嫁が浮気してたので俺は姿を消そうと思う

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

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第3話:証拠を押さえる

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 人ひとりが消えるっていうのは容易じゃない。簡単なようで簡単じゃない。引っ越しくらいならどこにだって行ける。北海道でも九州でも行けばいいだけだから。ただ、そこで生活をするとなると急に難しくなる。

 住民票を動かすみたいなバカなことはしない。そんなことをしたらすぐに俺の居場所なんて分かってしまう。妻なら夫の俺の住民票を合法的に取ることができる。住所が分かればすぐに来ることができてしまう。本当なら住民票は引っ越してから2週間以内に異動の手続きが必要だったのではないだろうか。それをしないのだから、この時点で「合法的」な生き方は今後の俺にはない。

 会社を辞めるのも難しい。今日言って明日から来ないなんてのは同じ職場の人に迷惑をかける。退職を申し出るのは法律的には2週間前、慣例的には1か月前ってのがいいだろう。でも、ここで何かしらの情報が妻に漏れて「会社を辞めるの?」なんて聞かれたら、そこから芋づる式に逃亡のことがバレてしまうかもしれない。

 しらばっくれればやり切れるかもしれないけれど、俺はそんなに器用じゃない。嘘も苦手だ。妻なら何かあると思うだろう。俺がなに隠しているだろう、と。多分追及されて、俺は全て話してしまう。それでは逃亡は実現しない。

●〇●

 俺は嫁の浮気の証拠を押さえることにした。俺だってバカじゃない。見切り発車で間違いだったらバカすぎる。ちゃんと確認して妻の浮気の証拠を押さえてやろうと思った。確定させてやる。

 嫁がパートに出る日に俺は有給を取った。彼女が午前9時からのパートに合わせて8時30分ごろに家を出た。俺は娘の面倒を見ることになっていたが、妻実家へ預けに行った。妻の実家は家から車で30分くらいの場所にある。嫁がパートに行くのは間違いないと思っているので嫁が家を出た直後に俺は娘を嫁の実家に連れて行った。可哀想だとは思ったが、娘は義理の両親のことが好きなので、まぁいいだろう。

 家を出てから約1時間後には妻が勤めているパート先に来た。中に入ったら妻に会ってしまうので、外から店内を見ると妻がレジで仕事をしているのが見えた。幸いスーパーの表面はガラスが多かったので中がよく見える構造だったのだ。

 建物の裏に回ったりして裏庭とか、事務所とか嫁と浮気相手が接触する場面が見れないかと思ったが、このスーパーは家から歩いても来れるほど近い場所にあり、こんな場所で俺が不審な動きをすることはできないと思った。

 15時のパート終了時間の後、嫁は着替えて15時10分にはスーパーの店内に出て来ていた。買い物をして帰るらしい。その後、嫁は買い物を終えるとそのまま家に帰った。この日は嫁に不審な動きはなかった。

 俺はと言えば、慌てて嫁の実家に娘を迎えに行き、娘を引き取ると家に帰ったのだった。浮気の証拠は素人では簡単に押さえるのは難しそうだ。
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