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第22話 私の殺意
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その夜、皆が布にくるまり、寝静まった後。
私は、ふと目を覚ましました。
旅立ってからは、慣れない環境のために、眠りが浅くなるのは度々経験のあることでした。
しかしながら……今回は、嫌な胸騒ぎがしたのです。
周囲の様子を窺うと、何者かが、誰かの腕を引いて連れて行くのが見えました。
腕を引いている人物は彼であり、引かれているのは少女達の中の誰かだと直感します。
少女の髪は、明るい色ではありません。
身長もそれなりにあるようなので、おそらく、ドロシーではないかと思いました。
私は、起き出して彼の後を追います。
彼の、ドロシーに対する態度を思い出せば、目的は明らかでしょう。
そんなことは、絶対に許せませんでした。
ドロシーは、大人に近付いているとはいえ、まだ充分な年齢であるようには見えません。
そもそも、今のドロシーは彼に支配されているのですから、自由な意思で男性に抱かれることなど出来ないのです。
最悪の事態に陥れば、私が助ける以外に方法がありません。
頭の中の「冷静な私」が考えます。
彼が少女を凌辱しようとした場合、力尽くで止めることはできるでしょうか?
不可能ではないが、難しい。それが答えでした。
何よりも、被害者である少女自身が敵に回ることが最大のリスクです。
しかし、少女は、彼に脱がされたり触られたりすることを嫌がるはずです。
ということは、彼に苦痛を伴う行為を強制されている少女には、周囲に対して気を配る余裕があるとは思えません。
やるのであれば、一切の躊躇を排除せねばならないでしょう。
少女に対する欲望に支配されている彼の後頭部を、石か何かで、全力で殴打する。
人を殺せるほどの攻撃魔法が使えない私には、それ以外に方法がありませんでした。
彼を殺したら、少女達も死んでしまうのに?
そんなの、私の自己満足ではないのか?
「冷静な私」が指摘します。
うるさい!
私の殺意は、もはや抑えられない!
絶対に後悔する。
そもそも、相手の少女が嫌がっているとは限らない。
彼に創られた人格なのだから、彼に抱かれたら喜ぶように創られているはずだ。
それがどうした?
私が殺したいから、彼を殺すのだ!
ミーシャ以外の少女には、既に抱かれた経験があるかもしれないのに?
だとしたら、なおさら生かしておくわけにはいかない!
やめておけ。
一生償えない罪を背負うことになる。
知ったことか!
先のことを考えて、人を殺す人間なんていない!
私の中の「冷静な私」は排除され、頭の中は、彼を殺すことでいっぱいになりました。
それでいいのです。後悔なんて、後ですればいい。
ミーシャ達だって、彼と共に死んでしまったとしても、きっと許してくれるはずです。
もはや躊躇はありませんでした。
なるべく足音がしないように注意しながら、彼がいる方へと近付きます。
木の陰から窺うと、彼は、ドロシーのことを後ろから抱きしめるようにしていました。
彼が手を動かすと、ドロシーは、苦悶するような声を出します。
詳しくは分かりませんが、彼女が嫌がることをしているようでした。
殺す……!
私は、その確固たる意志に基づいて、彼に気付かれないように近付きました。
慎重に……しかし、なるべく早く……。
絶対に失敗するわけにはいきません。
彼がドロシーを押し倒すまでに、なるべく距離を詰めて。
行為に及ぶ前に、なるべく大きな石を拾って、頭部を叩き割る。
私の中には、具体的なシミュレーションが出来ていました。
私は、ふと目を覚ましました。
旅立ってからは、慣れない環境のために、眠りが浅くなるのは度々経験のあることでした。
しかしながら……今回は、嫌な胸騒ぎがしたのです。
周囲の様子を窺うと、何者かが、誰かの腕を引いて連れて行くのが見えました。
腕を引いている人物は彼であり、引かれているのは少女達の中の誰かだと直感します。
少女の髪は、明るい色ではありません。
身長もそれなりにあるようなので、おそらく、ドロシーではないかと思いました。
私は、起き出して彼の後を追います。
彼の、ドロシーに対する態度を思い出せば、目的は明らかでしょう。
そんなことは、絶対に許せませんでした。
ドロシーは、大人に近付いているとはいえ、まだ充分な年齢であるようには見えません。
そもそも、今のドロシーは彼に支配されているのですから、自由な意思で男性に抱かれることなど出来ないのです。
最悪の事態に陥れば、私が助ける以外に方法がありません。
頭の中の「冷静な私」が考えます。
彼が少女を凌辱しようとした場合、力尽くで止めることはできるでしょうか?
不可能ではないが、難しい。それが答えでした。
何よりも、被害者である少女自身が敵に回ることが最大のリスクです。
しかし、少女は、彼に脱がされたり触られたりすることを嫌がるはずです。
ということは、彼に苦痛を伴う行為を強制されている少女には、周囲に対して気を配る余裕があるとは思えません。
やるのであれば、一切の躊躇を排除せねばならないでしょう。
少女に対する欲望に支配されている彼の後頭部を、石か何かで、全力で殴打する。
人を殺せるほどの攻撃魔法が使えない私には、それ以外に方法がありませんでした。
彼を殺したら、少女達も死んでしまうのに?
そんなの、私の自己満足ではないのか?
「冷静な私」が指摘します。
うるさい!
私の殺意は、もはや抑えられない!
絶対に後悔する。
そもそも、相手の少女が嫌がっているとは限らない。
彼に創られた人格なのだから、彼に抱かれたら喜ぶように創られているはずだ。
それがどうした?
私が殺したいから、彼を殺すのだ!
ミーシャ以外の少女には、既に抱かれた経験があるかもしれないのに?
だとしたら、なおさら生かしておくわけにはいかない!
やめておけ。
一生償えない罪を背負うことになる。
知ったことか!
先のことを考えて、人を殺す人間なんていない!
私の中の「冷静な私」は排除され、頭の中は、彼を殺すことでいっぱいになりました。
それでいいのです。後悔なんて、後ですればいい。
ミーシャ達だって、彼と共に死んでしまったとしても、きっと許してくれるはずです。
もはや躊躇はありませんでした。
なるべく足音がしないように注意しながら、彼がいる方へと近付きます。
木の陰から窺うと、彼は、ドロシーのことを後ろから抱きしめるようにしていました。
彼が手を動かすと、ドロシーは、苦悶するような声を出します。
詳しくは分かりませんが、彼女が嫌がることをしているようでした。
殺す……!
私は、その確固たる意志に基づいて、彼に気付かれないように近付きました。
慎重に……しかし、なるべく早く……。
絶対に失敗するわけにはいきません。
彼がドロシーを押し倒すまでに、なるべく距離を詰めて。
行為に及ぶ前に、なるべく大きな石を拾って、頭部を叩き割る。
私の中には、具体的なシミュレーションが出来ていました。
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