……2人の欲求…かしら。」

何やら2人でどんどん話が進んでいく。


しかし、頭の弱い俺は静かに聞いているだけだった。

「ああ。私もそう思ったんだ。
想いが強くなったことで、欲求も強くなり、その欲求が満たされなくて暴走したのではないだろうか。

今までにそういうことはあったのかと聞きたかったんだ。」

「400年の間でほぼないわ。
普通なら押し倒しちゃうものでしょう?」

「……そうか。その時間も取るべきだよな。」

「週に一回は同じ部屋で眠るとか許可しない限り、きっと菩薩は動かないわよ。」

なんだか俺の悪口が言われているような気がするが、俺は2人の会話を邪魔しないように椅子に座った。

「ゼノ。お前はヴィーを抱きたいと思うか?」

何を分かりきったことを聞くのだろうか。抱きたいに決まっている。
そう思ってコクンと頷いた。

「その気持ちがきっとヴィーにもある。だからそれが満たされないが為にカミーリアが暴走したのだろう。



…だからヴィーを抱いてくれ。」

俺は唐突のその言葉に耳を疑った。
「…は?」

「何も気にしなくていい。時間だって作ってやる。」

俺はその言葉にイラっとしたが、そのままため息と共に吐き出し、口を開いた。


「……言いたいことは分かりましたが、仕事でリアを抱くことはしたくありません。
俺は俺の想いを伝える為にリアを抱きます。だからそんなことをリアには絶対に伝えないで下さい。」

仕事で仕方なく抱くなんて思われたくはない。



「…ふふっ。やはりゼノはヴィクトリアのことが1番のようね。」

「当たり前です。
国も大事ですが、今の俺にとっては何よりもリアが大切なのです。」

ジッとシャノン卿を見れば、シャノン卿は額を押さえて口を開いた。

「すまなかった。言葉を考えるべきだったよ。
国のために抱けと言われたらそりゃ嫌だよな。」

「ええ。それが必要なことは分かりましたが、絶対にリアには伝えないで下さい。」

「…ああ。約束する。悪かった。」


「本当。肝心な時に女心が分からないから、今まで上手くいかないのよね。」

カミーリアはシャノン卿に哀れんだ視線を送ると、シャノン卿はグッと息が詰まっていた。

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