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185 小さな猛者
進み出た男は、見覚えがある。ラザクが、鍵束を奪った牢番の……そこで、ハッとした。
鍵束があるはずの場所へ手をやって、顔色を変えた男が方々をごそごそやっている。
なんだ、大丈夫だ。ラザクが牢にいる限り、向こうは手を出せない。
もしや……あの子ザルはそこまで考えて?
「……なワケはねえな」
ひとまず助かった。怒鳴り合い始めた男たちを尻目に、可能な限り隅に縮こまって安堵の息を吐いた時。
「ぐあっ?!」
「なん、だコイツ?! あ! おいっ、鍵!!」
思わず飛び上がって、格子に駆け寄った。
金属音を響かせながら扉の向こうへ消えた、小さな生き物。追う男共。
そして、うずくまった二人。じわじわと、その足元から赤い染みが広がっていく。
「や、やりやがった……あの猿!!」
すり抜けざまに小さなナイフが閃いたのを、確かに見た。そして、鍵束を持っていたのも。
「あの猿……!!」
「クソが」
狙ったのか、たまたま手の届く範囲だからか。子ザルが斬りつけていった足首の後ろは、随分と移動に制限がかかる場所。
ようやく立ち上がった二人が、目をぎらつかせながら足を引きずっていったのを見て、ラザクはごくりと唾をのんだ。あぶねえ……今、牢から出ていたらフツーに死んでた。
憂さ晴らしに消えていた儚い命を思って、額の汗を拭う。
まあ、あの少女はこんな悪党の巣窟で脱走したところで、いずれ見つかるだけだ。せいぜい、乱暴な目に遭わないようにと、願ってやるくらいしてもいい。
「しっかし、リトへの手土産になると思ったのによぉ……」
惜しい事をした。少女がいれば、リトは歓喜感涙、俺様を崇め奉って感謝するに違いない。何なら、この厄介な契約を解除できたかもしれないのに。
鍵束が行方不明になった以上、ラザクはもう、安全なこの地で衛兵を待つしかない。
「ひとまず、俺様を巻き込むんじゃねえ! とっととどっか行け! 俺様は、あの子ザルと何ら関係ねえから」
さっきの男たちの剣幕を見て、ラザクはそう言って木箱の影を睨みつけると、牢の中で横になった。
途端、またしても隣の牢から響いたド派手な破壊音に縮こまって藁布をひっ被る。
な、なんだ……?! 何か、恐ろしいものがいる。
「……クソッ」
息をひそめたラザクの耳が、散々聞いた言葉と声を拾った。
まさか。
◆
「――てめえが、セイリアを知ってるだと?」
「セイリア、どこ?!」
リトが、スッと目を細めた。
胸ぐらを掴まれたラザクが、滝のような汗を流しながら、必死にリトを見上げている。
なんだか汚くなっているけれど、無事のよう。なんというか、しぶとい男だ。
「選べ。今すぐ情報を寄越して俺と行くか、テキトーな嘘吐いて沈むか」
「何でも言いますぅう~!! 最初から! 俺様そのつもりぃ!!」
ジタバタするラザクに気を取られていると、ほんの少し空いた扉の隙間から、何かが私に向かって飛び込んできた。
「きんたろ?! どうちて、せちゅぞく切ったの。りゅー、心配ちた」
荒い息を吐いて弾む小さな体を、ぎゅっと抱きしめた。怪我は、してないだろうか……。
パンとの共同戦線で、無事ラザクにくっついて侵入したキンタロ。だけど、こちらへ集中するために一旦接続を切った後、再接続できなくなってしまった。
良かった。召喚獣だから……送還を選べばきっとひどい目には遭わない。そう思ってはいたけれど。
「あむないこと、しただめ」
きっと、そういうことだろう。私が止めるだろうことをしたのだろう。
激しかった息遣いが徐々に落ち着いて来たところで、撫でていたキンタロはことんと頭を落としてふにゃふにゃになった。
……寝てる? 活動レベルを完全に落とした。きっと、もう魔力が足りないのだ。それほど、この小さな身体で頑張ったのか。
「あのガ……じゃなくってお嬢さんはぁ、俺様がしっかりと助け出して守り抜いてぇ――」
「魚の餌がいいみたいだな」
「いやあぁあ!!」
ぐっとラザクの足が持ち上がった。
もう、それよりキンタロの記憶をさかのぼって探す方が早いのでは。
そう判断して目を閉じて。
「あ、あの…………」
その声は、案外近くから聞こえた。
◆
全神経を集中したラザクの耳に届いた、こんな空間にあまりに場違いな清涼剤じみた、高い声。
「ガルー、あきやめてない! りと、走って!」
カッと目を見開いて跳ね起きた。
……しかし、ラザクが呼びかけるよりも、リトの動きは速かった。
「ま、待っ……て?」
上げようとした声が、案外近くにいた男たちの怒号で尻すぼみになる。
どうする? 一か八か、叫ぶか。しかし、それでリトが素直に助けに来なかったら。
分が悪すぎる。舌打ちして唇を舐めた。
「い、今の、まさかリュウくんの声?! うそ、本当に?!」
「そうだ、そこのガキぃ! リト呼んで来い! 呼び戻して来いって!!」
「無理じゃない、あの凄い音が聞こえてる辺りでしょ? もうとっくに遠くに……あ、でも」
木箱の影から立ち上がったセイリアが、牢へ駆け寄って錠に手を掛けた。
「はぁん? 鍵は猿が――え?」
「ここの鍵と、いくつかの鍵は外してあるの。そうしろって言った気がして」
「猿が?!」
そんな馬鹿なことでも情報屋の嘘っぱちでも、ひとまず縋るが吉! 逃げる算段の速さには自信のあるラザクは、開いた牢からすぐさま飛び出した。
「こっち! 私はこっちから連れて来られたの。この牢、ぐるっと繋がってるんじゃない?! もしかしたら、リトさんに合流できるかも!」
「よっしゃ乗ってやらぁ、おらそのカギ寄越せぇ! 貴重な隠れ家ぁ!」
「あ、ちょっと?!」
少女の手から鍵を奪って走り出したラザクが、リトたちが走り去ったとは反対方向の扉を開けた、瞬間。
扉の向こうから、何かがラザクの顔面を蹴って、セイリアの腕の中へ飛び込んだ。
「ぎゃあぁ?!」
「キンタロ! よく無事で……!! じゃあやっぱりこっちの通路は!」
キンタロが、すぐさま身を翻して先頭を走る。
「そっちね、分かった!」
「何その有能感?!」
2人と一匹は、全速力で狭い廊下を走り出した。
~~~~~~~~~~
AmazonKindleの短編集『りゅうとりと まいにち』セールは多分明日3/9まで!
ご入用の方はお見逃しなく~。
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「ぎゃあぁ?!」
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